2026年07月31日

『母をたずねて、異世界に。6 〜実はこっちが故郷らしいので、再会した家族と幸せになります〜』

藤原祐 先生が贈るスローライフ・ファンタジー。第6巻は“トモエ”から受けた恋愛相談
を契機に“スイ”がお世話になった人たち、そして異世界のためにできることを考えます。
(イラスト:しの 先生)

https://dengekibunko.jp/product/hahawo/322512000737.html
https://comic-walker.com/detail/KC_005820_S


“リック”と“ノエミ”が「虚の森」を侮るどころか“ベルデ”と“シュナイ”に不遜な
態度を示したことに静かに深く怒気をあらわにした“スイ”の人を敬う考え方に惚れ惚れ。
その甲斐あってか“リック”と“ノエミ”が価値観を改めたのは先々を見ても重畳の顛末。

“ノビィウーム”の件も相まって「結婚」という絆を意識せずにはいられない“スイ”が
“トモエ”の思う所を聞いて、尊敬するが故に苦言を呈したくなる“シュナイ”の考え方。
そこに踏み込んでいいのか悩んだ末に打った一手が相乗効果を生み出す流れも微笑ましい。

“カレン”といずれ結婚するとしても避けて通れないエルフ国、始祖六氏族との関わりも
気になる中、“スイ”がついに辿りついた味噌作りの鍵となる麹の入手方法が面白い上に
日本との繋がりにも改めて目を向けさせる重要な要素なのも見どころ。続きが楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年07月30日

『りゅうおうのおしごと!21 〜白雪姫と竜王の結婚〜 完結記念メモリアルブック付き特装版』

白鳥士郎 先生が贈る熱血将棋コメディ。第21巻は結婚するというのはどういうことなのか
“八一”と“銀子”、そして関係者全員で向き合います。完結に相応しい特装版付きです。
(イラスト:しらび 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815639686/
https://www.ryuoh-anime.com/


結婚式を挙げる、という行程の苦難に“八一”と“銀子”が易々と入籍できるはずもない
という性格の特異性が重なるドタバタぶりが面白い。“万智”や“燎”の想いも感想戦も
含めて開示されましたし、“あい”や“天衣”のその後も知ることができて嬉しい限りで。

完結記念メモリアルブックは画集に書き下ろしSSと見どころ満載な中、一番目を惹くのは
白鳥 先生と しらび 先生の対談。あの設定を止めに入った関係各位に御礼申し上げるのと
イラストの力で念を押す気合の入れように、本作に懸ける先生の熱量を垣間見た思いです。

白鳥 先生の取材力の高さ、それを物語に落とし込む作家としての力が本作を将棋ラノベの
金字塔として、また「GA文庫」を代表する作品の一つに押し上げた功績は計り知れません。
挑戦を受けて立つ竜王の大仕事も残っているワケですし、続きが出ても否やはありません。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年07月29日

『変人のサラダボウル10』

平坂読 先生が贈る変人たちの奇想天外おもしろ群像喜劇。第10巻は“ブレンダ”との交際
に悩む“惣助”の行く末を見届ける“サラ”の胸の内に踏み込んでいく完結巻となります。
(イラスト:カントク 先生)

https://www.shogakukan.co.jp/books/09453303
https://www.tbs.co.jp/anime/hensara/


下剋上のシーンが熱い。その上で“サラ”にあの本音を吐露させられたのは“リヴィア”
として一矢報いる形になったかと思います。“惣助”が“サラ”に子どもの名前を考える
機会を与えたのは絆の他、彼女の想いを父性愛で受け止めた意味もあるのかなと思ったり。

“アルバ”と“友奈”のマッチポンプな関係もミステリものが番外的に書けそうなくらい
キャラが立ってますし、“リヴィア”が現世で躍進し続ける顛末は成り上がりものとして
スピンオフの企画が成立しそうなほど面白くて、脇を固める面々の魅力も光る作品でした。

ライトノベル作家として 平坂読 先生がここで区切りをつけるのを止める術はないものの
ライトノベル業界には離れてもいつでも戻ってこられる懐の深さがあると考えております。
ライトノベルを愛好する者の一人として、その時が来ることを陰ながら祈念する次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年07月28日

『負けヒロインが多すぎる!9』

雨森たきび 先生が贈る負け確ラブコメ。第9巻は“桜井”の彼女“水島”が進展しない
恋路から一歩踏み出そうと逸る気持ちに巻き込まれる“温水”がその行く末を見届けます。
(イラスト:いみぎむる 先生)

https://www.shogakukan.co.jp/books/09453300
https://makeine-anime.com/


“桜井”と既成事実を作る! と“温水”に温泉旅行の同行を突然お願いする“水島”が
合意形成って必要? と嘯く様子は危なっかしいのと共にワケありな雰囲気を感じさせる
には十分で。“八奈見”も行くのに「お金は出す」と約束するところも危険すぎるワケで。

“水島”に対して“桜井”はどう想っているのか。言葉と行動に乖離があると言われても
おかしくない彼のことをよく知る“放虎原”が語る人物像、そして鍵となる昔話の数々は
負けヒロインが誰なのかを想像するに難くなくて。流れる涙の言い様の無い切なさたるや。

“温水”が“桜井”と“水島”のためにお節介を焼く間にも“馬剃”との関係は引き続き
棚上げされたままで。そんな彼の姿勢や言動が招いた様々な出来事に“小鞠”が手厳しい
評価を下すのも道理ではあって。高校2年生の夏は彼にどんな契機を与えるのか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2026年07月27日

『崩壊世界の魔法杖職人4』

黒留ハガネ 先生が贈る、荒廃した日本で世界一の魔法杖職人を目指す男の活躍を描く物語。
第4巻は東京侵略を目論む「荒瀧組」に対して「東京魔女集会」が防衛戦を繰り広げます。
(イラスト:かやはら 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/322602000808/
https://comic-walker.com/detail/KC_007107_S


花の魔女の子株“フヨウ”。奥多摩まで押し掛ける彼女の想いも他所に、近くに根を張る
ことを禁じる“賢師”の徹底ぶりは妙な安心感すら覚えます。その癖、“ひより”の苦言
「コミュ障なのか口が上手いのか」にもあるように彼独特の捌き方が女の敵すぎて苦笑い。

“未来視の魔法使い”の功績が改めて印象づけられると共に、彼の存在がアキレス腱とも
評価せざるを得ない今回の「荒瀧組」による襲撃事件。多くの人的被害を出しても東京を、
“慧”を護れているつもりでいた“ひより”を糾弾する“七瀬”の言葉が印象に残ります。

親友だから助けに行く、と“ひより”が釘を刺した意味もなく東京に向かった“賢師”が
出会った“蜘蛛の魔女”は姿形は恐ろしいものの良心的な思考の持ち主で“ひより”にも
しっかりダメ出しできる所も実に好感触。彼女の想いを応援しつつ、次巻刊行を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル