2017年03月15日

『六畳間の侵略者!? 25』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算27冊目は“晴海”が倒れ、シグナルティンが使えない
危機に陥る“孝太郎”が“エゥレクシス”や“真耶”をも唸らせる逆転の秘策を振るいます。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/711.html


“晴海”が“アライア”と共にあること。そして“シグナルティン”を使い続けるその意味
に気付いてしまった“孝太郎”。六畳間のメンバーの中で自分だけが「普通の人間」という
ことが度重なる襲撃からも思い知らされることとなり、今巻はかなり悩まされる感じです。

そんな状況を知ってか知らずか、“エゥレクシス”が極秘会談で“孝太郎”に仕掛けてきた
ある提案がまた上手く隙を突いてきて。これは一枚上を行かれてしまったか、という状況を
まさか“アライア”の思わぬ布石が覆していく展開が熱い。“ルース”もよく気づきました。

そして迎えた総力戦。両陣営共に迷いを吹っ切るような戦いぶりも存分に魅せてくれました。
今巻のあとがきで提示された「#六畳間の今後」に関するアンケートは今後の世界もif話も
これだけ長く続いたシリーズなので色々とやってほしいです。ゲームブックも楽しめそう。

posted by 秋野ソラ at 00:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年03月14日

『佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! 1』

九曜 先生の「第1回カクヨムWeb小説コンテスト・特別賞」受賞作。念願の一人暮らしを
するはずだった少年が、同じ学校の下級生女子と同棲することになる学園生活を描きます。
(イラスト:フライ 先生)

http://ebten.jp/eb-store/p/9784047344990/
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880240118


不動産屋の手違いから二重契約された部屋で美少女と言う他ない“佐伯さん”と同棲する
ことになった“恭嗣”。誰もが羨む状況かと思えば登下校は別々、学校でも接触は禁止と
厳命された彼女は部屋での雰囲気との違いに戸惑う。実はある過去が関係していて──。

自分に素直で開けっ広げな佐伯さんこと“貴理華”が耳にする“恭嗣”が校内でも指折り
の美少女“美ゆき”と付き合っていて、しかも振ったという噂。誤解を解かない彼に対し
多少の幻滅はするものの、諦めずに向き合う彼女の姿勢が実に健気で、好感が持てます。

同居人の影響を思いのほか受けていることに内心、驚きを隠せない“恭嗣”。変わりつつ
ある彼に抱く新たな興味を隠さない“美ゆき”。自然と心惹かれていく同室の異性に対し
それとなくアピールを続ける“貴理華”。三者三様の想いがどう絡んでいくか楽しみです。

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2017年03月13日

『君は月夜に光り輝く』

佐野徹夜 先生の「第23回電撃小説大賞・大賞」受賞作。皮膚が光る不治の病で余命僅かの
級友の少女を、会ったこともないという少年が見舞うことで動き始めていく愛を描きます。
(イラスト/loundraw 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-892675-1/


「発光病」により病室での生活を余儀なくされる“まみず”に向けて級友たちが書いた
寄せ書きを代理で届けることになった“卓也”。死ぬ直前の姉と様子が似ていたことに
何かを感じた彼は、彼女が「死ぬまでにやりたいこと」を代行しようと提案する──。

“まみず”が大事にしていたスノードームを壊した、という代償に乗ってあれやこれや
と“卓也”にお願いをしていく顛末は「彼女に余命がない」という事実を払拭するかの
ような楽しさを感じさせます。ですが、確実に迫る彼女の死を拭うことはできません。

いつしか心惹かれあう二人となった“まみず”と“卓也”が愛する人を残し奪っていく
死という絶望に対してどう結論を出すか。中原中也のある詩に引かれた線、その続きに
ある想いと、彼女からのお願いを受け止めた彼の決断をぜひ見届けてほしい秀作です。

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2017年03月10日

『機甲狩竜のファンタジア2』

内田弘樹 先生が贈る戦車と竜が織りなす機甲幻想譚。第2巻は森に棲むエルフと彼女らが
持つ戦車と共に挑む遺跡の調査の中で“サツキ”がひた隠しにしていた過去と向き合います。
(イラスト:比村奇石 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321604000579


竜災期の到来に備え暴竜種の正体を探る手掛かりを求めて古代文明の遺跡「雲海の塔」に
同道するIV号駆逐戦車ラングとエルフたちの華々しいダンジョンアタックが・・・と思いきや
“カヤーク”から“サツキ”を追及する発言を前に“トウヤ”たちと共に困惑させられます。

そこへきて“フィーネ”の出自が明らかになると共に、背負わされた課題への解決に総員
手助けに回る・・・というか巻き込まれる感じがコミカル。更に“シェルツェ”が抱く想いの
変化と“ヨシノ”の変えてはいけない決意の対照的な機微が年頃の青春を描いてきます。

戦車の圧倒的な力を改めて目の当たりにすると共に、その上をゆくバハムートとどう対峙
するのか。そもそもバハムートとはどんな存在なのか。それが“サツキ”の過去にどう
関わってくるのか。エピローグの副題と挿絵が全てを昇華してくれたことに感嘆しました。

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2017年03月09日

『豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい』

カクヨムPV数NO.1を誇る、合田拍子 先生の「第1回カクヨムWeb小説コンテスト・特別賞」
受賞作。アニメの世界に嫌われ者の悪役として転生した少年が運命に抗う行動に出ます。
(イラスト:nauribon 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321611000756
https://kakuyomu.jp/works/4852201425154898215


熱血主人公“シューヤ”の活躍を描く大人気アニメ『シューヤ・マリオネット』。それを
熱狂的に支持する“俺”があろうことか巨漢の悪役“スロウ”に転生。訳あって問題児と
して振舞っていた豚侯爵の人生をアニメの知識を活かし別の道に進めるべく動き出す──。

ダイエットに励んだり、先生や生徒に適切なアドバイスをしたりと本来の“スロウ”には
見られない所作が物語の空白期間という状況を踏まえ「豚公爵」という悪名を変えていく
展開が心地よい。歴史の影の立役者である彼が表舞台に立とうとする活躍にまずご注目。

そんな“スロウ”に唯一残された従者“シャーロット”をはじめ、描かれるキャラクター
が魅力的で、それを nauribon 先生の挿絵が強力に後押しします。ホントにかわいいな。
「好き」と言いたい相手にふさわしい男になれるか、彼の努力を見届けたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル