2026年06月30日

『秘密の青春は夜の学校で2』

雨宮和希 先生が贈る青春ラブコメ。第2巻はどんなに嫌いな人にも嫌われたくないと思う
「愛されたい」願望に押し潰されそうな“花音”の葛藤に“修斗”が踏み込んでいきます。
(イラスト:椎名くろ 先生)

https://www.shogakukan.co.jp/books/09453296


愛されたいけど愛したいわけじゃない。“花音”がいま置かれている現状は自らが築いた
結果であり、その背景としてある家庭の事情も根深く、泥沼に嵌まるかのような難儀な話。
「家に帰りたくない同盟」を最後の砦とする彼女を危惧する“修斗”の心情も分かる所で。

愛してほしいと逃げを打つ“花音”に釘を刺し、彼女が本当に求めているものは何なのか
を一緒に考え、応援し、見守る“修斗”の姿が男らしさに溢れていて「惚れてまうやろ」
と言わずにはいられない。第五の盟約を創るにしても“楓”には言われたくない感じかも。

「家に帰りたくない理由」が無くなった“楓”との偽装恋人契約が続く“修斗”のことを
何となく訳知り顔に見る“楠”会長の存在も「同盟」に更なる綻びを生じさせそうな中で
とんでもない引きを残してきました。雨宮 先生の狙いを確かめるべく、次巻を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年06月29日

『聖女と暴食2』

三雲岳斗 先生が贈る“災厄”と“美食”が交錯する新感覚学園ファンタジー。第2巻は
旧世界の遺跡で発見された神々の食材を巡って複数学区による争奪戦が繰り広げられます。
(イラスト:karory 先生)

https://dengekibunko.jp/product/sag/322507000694.html


幼馴染であり特殊執行部隊の小隊長として比肩する、と言われる“ヒオウ”との個人戦で
負けが込み、小武闘会で優勝経験があるという“リュシエラ”との相対でも一歩及ばずと
“ハル”の強さが実は頭打ちで改善の余地あり、という逸話の続く構成が印象に残ります。

学食部の面々が提供する下手物料理の数々に絶叫する“ティルティ”の姿が定番となる中、
更なる躍進のためにと目をつけた神餐「アムブロシア」が思いがけない秘密と天人種族の
思惑を暴露する展開が興味深い。“バルザイ”を評した“マコット”のツッコミの鋭さも。

緊迫感の続く話の雰囲気をお色気コメディへと一変させる“豹頭の悪魔”の仕業も中々で、
最後はしっかりと「暴食」の力を借りて決着をつけてくれるのが熱い。死闘を繰り広げた
“ハル”たちの行動すら想定内と見る“ユミリ”に空恐ろしさを覚えつつ続きを待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年06月26日

『のうりん14 完結記念文庫付き電子特装版』

白鳥士郎 先生が贈る大人気農業高校ラブコメディが10年ぶりの新刊で、15年の歳月を経て
ついに完結。突如アイドルへと復帰した“林檎”を連れ戻すため“耕作”たちが動きます。
(イラスト:切符 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815639709/
https://soreosu.com/projects/no-rin
http://www.no-rin.tv/


「タイムトンネル」から時代背景を切替えて10年の差を埋め、時事ネタの逐次投入で本作
らしさを思い出させてくれる地力の高さがすごい。戸惑う“良田”の反応も面白くて絶妙。
農業とカルト、その連関に惑わされた“林檎”を救う“耕作”の気持ちを伝える声が熱い。

クラウドファンディングも目標の大幅過達ぶりにファン層の厚さを感じさせられた思いで。
『りゅうおうのおしごと!』とのコラボ小説、店舗特典に未発表SS等と有終の美を飾るに
相応しいお祭り具合、その面白さを堪能した次第です。切符 先生への取材も印象深くて。

書けそうな心境の変化と、出版できそうな時節が巡りあって最終巻の刊行へとこぎ着けた
本作は、我が青春の一幕を飾る思い出深い作品。挿絵をご担当いただいた 切符 先生にも
読者として感謝の念が絶えません。名残惜しいですが、完結を心よりお祝い申し上げます。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年06月25日

『声優ラジオのウラオモテ #15 夕陽とやすみは隠しきれない!』

二月公 先生が贈る青春声優エンタメ。第15巻は“歌種やすみ”は悪役で突き進むか、逆に
正統派へ方向転換して主役を目指すべきか、究極の選択を迫られる彼女の葛藤を描きます。
(イラスト:さばみぞれ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/322509000828.html
https://seiyuradio-anime.com/


「コーコーセーラジオ」が声優雑誌の特集に組まれる、ということで思い出の場所を巡る
“やすみ”と“夕陽”にならって艱難辛苦を乗り越えてきたあれこれを振り返る感慨深さ。
これはなかなか味わえない感覚だと思います。本当によくここまで辿り着いてくれました。

合間に他のラジオ番組で“やすみ”と“夕陽”のことを語る場面が差し込まれる訳ですが
読み進めるとなるほど納得の演出で。物語を動かす上で“めくる”がこれほど重宝される
存在となるとは思いもしませんでした。2人に骨抜きにされる日も遠くない感じが尚良し。

「夕暮夕陽に、負けたくない」・・・“やすみ”が神代監督の新作アニメ・オーディションに
向けて出した答えが本当に彼女らしくて、潔くて。俄然、応援したくなるというものです。
本編に区切りをつけた運命共同体の2人が電子書籍でどこまで道を歩めるか、楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年06月24日

『廃墟めぐり ここから先は自己責任です!』

「声優ラジオのウラオモテ」の 二月公 先生が贈る新作は、心霊系YouTuberとして活動を
続ける女子高校生たちが「観ると呪われる動画」の謎に命懸けで迫る顛末を描く物語です。
(イラスト:塩かずのこ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/haikyomeguri/322506000653.html


YouTubeを観ていると突然再生される、廃墟の中に横たわる少女の死体と脅し文句の警告。
《ヒラキサマ》の動画を観た者は呪われ、それを回避するには怖い動画を作って再生数を
稼ぐ必要があるという。“透花”はそれに従って【廃墟めぐり】をしているというが──。

まずホラーが苦手な方は回れ右を。「声優ラジオのウラオモテ」の要素が話の流れの中で
出てきますが、それすら怪異のネタに使われるので恐怖に心落ち着ける間は余り無いです。
むしろ前作ファンはトラウマになるかも知れません。それくらい強めなホラー色が印象的。

口絵のポーズで微妙に指す位置が違うところから始まって“姫奈”の行動原理がとにかく
不可解なのが気になります。塩かずのこ 先生のイラストはこんなにもかわいらしいのに。
バッドエンド必至にしか見えない展開からどう続かせるのか 二月 先生の腕の見せ所です。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル