2019年06月12日

『葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王』

一ツ屋赤彦 先生の「第24回スニーカー大賞・金賞」受賞作。数多の国が群雄割拠する大陸
で種族間の通訳の仕事を探す少年が豹人族の姫と出会い、王に至るまでの経緯を綴ります。
(イラスト:紅緒 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/budo-tairiku-monogatari/321903000007.html


豹人族の姫“シャルネ”は大国バツの王に嫁ぐことが決まっている身ながら、天真爛漫が
すぎて花嫁修業も身につかず世話役の“キリン”も手を焼くほど。流民団で大陸すべての
言語を喋れる“メル”は、ヒトの王との橋渡し役として彼女の教育係に抜擢されるが──。

“シャルネ”に対してヒトの言葉や習慣を覚えさせるために“メル”が手を打った方法が
思いのほか彼女に効いたようで、ロマンスの花咲く展開が微笑ましい。しかし、それすら
彼を抜擢した小国の王“エデル”の思惑の範囲内、という興味深い流れで話が進みます。

バツの王の人でなしぶりに“シャルネ”が反発したことで窮地に陥る小国を救う術として
“エデル”が選んだ“メル”がどう大国に立ち向かっていくか、これがまた魅せる展開で
読み終えた後も心温まる余韻を残してくれます。ぜひ続きが読みたい、お薦めの作品です。

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2019年06月11日

『14歳とイラストレーター7』

むらさきゆきや先生がイラストレーターのガチな日常を綴るお仕事コメディー。第7巻は
“水織”に誘われて突如Vチューバ―としてデビューする“悠斗”が業界の闇に迫ります。
(イラスト・企画:溝口ケージ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/fourteen/321810000837.html


“愛澄”は本当に男運も、女運も悪いという展開に。かつて“悠斗”が彼女に渡した指輪
について言及されてはいけない人に見られてしまったり、と彼にとっても二次災害っぽい
流れでどうなることやら、と思いましたが斜め上な方向から解決したのでひとまずは安堵。

Vチューバ―界隈は盛況、とのことでラノベ界隈も盛り上がっていきたいものと羨む中で
ネット上でも話題になった事務所との契約問題に言及する話は色々考えさせられるものが。
荒事にせずどう解決するかは見ていただくとして、“水織”の今後の動向が気になる展開。

次なる同人誌は“乃ノ花”と“水織”の合同誌。表紙は両者で持ち寄ってのコンペという
ことで判定する“悠斗”はどう裁定を下すか。その判断根拠も中々のもので要チェック。
作中にあった重要な要素「面白そう」という感情を創作物にどう活かすか注目してみます。

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2019年06月10日

『ようこそ実力至上主義の教室へ11』

衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。第11巻は1年最後の特別試験にて司令塔として
矢面に立つ“綾小路”がクラスの面々と共に“坂柳”率いるAクラスと直接対決を迎えます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/321902000048.html


前回試験で賞賛票1位を得た、という関係者以外が見れば不可解に感じる疑念を払拭する
意味でも今回の「選抜種目試験」で退学を回避するためプロテクトポイントを使う立場に
収まった“綾小路”。後から見ればこれが「相手」のやりたかったことで実にえげつない。

“山内”退学の動揺、そしてそれを止められなかった“平田”の非協力的な態度から結束
しきれず、一人フォローに回る“みーちゃん”の苦労も報われず、で打つ手なしな状況を
どう乗り切るかが見どころ。“綾小路”の本性が知られていくのは吉と出るか凶とでるか。

そして冒頭にある“坂柳”の独白が予兆する一騎打ちもついに実現。結果に関してはご覧
いただくとして、彼女の対応には色々と好感が持てます。今回前面に出てきた敵に対して
共闘する場面も今後期待できそう。次は2年生編の前に話を挟むということで楽しみです。

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2019年06月07日

『レイジングループ REI-JIN-G-LU-P 2 不浄の民』

アドベンチャーゲーム「レイジングループ」のシナリオライター、mphibian 先生が自ら
小説版の執筆に臨む本作。虚淵玄 先生の解説に推されながら、第二巻が堂々の登場です。
(Illustration/影由 先生)

https://www.seikaisha.co.jp/information/2019/05/08-post-rlfic2.html


“狼じじい”の死が教えてくれた「けがれ」と異なる、明確な人間の殺意。渦巻く疑念が
最後の宴で「おおかみ」の存在を明かしたとしても時すでに遅し。死に戻りの力をもって
しても掴めなかった休水の謎を解く鍵を“陽明”に教えた「彼女」の、あの表情が切ない。

最悪の結末を迎え、この物語へのアプローチの仕方をイチから見直す“陽明”。試行錯誤
していく描写は実際にノベルゲームをプレイしているかのような感覚を味わって、思わず
ほくそ笑んでしまうほど。ホラーな話を読んでいることを忘れる面白さも内包しています。

何度もやり直した結果として得た知識、人間関係を俯瞰しながら新たな展開で16人揃って
宴の支度に向かう“陽明”に期待を高める展開を、思いがけない形で引っくり返していく
「あの人物」の声と姿。彼にまだ何が足りないと言うのか。次巻も目が離せないようです。

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2019年06月06日

『サラリーマン流 高貴な幼女の護りかた 2』

逆波 先生が贈る異能剣戟アクション。第2巻は辞令により“日桜”を護衛する人を離れて
単身で京都支部に異動した“平蔵”を新たな護衛対象とそれに纏わる陰謀が待ち受けます。
(イラスト/Bou 先生)

https://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865544930
https://ncode.syosetu.com/n8489dw/


京都三家を軽視する“鷹司”に灸を据えてやろう、という思惑に巻き込まれた“平蔵”。
彼にべったりな“日桜”の気持ちを知ってか知らずか、辞令を受け取ってすぐに京都へ
向かってしまうあたり、“裂海”に電話越しで怒鳴られるのも止む無しと言うしかなく。

いざ出向すると“平蔵”に対する扱いもぞんざいで、護衛対象の“千景”も継承権19位
と狙われる理由も見当たらない、と不可解なことばかり。そこに京都支部の暗部を見た
彼が彼女を小学生でありながら一人立ちさせようと奮闘する展開が続くのは心苦しくて。

“平蔵”のことを訝しんでいた“千景”が次第に心解いて想いを寄せていく変化が実に
愛おしい。対する彼はどんどん人外じみてきてどこへ向かうのか戦々恐々たる思いです。
事を片づけた彼にはまず“日桜”の心の安寧に努めてほしいと願わずにはいられません。

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2019年06月05日

『ピンポンラバー3』

谷山走太 先生が贈る青春卓球ストーリー。第3巻は全日本ユース選抜強化合宿に参加する
“翔星”の前に幼馴染で好敵手の“晴海”が現れ、代表の座を賭け切磋琢磨していきます。
(イラスト:みっつばー 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517866


再会した“晴海”の驚くべき成長ぶりを見て熱く血を滾らせる“翔星”の卓球バカっぷり
もさることながら、代表コーチ“荻原”にのっけから弱点を指摘されて出鼻をくじかれる
“瑠璃”の負けん気も「らしさ」を感じます。指摘する“椿”もとんでもないですけど。

かねてより、また冒頭でも独白した“椿”の想い。その考え、感情に至った経緯を改めて
振り返る過程は重くのしかかる現実を突きつけてくると共に、彼女がひた隠しにしてきた
秘密を白日の下に晒します。“翔星”がこれに心揺さぶられるのも止む無しというもので。

全てを知り、代表を決めるトーナメント戦で「勝てば“椿”をもらっていく」と宣言した
“晴海”を前に心穏やかでない“翔星”は戦いきることができるのか。勝負の意外な結末、
更に“椿”に対して彼はどう結論づけたのか。印象深い顛末は必見で、次巻も期待大です。

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2019年06月04日

『聖剣学院の魔剣使い』

『精霊使いの剣舞』を完結させた 志瑞祐 先生が贈る新作は、神々との戦いに敗れた魔王が
勝機を胸に千年後の世界で10歳の少年に転生する顛末を描く学園ソード・ファンタジーです。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/seikengakuin/321812000465.html


千年後に現れる“反逆の女神”の力を宿す人の子が魔王軍を復活させる。その予言に従い
転生した最強魔王“レオニス”はなぜか10歳の少年になって、未知なる敵ヴォイドと戦う
戦術都市に保護される。何もかもが違い、ままならない彼はかの約束を果たせるのか──。

本調子ではない“レオニス”を助けた“リーセリア”・・・のはずが意外な形で助けられる
ことになる顛末がまず興味深い展開で話に惹きつけられます。というか、10歳の姿だから
といって色々とイイ思いをしすぎじゃないですかね、と彼には突っかかりたくなるもので。

聖剣を巡る顛末、魔術が失われた経緯、ヴォイドとの因果関係、その他諸々を絡めとった
“レオニス”がしっかりと力を見せつけてくれるバトルも見所です。何より 遠坂 先生の
挿絵が演出としても秀逸でオススメ間違いなし。順調な滑り出しを見せた続きも期待です。

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