2018年11月06日

『どらごんコンチェルト!(1)』

『きんいろカルテット!』の 遊歩新夢 先生が贈る新作は、挫折したトロンボーン奏者が
異世界で出会ったトランペットを吹く少女との交流を描く、異世界音楽ファンタジーです。
(イラスト/三輪フタバ 先生)

https://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=9784865543940&vid=&cat=BNK&swrd=


国際コンペでまさかの大失態を招いた“遊佐”。音楽を嫌いになるほどの失意から死をも
招いた彼が辿り着いたのは耳慣れない異国の地。彼はそこで魂を揺さぶる音色を紡ぎ出す
少女“フィリーネ”と出会い、竜神に音楽を奉納する竜楽師になる夢を手助けするが──。

音楽演奏に関する描写の妙については言わずもがな、権威に対する反抗心が窺える展開や
何のために演奏するのかを問いかけていく姿勢など、先生らしさが見える内容で安心感が
すごい。あと可愛い女の子が多く出てくる所もか。三輪 先生のイラストが花を添えます。

“ビショップ”の嫌がらせや“キトラ”が示す正しさ。“フィリーネ”へ迫る障害に対し
トラウマが残る“遊佐”が“ユーサー”として彼女に出来ることは何か。人のいざござを
前に竜神が示す託宣をぜひ見届けてあげてほしい。続刊に期待したいと思える作品です。

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2018年11月05日

『スレイヤーズ16 アテッサの邂逅』

神坂一 先生の往年の名作が復活。死闘を繰り広げた“リナ”と“ガウリイ”が里帰りする
途中で野盗騒ぎの護衛を引き受ける所から思わぬ陰謀に巻き込まれていく顛末を描きます。
(イラスト:あらいずみるい 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321806000019


独特な“リナ”の地の文、聞き慣れた呪文詠唱、おなじみの決めゼリフ。どれもこれもが
懐かしく、そして感慨深く思うのはリアルタイムで本作を読んでいた者として致し方ない
と言わざるを得ません。遠い記憶を呼び覚ましてくれる補足説明の数々も実に親切設計で。

いろいろあって大技が使えない“リナ”と“ガウリイ”とはいえ手こずる敵とはいかなる
存在か。これまた懐かしい“アメリア”や“ゼル”の手を借りて真相に迫っていく展開は
布石の打ち方、拾っていく流れも滑らかで読みやすいのなんの。只々、脱帽のひとこと。

長い時を経て『スレイヤーズ』という伝説みたいな作品に平成最後の年、新しく手にした
読者の方々にはどう映るのか実に興味津々。「ファンタジア文庫」30周年でもありますし
ぜひ新シリーズとして続けていただいて老若男女、楽しみを共感したいと願うばかりです。

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2018年11月02日

『辺境貴族、未来の歴史書で成り上がる 〜イリスガルド興国記〜』

三門鉄狼 先生が贈る新作は、所有者が好きなことを書き込める未来の歴史書を手にした
辺境の若き領主が楽な人生を手に入れるべく運命を書き換えていくファンタジー作品です。
(イラスト:東山エイト 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797398441.html


戦乱の世で戦死した父の跡を継ぎ王国の外れにある領地を預かることになった“アルト”。
遺品を整理していた彼が見つけた本から刻の精霊“クロノ”が現れるも彼女の軽いノリに
疑いの眼差しは拭えず。しかし試してみると、確かにありえない希望が現実となって──。

単純に未来が書き換えられてウハウハというワケではなくて“クロノ”が語ってくれない
未来の歴史書に課せられた制約を探りながら、窮地を救う未来を手繰り寄せていく様子を
“アルト”と一緒に考えながら楽しめる物語です。もちろん素直に読み進めるのも可です。

突然の躍進と“クロノ”の存在が気になる“アルト”のいとこ“エレナ”、彼に救われて
乙女回路が走っちゃう“リーゼロッテ”の言動も面白い。そして歴史書でもままならない
時代の流れが押し寄せてくる緊張感も見所と言えるでしょう。続きが気になる作品です。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年11月01日

『俺、ツインテールになります。16』

水沢夢 先生が贈るツインテール愛あふれるシリーズ。第16巻は“エンジェルギルディ”が
“トゥアール”の身も心もかき乱す展開に“総二”がかつてないツインテール愛を見せます。
(イラスト/春日歩 先生)

https://www.shogakukan.co.jp/books/09451754


ツインテール属性を摘出したことで“トゥアール”の死が間近に迫るほど寿命が縮まった
という真実。その力が自身の右手首にあるという事実。“総二”らの葛藤すら手玉に取る
“エンジェルギルディ”の直接に力を振るわないアプローチがいやらしいことこの上ない。

“総二”のツインテール愛をもってしても“トゥアール”が持つエレメーラの呪いを破る
ことが出来ず、“エンジェルギルディ”の強さにも圧倒され、“唯乃”の死を告げられた
“総二”たちが最悪の局面となる“ペルソナギルディ”と対峙する局面はまさにどん底。

故郷を失った“トゥアール”の復讐心を止められないのか、と諦めかけたその時、我らが
“総二”の見せた勇気からの怒涛のラッシュが熱い。春日 先生のイラストもそれを後押し
してくれます。巻末でいつも通りの彼女が見られて本当に良かった。次巻も楽しみです。

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2018年10月31日

『落第騎士の英雄譚15』

海空りく 先生が贈る学園ソードアクション。第15巻は“オル=ゴール”との直接決戦で
“ステラ”そして“一輝”が決断を迫られる、ヴァーミリオン戦役の最終局面を描きます。
(イラスト:をん 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797399011.html


“オル=ゴール”の姉として“一輝”と対峙する“アイリス”の圧倒的な強さは応援する
周囲も棄権を促すほど。けれど彼女に圧倒されながらも闘いを諦めない彼の姿に、勝利を
何が何でも掴もうとする貪欲さが見えた時の高揚感、そして結末が見せる寂寥感たるや。

その上で“オル=ゴール”が仕掛けてくる無差別で無慈悲な戦いぶりが実にえげつない。
しかし“ステラ”や仲間たちも負けない強さで対抗するあたりは熱量あふれる展開です。
その彼女の働きをも上回る《傀儡王》の切り札がまた凄くて、“一輝”も油断するほど。

最初から間違っていた“オル=ゴール”の正しさと、彼が憎んだ“一輝”たちの正しさ。
命を懸けた“一輝”の決断を“ステラ”がどう受け止めるのかぜひ見届けていただきたい
最終局面にふさわしい話運び。引きは色々どうなるんだ感が強く、続きが気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年10月30日

『弱キャラ友崎くん Lv.6.5』

屋久ユウキ 先生が贈る人生攻略ラブコメ。シリーズ初の短編集は“日南”たちがこれまで
目にしてきた様々な青春模様に繋がるまでの物語、その数々を小編としてまとめています。
(イラスト:フライ 先生)

https://www.shogakukan.co.jp/books/09451757


「そして、その後の話。」に至るまでに変化していく“七海”の機微が今巻だけでも見て
取れるという、何とも言えないこそばゆい感がたまりません。また、彼女視点からも含め
窺える“友崎”の印象とその遷移も見逃せません。7巻の刊行が待ち遠しくて仕方がない。

そんな中、胸に響いたのは“菊池”の小編。逃避から始まったかも知れない図書室通いで
たまたま出会ったマイケル・アンディの作品から、登場人物に対する共感を自身の変革へ
繋げていく勇気、それがしっかりと結果に結びつく日記帳の記載に心が温かくなります。

ほかにも“泉”の取り越し苦労な感じとか、パーフェクトヒロインになる前の“日南”が
自身を高めるためにどんな考え方をもって行動してきたかが分かるのも、この短編集の
醍醐味と言えるでしょう。本筋だけでは見えない物語、機会があればまた見たいものです。

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2018年10月29日

『ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?2 〜たまらなく愛おしく、とにかく尊い〜』

望公太 先生が贈る純愛・甘々ラブコメディ。第2巻は“薫”が同級生の“咲”から突然の
「付き合ってもいいのよ?」宣言をもらったことで、“姫”との関係が再びざわつきます。
(イラスト:ななせめるち 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797398694.html


周りの友達がみんな彼氏を作ったので、告白したら断られないはずの“薫”を彼氏に選んだ
という何とも身勝手な理由をあっさりと明かす“咲”。“姫”に引けを感じさせてしまう
新たな火種になることを思うと、何とも煩わしい存在だと感じてしまうのも無理はなく。

しかし、そこに至る過程というか本音を“咲”が明かしてくれたことで「人を好きになる」
きっかけはどこに転がっているか分からないし、その気持ちはなかなか止められない、と
思春期真っ只中の青春ぶり、かつ恋愛模様を見せてくれて彼女が憎めない存在に転じます。

それでもすれ違い、何度でもくっつき直す“薫”と“姫”のこそばゆい関係は相変わらず。
発破をかける姉の“妃”がいろいろ勘違いさせられちゃうシチュエーションがまた面白い。
今回も彼女一筋で男を魅せてくれた“薫”を心から応援しつつ、次巻の動向に注目します。

posted by 秋野ソラ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル