2018年10月17日

『チアーズ!3』

「月刊コミックアライブ」にて せうかなめ 先生の漫画連載も始まった 赤松中学 先生の
汗と涙の青春活劇。第3巻は「競技チア」の出場に必要となる7人目の部員が登場します。
(イラスト:こぶいち 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/cheers/321712001038.html


バレー部の試合で応援する場面。チアーズのレベルが低いことを印象づける描写の数々に
加えてクィーンズの“リエ”から浴びせられる嫌味がごもっともな内容で、彼女たちの
悔しさが伝わるかのよう。そんな中にも、ちゃんと報われるシーンがあって救われます。

苦い経験を胸に頑張る意気込みを見せるチアーズに“沙織”目当ての“阿実”が入部を
申し込むわけですが、2軍とはいえイレーネ学院チア部に所属していた彼女の自尊心は
高く、馴染めるのか心配になります。まさか鍵を握るのが「彼女」になるとは露知らず。

チアリーディングは採点競技、と信じて疑わない“沙織”が、実力は申し分ないはず
なのになぜ強豪校で2軍なのか。そこにチアの本質、チアーズの資質を魅せてくれて
実に良いスポ根ぶりでした。分かりやすい敵役“リエ”の鼻をぜひ明かしてほしいです。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年10月16日

『魔王を倒した俺に待っていたのは、世話好きなヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。 2』

かじいたかし 先生が贈るスイート錬金生活ストーリー。第2巻は“イザヤ”に昔の女なる
人物が登場し、更に連れ戻すと宣言されて気が気でない“ヨメ”の胸中に触れていきます。
(イラスト/ふーみ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/808.html


木工のぷちあに作りに専念するあまり“ヨメ”との進展がないことを危惧する“エリカ”の
気持ちも分かるというもので。“イザヤ”の軽い夏風邪を口実に甲斐甲斐しくイチャイチャ
してみたり、バカンスへ誘おうとする“ヨメ”のいじらしさたるや羨ましいことこの上ない。

懸命にアプローチする“ヨメ”の心を揺さぶる“ロゼ”の登場は、彼女にとってまさに衝撃
と言わざるを得ないワケで。二人の関係を勘繰って静かに涙する“ヨメ”の気持ちを思うと
ちょっと“イザヤ”を張り倒したくなるというものです。彼なりに思う所はあるのですけど。

“マリー”も含めての避けられない勝負に臨むことになる展開を経て“ヨメ”を決心させる
イチャイチャ錬金術(!?)の強さと絆を改めて見せつけてもらいました。“ロゼ”に対して
しっかりフォローしていく結末も良かったと思います。続刊も決まって続きが楽しみです。

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2018年10月15日

『じゅっさいのおよめさん』

三門鉄狼 先生が「講談社ラノベ文庫」から贈る新作は、見ず知らずの少女に嫁宣言をされ
わけもわからぬまま新婚生活をすることになった少年の人生を揺るがす思い出を綴ります。
(イラスト:ふーみ 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2018/10/#bk9784065137949


「なんで、君が僕のお嫁さんなの?」「わたしが、せいじのこと、すきだからだよっ!」
「警察」「けーさつのひとがきたら、おにいさんにむりやり、つれこまれましたっていう」
冤罪と有罪の狭間で“誠二”は謎の少女を迎え入れる。その先にある未来も知らずに──。

困惑する“誠二”と対称的に二人でいる時間が楽しい少女。彼女が級友の“みのり”だと
判明するもなぜ10歳の姿なのか、という新たな謎がつきまとうのに微笑ましい日々は続く。
けれどその謎が、彼の予想だにしない秘密によってもたらされたことを知ってからは急転。

実は2人で居られる時間が限られていて。“みのり”は決断した。“誠二”はどうする。
その状況にもっていった設定の妙と、究極の選択に対して彼が選んだ道。決して不幸な
展開にならない爽やかな読了感も安心の一言。ページ数も少なく読みやすくてお薦めです。

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2018年10月12日

『女衒屋グエン』

日向夏 先生の新作が「星海社FICTIONS」から初登場。花街一番の美女に情夫として囲われ
女買いの役割を担う男と、顔に傷痕を持つ下働きの少女が抱える秘密を描く中華小説です。
(イラスト/鈴木健也 先生)

https://www.seikaisha.co.jp/information/2018/09/07-post-1809guen.html


舌足らずな少女“一琳”(イーリン)と、痩身な女性“静蕾”(ジンレイ)。“虞淵”が
買い付けてきた2人を見て顔の右半分をさらしで隠す“翡”(フェイ)は世話を焼く娘が
増えたと思う中、怒鳴る女主人を前に彼は彼女たちを半年で妓女にすると嘯くのだが──。

“静蕾”の資質に気付いていた“虞淵”が彼女をどう妓女に仕上げるのかお手並み拝見、
という話を皮きりに他の女の客を取る強気な“万姫”(ワンジェン)、元旦那の身請け話
に揺れる“思思”(スースー)の話を通じて妓女の世界の華やかさと厳しさに直面します。

下働きの身から妓女たちの話に何かしら関わってくる“翡”。物語の最高潮を迎える場面
において彼女がどう関わってくるのか。“虞淵”の秘密との絡み合い、かつ 鈴木 先生が
描き出すカラー挿絵の演出は実に見事。日向夏 先生ならではの話運びをぜひご堪能あれ。

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2018年10月11日

『ビブリア古書堂の事件手帖 〜扉子と不思議な客人たち〜』

11月に映画上映を迎える、三上延 先生の大人気ビブリオミステリ。“栞子”と“大輔”が
娘の“扉子”に古書に纏わる挿話を聞かせる形で、2人のその後を綴る小編を収録します。
(イラスト:越島はぐ 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-912044-8/


本作を読んでいてライトノベルの話が出てくると内心で動揺が走るというもの。母親譲りの
無類の本好きへとすでに育ちつつある“扉子”と、自身の生い立ちがある故に娘になかなか
強く言い出せない“栞子”の振舞いが微笑ましくて苦笑い。“扉子”の成長が気になる所。

『からたちの花 北原白秋童謡集』では新版の本をプレゼントされる、その意図に気付いた
“由紀子”の機微の変化に希望を感じました。『雪の断章』では“志田”にもう一人いた
生徒を巡って悶々とした内情が描かれる“奈緒”の描写が過去の逸話と相まって印象的で。

『俺と母さんの思い出の本』『王様の背中』のように穏やかには収まらないエピソードも
あります。「本が好きな人となら、誰とでも仲よくなれるわけではないの」そう語りかける
“栞子”の言葉が深く静かに響いてきます。披露されなかった前日譚、見てみたい所です。

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2018年10月10日

『魔術破りのリベンジ・マギア 5.救世の屍王と恩讐の行方』

コミック1巻と同時刊行となる、子子子子子子子 先生のハイエンド魔術バトルアクション。
第5巻は突然失踪した“鴨女”の行方を辿る“晴栄”が彼女の仇となる強敵と対峙します。
(イラスト/伊吹のつ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/807.html
https://hobbyjapan.co.jp/comic/series/revenge/


私立探偵“三郎”のつなぎを皮きりに見えてくる道士“フー・マンチュー”の目的と強さ。
「人類の救済」と称し次々と凶行に及ぶ彼に圧倒される“鴨女”の姿に危機感の募る展開。
キョンシーを操る道士を相手に、陰陽師の“晴栄”がどう立ち向かうのかが見どころです。

攫われた“鴨女”を救う道中で出会う謎の美女“リンタン”。名と共に明かさない彼女の
真意、その覚悟と結末は印象に残る顛末でした。圧倒的な強さを示す“フー・マンチュー”
に対して“晴栄”たちと共闘する熱いバトルでも魅せてくれる存在で好ましさを感じます。

“シナトラ”の検診に纏わる描写も物語のフックとして効いてくる“ティチュ”の成長も
ポイントとして押さえておきたい話運びです。御伽噺の王子様の如く救われた“鴨女”の
一大決心が何ともこそばゆい。“宮社惣恭”のコミックスも面白い本作の今後に注目です。

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2018年10月09日

『覇剣の皇姫アルティーナXIV』

むらさきゆきや 先生が贈る覇道戦記ファンタジー。第14巻はヒスパーニア帝国の征服を
進めていく“アルティーナ”たちが神の子と称される軍師を相手に軍略で競り合います。
(イラスト:himesuz 先生)

https://ebten.jp/p/9784047353107


生まれつき声の出せない“マリアム”。初子からの言葉もむなしく負け戦を強いられる
ヒスパーニアの将軍“フレジィ”と共に不遇な描写が反撃の狼煙へと繋がっていく布石と
なっているとは。軍神と謳われた祖父が憑依しているのではないか、というのも思わしげ。

小銃や大砲を駆使した新時代の戦い方を見せる“レジス”から窺える安心感に伴い周囲も
戦時中とはいえどこか穏やかな雰囲気を醸し出す。これもまた、これまで魅せてきた彼の
好調な進軍に影を落とす、まさに嵐の前の静けさのような伏線だったのかと思うと複雑で。

迎えた帝都カンタナル攻防戦。長期化を見せる両軍の均衡を打ち破る“レジス”の秘策に
沸き立つ様子を尻目に、負けじと一計を案じる“マリアム”のやり口が何ともえげつない。
油断に付け込まれた“レジス”はすでに手遅れなのか。次巻が待ち遠しくて仕方ないです。

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