2017年06月02日

『妹さえいればいい。7』

満を持して2017年秋のアニメ化が報じられた、平坂読 先生が贈る青春ラブコメ。第7巻は
“那由多”との交際を始めた“伊月”の新生活や周囲の反応を描くところから始まります。
(イラスト:カントク 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094516777


口絵や挿絵にもありますが“那由多”がああなるのは必然。“伊月”もご愁傷様なことで。
そんな二人の様子を素直に喜んで見ることができない“千尋”がまたいじらしいというか。
物語の鍵を握る仕掛けは未だ発動せず平穏ですが“千尋”は秘密を最後まで隠し通せるか。

“京”への失恋を明らかにした“春斗”が新たに向き合うこととなった、同業者の“初”。
二人のやり取りには目を見張るものが。作家が抱く「恐怖」を吐露する心情やそれをどう
受け止めるか葛藤する様子は印象深く、読み手としても自戒の念を新たにさせられました。

“真騎那”と“アシュリー”から語られる、共通の友人“幽”のエピソード。風変わりな
彼女が吐露した弱音が胸に突き刺さるかのようで、切なくなりました。作品の向こうには
それを世に送り出した作者がいる、ということを念頭に置ける読者でありたいと思います。

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2017年06月01日

『転生したらエルフの王宮をハーレムにデキました!』

三門鉄狼 先生が「みかど鉄狼」名義で「美少女文庫」から贈る新作は転生ハーレムもの。
エロゲ新作を抱えて死んだ青年がエルフに転生して国を、美少女たちを救っていく物語です。
(イラスト: ゆらん 先生)

http://www.bishojobunko.jp/c/item/82960021063950000000.html


“フィーネガルド”国王の生誕五千年を祝う祭に襲撃をかける“ダークエルフ”の軍勢。
強力な雷撃魔法をもつ王女“エミリア”は慢性的な魔力不足に陥っており打つ手なしかと
いう場である田舎の貧乏貴族が「魔力を回復させることができる」と申し出るのだが──。

“カイル”が性行為を行うことで相手の魔力を回復できる稀有な能力を研鑽したことにより
次々と国の逆境を打破していきます。回復させるために必要な攻めるポイントも人それぞれ
となっており、迎える場面と相まって滾らせる描写も幅を持たせられる構成になっています。

“エミリア”が抱える「ある疑問」と“カイル”が気遣う「ある想い」が全てを吹っ切った
ところの描写がもうスゴいとしか言いようがなく。話も大団円でしっかりと纏めてきたので
流石ですな、と思いました。 ゆらん 先生のイラストとも相性良さげで堪能できる一冊かと。

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2017年05月31日

『ぼんくら陰陽師の鬼嫁 二』

秋田みやび 先生が贈る、退魔お仕事仮嫁語。第2巻は“皇臥”のもとに“芹”の友人から
悪霊憑きの依頼が舞い込み、今回もまた尻込みする彼を、彼女が嫁として奮い立たせます。
(イラスト:しのとうこ 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/product/321610000573/


“本間”が主催する「廃墟研究会」の活動に同行したことを契機に黒く長い髪にまとわり
つかれる症例が増えた“沙菜”。彼女を助けるべく動いてくれる“皇臥”が何やかんやと
言いながら優しい。格好良いかと言われると今回も首をかしげたくなるため実に悩ましい。

今回は新しい式神として朱雀の“錦”、普段はシナモン文鳥を形どっているためその差異
が激しい彼が参加することで“祈里”の抱える問題点が浮き彫りとなります。“皇臥”が
彼女にとやかく言うのもおこがましい気がして、“芹”の語る想いに共感しておりました。

“沙菜”たちを障る根本を断つために元凶となる村を訪れた“皇臥”が切り札として用意
したアレがいかにも彼らしくて苦笑い。願わくば“祈里”の頑固な認識を“芹”が解して
くれることを願ってやみません。そして契約結婚が真の関係に至ることを期待したいです。

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2017年05月30日

『はたらく魔王さま!17』

和ヶ原聡司 先生が贈る魔王と勇者の庶民派ファンタジー。第17巻は正社員になる機会を
逃した“真奥”が山積する魔界の問題を前に残るのか戻るのか、大事な選択を迫られます。
(イラスト/029 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892892-2/


「魔王が正社員になる」というコメディ要素がここまで物語を大きく左右するシリアスな
キーワードになるとは。“芦屋”や“漆原”だけでなく、“恵美”や“千穂”たちも彼を
気遣う場面がそこかしこに見られて“真奥”も幸せ者だな、と改めて感じさせてくれます。

一方、“木崎”が異動になる、ということで彼女にもそれなりに悩むところがあることが
分かり、より人間的な魅力が増したように感じます。彼女から“真奥”たちに告げられた
言葉をどう噛みしめるか、も今回の話の中で重要な軸を担うことになるので要チェック。

本当に気苦労の絶えない“真奥”が下した決断と誠意を前に“恵美”が思わず相好を崩す
様子が可愛らしくて微笑ましくて。そんな和やかな雰囲気をぶち壊す、やるせない引きに
不安がいっぱいで気を揉みます。次巻はそう間をあけずに刊行されることを願うばかり。

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2017年05月29日

『暴血覚醒《ブライト・ブラッド》』

中村ヒロ 先生の「第8回GA文庫大賞・奨励賞」受賞作。血を使う魔法を学ぶ学園で奴隷の
ような扱いを受ける弱き男子学生たちが反抗戦を仕掛けていく青春学園異能バトルです。
(イラスト:加藤いつわ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797391787.html


元女子高である私立赤百合学園に入学し、あふれる期待と下心を胸に門をくぐる“弥彦”。
そこへ女子代表の美少女“藤堂”らが交流の一環として持ち掛けてきた「血戦」の賭けに
のって、負けた彼らが目にしたのは、奴隷として彼らを蔑む冷血少女の一面だった──。

ものの見事にハメられた“弥彦”たちの知れば知るほど力量の差があることに愕然とする
展開を転入生の少女“灯花”が崩してくれるか・・・と思えば彼女もある問題を抱えていて
頭を悩ませます。ここで血魔法がもつ特性と“弥彦”も知らない彼の秘密が鍵を握る訳で。

徹頭徹尾、悪役たる“藤堂”たちに反抗しきれるのか、手に汗握る熱い展開がまさに見所。
幼なじみの“睦紀”が報われてほしいな、とも思いますが話の流れとして致し方ないかと。
よく纏まっている上に余韻でも魅せてくれますし、お薦めできる新人賞作品だと思います。

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