2019年02月22日

『推理作家(僕)が探偵と暮らすわけ』

久住四季 先生が贈る新作はミステリー作品。駆け出しの推理作家が執筆する実話に基づく
探偵物語、その契機となる自由奔放な探偵との出会いと遭遇する難事件の顛末を描きます。
(イラスト/中森 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-912279-4/


原稿は没になり、マンションの階下で発生した火事で家を追われる不幸まみれの“月瀬”。
先輩の伝手で同居人を探す男が住むビルへ身を寄せた彼は、物件も人物も訳アリだと知る。
殺人事件が起きた部屋に住む彼の名は“凜堂”。難事件の依頼しか受けない探偵で──。

“月瀬”の巻き込まれた火事が実は事故ではなく事件で、かつ容疑者として警察から目を
つけられる泣きっ面に蜂な同居人を助けた“凜堂”の名推理。助けられた“月瀬”が驚き、
助けた“凜堂”もまた日常を退屈させない逸材を前に関心を高めていく様子が微笑ましい。

“凜堂”が抱える特殊な家族関係によって引き寄せられたある代議士の死を解明する依頼。
彼が抱いたある違和感、その意味に気がついてから急転直下に解決を迎える事件の真相が
これまた驚きで興味深い。これは続きが読んでみたいミステリー作品です。オススメです。

posted by 秋野ソラ at 01:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年02月21日

『最強夢装少女の俺がヒロインに正体バレた結果』

神秋昌史 先生が贈る新作は、なぜか戦うヒロインとして活躍することになった少年が本来
ヒロインとして戦う少女たちに正体を知られたどうなるか、を描くバトル・ラブコメです。
(イラスト:伊藤宗一 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/orebare/321807000411.html


尖った夢を奪い強くなる魔王たちに唯一対抗できるのが夢で変身する夢装少女の少女たち。
夢を叶えると変身できなくなる彼女らの夢のケアを頼まれたのが優秀な生徒会長の“水人”。
彼こそ戦う“優羽”に惚れ、助けたい一心で夢装少女となりなぜか戦える稀有な少年で──。

何でもできるからこそ「夢がない」と自負する“水人”が黄昏騎士として活躍できる理由、
それは読み進めれば自ずとご理解いただけるかと思いますが、よりにもよって彼の秘密を
知ることになった“優羽”の反応がまた興味深く、まさにラブコメ要素につなげてきます。

“優羽”と一緒に戦う“九暮”や“楓子”が大事に抱える夢にも彼女たちらしさが窺えて
面白いですし、黄昏騎士との距離感も見所と言えましょう。最後に彼女たちを襲う強敵を
前にしてのバトルも熱く、安心して読める作品となっていると感じました。オススメです。

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2019年02月20日

『クトゥルフ神話TRPG ノベル オレの正気度が低すぎる』

内山靖二郎 先生とアーカム・メンバーズが贈る「クトゥルフ神話TRPG」を舞台とする物語。
作ったネタキャラでゲーム世界の探索者として過ごす主人公の崖っぷちプレイを描きます。
(イラスト:ttl 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/321811000753/


自室でオンラインプレイに興じていたはずが突然、森の中に居て空から男性が落ちてくる
という境遇に見舞われる。聞きなれたダイスの音がしたと思えば、まさかの正気度ロール。
昔作った正気度35のネタキャラ“カケル”になっていると気付いた彼は愕然とするが──。

ダイスの判定によって言動すら操られる恐怖感と、その埒外で打開策を模索できる爽快感。
クトゥルフ神話TRPGリプレイを書き続けてきたから先生だからこそ描ける場面描写の数々。
ゲームを知らなくてもその世界観に振り回される“カケル”の様子は楽しめると思います。

同じ境遇の“ナビキ”と手を組みつつキャンペーンに巻き込まれた“カケル”の正気度が
限界を迎えるのが先か、この世界の謎を探索しきるのが先か。手に汗を握りつつ、意外な
方向へ進んでいくシナリオをぜひご堪能あれ。TRPGの醍醐味が詰まったお薦めの一作です。

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2019年02月19日

『魔王を倒した俺に待っていたのは、世話好きなヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。 3』

かじいたかし 先生が贈るスイート錬金生活ストーリー。第3巻は錬金術アカデミーにて
“ヨメ”と一緒に先生を務めることになった“イザヤ”がある優等生に目を付けられます。
(イラスト/ふーみ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/824.html

マリー、ロゼ、エリカそれぞれに「悪い男」と和やかに断言される“イザヤ”との距離感。
その親密さに嫉妬する“ヨメ”が示す独占欲の高まり具合、そこから生まれる謎フレーズ。
可愛らしいし、微笑ましいし。それにしても彼女の言う通り脇が甘い彼には思わず苦笑い。

そんな“イザヤ”たちに食って掛かる“ノエル”の孤高ぶりが気になる彼が偶然目にした
彼女の素顔。彼女と結んだ密約を境に少しずつ距離感が変わっていく2人を前に危機感を
あらわにする“ヨメ”の予感が最悪な形で顕在化します。いやぁ、実に強かなものですな。

選択を迫られる“イザヤ”の心がどこを向いているかは推して知るべしですがその回答を
受けた“ノエル”に救いの道はあるのか。その行方にご注目いただきたいです。友情って
本当にいいものですね。賢者の石が示す意味そのものを見せつけた先が気になる所です。

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2019年02月18日

『フラレた後のファンタジー 1』

マルチューン 先生の「カクヨム」投稿作が書籍化。恋敵に幼馴染の彼女を奪われ、故郷に
に帰ると決めた青年冒険者が信じるものを見つめ直す邂逅を得て再起するまでを描きます。
(イラスト:ox 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/321811000087/
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885391346


「村に帰ろう」ずっと守ると決めた“ユーリ”に別れを告げられた“ロジオン”が失意を
胸に村へ帰る道すがら、最期を看取った老人から託されたお嬢様が全てを失い自暴自棄と
なっている姿を見て「生きる目的を見つけてほしい」とあれこれ世話をすることに──。

やんごとなき立場の“シェストリア”を襲う窮地に単身立ち向かう“ロジオン”の真摯で
紳士な好青年ぶりに、彼を振った“ユーリ”を問い詰めたくなる今日この頃。次第に心を
許していく“シェストリア”のいじらしさたるや。思わず成長を見守りたくなる存在です。

今は傍にいない恋人との思い出が後を引くこともあるけど友人の“ガエウス”“ナシト”
に助けられ、“シェストリア”のために訪れた魔導都市を襲う脅威に対して力を発揮する
“ロジオン”が魅せる気概にご注目。“ルシャ”の意味深な発言も含め続刊が楽しみです。

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2019年02月15日

『竜魔神姫ヴァルアリスの敗北 〜魔界最強の姫が人類のグルメに負けるはずがない〜』

仁木克人 先生の「カクヨム」投稿作が書籍化。魔界の王族と姿が似ているだけで人類を
滅ぼそうとする姫が、彼らが築き上げてきたグルメという文化に負け続ける様を描きます。
(イラスト:茨乃 先生)

https://dengekibunko.jp/product/valalice/321809000031.html
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885049300


滅亡させる世界が存在した証としてその文化の成果を1つ残すこと。人類を滅ぼすための
儀式に定められたルールに則り人の世に降り立つ“ヴァルアリス”があてどなく彷徨うと
ある精肉店から鼻腔をくすぐるメンチカツの匂いに誘われ、足を向けたのが運の尽き──。

竜魔神姫に「トンデモナイゼ」とルビをふる、という可読性への追求の一手と言える英断。
固有名詞を覚えずても言わんとする所が伝わる煩わしさの無さは話に集中できる感じです。
口にする料理の数々に屈服していく“ヴァルアリス”の可愛らしさを存分に堪能できます。

“ヴァルアリス”に何かと突っかかる姿もどこか憎めない“インフェリス”とのやりとり
ですとか、姫の意識変革に繋がるきっかけとなる“サチュラ”の並々ならぬ愛の深さとか
脇を固める人物も気になる点です。面白かった。ぜひ腹を空かせてからお読みください。

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2019年02月14日

-インフィニット・デンドログラム- 9.双姫乱舞』

満を持してTVアニメ化が決定した、海道左近 先生が贈る激熱VRMMOファンタジー。第9巻は
古の決戦兵器の起動で騒乱の場となるカルチェラタンで“レイ”たちが奮戦を繰り広げます。
(イラスト/タイキ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/821.html


魔将軍たる“ローガン”の当て馬ぶりが半端ない。今巻の表紙が指し示す意味にも繋がる
ある意味キーパーソンと言えます。“フランクリン”もまたえげつないですけど、今回は
許せる感じがします。“レイ”もどんどん強くなっていって、もうどこまでいくのやら。

そんな“レイ”たちの前に現れた「アクラ・ヴァスター」の凶悪な設定には、流石の彼も
立ち向かうには力が足りないか・・・という場面で“アズライト”が遂に決意を固めてきて
神々しいほどの強さを魅せつけてくれます。あの姿を見ても変わらないのが実に彼らしい。

敵として現れた「アクラ・ヴァスター」も、その生まれた経緯を説明してくれたことで
ラストの描写が映えるというもので。“フラグマン”の存在が気になる引き具合を示して
きたのも踏まえつつ、王国が変わりゆくきっかけをどう活かせるか。次巻以降も注目です。

posted by 秋野ソラ at 01:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル