2017年06月09日

『異世界駅舎の喫茶店 小さな魔女と記憶のタルト』

『ミスター味っ子』の 寺沢大介 先生に推され満を持して刊行となる Swind 先生の異世界
転移スローライフ・ストーリー。第2巻も“タクミ”と“ニャーチ”は大忙しの模様です。
(イラスト:pon-marsh 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=02727801
http://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF00000034010000_68/
http://ncode.syosetu.com/n2046cp/


実は紅茶党、という意外な側面を見せる“タクミ”に譲られる希少な麺類と新メニューの
作成依頼。これがまたおいしそうで。料理を通じて人の縁を更に広げていくと共に駅員と
しての心構え、ひいてはサービス業に携わる上で大切なことを示す彼に男気を感じます。

今回“ロランド”の他に不遇な少女“ルナ”を引き取ったことで料理を作る動機づけと、
作る際の説明へと繋げるパターンが増えて流石だと感じました。喫茶店が軌道に乗った
ところで改めて“タクミ”は未来をどう見据えるのか、実はずっと気になっております。

同月刊行となる 神名ゆゆ 先生のコミックス1巻も拝読。こちらは料理を食べる描写に
注力している、とのことでこちらも飯テロ感が半端ない。“ニャーチ”が愛嬌たっぷりで
愛らしいこと間違いなし。書籍とは違う本作の魅力が味わえるので合わせてお薦めです。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年06月08日

『ようこそ実力至上主義の教室へ 6』

衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。第6巻は例年退学者が出る期末テストへの対策を
立てる各クラスと、体育祭で注目を集めてしまった“綾小路”がどう振舞うかに注目です。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1539


Dクラスに黒幕がいると確信しつつも特定に至らない“龍園”の絶妙な距離感と駆け引き。
何度も走る緊張感がまた面白い。“綾小路”も足がつかないよう念入りに手は打ってますが
それこそ足元をすくわれないか怖いもの見たさに似た感覚を抱かせてくれる見所の一つで。

一方、前回の失態から考えを改めた“堀北”に立ちはだかるのは“櫛田”。まさに内憂外患
と言える状況でこれまたトリッキーな期末テストを乗り越えられるか、という展開も静かに
熱いやりとりを魅せてくれます。“綾小路”も“堀北”と距離を置きたい状況下ですので。

打開策として一つの賭けに出た“櫛田”と“堀北”の裏で空恐ろしい「保険」を掛けていた
“綾小路”の余裕な態度に、いよいよ同じ土俵で“龍園”と争う日の接近を予感させます。
2017年7月にTVアニメ放送開始となる本作、続刊の内容にますます期待と注目を集めます。

posted by 秋野ソラ at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年06月07日

『世界の終わりの世界録<アンコール>10』

細音啓 先生が贈る王道ファンタジー。第10巻は「世界録」の役割と共に終焉を乗り越え、
“エルライン”も成し遂げられなかった未来を掴み取る“レン”たちの戦いを描きます。
(イラスト:ふゆの春秋 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1541


ようやく“ナスターシャ”の存在意義が、そして「世界録」本来の役割が明らかになって
胸をなでおろす思いでした。そして全てが繋がった、と感じられるあの高揚感は何と表現
したら良いやら。過去の象徴たる終焉の精霊と未来の魁たる“レン”の戦いは圧巻の一言。

力を手にしてしまった者たちと、力を持たなかった者たち。物語の中で都度描かれる両者
それぞれの背景や心情、価値観や目標がこの世界を、世界の終わりを形成してきたのだと
“ミスティ”や“イシス”“フィオラ”“ゼルブライト”の挿話からも改めて窺えます。

文句なしの大団円、かつエピローグは読了感も申し分なし。同梱の「COVER ILLUST BOOK」
に添えられた先生の解説一つ一つにも物語に込められた想いを垣間見るようで堪能させて
もらいました。最後まで読めたことを幸せに思います。先生の次回作にも大いに期待です。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年06月06日

『ジャナ研の憂鬱な事件簿』

酒井田寛太郎 先生の「第11回小学館ライトノベル大賞・優秀賞」受賞作。先輩の後を継ぎ
「ジャーナリズム研究会」編集長を務める少年が抱く報道へのトラウマと葛藤を描きます。
(イラスト:白身魚 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094516791


時には過激な内容も辞さないことで知られる学生新聞「波のこえ」。過去の苦い経験を経て
ジャーナリズムをエゴイズムと解くようになった“啓介”はそれを毒にも薬にもならぬもの
にしようとするが、ある事情を抱える女子生徒を助けることで思わぬ方向へと動き出す──。

モデルの経験をもつ“真冬”に仕組まれた罠に気付いた“啓介”。洞察力、情報分析能力の
高さが次々に浮き彫りとなっていくからこそ彼が抱く「報道」への思いと重さが伝わるかの
ようで。独特の面倒くさい人間関係も日常系ミステリーの作風に一役買う形となっています。

期せずして校内の厄介ごとを解決していく流れが最後の「さようなら、血まみれの悪魔」に
結びついていく話の構成もお見事。“啓介”を軸としながらも“真冬”の物語でもあったと
言える締め括りも良い読了感を味わえました。シリーズ化を希望したいお薦めの作品です。

posted by 秋野ソラ at 02:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年06月05日

『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』

細音啓 先生が贈る新作は、長く続いた機械仕掛けの国と魔女の楽園の争いに和平を求めて
動く両国の英雄たる少年と少女の出会いと衝突、葛藤を描くヒロイック・ファンタジーです。
(イラスト:猫鍋蒼 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321701000667


「星霊」──高度機械化文明により発展した帝国が触れた星の深部から噴き出す未知の力。
触れた者は法力を得ると共に帝国から迫害され、やがて独立しネビュリス皇庁を建国する。
強引に和平交渉を図る“イスカ”と帝国打倒を狙う“アリス”の邂逅が運命を動かす──。

やり方は違えども、共に百年も続く戦争を止めようとする狙いは同じ。皇庁の星霊部隊を
圧倒する力を持つ“イスカ”と、帝国の兵器動力炉を単独で破壊する力を持つ“アリス”、
二人が中立地帯で度重なる偶然により互いを知り、困惑していく話運びに惹き込まれます。

古き確執に従い争うのか、それとも新しい未来を求めて戦うのか。“イスカ”と“アリス”
の想いをも利用する者たちも垣間見えて、物語の導入としては十分に魅せてもらいました。
猫鍋蒼 先生のイラストも盤石で、場を和ませてくれる“ミスミス”一押し。お薦めです。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル