2018年10月26日

『魔法科高校の劣等生 司波達也暗殺計画(1)』

佐島勤 先生が贈る大人気シリーズのスピンオフ作品。暗殺を生業とする少女がその現場を
“達也”に見られたことで、いらぬ苦労とあらぬ運命を背負うことになる顛末を描きます。
(イラスト:石田可奈 先生)

https://dengekibunko.jp/product/mahouka/321805000011.html


暗殺者を束ねる「亜貿社」に所属する“有希”。彼女がいつもの如く殺しの依頼をこなす
ある日、妙に落ち着いた様子の少年に見られた上に取り逃がすというまさかの失態を犯す。
彼の名は“司波達也”。底知れない何かを感じる年下の少年を彼女は始末できるのか──。

知っている側からすると、“有希”の「最初から詰んでる」と言わざるを得ない境遇には
同情すら覚えるワケで。相棒の“鰐塚”がサポートするも“達也”を憧憬する“文弥”の
介入もあって少しずつ追い詰められていく彼女が見せる負けん気は健気とも言える感じで。

あとがきにもありますが本作の「ヒロイン」は誰か、という視点で見ると本作を読了して
感じる印象には違いが出るかも。何を言われても“有希”へ変装を促す“黒川”の姿勢は
天晴れと申し上げたい。“有希”が新しい環境下でどう生きていくのか見ていく次第です。

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2018年10月25日

『乃木坂明日夏の秘密(2)』

五十嵐雄策 先生が贈る次世代シークレット・ラブコメ。第2巻は夏休みを通じて秘密を
共有し合う“明日夏”と“善人”の前に彼女の姉“未来”が現れて一波乱ありそうです。
(イラスト:しゃあ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/nogisaka/321805000014.html


“善人”を「せんせー」と呼ぶ“明日夏”の気が置けない様子は何ともこそばゆくて実に
良いものです。お揃いのアイテムを購入したり、水着姿を堪能したり、プチ遭難したりと
うらやまけしからん場面が目白押し。しゃあ 先生のイラストも映えるシチュエーション。

今回は“明日夏”のうっかりさんなところから夏コミに参加することになってしまう所を
支援する形になる“善人”。その過程で彼が“未来”とのやり取りを通じて“明日夏”の
心に姉の存在が影を落としていることを再認識するシーンでは男気を魅せてくれました。

何かと“明日夏”たちを後押ししてくれる“美夏”が二人の様子を見てつぶやいたほんの
少しの本音にちょっぴり切なさを感じてみたり。乃木坂家の関係者との接触が増えてきた
“善人”ですが、次はいよいよラスボス登場といった感じで。どう話が転ぶか楽しみです。

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2018年10月24日

『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』

鴨志田一 先生が贈る青春ストーリー。TVアニメ放送中に刊行される第8巻は子役時代の
“麻衣”に似た少女と出会った“咲太”が、改めて家族とのつながりを見つめ直します。
(イラスト:溝口ケージ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/aobuta/321805000007.html
https://ao-buta.com/


小学生の女の子に気付いたのは“咲太”だけ。“麻衣”に尋ねても見ていない、という
回答から新たな思春期症候群の発症を予感させるものの、それが何か見えてこない展開
にはどこか緊張感を漂わせます。“翔子”のワンピース姿がまるで一服の清涼剤のよう。

「“花楓”に会いたい」と母親の気持ちを受けた彼女に湧き上がる感情の昂りとは逆に
いろいろと悩みに考えを巡らせる“咲太”。その油断を突くかの如く始まる異常事態。
迷子の少女、という存在がまさに彼がいま母親に対してどう思っているかを示します。

「みんな、自分でなんとかしたんだよ」その言葉にそれでも前を向く“咲太”の芯の
強さを見せつけられた気がして、強く印象に残ります。そして“麻衣”がいることの
安心感にひたらせてもらいました。布石を打ちつつの大学生編に移る次巻に注目です。

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2018年10月23日

『ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌2』

峰守ひろかず 先生が贈る「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズのスピンオフ。第2巻は
新たなビブリアファイトを通じて変わっていく“響平”と“こぐち”の機微に触れます。
(イラスト:おかだアンミツ 先生 原作・監修:三上延 先生)

https://dengekibunko.jp/product/biblia/321805000008.html
https://biblia.jp/


委員長然とする“のどか”を相手に繰り広げる舌戦の熱気を楽しむのも束の間、彼女の
思いがけない秘密を知ることで距離感を縮めていく“響平”の迂闊さ。“こぐち”の淡い
気持ちがもどかしさを募らせる展開に対して罰のように彼が賭けの対象になるのは面白い。

いつの間にか一緒にいるのが当たり前、そう思っていた“こぐち”。彼女に想いを伝える
者の登場を前にしても一歩踏み出せない“響平”。『ブギーポップ』を読んで一皮むけて、
『とらドラ!』を通じて彼女を、そして自分をも後押ししていく話運びがとても素敵です。

ビブリアファイトを半年続けてきて“響平”が気づいたこと。それが何なのかを最後まで
見届けて頂きたい。最後の引用も実にお見事。おかだアンミツ 先生の挿絵からも窺える
“のどか”の精神的な成長も感慨深いものが。また続きが読みたい気持ちでいっぱいです。

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2018年10月22日

『数字で救う! 弱小国家 3 幸せになれる確率を求めよ。ただしあなたの過去は変わらないものとする。』

長田信織 先生が贈る救国戦記ファンタジー。第3巻は“ソアラ”が領地を下賜する、その
意味を知っていてなお断った“ナオキ”のしがらみに、新たな騒動を交えて触れていきます。
(イラスト:紅緒 先生)

https://dengekibunko.jp/product/su-suku/321805000013.html


数学の才能を持つ逸材を求めて早速トラブルを招き入れる“ナオキ”。女性問題もですが
最後の引きの弱さとかも含めて、彼らしさを今巻も見せてくれます。“トゥーナ”に先を
越されるあたり“ソアラ”も報われないな、とか思っていたらけじめをつけてくれました。

“ソアラ”からの間接的なプロポーズを受け流した“ナオキ”が抱く無力感のような想い。
背景にある彼の過去、さらに世界の違いをどう受け止めてきたか吐露した内容が印象深い。
緩衝役を務めてくれる“テレンティア”の存在もまた重要で、立ち回りに好感が持てます。

グラフの使い方、解説の分かりやすさ、紅緒 先生の挿絵による絶妙な演出、そして2人の
絶妙な関係、まさに集大成と言える第3巻でありました。節目として綺麗にまとめてきた
とも言えますがここはぜひもう一声! 2人のその先とか穴埋めエピソードも見たいです。

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2018年10月19日

『いづれ神話の放課後戦争〈ラグナロク〉10 ─魔眼の王と天焦愛唄─』

なめこ印 先生が贈る学園ヒロイックバトルサーガ。第10巻は“大聖女”の世界の救い方を
体感した“雷火”が示す心の揺らぎを“バロール”が、そして“天華”が問いただします。
(イラスト:よう太 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321802000322


夢のような幸せすぎる日常。それを“雷火”に見せた“大聖女”の意図がどうしようも
なく彼の考え方と相容れないやり取り。更に彼女の方が正しいという点も踏まえるともう
絶望するしかない局面。だからこそ彼が、そして“バロール”が示す悪足掻きが映えます。

紆余曲折の中で今いる女性陣と共に過ごしてきた日々が“雷火”の心境に決定的な変化を
もたらしたことが分かる弱音の吐露。彼だから、という側面だけでなく、人として生きて
いく上での葛藤も窺える熱量に感動すら覚えるほどでした。これはぜひ見てほしいシーン。

“雷火”が示した決心は“天華”に対しても向けられます。最後の大一番となる兄妹喧嘩
の顛末も見どころ。彼女も引くに引けない場所まで来ている葛藤をついに明かしてくれた
感情の爆発ぶりも印象深いものがありました。無事完結させたことに御礼申し上げる次第。

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2018年10月18日

-インフィニット・デンドログラム- 8.遺された希望』

海道左近 先生が贈る激熱VRMMOファンタジー。第8巻は国難に対し〈マスター〉を戦力と
みなすか否か。若き国王代行の悩みも絡む遺跡へ“レイ”が新しいジョブを求め臨みます。
(イラスト/タイキ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/806.html


“ネメシス”の心配する気持ちも知らずに「聖騎士」でありながら“アズライト”に悪漢
と間違われる程のファッションセンスを見せつけてしまう“レイ”に微笑ましくも苦笑い。
訳ありだがやらかす“アズライト”や彼にアレを言われた時の“ネメシス”の姿が可愛い。

“アズライト”が抱える悩みに触れながら、遺跡にまつわる秘密や暗躍する人物たちに
迫っていく過程が緊張感の高まりを演出してきます。その中で真摯に対応する“レイ”の
姿に心を打たれていく彼女の機微。何かが報われる感じがして思わず応援したくなります。

“レイ”が見聞きする「オッドアイ」「名前表示のおかしい機械仕掛けの人型モンスター」
というキーワード。これが示す真実に気づいた彼が対峙する相手の強さ、それすらも嵐の
前兆くらいの扱いになっていて戦々恐々とする思いです。新スキルの扱いも含め注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル