2020年07月30日

『ちっちゃくてかわいい先輩が大好きなので一日三回照れさせたい』

『乃木坂明日夏の秘密』と同時刊行を迎える 五十嵐雄策 先生の新作は、美少女ボイスを
持つ先輩を一日三回褒めるノルマを課した少年の努力と葛藤を描く照れかわラブコメです。
(イラスト:はねこと 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322002000164.html


毎日お昼に行われる、ソプラノ掛かった大人びた声の校内放送。“龍之介”は知っている。
その声の持ち主が放送部に在籍する華奢な先輩“花梨”で、普段はアニメ声であることを。
そんな彼女に対して一日三回喜んでもらおうと、心に決めていることが彼にはあって──。

先輩に対して真摯に、嫌味に感じることなく、正直な気持ちを伝える“龍之介”の姿勢は
実に好感が持てます。その言葉を受け止める“花梨”のバリエーション豊かな照れ具合に
思わずニヨニヨしてしまいます。それを描く はねこと 先生の挿絵がまた絶妙なもので。

“龍之介”の言動が周囲にも波及していく様子も注目しつつ、彼がその行動に至った理由
も理に適ったものがあるのであわせて見てもらいたい点です。実は“花梨”にもある悩み
と決意があります。これがまた印象深くエピローグで心温まること間違いなしの一作です。

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2020年07月29日

『はじらいサキュバスがドヤ顔かわいい。(4) ……だいすき。』

旭蓑雄 先生が贈る恋に悶えるサキュバスラブコメ。第4巻は“夜美”が管轄するという
夢見の街で行われる、嘘を後で無しにできる「欺瞞祭」にて“ヤス”が本音を晒します。
(イラスト:なたーしゃ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/hajirai/322001000036.html


男が苦手なサキュバスを集めた「対面搾欲苦手科」の子たちに、新しい搾欲方法を教える
立場となった“夜美”。その教材の一つとしてフィギュアを用意するために頼った原型師
“腐れユニコーン”が良い立ち位置で振る舞ってくれました。まさしくいい仕事してます。

「欺瞞祭」を口実にイチャつく“夜美”と“ヤス”の様子がこそばゆい。それでも2人が
好き合っていると認めない様子を見かねた“グリム”や“リリィ”、そして“アキラ”が
彼に対して思い思いに指摘する内容が優しさにあふれていて実に心温まるものがあります。

「怠惰の悪魔」言及するくだりがあったり、百合要素を取り入れていたりと押さえる所を
逃さないあたりもポイントが高い。素直じゃない“夜美”と“ヤス”、共に好転の兆しが
窺えるエピローグからどう展開していくのか。“オトギ”の思惑も含めて注目したいです。

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2020年07月28日

『悪役令嬢(ところてん式) 1』

なみあと先生の「第1回ノベルアップ+小説大賞・ノベラ賞」受賞作。乙女ゲームの悪役
令嬢となったゲーマー大学生と主人公キャラへ押し出された元令嬢の受難の話を綴ります。
(イラスト/志田 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjnovels/lineup/detail/251.html
https://novelup.plus/story/967027280


サークルの後輩に勧められた乙女ゲームを始めたらその悪役令嬢となっていた“コノミ”。
作中の主人公「オリバー」の中の人となった“アイリーン”に詰め寄られるが理由は不明。
“コノミ”はゲームクリアが鍵と信じ「オリバー」のハッピーエンドを目指すのだが──。

困惑する“アイリーン”を他所に、効率厨ゲーマーである“コノミ”が色々と画策するも
豪快に予定調和を崩していく展開がまず面白い。協力者である“ウィン”の肝が据わった
言動もお気に入り。ミステリー要素を織り交ぜてくる辺りも先生らしい構成で見所の一つ。

“コノミ”に振り回されながらも次第に機微の変化を見せる“アイリーン”に愛着も湧き
ますし、ゲーム世界と現実世界との距離感が「いつか来る終幕」を見事に演出して思わず
ホロリとする所も。ナンバリングしたからには次巻もお願いしますね! HJノベルスさん。

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2020年07月27日

『うちの作家は推理ができない』

『宝石吐きのおんなのこ』シリーズの なみあと 先生が「二見サラ文庫」から贈る新作は
現役大学生ミステリ作家が書く作品の解決パートを推理する担当編集者の苦労を描きます。
(イラスト:いつか 先生)

https://www.futami.co.jp/book/index.php?isbn=9784576201023

大学生と作家を掛持ちする“花壇”には悪癖がある。推理小説の解決パートを忘れる癖が。
担当編集“真琴”からすれば、毎度悪びれずに嘯く彼は売れっ子作家でも憎たらしい存在。
〆切を目前に控えた彼女は止む無く起承転結の「結」が抜けた物語の再構築を試みる──。

まずは なみあと 先生の新たな旅立ちをお祝い申し上げます。“花壇”が残した「起承転」
までのヒント、モデルになった人物や場所、そして何より彼の思考を読んで解決パートを
導き出す“真琴”には同情するばかり。そんな彼女と一緒に推理に挑む楽しさがあります。

なぜ“花壇”は忘れるのか。そこにある可能性を見い出すと憎たらしい彼の言動がやがて
微笑ましく思えるから不思議。“高山”が両者の関係を再評価する内容に愛すら感じます。
ほどよく謎解きを楽しんだ後に心温まる読了感が味わえる本作、オススメしておきます。

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2020年07月24日

『チアーズ!6』

赤松中学 先生が贈る汗と涙の青春活劇。第5巻はチア全日本カップに臨む“千愛”たちが
土壇場でのアクシデントにも負けず、晴れの大舞台で結果を残すために全力を尽くします。
(イラスト:こぶいち 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/cheers/322002002161.html


“ジェニファー”の出場停止措置に始まり、代役のカバーに伴う“舞桜”の負傷、優勝
候補との圧倒的大差と「チアーズ」にとって苦戦を強いられる展開のチア全日本カップ。
そんな中でも仲間を、勝利を信じる彼女たちのチアスピリッツに思わず目を奪われます。

レベルの高いチアの応酬が続くその舞台裏。“沙織”が直面した“百愛”失踪の真実と
今の状況。チア全日本カップ、という場だからこそ様々なチアがあることも見せながら
事態が好転するかどうか、“沙織”が届くか分からない流れも緊迫感が増す流れでした。

信じる心を力に変えて、逆転を狙う大技に挑む“舞桜”。それを受け止める“千愛”。
見事な着地点におさまってくれました。努力が報われる姿は胸の内が温かくなります。
『緋弾のアリア』の執筆も続く中で無事に迎えた完結を、心よりお祝い申し上げます。

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2020年07月23日

『異世界迷宮の最深部を目指そう 14』

割内タリサ 先生が贈る異世界迷宮ファンタジー。 第14巻は“ラスティアラ”と恋人同士
になった“カナミ”が女性陣に翻弄されながら「世界樹汚染問題」の依頼解決に臨みます。
(イラスト/鵜飼沙樹 先生)

https://over-lap.co.jp/%e7%95%b0%e4%b8%96%e7%95%8c%e8%bf%b7%e5%ae%ae%e3%81%ae%e6%9c%80%e6%b7%b1%e9%83%a8%e3%82%92%e7%9b%ae%e6%8c%87%e3%81%9d%e3%81%86+14/product/0/9784865546804/?cat=BNK&swrd=


“スノウ”の妬み、“ディア”の「私」が抱える嫉みすら受け止める“ラスティアラ”。
彼女と恋仲になった状況下で“スノウ”や“ディア”との距離感も留保する“カナミ”。
彼や彼女らの異常性を指摘できる“ラグネ”の言動が実は頼みの綱なのかも知れません。

「フーズヤーズ」の大聖都で“カナミ”を待ち受ける“ノスフィー”が何を仕掛けるか。
「世界樹汚染問題」の犯人とされる“ファフナー”の行動に制約をかけたり、街の人に
謎の魔法を掛けたり、敵か味方かも読めない程の振舞いに先が読めない不安が募ります。

“カナミ”が異世界から召喚された理由。様々な人の「未練」がこれまで描かれてきた
その意味を、現実世界で“陽滝”が彼に見せた笑顔のワケを、そろそろ見極めなければ
いけない時が迫っているように感じます。“陽滝”の思い描く未来から目が離せません。

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2020年07月22日

『異世界黙示録マイノグーラ〜破滅の文明で始める世界征服〜 2』

緑華野菜子 先生による漫画連載もスタートした、鹿角フェフ 先生の異世界ファンタジー。
第2巻は邪悪国家発展の鍵を握る龍脈穴を押さえるべく、“拓斗”が外交に乗り出します。
(イラスト:じゅん 先生)

https://gcnovels.jp/book/b662.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM00000023010000_68/


ユニット強化にも繋がるマナを大量に噴き出す龍脈穴。それをもつ街「ドラゴンタン」は
突然に発生し続ける蛮族に襲われ窮地の只中。原因究明に手を貸してほしいと白羽の矢が
立つ「マイノグーラ」にとっては棚から牡丹餅な展開。愛すべき愚か者“ペペ”には感謝。

今回、お世話係であり次期幹部として迎え入れた“キャリア”“メアリア”姉妹の死生観
を見抜いて優しく諭した“拓斗”。あの場面は彼の男を上げたと思います。過保護すぎる
様子に幼女ハーレムを築くのではと“アトゥ”に妬む姿を露にされるのはまだまだですが。

かの街の市長“アンテリーゼ”がまた同情するほどの苦労人で思わず応援したくなる存在。
姉妹を護衛するあのユニットに粗相してしまうのも致し方ない。英雄“イスラ”も合流し
更に勢いづく“拓斗”たちに襲いかかる予想外の敵に驚きつつ、続くその行方を待ちます。

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2020年07月21日

『むすぶと本。 『さいごの本やさん』の長い長い終わり』

『むすぶと本。 『外科室』の一途』と同時刊行となる 野村美月 先生の新作は本の声を
聞ける少年が、ある書店の閉店にまつわる本と人の縁を結び直すビブリオミステリーです。
(イラスト:竹岡美穂 先生)

https://famitsubunko.jp/product/322004000139.html


“水海”のバイト先「幸本書店」の店長“笑門”が不自然な死を遂げる。閉店が決まった
店にある日、見知らぬ少年が「誰が笑門さんを殺したの?」と話す姿を目撃する。店長の
遺言で書店にある本を任された、といういかにも怪しい彼と共に閉店フェアが始まる──。

「ぼくは本の味方です!」そう嘯く“むすぶ”は本の声を聞くことができる。実に眉唾な
話を“水海”が信じざるを得ない逸話が書店を、“笑門”を偲ぶ客と共に舞い込んでくる。
本に救われて、本ですれ違って、本に惑わされて、と切ない余韻が残る小編が続きます。

話の焦点が“笑門”と浅からぬ縁のある作家“田母神”へと移るとき、この書店が舞台と
なった意味が痛烈に胸を打ちます。すれ違ったきっかけも、それを解きほぐすチャンスも
本がもたらすというのが皮肉なようで有難くもあって。深く印象に残る一作でありました。

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2020年07月20日

『むすぶと本。 『外科室』の一途』

"文学少女"シリーズの 野村美月 先生と 竹岡美穂 先生が再びコンビを組んで贈る新作は
本の声を聞ける少年が、本にまつわる問題を解決していく学園ビブリオミステリーです。
(イラスト:竹岡美穂 先生)

https://famitsubunko.jp/product/322003000348.html


聖条学園に通う“むすぶ”には恋人がいる。美しく嫉妬深い“夜長姫”という本の恋人が。
物心つく頃から本の声を聞き、話すことができる彼はある日、駅の貸本コーナーにある本
から「“ハナちゃん”の所に連れて行ってほしい」と声を聞き手を差し伸べるのだが──。

“むすぶ”を気に掛けてくれる先輩“悠人”の助力もあって“ハナちゃん”を突き止める。
それだけでは話が済まない彼女の本に対する葛藤、想いの深さが伝わってくる、切なくも
心温まる小編から始まる本作。野村 先生の作品をまた読めているのだと実感が沸きます。

“まゆまゆ先生”の話には昨今の出版事情が透けて見えて心苦しいものを感じたりしつつ、
何かに、誰かに対する一途な想いが伝わる実に興味深い小編の数々でした。“夜長姫”と
“むすぶ”の愛もどこまで貫き通せるのか注目したい点ではあります。次が楽しみです。

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2020年07月18日

「好きなライトノベルを投票しよう!! 2020年上期」エントリー


楽園ノイズ
 【20上ラノベ投票/9784049131574】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187524340.html

数字で救う! 弱小国家(5) 勝利する者を描け。ただし敵は自軍より精鋭と大軍であるものとする。
 【20上ラノベ投票/9784049128932】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187300035.html

今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。 せんぱい、ひとつお願いがあります
 【20上ラノベ投票/9784040643236】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187117950.html

探偵くんと鋭い山田さん 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる
 【20上ラノベ投票/9784040646619】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187573579.html

継母の連れ子が元カノだった(4) ファースト・キスが布告する
 【20上ラノベ投票/9784041091647】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187389666.html

りゅうおうのおしごと!(12)
 【20上ラノベ投票/9784815605339】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187248402.html

わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)
 【20上ラノベ投票/9784086313568】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187224138.html

ヤンキーやめろ。メイドにしてやる
 【20上ラノベ投票/9784065187364】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187168204.html

プロペラオペラ(2)
 【20上ラノベ投票/9784094518344】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187324361.html

Unnamed Memory V 祈りへと至る沈黙
 【20上ラノベ投票/9784049128048】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187644994.html



◆ 好きなライトノベルを投票しよう!! - 2020年上期
 https://lightnovel.jp/best/2020_01-06/

posted by 秋野ソラ at 00:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル