2017年09月19日

『ウォーター&ビスケットのテーマ1 コンビニを巡る戦争』

河野裕 先生と 河端ジュン一 先生が贈る新作は、8月をループする戦場の街にて臆病者の
少年と幼馴染の少女が与えられた異能力を活かし、生き残りを図る青春ファンタジーです。
(イラスト:椎名優 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321705000094


失敗作と評されるTVアニメ『ウォーター&ビスケットの冒険』。その主人公“ウォーター”
が繰り返し告げる「生きろ」というメッセージを胸に生き抜くことを決めた少年“香屋”。
アニメを通じて繋がった“秋穂”と“トーマ”との幸せな日常は突然終わりを告げる──。

悪事を監視する都市伝説のような組織「世界平和創世部」を管理する“香屋”と“秋穂”が
「架見崎」という異世界に招待され、全土を支配すれば欲しいものを何でも一つ用意すると
する運営の言葉に乗ってその地をどう見定め二人で生き残る策を見い出していくのかが見所。

臆病者であるが故に時に繊細で、時に大胆な行動を見せる“香屋”。「架見崎」で各人が
得られるという異能力の選び具合も想像の埒外で、彼には何度も驚かされます。異能バトル
でもしっかり魅せてくれますし、人間関係の描写や戦略の読み合いも面白い。お薦めです。

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2017年09月18日

『キミは一人じゃないじゃん、と僕の中の一人が言った』

比嘉智康 先生が贈る久々の新作は、3人の人格を共有する少年が「多重人格ごっこ」なる
遊びを持ち掛けた少女と高校で再開するところから始まる純度100%の恋愛ストーリーです。
(イラスト:はっとりみつる 先生)

http://amzn.to/2xW5Vw4


“囚慈”“θ郎(しーたろう)”“キイロ”。“市川櫻介”の体には3人の人間が住んで
いる。小学校時代、人気者だった彼らはいじめられている“華の実”を救い、忘れられない
思い出を共有するが彼女は突然転校する。空虚な思いを胸に高校生活を始めるのだが──。

表層と観覧席の入れ替わり方やその表現など工夫されていて、キャラクターの差異が明確に
なっていることもあり多重人格であることに混乱することもなく自然に読めるのがまず凄い。
“市川櫻介”の中だけでもやりとりは見ていて面白く、反応する“華の実”の様子も楽しい。

“囚慈”たちと高校で再会した“華の実”が、なぜ「多重人格ごっこ」をもう一度やろうと
持ち掛けたのか。その理由が明らかとなっていくと共に訪れる彼女の変化を“囚慈”たちが
どう受け止めるのか。その描写は切なく、そして心温まる良質な恋愛モノでした。流石です。

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2017年09月15日

『魔術破りのリベンジ・マギア 2.偽りの花嫁と神々の偽槍』

子子子子子子子 先生が贈るハイエンド魔術バトルアクション。第2巻は“フラン”の弟が
政略結婚を押し進めることになり“春栄”も彼女と共にその相手の元へ直談判に向かいます。
(イラスト/伊吹のつ 先生)

https://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/744.html


“春栄”が支えてくれたからこそ変わろうとする意識が芽生えた“フラン”が結婚相手と
なる“ルドルフ”との直接対決に挑む。その強い意志を認めつつもどこか心配な“春栄”が
気負う彼女についていく所は良いツンデレ具合で微笑ましい。現実は甘くないワケですが。

弟の“フランツ”が“フラン”にキツめにあたる理由。決して「フィッツロイ」の家のため
ではない、という背景がメイド姉妹の“ラーラ”と“レーレ”の挿話からも垣間見ることが
できます。そしてそれをちゃんと分かっている“春栄”の言動が惚れ惚れする格好良さで。

“ルドルフ”が示す強さの秘密に迫る“春栄”に感化されノブレス・オブリージュを果たす
“フラン”たち、そして“狐狼丸”や“鴨女”の影ながらの活躍は今回も熱く見所ある場面。
その果てに、思いも寄らぬ相手から好意を受けることになった“春栄”の明日はどっちだ。

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2017年09月14日

『戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉 7』

SOW 先生が贈る街角パン屋繁盛記。第7巻は“ルート”らが営む「トッカーブロート」に
強盗犯が立てこもる騒動が過去の因縁と結びつき、彼を大いに悩ませる事態に波及します。
(イラスト/ザザ 先生)

https://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/741.html


“ソフィア”と“ダイアン”、あるいは“ヒルダ”と“リーリエ”の微笑ましいやりとり
から窺える「トッカーブロート」、そして“ルート”に忍び寄る悪意が顕在化するまでは
和やかなのです。強盗犯の“ミロスラフ”もあんな事態に巻き込まれるとは予想の範疇外。

それぞれの立場に置かれた者たちが持つ各々の「正義」。その理不尽さに決して暴力では
対抗せず受け止め続けた“ルート”の自虐に似た精神を“スヴェン”が泣きながら諫めた
あの場面は胸を打つものがあります。彼と因縁のある“マリー”の登場で状況は更に一変。

まさかの法廷劇にもつれ込む「正義」との戦い。再び“スヴェン”が最後まで食い下がる
いじらしさには敬意すら覚えるほど。何とか丸く収まったかと思いきや終章、後がたりと
続いていくあのどんでん返しが一体、何を意味するのか。次巻も注目したいと思います。

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2017年09月13日

『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 3』

手島史詞 先生が贈る、不愛想魔王と箱入りエルフによるラブコメファンタジー。第3巻は
“ネフィ”に似た少女の襲撃、“ザガン”を招待する魔王の登場が新たな騒動に繋がります。
(イラスト/COMTA 先生)

https://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/743.html


「私は、お前だ──呪われネフェリア」黒い“ネフィ”こと“ネフテロス”の捨て台詞が
意味するところは魔王“ビフロンス”から告げられます。彼女を見て少しも“ネフィ”と
感じない“ザガン”が見せる深い愛は今巻も健在。しかも攻めの姿勢も魅せてくれます。

“シャスティル”らが持つ「聖剣」、“ザガン”たちが持つ“魔王の刻印”、更には過去
存在したとされる“魔族”。ここに“ネフィ”の抱える秘密が加わって一つの線を結ぶ。
それを語る“ビフロンス”の人を食うような言動が気に障ると思えばとんでもない余興が

“ネフテロス”に示した“ザガン”なりのお礼。“ビフロンス”に対してしっかり約束を
果たした今回の戦いの落としどころが実に爽快。“ネフィ”も彼の横に立つ身として一つ
成長を見せてくれました。“バルバロス”もいい味だしてるので頑張っていただきたい。

posted by 秋野ソラ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル