2019年08月14日

『はしたない姉妹ですが、躾けてもらえますか? 獣魔導士は服従の首輪にて姉妹と契る』

ツカサ 先生が贈る新作は、人が超常的な力を持つ幻獣に変貌する病により崩壊した日本で
幻獣化した姉妹を救うべく、獣魔導士を目指し彼女たちを調教する少年の物語を綴ります。
(イラスト:小山内 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201907hashitanai/321905000214.html


幼き日に両親を幻獣に喰われた“玖郎”の心を救った柊家の“遊奈”と“利亜”。2人が
幻変症に罹り幻獣として施設に隔離されてから5年、獣魔導士となって彼女たちを使役し
高い地位に上り詰めることで安寧の日々を取り戻そうと、彼は候補生として乗り込む──。

戦略的にも後手に回る“玖郎”を“遊奈”の幻獣が見せる強さで何とか後押しするもまだ
足りず、一方で“利亜”のは未知数と言われるも現状は弱い。そこで「調教」という実に
背徳的な強化策に乗り出す展開にそそられるものを覚えながらも話の軸は実はそこになく。

恥ずかしい思いをしながらも“利亜”の改善策も見い出して、次々と強敵を打破していく
流れに爽快感を味わった所で“アリス”の意味深長な言動、“玖郎”自身の秘密、そして
ラストで示す幻獣になることの意味が心に重しを乗せます。興味深く、続きを見守ります。

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2019年08月13日

『教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 5時間目』

さがら総 先生が贈る年の差四角関係お仕事ラブコメ。第5巻は“天神”が初代担当の企画
を前にして“ヤヤ”の才能、そして自身の作家としての生き様と向き合うことになります。
(イラスト:ももこ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/oshiego-kyohaku/321904000158.html


初代担当との会合の場、箱根。“天神”と“ヤヤ”は意を決して足を運んだが当人は不在。
そこへなぜか“星花”や“冬燕”も登場し、あらぬ誤解が誤解を生む騒乱のスパイラルへ。
更に現担当“志辺里”が倒れているのが見つかりスマホには「犯人はおまえだ」の文字が。

いきなり探偵もののノリを醸し出したかと思えば誰もが思い当たるフシがあると自白の嵐。
“天神”もいつも以上に頭を悩ませる事態はコミカルですが、ダイイングメッセージにも
似たあの文字が意味する所がラノベ業界の闇を象徴するかのようなあの場面に繋がるとは。

今巻はより一段と「才能」について考えさせられる展開で、特にラノベ作家を目指す方は
目を通しておくと価値観を揺さぶられるかも知れません。何も気づかない“星花”に対し
“ヤヤ”の進む道は気になりますし、“天神”は作家人生にどう結論を出すのか注目です。

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2019年08月12日

『精霊幻想記 14.復讐の叙情詩』

北山結莉 先生が贈る異世界転生譚。ドラマCD付き特装版が同時発売となる第14巻は親の仇
“ルシウス”との決着を望むはずの“リオ”が、その感情に対して自問自答していきます。
(イラスト/Riv 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/852.html


5人目の勇者“蓮司”も、奸計でいとも簡単に手駒にしてしまう“レイス”が相変わらず
憎たらしい。そんな彼も“ルシウス”の思惑には気づけず、想定外の状況に出くわします。
“アイシア”に追い立てられて実にいい気味、な状況でも軽くあしらう姿に憎さ百倍です。

そんな思惑に乗せられて森の中に放り出された“クリスティーナ”と“フローラ”。共に
サバイバル経験もなく改めて“リオ”の凄さ、存在の大きさを実感する2人の受難が続く
展開には同情を禁じ得ません。仇敵と戦う彼の足手纏いになる場面など強くそう感じます。

復讐に身を焦がしていた“リオ”に帰る場所があることを明示してくれた女性陣の意図を
しっかりと受け止めて“ルシウス”の悪意と特殊能力に立ち向かうその姿は熱く、苛烈で。
彼の通過点、その裏で「あの人物」が見せる邪な思惑も次巻で叩き折ってほしいものです。

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2019年08月09日

『異世界薬局 7』

高山理図 先生が贈る薬局ファンタジー。第7巻は悪霊の猛威に晒される帝都を救うために
奔走する過程で“ファルマ”が自身の立ち位置と現代薬学と神術との関係性を見直します。
(イラスト:keepout 先生)

http://mfbooks.jp/7221/
https://ncode.syosetu.com/n8541cr/
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF00000031010000_68/


“エレン”の視点、ド・メディシス家に伝わる禁呪、そして“ナタリー”への対処方法。
これまで自分の知識、能力を用いて物事に対応してきた印象の強い“ファルマ”が協業
ですとか、自分にない力も活用してく道を模索していく転換点となった流れを感じます。

“女帝”の決意を受けて、ついに人ならざる身として生きることを内外に示したことも
“ファルマ”にとって大きな一歩となった巻かと思います。それでも今までと変わらず
接してくれる家族や「異世界薬局」の関係者が見せる理解には心温まるものがあります。

“ファルマ”が“ナタリー”に粋な計らいを見せたり、“エレン”とパートナーと深い
繋がりを窺わせたりする場面がまた微笑ましい。“ロッテ”は切ない顛末でしたけど。
悪霊に対する根本的な解決策を求めて海を渡る彼は道を切り開けるか、続きも注目です。

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2019年08月08日

『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』

斜線堂有紀 先生が贈る新作は、身体が金塊となる致死の奇病に蝕まれる女子大生と出会う
少年が次第に心通わせる機微の変化と手にするであろう大金を前に生き様を惑わされます。
(イラスト:くっか 先生)

https://mwbunko.com/product/321902000590.html


金塊病専用のサナトリウムで“弥子”から、彼女自身を相続する話を提示された“日向”。
その額、三億円。ただし条件として「チェッカー」というゲームで勝つことを求められる。
ゲームに懸ける想いや相続させる理由も分からぬまま、彼は彼女と盤面に向かい合う──。

迫る死を前にしても臆することなく接してくれる“弥子”も、不条理にあえぐ姿を見せる
ことがある。それに気づいた頃には“日向”はもう恋に落ちていて、どうしようもなくて。
そこへ夢の無い背景や遺言のことがマスコミに暴露され、あらぬ疑惑もかけられて散々で。

“弥子”が求める「正解」の意味や“日向”が表紙で示した過ちの切なさ。それに対して
“江美子”や“北上”の存在と見せる言動のやるせなさ。“弥子”が遺してくれたものの
価値を手に、そして忘れず生きていく“日向”の未来が前向きであれ、と祈るばかりです。

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2019年08月07日

『モンスター娘のお医者さん6』

折口良乃 先生が贈るモン娘診察奮闘記。第6巻は“グレン”求婚の噂に浮き立つ女性陣を
前に水路街を襲う陰謀を知り、一人身を引く“サーフェ”に対し彼はある決断を下します。
(イラスト:Zトン 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631321-6


様々な年齢層から求愛の宣言を受ける“グレン”が「今は仕事一筋」と頑なに拒む姿勢。
それが“サーフェ”失踪に繋がる要因の一つになろうとは。身から出た錆、とも言える
事態を前にしっかりと自分の気持ちと向き合い、行動でそれを示した彼に心より敬意を。

“サーフェ”の決意もさることながら彼女の想いを汲み取った“ティサリア”の振舞い
もまた印象深いものがありました。“スカディ”の抜け目ないというか虎視眈々と機を
見定める姿勢は注目していきたい。他の女性陣も例のアレが出来たのでどうなることか。

今回の騒動で噂の渦中にいる“ソーエン”が乗り込んでくる、その意図がまた偽悪的で
憎たらしいけど憎めない。イイ味だしてます。騒動も丸く収まって、話としても大団円
で幕を閉じる・・・ワケではなく続いていくようで何よりです。次巻も楽しみにしてます。

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2019年08月06日

『異世界帰りの俺(チートスキル保持)、ジャンル違いな超常バトルに巻き込まれたけれどワンパンで片付けて無事青春をおくりたい。』

真代屋秀晃 先生が贈る新作。異世界で英雄として偉業を成し遂げて日本へと戻ってきた
少年が日常ラブコメ的青春を謳歌すべく超常者の少女たちの悩みを腕一本で振り払います。
(イラスト:葉山えいし 先生)

https://dengekibunko.jp/product/321811001099.html


教室でもひとり退屈な日々を過ごしていた幼馴染“武流”がクラス委員に立候補する姿を
見て“奈々子”が驚くのも無理はない。彼女の知らない間に彼は異世界に転移しスキルと
青春を謳歌する想いを胸に戻ってきたのである。そんな彼を非日常が邪魔してくるが──。

異世界転生者の敵じゃない、と嘯き様々なトラブルを解決していく顛末から“紗姫”には
異能力者、“葵”にはサイボーグ諜報員、そして“マリー”には凄腕の退魔師と誤解され
何とも面倒くさくて面白い人間関係を築いていく“武流”が実にうらやまけしからん訳で。

話の展開を単調にさせないため、ちょっとしたフェイクが入っていたりする点も興味深く
エピローグで見せた「彼女」の笑顔と「あの人」の独白が良い引きになってます。続刊で
どう料理してくるか先生のお手並み拝見、という所。“マリー”の頑張りに期待してます。

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