2019年08月07日

『モンスター娘のお医者さん6』

折口良乃 先生が贈るモン娘診察奮闘記。第6巻は“グレン”求婚の噂に浮き立つ女性陣を
前に水路街を襲う陰謀を知り、一人身を引く“サーフェ”に対し彼はある決断を下します。
(イラスト:Zトン 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631321-6


様々な年齢層から求愛の宣言を受ける“グレン”が「今は仕事一筋」と頑なに拒む姿勢。
それが“サーフェ”失踪に繋がる要因の一つになろうとは。身から出た錆、とも言える
事態を前にしっかりと自分の気持ちと向き合い、行動でそれを示した彼に心より敬意を。

“サーフェ”の決意もさることながら彼女の想いを汲み取った“ティサリア”の振舞い
もまた印象深いものがありました。“スカディ”の抜け目ないというか虎視眈々と機を
見定める姿勢は注目していきたい。他の女性陣も例のアレが出来たのでどうなることか。

今回の騒動で噂の渦中にいる“ソーエン”が乗り込んでくる、その意図がまた偽悪的で
憎たらしいけど憎めない。イイ味だしてます。騒動も丸く収まって、話としても大団円
で幕を閉じる・・・ワケではなく続いていくようで何よりです。次巻も楽しみにしてます。

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2019年08月06日

『異世界帰りの俺(チートスキル保持)、ジャンル違いな超常バトルに巻き込まれたけれどワンパンで片付けて無事青春をおくりたい。』

真代屋秀晃 先生が贈る新作。異世界で英雄として偉業を成し遂げて日本へと戻ってきた
少年が日常ラブコメ的青春を謳歌すべく超常者の少女たちの悩みを腕一本で振り払います。
(イラスト:葉山えいし 先生)

https://dengekibunko.jp/product/321811001099.html


教室でもひとり退屈な日々を過ごしていた幼馴染“武流”がクラス委員に立候補する姿を
見て“奈々子”が驚くのも無理はない。彼女の知らない間に彼は異世界に転移しスキルと
青春を謳歌する想いを胸に戻ってきたのである。そんな彼を非日常が邪魔してくるが──。

異世界転生者の敵じゃない、と嘯き様々なトラブルを解決していく顛末から“紗姫”には
異能力者、“葵”にはサイボーグ諜報員、そして“マリー”には凄腕の退魔師と誤解され
何とも面倒くさくて面白い人間関係を築いていく“武流”が実にうらやまけしからん訳で。

話の展開を単調にさせないため、ちょっとしたフェイクが入っていたりする点も興味深く
エピローグで見せた「彼女」の笑顔と「あの人」の独白が良い引きになってます。続刊で
どう料理してくるか先生のお手並み拝見、という所。“マリー”の頑張りに期待してます。

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2019年08月05日

『小説 天気の子』

7/19に公開した 新海誠 監督の長編アニメーション映画。その原作小説を監督自ら上梓。
上京してきた少年が空を晴れにできる少女と出会い、運命に翻弄される様子を描きます。

https://www.kadokawa.co.jp/product/321903000333/
https://tenkinoko.com/


離島での生活に息苦しさを覚える“穂高”は雨雲から伸びる光の先に未来を求め単身家出。
東京でライター仕事を手伝いどうにか雨風をしのぐ生活を確保した彼は「100%の晴女」
という都市伝説を追う中で“陽菜”と出会う。この邂逅が彼の、世界の運命を変える──。

映画をまず観まして、新しい中にもどこか懐かしい感情を抱かせる作品であると認識した
上でこの小説を読むとセリフ回しや地の文で映像とはまた違った感情や演出が見えてくる。
まさに媒体の違いが魅せる妙、というものを実感できます。小説独自の描写も興味深い。

選択と責任。その顛末を見届けて再び余韻に浸る直後、あとがきで示した監督自身の決意
を心から応援したいと強く思いました。また解説で 野田洋次郎 さんが語ってくださった
あの曲の意味。聴いていて一番印象に残っただけに、より思い入れのある曲になりました。

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2019年08月02日

『マージナルナイト(1)』

樋上いたる 先生が企画、田中ロミオ 先生が執筆する「コンプティーク」不定期連載中の
サバイバルホラーノベル。突如崩壊する日常で生死の境を彷徨う少年少女たちを描きます。
(イラスト:樋上いたる 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/321810000588/


心霊スポットの動画配信チャンネルで村の大穴が紹介され、興奮する“千紗”と“秀人”。
後日、急遽学校が休校になり、例の大穴に悪戯を仕掛けた者が原因だという話を耳にする。
「ウロ信仰」という村独自の民間信仰とあの動画との関連を2人は調べてみるのだが──。

非日常へと切り替わる契機が「地霊に魅入られた村」では動画配信、「廃校ゲーム」では
アプリゲームと今どきなのが特徴の本作。徐々に狂気を帯びていく展開、かつ救われない
結末を読みやすいテキストで誘導していくため、普段本を読まない方にもお薦めできそう。

いずれの逸話においても、刹那的な享楽を味わうために一歩足を踏み外す人の業が窺えて
考えさせられます。また逸話に寄ってくるかのように現れる“加嶋祈子”の存在が、ある
都市伝説を彷彿とさせるのも意味深長で、今後どう物語に関わってくるのか気になります。

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2019年08月01日

『夏へのトンネル、さよならの出口』

八目迷 先生の第13回小学館ライトノベル大賞・ガガガ賞&審査員特別賞」受賞作。妹を
失った少年が目にしたある都市伝説を境に過去を取り戻そうとする夏を描く青春小説です。
(イラスト:くっか 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518023


入ったら欲しいものが手に入る代償として年を取る「ウラシマトンネル」という都市伝説。
眉唾な話を耳にした“カオル”が思い浮かべるのはあの夏の日、目の前で死なせた妹の姿。
空虚な日々を過ごす彼の生活は、転校生の少女と例のトンネルとの出会いで一変する──。

“あんず”の言動が見せる意外性に驚かされつつ、“カオル”が共にトンネルの先で何を
望むのか。それは「代償」に見合うものなのかを問いかけていく。奇しくもそれは未来に
夢があるかどうかの違いにも繋がって、やがて決定的な道の分かれ目を迎えるのが切ない。

トンネルの先で“カオル”が知る都市伝説の真実、更に諭される胸に燻ぶる未来への残滓。
その一方で“あんず”は願っていた特別な存在になることができたのか。不思議な出来事
を経験した果てに迎える奇跡の大団円。来たる夏の2人に幸あれと願わずにいられません。

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2019年07月31日

『出会ってひと突きで絶頂除霊!5』

赤城大空 先生が贈るアツくて淫らな退魔活劇。第5巻は本免許を取得した“晴久”たちが
ヤル気を滾らせるサキュバス王の性遺物出現を知らせる占いが更なる霊能犯罪を招きます。
(イラスト:魔太郎 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518016


口絵にて、似たような構図で別々の女の子にいろいろとやらかす“晴久”の羨ましい行動。
まさにラッキースケベそのものという場面を引き起こしたのが、表紙を飾る“槐”という
少女の気まぐれによるもの。彼女もかなりの宿命を背負った存在で同情の念が絶えません。

“晴久”が手助けした少女“槐”を狙う「鏡の魔女」こと“鏡巳”が強く示す妬みの感情。
新たな霊能犯罪者が繰り出す秘匿呪具「アンチ・マジックミラー号」がまた規格外すぎて、
その上にドッペル軍団が暴露するどエロい本音の数々がセリフ付きで情欲を掻き立てます。

「童戸家」の立ち位置、“手鞠”の不調、そして“槐”の決意。“ミホト”の力を借りて
“晴久”が“鏡巳”に立ち向かう姿は相変わらず熱いものがあります。“槐”は救われる
ようで一安心・・・とは安易に進ませない悪意に彼は打ち勝てるか、続きが気になる所です。

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2019年07月30日

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア12』

本編のTVアニメ第二期が放映中な 大森藤ノ 先生の大人気作品「ダンまち」のスピンオフ。
第12巻は「都市の破壊者」の陰謀に立ち向かう者たちの覚悟と死闘、その果てを描きます。
(イラスト:はいむらきよたか 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815602642.html
http://danmachi.com/danmachi2/


“フィルヴィス”を失い意気消沈する“レフィーヤ”が痛々しい。泣きっ面に蜂でしたし。
そんな中でも“ティオネ”と“レイ”が和解する場面や“ベル”が思わぬ助け船になる等
喜ばしい状況もあり、迷宮攻略へと意気を上げ直していく冒険者たちが見せる表情が熱い。

その裏で“ヘルメス”が、そして“ロキ”が「犯神」を問い詰めていく思考の読み合いが
もう壮絶で、そして斜め上をいく犯神の真の狙いと向かっていく容赦の無さが凶悪すぎる。
冒険者たちをここまで過酷な最終戦に挑ませる 大森 先生の鬼畜ぶりに打ち震えるばかり。

“アイズ”を主軸にした物語かと思えば、こんなにも幅広い人間ドラマを繰り広げてきて
そこにいつしか“ベル”や“ヘスティア”が鍵となる役割を果たすなど、紙幅を活かした
最後の最後まで手に汗握る展開に魅せられました。新たな外伝の流れも期待しております。

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