2019年03月14日

『ゲーマーズ!DLC2』

葵せきな 先生が贈るこじらせゲーマーたちのすれ違い青春ラブコメ短編集。第2巻はあの
“歩”が“景太”の関係者と急接近し、更に色々と秘密がバレる顛末を赤裸々に綴ります。
(イラスト:仙人掌 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321809000760


“景太”不在、という穴の大きさを痛烈に感じる“歩”。彼とのやり取りを振り返る中で
何のためにゲーム実況を始めたのかを再認識する所から何の因果か“千秋”や“亜玖璃”
をパートナーに迎えて実況しちゃう一連の情景が面白すぎて思わず笑みがこみ上げます。

“歩”がゲーム部を見学する場面とか見ますとゲーム好きはやはりゲームで繋がってると
感じるワケですが、そんな“歩”の活動に釘を刺す人物の登場で命運が瓦解し始めていく
流れを見せ始めると緊張感が高まってきます。あのカウントダウンの宣言の後押しと共に。

「最後の審判(後編)」の導入が絶妙で、相対する“歩”が“景太”とどう在りたいのか
強く意思表示する姿勢を上手く引き出せたかと感じました。“花憐”は鬼ですね、やはり。
ゲーム馬鹿同士、興味深い関係を築き続けてほしいと“歩”の今後には期待したい所です。

posted by 秋野ソラ at 01:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年03月13日

『宮本サクラが可愛いだけの小説。』

鈴木大輔 先生が「MF文庫J」から贈る新作は、北欧神話の大神オーディンの生まれ変わり
という少年がとにかく可愛い幼なじみとイチャイチャな日々を過ごすラブストーリーです。
(イラスト:rurudo 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/sakurachan/321810000840.html


北欧神話の女神“ノルン”三姉妹の生まれ変わりという“珂子”“依真”“美來”に突然
居候を決め込まれても受け入れる変わり者“ヒカル”。隣人にして幼馴染の“サクラ”は
公序良俗を乱さんとする彼らに対しツンデレ全開で怒鳴り込む姿もまた可愛いワケで──。

冒頭から三姉妹とのお風呂シーンから入る本作。如何に“ヒカル”がだらしないと言うか
動じないと言うかが分かると共に、強気に出たかと思えばノせられたら弱い“サクラ”の
ちぐはぐぶりも掴める親切な展開で魅せてきます。rurudo 先生のイラストがまた絶妙で。

もちろん“サクラ”が可愛いだけでは話が膨らまないので事に至る背景にも触れてきます。
向こうは向こう、こちらはこちら、ということで“ヒカル”と2人イチャイチャしている
様子をずっと観ていたい感じ。このコンセプトでどこまで行けるか先生の手腕に注目です。

posted by 秋野ソラ at 01:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年03月12日

『薬屋のひとりごと8』

ねこクラゲ 先生と 七緒一綺 先生、倉田三ノ路 先生によるコミックス4巻とほぼ同時刊行
となる 日向夏 先生のシリーズ第8巻。碁に興じる“羅漢”に対して“壬氏”が仕掛けます。
(イラスト:しのとうこ 先生)

https://herobunko.com/books/hero14/9348/


白粉の問題が再燃したり、葡萄酒の品質を巡る新たな問題が発覚したりと“猫猫”の味覚が
冴え渡る顛末は薬屋としての面目躍如といった感じで実に良い。園遊会で簪を傷物にされた
“玉葉后”にその意図をズバリ言い当てるあたりは藪をつついて蛇を出す感じがして苦笑い。

多忙を極める“壬氏”の目に留まった碁の流行と“羅漢”が開催するという碁の大会。ある
願いを抱いてその大会で碁の勝負を“猫猫”の父に仕掛ける“壬氏”の何が何でも勝とうと
するえげつない姿勢はある意味潔くて好きです。思いがけない結果も引き出せたようですし。

とある高官の三つ子が引き起こした女性問題が横槍で入ったり、と話の構成としても面白い
動き方を見せる今巻。ラストで遂に“壬氏”が仕掛けてきました。よくぞやったと言いたい。
彼の王手を“猫猫”は躱しきれるのか。“玉葉后”が身内に示す強い意志と共に注目です。

posted by 秋野ソラ at 01:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年03月11日

『六畳間の侵略者!? 31』

健速 先生が贈る人気シリーズ。シリーズ10周年記念ドラマCD付き特装版が同時発売となる
通算33冊目は書き下ろし込みで4つの小編を収録する「へらくれす編」第4弾となります。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/828.html
https://bookwalker.jp/ex/feature/rokujoma-10year/


真夏のトライアスロンに挑まされる“ゆりか”と“クラン”が“孝太郎”に誘導されつつ
ご褒美を目指して頑張る姿や、“真希”と“晴海”がボードゲーム4番勝負に興じる中で
いつの間にか“孝太郎”をNPCに仕立てて熱が入る様子は見ていて本当に飽きないものです。

“孝太郎”指南の下、剣術の腕を上げていく“ルース”の耳に障るカブトムシの脅威再び
ということでヒーローショーで“静香”演じるカブトンガーを最初の餌食と定めた彼女が
ハイレベルな激闘を繰り広げるエピソードも面白い。彼女らしい落とし所が絶妙な配分で。

そして“晴海”が“孝太郎”と付き合ったら、という「もしも」の世界を描く初の試みは
あの時こう行動していたらあのイベントは彼女が担当していた、とか発生時期が変化した
というゲーム感覚な動きを見せるのが印象的。結末も彼女らしい纏め方でが心温まります。

posted by 秋野ソラ at 00:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年03月08日

『負けませんからと言い張る顔のいい女の子を、全力で屈服させる百合のお話』

みかみてれん さんのサークル「てれたにあ」によるコミックマーケット95の新刊。学園で
行われる人気投票を前に秘密の恋人関係を結んだ女の子2人が優劣を競い合う百合小説です。
(イラスト:未幡 さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/


お嬢様学校で生徒からの投票によって選ばれる主役。その筆頭候補“彩良”にはライバル視
すべき“瑠衣”の存在が無視できない。そんな折、“瑠衣”から「恋人になってほしい」と
勝負を挑まれる。しかもキスまでされて。負けられない“彩良”は真っ向から受けるが──。

「百日百合」とは少し趣向を変えて、“彩良”からも“瑠衣”からも積極的に相手へと迫る
駆け引きがまず見どころ。そしてその駆け引きがかなり官能的なのも印象深く、攻めてるな
と感じられます。未幡 さんによって描かれる2人の絵が描写の数々に紐づいて悶絶モノです。

恋人関係となった“彩良”と“瑠衣”の勝負の行く末がどうなるかという展開だけではなく
なぜ“瑠衣”は“彩良”に対して「こんな勝負を挑んできたのか」という背景もしっかりと
明かしてくる点もぜひ注目していただきたい。安心して楽しめる百合小説です。オススメ。

posted by 秋野ソラ at 01:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2019年03月07日

『おいしいベランダ。 スミレと6粒のチョコレート』

竹岡葉月 先生が贈る大好評・園芸ライフラブストーリー。第6巻は友人“湊”の雲行きが
怪しさを増す恋模様を通じて“まもり”が“葉二”との選択肢について考えさせられます。
(イラスト おかざきおか 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/321808000695/


“湊”の所属するサークル仲間からのたってのお願いで再び園芸名探偵として活躍の場を
披露する破目になる“まもり”は優しいというか押しに弱いというか。彼女らしい顛末に
微笑ましさを感じつつ、ささやかな反抗の先に先方が見せた仕返しも見事な采配でした。

サークルの事情も相まって彼氏である“周”が見せる価値観の違いに大いに悩む“湊”。
奇しくも“まもり”と“葉二”の間にある差異にも通じるものがありハラハラする展開が
続きます。諦めるしかない、と追い詰められていく“湊”の心情描写は胸に痛く響きます。

実家でのやり取りや成人式のエピソードを通じて“まもり”の為人がより一層浮き彫りと
なる中で“湊”の思いがけない恋の行方が彼女の想いをも後押しする結果に。更にそれを
上回る“葉二”の口から自然と紡がれた言葉が見逃せない。次巻にどう響くのか注目です。

posted by 秋野ソラ at 01:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年03月06日

『ファイフステル・サーガ3 再臨の魔王と草原の灰エルフ』

師走トオル 先生が贈る王道戦記ファンタジー。第3巻はかつて魔王軍に組した灰エルフの
進軍を前に人類は、そして“カレル”たちはどう臨むか。群雄割拠する動乱の世を描きます。
(イラスト:有坂あこ 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321810000867


「魔王の左腕」奪還を目指す灰エルフらにも一枚岩になれない事情がある、ということを
英雄と呼ぶにふさわしい“ギルセリオン”が自らの言動と目覚ましい活躍で示してきます。
「英雄色を好む」とはよく言ったもので、それを戦略にも活かすのだから羨ましい限りで。

灰エルフたちが見せる行動のぶれを前に“ヴェッセル”や“カレル”が頭を悩ませる中で
彼らを驚かせる不測の事態が到来。“ギルセリオン”だけに活躍の場を持って行かせない
英断とその結末もまた見どころ。あの人物が彼を前に恐れをなすのも納得というものです。

攻勢する“ギルセリオン”らとそれをしのぐ“カレル”たち。戦局は新たな局面を迎えて
目が離せない、という中で「あとがき」を通じて語られるライトノベル業界の厳しい現実。
魅力あふれる作品なだけにここで終わるのは惜しい。なんとしても次に繋げてほしいです。

posted by 秋野ソラ at 01:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル