2017年04月11日

『十歳の最強魔導師1』

天乃聖樹 先生の「小説家になろう」投稿作が「ヒーロー文庫」で書籍化。魔石を掘り出す
鉱山で働く奴隷少女が、逃げた果てで思わぬ出会いと人生の転機を迎える顛末を描きます。
(イラスト:フカヒレ 先生)

http://herobunko.com/books/hero45/6382/
http://ncode.syosetu.com/n6583dj/


親方の顔色を窺い、僅かな施しを受け、みすぼらしい恰好で魔石を採掘する“フェリス”。
ある日、魔石が取れないと知った魔術師の隠蔽工作に巻き込まれ這う這うの体で山を出た
彼女はとあるお嬢様の誘拐現場に直面し、自分の身体を投げうって飛び出すのだが──。

自身も予想外の展開で助けることに成功した“アリシア”に養われる“フェリス”の純真
そのものの言動や可愛がられぶりが微笑ましい。物怖じしない“テテル”や素直じゃない
“ジャネット”、意地悪な“イライザ”先生と脇を固める登場人物との関わりも楽しい。

所々に見える百合小説っぽい描写を フカヒレ 先生の挿絵が後押ししてくれるのも良くて
サクッと読めました。魔術師としては何もかも規格外すぎる“フェリス”が成長していく
今後の過程や、冒頭に登場した魔術師の思惑など気になる要素もあって続きが楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年04月10日

『冴えない彼女の育てかた 12』

4月からTVアニメ第二期放送開始の、丸戸史明 先生が贈るメインヒロイン育成コメディ。
第12巻は“恵”とのデートをドタキャンせざるを得ない“倫也”の選択の行方を描きます。
(イラスト:深崎暮人 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321606000849


絶対安静を言い渡される“朱音”。明らかになるゲーム制作現場の綱渡り感。躍進を信じ
送り出した“英梨々”や“詩羽”の未来すら危ぶまれる事態を前に、“恵”よりそちらを
取った“倫也”が彼女から拒絶されるのも無理はなく。そこをどう覆すかが見所の一つ。

奇しくも同人時代と同じ立場で、状況はそれ以上に悪い中、チームとしてワイワイやる
雰囲気も同時を懐かしむことができて楽しいのですが、そこに“恵”はいない。経過を
伝える“倫也”のメールにも応えない。このまま距離を置いてしまうか不安が募ります。

そんな一方的な想いですら開発に繋げる“倫也”の意地に目を見張りつつ、「結」へと
続いていく彼と「彼女」の関係。「ついにここまで来たか」と胸をなでおろす思いです。
次巻は惜しみながらも最終巻。彼らの同人ゲームは完成するか、最後まで目が離せません。

posted by 秋野ソラ at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年04月07日

『異世界薬局 4』

高山理図 先生が贈る薬局ファンタジー。第4巻は神官長“サロモン”行方不明の知らせを
機に見えてくる「神聖国」の思惑を前に、“ファルマ”や女帝が真正面からぶつかります。
(イラスト:keepout 先生)

http://mfbooks.jp/4709/
http://ncode.syosetu.com/n8541cr/
http://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF00000031010000_68/


“パッレ”との健診対応や「彼女」との自然なハグで天然のプレイボーイぶりを如何なく
発揮する“ファルマ”に微笑ましさを感じつつ、“サロモン”の件を聞いて周囲から釘を
刺されたにも関わらず颯爽と対処してしまうあたり彼の信仰が一層高まるのも無理はなく。

その経緯を知った女帝が「神聖国」に強気の姿勢を見せるあたりは実に爽快。その彼らが
秘蔵していた“ファルマ”が元の世界で所有していた職員証が彼の本質を再認識させる
くだりも印象的。死んでも直らない、とはよく言ったもので。今後の繋がりにも注目です。

衛生面の問題を危惧して“ファルマ”の手ずから生まれたあれやこれやの数々。それでも
対処療法でしか回復が望めない病があったりするなど普段では目にすることのない医学的
見地が窺えるのも本作を楽しめる要素の一つ。いつまで薬神でいられるのか気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年04月06日

『竹中半兵衛の生存戦略 戦国の世を操る「茶室」の中の英雄たち』

青山有 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。突如、戦国武将となった元現代人たち。
同じ境遇を迎えた彼らが「茶室」なるチャットルームを通じて協力し、生き残りを図ります。
(イラスト:四季童子 先生)

http://www.redrisingbooks.net/takenakahanbee
http://ncode.syosetu.com/n0681de/


重篤の身から起き上がってみれば、まるで時代劇のような風景。サラリーマンの身の上の
はずが“竹中半兵衛重治”の身に憑依した彼が、養生中の夢に出てきたノートPCに触ると
最上、北条といった名を連ねた発言のやりとりを目にし他にも仲間がいることを知る──。

“竹中”と同じ境遇にいる戦国武将は有名ではないかも知れませんが、どんな人物なのか、
置かれている状況は、といった背景は「茶室」で伝えてくれますし“竹中”のモノローグ
や家臣などとのやりとりでも窺えるので、歴史に詳しくなくてもサクサク読める安心設計。

“織田信長”を筆頭に実力のある武将を前にどう立ち回るか。「茶室」での相談を活かし
史実とは違う流れを次々に起こしていく“竹中”たちに動かされる歴史の先行き不透明さも
物語を楽しむ要素の一つになっています。まずは“信長”に太刀打ちできるか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年04月05日

『異世界取材記 〜ライトノベルができるまで〜』

田口仙年堂 先生の「カクヨム」投稿作品が書籍化。ライトノベルを書くための取材として
異世界と現実世界を行き来する作家や作家志望たちが織り成すサクセスファンタジーです。
(イラスト:東西 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321611000759
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880280060


『ネット小説が流行っているから「カクヨム」でハーレムや無双を押さえたのを何か書け』
と見た目ヤクザな編集者に指示を受け、編集部の予算持ちで異世界へ取材に出かける作家。
モンスターとも戦える、とすぐさま答える彼は言う。何故ならラノベ作家だから、と──。

ラノベ作家である“センセー”や異世界で出会ったラノベ作家志望の“JK”も、異世界モノ
を書きたいから現地の文化や魔法などを勉強して物語を書いている、という発想が面白い。
そのためには異世界を滅ぼすことさえ厭わない、そんな決意の表れが随所に見受けられます。

やがてハーレムの取材先として訪れた魔王、その思いがけない人物像にラノベ作家としての
業の深さを垣間見た“センセー”がどう動くのか。異世界をガイドする“アミュー”が良い
立ち位置にいるので、その点も含めて見届けてほしい所。色モノと侮ることなかれ、です。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル