2020年03月09日

『りゅうおうのおしごと!12 小冊子付き限定版』

白鳥士郎 先生が贈る熱血将棋コメディ。第12巻はプロ棋士を目指す“銀子”が心身を削り
三段リーグ終盤に臨む怒涛の展開を、限定小冊子では彼女の魅力を余すことなく描きます。
(イラスト:しらび 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815604943.html


“創多”と“鏡洲”の対局では「自分の将棋を指す」信念を、“鏡洲”と“銀子”の対局
では血反吐を吐いてでも「勝つしかない」棋士の意地を、そして“於鬼頭”と“八一”の
対局ではソフトとは違う「人にしか読めない」将棋を、立て続けに魅せつける圧巻の展開。

そんな熱い勝負の傍ら、“銀子”と“八一”の蜜月が如き2人の関係に思わずニヨニヨ。
“天衣”が開き直って奇襲する様子や、彼女の決意を前に涙を流す“あい”の姿を見て
一波乱あってもおかしくないと思いつつ、あの2人を崩せる手があるか悩ましくもあり。

“於鬼頭”がスクラップブックに残したかった言葉が“創多”の胸に響くのも印象深くて。
修羅の道を進む果てに“銀子”の幸せがあってほしい、と願うのも自然な流れな気がして。
小冊子で文章と絵を駆使して描かれる彼女の尊さを十二分に味わいながら次巻を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年03月06日

『おいしいベランダ。 8番線ホームのベンチとサイダー』

竹岡葉月 先生が贈る大好評・園芸ライフラブストーリー。第8巻は神戸に仕事の拠点を
移す“葉二”と共に歩む人生を夢見て、関西での就職活動に臨む“まもり”が奮闘します。
(イラスト:おかざきおか 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/oishiiberanda/321808000697.html


“葉二”の実家にご挨拶、ということで両親に対し彼には何も不安要素がないはずが兄の
“香一”が突如現れて爆弾発言を投下。怒り心頭の母親が感情を持て余し家出をするのも
無理はなく。そんな中でも“まもり”がご両親の心証を良くするあたりは流石の成長ぶり。

神戸への引っ越しを手伝う“まもり”が“葉二”の元同僚“勇魚”と改めて顔を合わせて
為人を掴み合うエピソードは「神戸編」の始まりを実感させます。環境の変化が新天地に
おける未知なる発見の楽しみも予感させて、不安だけでなく期待もあることを窺わせます。

立ち上げたデザイン事務所で代表を務める“葉二”のストイックな仕事ぶり。それに対し
プライベートの愛らしさに所員たちが微笑ましさを覚える中、“まもり”が就活に苦しみ、
関西で仕事を見つける意味を見失わず、嬉し涙を流すまでの顛末は必見で、胸を打ちます。

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2020年03月05日

『妹さえいればいい。14』

平坂読 先生が贈る大人気青春ラブコメ。第14巻は最愛の人との結婚生活を送る“伊月”が
小説家としての生き様をさらけ出す顛末や、周囲の人々のその後を描く最終巻となります。
(イラスト:カントク 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518283


「主人公になりたい」を超える作品はないものの、好評な作品を世に送り続ける“伊月”。
自身を超えるための鍵となるのは妻となった“和子”だが、彼女は3人の生活に満足して
“可児那由多”に戻る気配はなく。突破口となる“京”の狙いがドンピシャなのが流石で。

結果として映えある賞を受賞し、スピーチの場に登壇する“伊月”が世界中の主人公へ、
もしくは主人公候補たちへ向けて放った一言はまさに鮮烈。カントク先生の挿絵も印象的。
彼の周囲もうまく纏まったり混迷を極めたりしていて「らしさ」に溢れているのもお見事。

巻末に収録の番外編「青い小鳥たち」は、そんな主人公たちの次の世代を中心とした物語。
これは続きが読みたくなるほどの完成度を持った内容で何と言うかズルくてもったいない。
次回作も決まった模様ですので完結を祝いつつ、その刊行を楽しみに待ちたいと思います。

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2020年03月04日

『宝石吐きのおんなのこ10 〜ちいさな宝石店の紡ぐ未来〜』

なみあと 先生が贈るファンタジーノベル。第10巻は騒動が収束し、リアフィアット市へと
戻ってきた“クリュー”が体質の変化を見据え“スプートニク”共々ある決意を固めます。
(イラスト:景 先生)

https://amzn.to/2T8d9sw


“ソアラン”が「魔法少女ナギたん」として憂さ晴らしをするのも、全てを知ってもなお
“イラージャ”が果敢に彼を追い詰めようとするのも、そんな彼女を“ファンション”が
焚きつけるのも、愛おしい日常の一つなのだと再認識。彼には災難な話でしょうけれども。

「おかえりパーティ」を前に“ユキ”として“スプートニク”に、そして“クリュー”に
接してきた彼女が明かす胸の内。激情に駆られて露にする妬ましさ、その先にある達成感。
学ぶべきことが山積する“クリュー”がその想いをどこまで汲めたのかは推して知るべし。

例え宝石吐きの能力がなくても“クリュー”の帰る場所は「スプートニク宝石店」であり、
その店主の傍にある。約束された未来を予感させるエピローグには感慨深さもひとしおで。
無事の完結を祝い、なみあと先生のご清祥を祈念しつつ、次回作に期待を寄せる次第です。

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2020年03月03日

『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』

みかみてれん 先生が贈る、2月に刊行するもう一つのガールズラブコメ。陽キャを目指す
少女が校内一の美少女と友人になるはずが恋人になるかどうかの駆け引きを繰り広げます。
(イラスト:竹嶋えく 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631356-8


“真唯”は金髪碧眼のクォーターで、プロのモデルもこなす文武両道のスーパー高校生。
高校デビューに成功した“れな子”は、その証として彼女と友だちになり、思いがけず
弱音を聞き慰める形に。するとなぜか“れな子”は“真唯”から告白されてしまい──。

“真唯”と親友でいたい“れな子”に対し、“れな子”と恋人同士になりたい“真唯”。
互いの気持ちを分かってほしい、と親友として振る舞ったり、恋人として寄り添ったり
関係を入れ替える2人の様子が面白く、漫才のボケとツッコミを見ているかのようです。

ある日を境に行き違いを起こす2人。傷心の“真唯”に隠れて“れな子”が“紫陽花”
に勘違いされたり、“香穂”にライバル視されたり、“紗月”に気遣われる展開が絶妙。
“真唯”と“れな子”の関係を言い表す相応しい言葉を探求する2人を見届けたいです。

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2020年03月02日

『女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話』

みかみてれん 先生が頒布する同名の同人小説、通称「百日百合」シリーズが商業作品化。
百万円を懸けて女の子同士が付き合う可能性の有無を問い質すガールズラブコメディです。
(イラスト:雪子 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815604479.html


イケてる女子高生の立ち位置を維持する“鞠佳”は金欠なためサポート交際も視野に、と
友人たちにほのめかす。すると同級生の“絢”から突如「1日1万円で私のサポを受けて」
と提案される。彼女は“鞠佳”が女の子同士の交際を否定したことにご立腹のようで──。

同人誌で描かれる2人の雰囲気をそのままに、雪子 先生の洗練された挿絵や四コマ漫画
による演出もあって、より読みやすく「ガルコメ」を堪能できる作品に仕上がっています。
「ありえない」なんてありえない、と言わせられる“鞠佳”のあの笑顔に思わずニヨニヨ。

巻末の書き下ろし短編では、そんな“鞠佳”に迫る“絢”の興味深い胸の内が描かれます。
こういった描写を堪能できるのも小説ならでは。同人誌を既読の方にこそお薦めできる話。
「ガルコメ」の流れを みかみてれん 先生がけん引してくれると信じつつ続刊を待ちます。

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2020年02月28日

『天才王子の赤字国家再生術6〜そうだ、売国しよう〜』

鳥羽徹 先生が贈る弱小国家運営譚。第6巻は海運での交易に活路を図る“ウェイン”が
遥か南方で繰り広げられている海洋国家の覇権を巡る争いに巻き込まれる顛末を描きます。
(イラスト:ファルまろ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815605353.html


“トルチェイラ”の仲介でパトゥーラ諸島に赴いた“ウェイン”を、有無を言わさず投獄。
その人物こそ、パトゥーラの次期指導者として有望視されたが狼藉の果てに追放された後、
海賊まがいの活動で支配を広げる“レグル”。そこからまず脱獄する手腕がお見事の一言。

“レグル”に対抗する弟“フェリテ”に助力を求められた“ウェイン”がかの暴君にある
背後関係まで見据えて手を打ちにかかる過程が面白い。“フェリテ”が持つ覇権を握る鍵
「虹の王冠」を“ウェイン”が活用する方法には驚かされます。小気味よいどんでん返し。

雌雄を決する“レグル”と“フェリテ”の海戦の演出も熱く、後押しする“ウェイン”の
嫌がらせ行為も実に彼らしい。他にも“フラーニャ”が見逃した“ニニム”の恥じらう姿
など見どころ押さえてこの紙幅でよく纏めてきました。ファルまろ先生の挿絵も必見です。

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