2019年05月30日

『後宮妃の管理人 〜寵臣夫婦は試される〜』

しきみ彰 先生の「第1回富士見ノベル大賞・審査員特別賞」受賞作。皇帝の側近と結婚し
側室たちの健康管理を任された行かず後家の女性が後宮の闇に挑む中華ファンタジーです。
(イラスト:Izumi 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/321901000521.html


商会の一人娘“優蘭”が側室の美容と健康を管理する役割を賜り、更に右丞相“皓月”と
婚姻することで史上初となる家臣夫婦誕生に沸く黎暉大国。商魂逞しい彼女は突如始まる
夫婦生活と後宮の仕事、そして夫の意外な秘密と皇帝の狙いを前に大いに困惑するが──。

「間違った美容法で傷つく女性を見たくない」その強い想いを胸に培ってきた知識を基に
宮廷内の派閥争いも見定めつつ後宮の四夫人と渡り歩いていく“優蘭”。彼女が皇帝から
明示されず仕組まれた課題を知らぬ間に解決していく顛末は興味深く、また実に爽快です。

皇帝に振り回される苦労人な“皓月”。彼の穏やかな人物像が、妻に危害を及ぼす悪意を
知ってから良い方向に崩れていく様子も見どころ。惚れ惚れするほど良い旦那さんですわ。
“優蘭”が皇帝への好感度をだだ下がりさせる中、更なる受難をどう克服するか注目です。

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2019年05月29日

『竜魔神姫ヴァルアリスの敗北2 〜魔界最強の姫が人類のグルメに負けるはずがない〜』

仁木克人 先生が贈る最強グルメコメディ。第2巻は東京23区を離れ関東近郊に勝算ありと
足を伸ばす“ヴァルアリス”が続々登場するメニューを前に敗戦記録も伸ばしていきます。
(イラスト:茨乃 先生)

https://dengekibunko.jp/product/valalice/321811001117.html
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885049300
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM00000020010000_68/


“サチュラ”の手助け、“インフェリス”との思いがけない勝負、様々な過程を経て場を
神奈川、千葉・・・などと東京を離れつつ福島、岩手と北へ進んでいく“ヴァルアリス”が
数々のご当地グルメに舌鼓を打ちながら、つい完食して打ちひしがれる姿はいつも可愛い。

季節や場所に合わせて容姿を変える“ヴァルアリス”を描く 茨乃 先生のイラストもまた
演出に花を添えてきて実に見事。「ComicWalker」にて 矢澤おけ 先生による漫画連載も
始まり、今後ますますの躍進が期待できるシリーズになった感があります。楽しみです。

「滅界儀式」の進捗が芳しくない状況下において“ヴァルアリス”を疎ましく思う者たち
による妨害工作も出始める中、彼女が人界である日本の地において見つけた意外な人物。
その人と向き合うことで彼女は成長するか、儀式の準備は進むのか。続く展開を待ちます。

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2019年05月28日

『七つの魔剣が支配するIII』

宇野朴人 先生が贈る大人気学園ダークファンタジー。第3巻は上級生“オフィーリア”の
使い魔に友を奪われた“オリバー”たちが全てをかなぐり捨てて迷宮の深みに向かいます。
(イラスト:ミユキルリア 先生)

https://dengekibunko.jp/product/7-maken/321812000849.html


上級生たちが救出に向かうまでの期日にしびれを切らした“オリバー”たちを、迷宮の深部
へと導くために鍛え上げる手助けに回る“ミリガン”。裏がありすぎでも藁をも縋る思いで
頼らざるを得ない彼らの非力さは、これまでの活躍をもってしても補えないのが実に切ない。

“ミリガン”が示す“オフィーリア”の操る合成獣への対応策。それらを着実に吸収、いや
それ以上に活用する“オリバー”たちに舌を巻くのも納得。その一方で“オフィーリア”の
昔話として語られる彼女を取り巻く事情の数々が穏やかでいて不穏なのも気を惹く展開です。

“ゴッドフレイ”と“オフィーリア”は共にどんな想いで対峙するのか。“ナナオ”が刃を
彼女に向けた瞬間に抱いた想いとは。決死の覚悟で彼女に想いを告げるべく臨んだのは誰か。
終わりゆく者たちと続く道を行く者たちの機微を噛みしめつつ、二年生編の開幕を待ちます。

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2019年05月27日

『Unnamed Memory II 玉座に無き女王』

「ラノベニュースオンラインアワード(2019年1月)」三冠達成した 古宮九時 先生の大人気
Web小説。第2巻は“ティナーシャ”の婚約者登場で“オスカー”との関係が揺らぎます。
(イラスト:chibi 先生)

https://dengekibunko.jp/product/unnamed/321810000950.html
https://ncode.syosetu.com/n1488bj/


魔法士を排斥する国、タァイーリ。その隣国、クスクルの魔法士に国境近くの町が襲われ、
話を聞いた“ティナーシャ”の様子が不自然だと思ったら彼女を親しげに呼ぶかの国の王
“ラナク”の元へ付いていく突然の展開で。解呪された“オスカー”が困惑するのも納得。

そして明示されていく“ティナーシャ”の出自、“ラナク”との過去、魔女となった経緯。
先生が狙って開けたあの穴も、彼女が「誰のこともそんな目でみたことない」と発言する
までに至った契機を印象づけるのに十分な演出で。“オスカー”が憤りを感じるのも道理。

過去を清算した主を前に“パミラ”が「恋人同士に見える」と力説する2人の関係は実に
ニヨニヨするほどこそばゆくて、けれど結婚には至らずもどかしくて。そんな2人に対し
謎の人物が示す恨み辛みの深さがまた不気味で。“オスカー”が何とかしてくれると期待。

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2019年05月24日

『女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話3』

みかみてれん さんのサークル「てれたにあ」が贈る百合小説「百日百合」シリーズ第3巻。
“絢”が勤めるバーでクリスマスイブにパーティーをする話から始まる人間模様を描きます。
(イラスト:雪子 さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/


冒頭から“絢”からの罰ゲームに屈するあたり懲りないな、と言わざるを得ない“鞠佳”の
あられもない様子に気恥ずかしさを感じつつ、“絢”にとってクリスマスイブとは何ぞや、
という意味を知った時の“鞠佳”の言動がまさにお付き合いしている感丸出しで好きです。

そんな特別な日に合コンをセッティングし、“鞠佳”にお誘いをかけてきた“玲奈”が今回
“鞠佳”が抱く心境の変化を描くにあたって重要な役割を担うことになります。学生生活で
築いてきた人間関係が永遠に続くワケない、なんて「ありえない」と知った彼女のためにも。

“絢”と“鞠佳”の肉体関係に関する描写もだいぶ深みが増して、紙幅の割合も高くなって
おります。また“鞠佳”が“絢”に対して攻めの姿勢を見せる場面もあって、その“絢”が
また可愛かったりするのがズルいです。エピローグで示した“鞠佳”の決意もお見逃しなく。

posted by 秋野ソラ at 00:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2019年05月23日

『家に帰るとカノジョが必ずナニかしています』

柚本悠斗 先生が贈る新作は、「お一人様理論」なる持論を貫く高校生男子が突如現れた
美少女と週末限定のレンタル家族契約を結ぶことから始まる寸止め系青春ラブコメです。
(イラスト:桜木蓮 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815601935.html


母親はすでに亡く、山籠もりをする父親とも疎遠となって久しい“颯人”。その父親から
「誕生日プレゼント、可愛いだろ」と派遣されてきたのが“朱莉”で、彼との共同生活に
だいぶ前向きな様子。更に同じ学校に転校までしてきて独り身の彼には悩ましい話で──。

前のめりなワリには事に至らない、レンタル家族のことを周囲に秘密にしながらもまるで
交際しているかのように振舞う“朱莉”。そこへ“颯人”に何かと絡んでくる“羽凪”や
“朱莉”ラブな重度のシスコンぶりを示す妹の“雫”も加わりドタバタ感が面白いところ。

“颯人”と“朱莉”の関係が思わぬ騒動、そして事件へと繋がっていく一転した展開の中
「お一人様理論」を貫こうとした彼の人間関係を問うことになる引き具合が気になります。
必ず「ナニ」をしている「カノジョ」は大丈夫なのかと苦笑いしつつ続きを待つ次第です。

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2019年05月22日

『三角の距離は限りないゼロ3』

森野カスミ 先生による漫画連載も始まった、岬鷺宮 先生が贈る不思議な三角関係恋物語。
第3巻は三角関係の展開に戸惑う“四季”の心を彼の過去を知る人物が更に揺さぶります。
(イラスト:Hiten 先生)

https://dengekibunko.jp/product/zerokyori/321810000956.html


“春珂”の諦めない姿勢がクラスの文化祭実行委員へ“四季”と共に立候補するという荒業
まで成し遂げる中、彼女の想いを知りつつ自身の「好き」という感情の間で揺れる“秋玻”。
そこへ彼の「キャラ作り」の原点となる“霧香”が本音をぶつけてくるものだからさあ大変。

注目の的となる共同ステージの準備を進める過程で、昔の“四季”と今の“四季”の違いを
これでもかと彼自身に、そして“春珂”たちに突き付けてくる“霧香”。本当の自分とは
何なのか、キャラを作ることは嘘なのか、他人と向き合う難しさを改めて考えさせられます。

“霧香”があの宣言を有言実行とさせるべく仕組んだ文化祭の顛末。自己否定してきた自分
自分の感情と再び向き合うことになる“四季”と、抱いてきた思慕に楔を打たれる“秋玻”。
思いがけない結末へと繋がった三角関係の距離、そのバランスの行く末を見守りたい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル