2019年01月25日

『錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」』

高橋佑輔 先生によるコミック連載が始まる、瘤久保慎司 先生が贈るファンタジー冒険譚。
第3巻はあらゆる場所を都市化していくテロ集団と“ビスコ”らの意外な因縁に触れます。
(イラスト:赤岸K 先生 世界観イラスト:mocha 先生)

https://dengekibunko.jp/product/bisco/321807000010.html


突如現れては“ビスコ”らを退化した猿と侮蔑する“アポロ”。荒廃した今を過去の姿に
戻そうとする彼が起こす「全日本同時多発都市化テロ」、そして2028年なるキーワードと
錆やキノコといった要素が思いがけず繋がっていく話運びには何度も驚かされるばかりで。

騒動の発端から様子がおかしい“チロル”から色々と察したり、“パウー”のわがままに
応えてあげたりと“ミロ”の気遣いぶりに惚れます。真言も更にパワーアップしてますし
彼の成長ぶりが著しくて嬉しいです。もちろん大事な所は“ビスコ”がしっかりキメます。

“アポロ”が足をすくわれる契機となった「マナー」を大事にする心構え、その源にある
逸話から未来を受け継いでいく“ビスコ”らの姿が重なっていく描写は胸が熱くなります。
的場重工での一幕がまさかとんでもない引きを招くとは想定外。第二部も目が離せません。

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2019年01月24日

『幼馴染の山吹さん2 文学少女は文の上をゆっくり歩く』

道草よもぎ 先生が贈る青春ラブコメ。第2巻は再び現れた“小春”と青春ミッションを
目にする“灯里”と“喜一郎”が今度はとある文学少女を巡る物語に関与していきます。
(イラスト:かにビーム 先生)

https://dengekibunko.jp/product/yamabukisan/321810000110.html


「文学少女が望む理想の出会いを果たし、彼女の物語を完結させろ」ボードに書かれた
一文で“喜一郎”が思い出すのは、文芸部の文集に寄稿されていた“成実一木”の物語。
今回標的となる先輩の“瀬尾”に聞くと「“成実一木”は卒業した」と言うのだが──。

“瀬尾”しかいない文芸部。その部室を狙う創作研究部の“立河”と「少年少女の青春」
を描いた互いの作品を賭けて勝負することになる“瀬尾”は実体験がないと話が書けない。
よってあれこれと交際の真似事をする“喜一郎”とやっかむ“灯里”の様子が微笑ましい。

“瀬尾”と“立河”が対立する構図、その裏側にある真意。“瀬尾”がひた隠しにする
真実と青春ミッションが重なったとき、こそばゆい気持ちと切ない気持ちがこみ上げる
何とも小憎い“小春”の演出が深い余韻を残します。続きが出てほしいと切に願います。

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2019年01月23日

『エロマンガ先生(11) 妹たちのパジャマパーティ』

伏見つかさ 先生が贈る新たなる兄妹ラブコメディ。第11巻は恋人同士となったからこそ
互いの距離感に悩む“紗霧”と“マサムネ”。彼女の発案で色々な恋バナが見えてきます。
(イラスト:かんざきひろ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/eromanga/321808000002.html


のっけから“エルフ”の体を使ったアピールに焦りながら負けじと対応する“マサムネ”
には驚かされるものの“紗霧”から浮気の嫌疑を掛けられるのも致し方ない状況。怒りを
隠せない彼女を恋バナで機転を利かせて鎮めた「彼女」の策士ぶりが実にお見事でした。

修学旅行でするような恋バナがしたい。そんな想いを抱いていた“京香”に相乗りする
形で実現したパジャマパーティ。“京香”のちょっとダメな女の子っぷりに微笑ましさ
すら抱きながら様々な恋模様が窺える一夜の描写は必見。“ムラマサ”の前向きさとか。

思いがけない形で“紗霧”の“マサムネ”に対する愛情の深さを知った彼の迷走っぷり。
“紗霧”すら惑わせてあやしい人生相談に縋らせる彼の戸惑いを拭うことはできるのか。
2人の愛が試される結末と、そうは問屋が卸さない局面。続きが気になって仕方がない。

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2019年01月22日

『乃木坂明日夏の秘密(3)』

五十嵐雄策 先生が贈る次世代シークレット・ラブコメ。第3巻は“明日夏”と夏の思い出
を作るべく逢瀬を重ねる“善人”に、いよいよあの2人がお目見えする波乱必至の話です。
(イラスト:しゃあ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/nogisaka/321809000025.html


かき氷を作って、夏祭りに行って、そして海を満喫して。夏休みをこれでもかと堪能した
“明日夏”と“善人”。休みを明けて合唱コンクールでは更にその距離を縮める出来事に
遭遇する2人、特に彼女の彼に対する好感度が鰻登りになる様子が愛でたくて目出度い。

しかしながら“明日夏”に仕込まれていた予兆が白日の下に晒された時、彼女が劣等感を
抱いて育ってきたことに改めて気付かされるその様子を「アキバ系」という単語とそれに
対する考え方をもって示すあたりが実に本作らしい。見事なものだと感心することしきり。

長き時を経て様変わりした“裕人”に驚かされつつ、相変わらずな“春香”やメイド隊の
面々を見て懐かしさがこみ上げてくるのも、読み手として年を取った証左かと思うと実に
感慨深いものが。覚悟完了まで秒読みな2人がどこまで秘密を共有できるか、楽しみです。

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2019年01月21日

『七つの魔剣が支配するII』

えすのサカエ 先生による漫画化が早くも決定した 宇野朴人 先生が贈る学園ファンタジー。
第2巻は“ナナオ”や“オリバー”を倒そうとする人々を前にして2人が力を振るいます。
(イラスト:ミユキルリア 先生)

https://dengekibunko.jp/product/7-maken/321809000022.html


口絵でも描かれた寝起きの“ピート”が動転した様子。予想の範囲内とは言え、この世界の
特性には驚かされるばかりです。すぐに気付いて支援に回る“オリバー”のそつの無さにも
彼の経験豊富さが窺えます。・・・“ピート”を三人称で表記する際には迷いますね、これは。

箒という相棒選びでも驚くべき光景を魅せてくれる“ナナオ”。その様子から彼女の可能性
について思いを巡らせる“ピート”の言動がまた意味深長で気になりまくり。“ロッシ”が
学年内で暫定王者たる彼女にやっかみをもってアレを仕掛けてくるのも無理はないという話。

“ナナオ”や“オリバー”に次いで今巻でも意志の強さを魅せてくれた“カティ”。彼女の
粋な計らいで更に絆を深めていく6人の勇姿に自然と応援したくなる気持ちが募ってきます。
最後で見せた切り札、深刻さを増していく事態に驚きが隠せない。続きが待ち遠しいです。

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2019年01月18日

『蜘蛛ですが、なにか? 10』

馬場翁 先生が「小説家になろう」で公開していた迷宮サバイバル・ストーリーの書籍版。
第10巻は“D”との距離感を見定めようとする“白”が新たな力で暗躍する様を描きます。
(イラスト:輝竜司 先生)

https://kadokawabooks.jp/product/s12/321803001544.html
http://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_KS11000007010000_68/
http://ncode.syosetu.com/n7975cr/


“ソフィア”が抱く“姫色”に対する異常な執着心に読み手としても危うさを感じながら
「白」として力を付けつつある彼女が、その上をゆく存在たる“D”に従順するのか否か。
これを見届けるための巻と言ってもよい内容。分体の使い方が彼女らしくて興味深いです。

そんな最中で迎えてしまう「アリエル」としての“岡崎”先生と「鬼」としての“笹島”、
転生者の出会い。抱える想い、正義の姿すら変わってしまった2人を仕込んだのもアイツ
ということで実にえげつない。“姫色”があの態度を示してしまうのにも得心がいきます。

今巻では“魔王”が“姫色”に思いがけない支援をされたりする所から押されっぱなしで
更にはあんな決意表明を受けちゃうあたりの描写は漫談かと思われても仕方がないくらい。
救うのは“魔王”か、世界か。“姫色”が描く未来と現実の差異がどうなるか見ものです。

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2019年01月17日

『1/2―デュアル― 死にすら値しない紅』

森バジル 先生の「第23回 スニーカー大賞[秋]・優秀賞」受賞作。死んだ人間が一部機能を
失った代わりに特殊能力を得て蘇る近未来の世界で彼らを殺し直す者たちの活躍を描きます。
(イラスト:カスカベアキラ 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/dual/321808000422.html


偽生者、即ち生き返った人々を殺し直すための組織で職務を忠実に遂行していく“限夏”。
なのに、組織から紹介された新しい相棒“伴”は偽生者で「死」を失った不老不死の少女。
同僚が偽生者に殺された事件を追うべく組んだ相容れない2人は真相に辿り着けるか──。

“紗束”を殺した“琴崎”の存在と設定が物語を何度か動かしていく話運びがまず面白い。
彼女らを導く“友景”の常軌を逸した思想が見えるにつれて“伴”の不憫さが際立ちます。
「嫌いなものは月とセックス」、“伴”がそう断言するのも納得せざるを得ない状況です。

“伴”の気持ちを知らずに最初は突っかかる“限夏”が次第に彼女のことを思いやるよう
機微が変化していく様子を微笑ましく感じつつ、職務に忠実な理由が作品最大のギミック
となっている点も見どころで、ギリギリまで緊迫感を持たせた展開が印象に残る作品です。

posted by 秋野ソラ at 00:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル