2026年06月17日

『退魔師転生 〜過酷なエロゲ世界でキツネ顔の関西弁な性悪男はどないすりゃええですか?〜 二』

小宮地千々 先生が贈る和風バトルファンタジー。第2巻は大阪・梅田の地下に出現した
大妖の対応に動く“直志”がその背後で蠢く陰謀にも対処せねばならない顛末を描きます。
(イラスト:七原冬雪 先生)

https://gcnovels.jp/book/2107
https://comicride.jp/series/24baa34eefbfd


梅田地下街を舞台にダンジョンアタック、しかもRTAを迫られる“直志”の忙しさというか
お立場には同情を禁じ得ないワケですが、その最中にやらかした“唯月”の筋の通し方が
口絵の答え合わせなのも本作らしくて面白い。小宮地 先生の趣味全開なのも評価は高めで。

「初夜権」なる退魔師の文化に応じていく姿も、「強い奴が偉い」という葛道家の家訓を
体現する姿も磨きがかかっていく“直志”に対して、未だ婚約を取りつける気マンマンの
“すずり”には差が開きっぱなしな様子なのは何とも不憫。挽回の機会に期待したい所で。

“直志”はなぜ「代行」なのか。そのこだわりの裏にある、ここが「過酷なエロゲ世界」
だと再認識させられる残酷な一面に言葉を奪われます。その彼に不服従の姿勢を崩さない
“瑞穂”の不穏な雰囲気、そして「暫定黒幕」の存在にどんな裁定を下すのか要注目です。

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2026年06月16日

『おまえだけは選ばない』

白鳥かおる 先生の「カクヨムコンテスト10・特別賞&コミカライズ賞」受賞作。天才奏者
の伴奏者として日の目を見ずに死んだはずの男性音楽家が青春をやり直す顛末を描きます。
(イラスト:LOWRISE 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/322511000206.html
https://kakuyomu.jp/works/16817330667793671435


中学時代、憧れの“美弥子”に突如指名を受けて以来、傍らでピアノを演奏し続け迎えた
41歳の“有栖川”に残されたのは彼だけには広すぎる家と安いバイオリン、そして離婚届。
失意の死を迎えたはずの彼はなぜか高校入学直後の1999年4月にタイムリープしていて──。

憧れていた頃には気づけなかった“美弥子”を取り巻く人間関係、そして彼女の人間性を
踏まえて彼女と関わらずに生きると決めた“有栖川”。彼が自身も、そして周りの人生も
変えていくことに戸惑い、悩む姿はエンタメに慣れ親しんだが故の弊害に見えて興味深い。

“有栖川”が“井上”という理解者を得て、“美弥子”のために捨てたバイオリニストの
道を模索することに忌避感を覚えず、むしろ可能性すら抱くようになった様子は俄然応援
したくなります。その一方で“美弥子”はどんな道を歩むのかなど、続きが気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年06月15日

『神懸かれ、キラーチューン。』

「あした、裸足でこい。」の 岬鷺宮 先生が贈る新作は、世の注目を集める音楽ユニット
の専属ギタリストオーディションに可能性を秘めた少女が落選覚悟で挑む顛末を描きます。
(イラスト:美和野らぐ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322512000211.html


音楽ユニット「FUKASHIGI」は作詞・作曲・ボーカルを“不可思議恋乃”が担当し、精鋭の
女性ミュージシャンを都度バックバンドに迎えるパフォーマンスが注目を集め評価も高い。
彼女が新たに求めるギタリストとなるために応募したギタリストたちの争いは熾烈で──。

曲を聴いて、心を動かすために足りない音を感じ取り、それをギターを用いて掻き鳴らす。
・・・なんて凡人ならざる所業を魅せるくせに弾けないコードがあるとか色々チグハグすぎる
“長閑”が専属ギタリストオーディションをどうにか勝ち抜いていく展開は熱くて面白い。

イマジナリーフレンド“悪魔ちゃん”がいなかったら“長閑”もここまで誇示する演奏を
やりきることも出来なかったのだろうと思うと、それこそ不可思議な存在なワケですけど
あの場面で引っ張り出せた“恋乃”の圧倒的な存在感、その関係性にも注目したい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年06月12日

『灰原くんの強くて青春ニューゲーム 11』

TVアニメが放映中の 雨宮和希 先生が贈る強くてニューゲームな学園ラブコメ。第11巻は
“陽花里”と別れループ前の世界に戻るかどうか、修学旅行で“夏希”が決断を下します。
(イラスト:吟 先生)

https://firecross.jp/hjbunko/product/2202
https://haibarakun-anime.com/


虹色青春計画にもう一度協力する、と“美織”が宣言してくれたことがどれだけ心強いか。
あれだけ頑張ってきた“夏希”が全てを捨てて諦めようとしている痛々しい姿を見るのは
忍びなく、彼女を筆頭に彼に変えられた人生を悪くないと諫める姿勢は胸が熱くなります。

第三の選択肢を作り出そう、という“芹香”から“夏希”への提案。“陽花里”の意外な
相談から“芹香”が事情聴取して回る姿も物語を動かす上で重要な契機となるのが面白い。
出来ることはまだある、と“陽花里”に気付かせてから告げさせたあの言葉に救われます。

「情けは人の為ならず」と言われるように、“夏希”が他人のお節介を焼いてまで青春を
望んだ行動に意味があったと結論づけた 雨宮 先生の所業は、まさに光のラノベ作家たる
由縁かと思います。本編完結を祝うと共に、第12巻そして新作の刊行を期待しておきます。

posted by 秋野ソラ at 02:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年06月11日

『ようこそ実力至上主義の教室へ 3年生編4』

TVアニメ第4期が放送中の、衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。3年生編・第4巻は
無人島サバイバルゲームに続く退学者不可避の特別試験にて“綾小路”が裁定を下します。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/322601001363/
https://you-zitsu.com/


今巻は冒頭から結末に辿り着く過程を提示される形で「トークン収集特別試験」の顛末が
綴られていくワケですが、まさに「葉を隠すなら森の中」と言わんばかりな“綾小路”の
腹芸に驚かされます。彼に抱く印象が様変わりしているのも周囲の反応から見て取れます。

Aクラスに残るためなら何でもする、と試験中に“櫛田”が見せた姿勢には強いこだわり
を改めて感じたのと共にその結果が報い、報われる結末へとつながったのは溜飲が下がる
思いがします。また渦中で“七瀬”が示した決意と「彼女」への提案も今後注目したい所。

“綾小路”からすれば候補の一人を退学とさせることが出来て順当な結果に終わったかと
思いきや「特別な存在」というキーワードがついに彼を、彼自身ですら翻弄する行動へと
突き動かしたことが喜ばしく感じる所もあり。情念の籠った引きからどう続くか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル