2017年03月10日

『機甲狩竜のファンタジア2』

内田弘樹 先生が贈る戦車と竜が織りなす機甲幻想譚。第2巻は森に棲むエルフと彼女らが
持つ戦車と共に挑む遺跡の調査の中で“サツキ”がひた隠しにしていた過去と向き合います。
(イラスト:比村奇石 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321604000579


竜災期の到来に備え暴竜種の正体を探る手掛かりを求めて古代文明の遺跡「雲海の塔」に
同道するIV号駆逐戦車ラングとエルフたちの華々しいダンジョンアタックが・・・と思いきや
“カヤーク”から“サツキ”を追及する発言を前に“トウヤ”たちと共に困惑させられます。

そこへきて“フィーネ”の出自が明らかになると共に、背負わされた課題への解決に総員
手助けに回る・・・というか巻き込まれる感じがコミカル。更に“シェルツェ”が抱く想いの
変化と“ヨシノ”の変えてはいけない決意の対照的な機微が年頃の青春を描いてきます。

戦車の圧倒的な力を改めて目の当たりにすると共に、その上をゆくバハムートとどう対峙
するのか。そもそもバハムートとはどんな存在なのか。それが“サツキ”の過去にどう
関わってくるのか。エピローグの副題と挿絵が全てを昇華してくれたことに感嘆しました。

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2017年03月09日

『豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい』

カクヨムPV数NO.1を誇る、合田拍子 先生の「第1回カクヨムWeb小説コンテスト・特別賞」
受賞作。アニメの世界に嫌われ者の悪役として転生した少年が運命に抗う行動に出ます。
(イラスト:nauribon 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321611000756
https://kakuyomu.jp/works/4852201425154898215


熱血主人公“シューヤ”の活躍を描く大人気アニメ『シューヤ・マリオネット』。それを
熱狂的に支持する“俺”があろうことか巨漢の悪役“スロウ”に転生。訳あって問題児と
して振舞っていた豚侯爵の人生をアニメの知識を活かし別の道に進めるべく動き出す──。

ダイエットに励んだり、先生や生徒に適切なアドバイスをしたりと本来の“スロウ”には
見られない所作が物語の空白期間という状況を踏まえ「豚公爵」という悪名を変えていく
展開が心地よい。歴史の影の立役者である彼が表舞台に立とうとする活躍にまずご注目。

そんな“スロウ”に唯一残された従者“シャーロット”をはじめ、描かれるキャラクター
が魅力的で、それを nauribon 先生の挿絵が強力に後押しします。ホントにかわいいな。
「好き」と言いたい相手にふさわしい男になれるか、彼の努力を見届けたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年03月08日

『大国チートなら異世界征服も楽勝ですよ? 替え玉皇帝になったので美少女嫁も豊富です。』

『Digital Eden Attracts Humanity』を上梓した 櫂末高彰 先生が贈る新作は異世界召喚
ファンタジー。替え玉皇帝となった少年が敵だらけの帝国で物量を武器に圧倒していきます。
(イラスト:三上ミカ 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1512


先代皇帝を呪殺されたグロリア帝国。その宰相“ムツィオ”と魔法使い“パオラ”により
先代に似ているから、という理由で召喚された“常信”は内憂外患な帝国の実情を目にし
頭を悩ませる。どうすれば打開できるのか、考えに考え抜いた彼が導き出した結論は──。

“常信”が拒否した場合に備えてかけるはずだった従属魔法。その設定がちょいとエロい。
しかもその情景を 三上 先生に描かせるのだから思わず先生の同人誌を想起させられます。
あと“キャラ”の発明によってネットの概念が使えるのが話を動かすポイントの一つです。

内憂としての内政を改革し、外患としてチート無双の主人公キャラ“マサト”が仕掛ける
執拗なる策謀の数々を「大国だから」こそできる対応策で打ち返す応酬が最大の見どころ。
女性陣に囲まれてうらやまけしからん替え玉皇帝の快進撃を引き続き見てみたいものです。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年03月07日

『Q.もしかして、異世界を救った英雄さんですか? A.違います、ただのパシリです。』

『明日、今日の君に逢えなくても』の 弥生志郎 先生が贈る新作は現代学園ラブコメディ。
異世界を救った元英雄の青春学園ライフを突如訪れたぽんこつ女神が突き崩していきます。
(イラスト:フライ 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1510


級友の“隼也”にパシリをやらされている“識”は俯いているように見えてそこに青春を
感じる変わり者。そこへ彼に異世界を救ってほしいと訪れてきた神霊“フィーナ”が謎の
巨人に襲われる場面に出くわす。なぜか彼は臆することなく面倒そうに対峙するが──。

他にも救世の噂を聞きつけて、騎士“シオン”や生物学の権威“アーシェ”が“識”との
面会を果たしますが、当時の苦労が身に染みた彼はことごとく断る始末。しかも彼女らと
関わることで隠していた秘密も級友たちにバレて、人間関係も大きな転換期を迎えます。

本来の世界にいないことで実力を発揮できない3人の異世界人を、嘲笑うように登場した
魔王“エルヴィ”。彼女の所業に3人は手出しできないのか、“識”は不干渉を貫くのか、
それが話の焦点となります。素直じゃない彼の振舞いに最後まで楽しませてもらいました。

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2017年03月06日

『ゼロの使い魔22 ゼロの神話』

ヤマグチノボル 先生が描き続けてきた恋と冒険の異世界ドラマティックラブコメ。聖地に
辿り着いた“ルイズ”と“才人”が直面するハルケギニアと地球の危機に心揺れ動きます。
(イラスト:兎塚エイジ 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1515


“ヴィットーリオ”から告げられたある一族の秘密の過去と“才人”がいた地球との関係。
聖戦を望む意思に反対する“ルイズ”だが、ある事実を前に手を貸す苦渋の決断をする。
一方で“才人”は過去の“ブリミル”からある打開策について可能性を導き出すが──。

異世界に召喚される物語だからこそ無視することはできない元の世界との繋がり。それを
“才人”だけの問題とせず“ルイズ”たちも巻き込んで悩ませ考え抜いた先の結論として
行動させる展開は最後まで目が離せない緊張感がありました。最後の挿絵も最高でした。

若くしてこの世を去ってしまった ヤマグチノボル 先生の遺志を継いで代筆を引き受けた
作家の方に、そして英断した「MF文庫J」編集部に心からの敬意を。変則的ではありますが
こうして本作の完結を見届けることができたことを喜ぶと共に、御礼申し上げる次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル