2019年06月10日

『ようこそ実力至上主義の教室へ11』

衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。第11巻は1年最後の特別試験にて司令塔として
矢面に立つ“綾小路”がクラスの面々と共に“坂柳”率いるAクラスと直接対決を迎えます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/321902000048.html


前回試験で賞賛票1位を得た、という関係者以外が見れば不可解に感じる疑念を払拭する
意味でも今回の「選抜種目試験」で退学を回避するためプロテクトポイントを使う立場に
収まった“綾小路”。後から見ればこれが「相手」のやりたかったことで実にえげつない。

“山内”退学の動揺、そしてそれを止められなかった“平田”の非協力的な態度から結束
しきれず、一人フォローに回る“みーちゃん”の苦労も報われず、で打つ手なしな状況を
どう乗り切るかが見どころ。“綾小路”の本性が知られていくのは吉と出るか凶とでるか。

そして冒頭にある“坂柳”の独白が予兆する一騎打ちもついに実現。結果に関してはご覧
いただくとして、彼女の対応には色々と好感が持てます。今回前面に出てきた敵に対して
共闘する場面も今後期待できそう。次は2年生編の前に話を挟むということで楽しみです。

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2019年06月07日

『レイジングループ REI-JIN-G-LU-P 2 不浄の民』

アドベンチャーゲーム「レイジングループ」のシナリオライター、mphibian 先生が自ら
小説版の執筆に臨む本作。虚淵玄 先生の解説に推されながら、第二巻が堂々の登場です。
(Illustration/影由 先生)

https://www.seikaisha.co.jp/information/2019/05/08-post-rlfic2.html


“狼じじい”の死が教えてくれた「けがれ」と異なる、明確な人間の殺意。渦巻く疑念が
最後の宴で「おおかみ」の存在を明かしたとしても時すでに遅し。死に戻りの力をもって
しても掴めなかった休水の謎を解く鍵を“陽明”に教えた「彼女」の、あの表情が切ない。

最悪の結末を迎え、この物語へのアプローチの仕方をイチから見直す“陽明”。試行錯誤
していく描写は実際にノベルゲームをプレイしているかのような感覚を味わって、思わず
ほくそ笑んでしまうほど。ホラーな話を読んでいることを忘れる面白さも内包しています。

何度もやり直した結果として得た知識、人間関係を俯瞰しながら新たな展開で16人揃って
宴の支度に向かう“陽明”に期待を高める展開を、思いがけない形で引っくり返していく
「あの人物」の声と姿。彼にまだ何が足りないと言うのか。次巻も目が離せないようです。

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2019年06月06日

『サラリーマン流 高貴な幼女の護りかた 2』

逆波 先生が贈る異能剣戟アクション。第2巻は辞令により“日桜”を護衛する人を離れて
単身で京都支部に異動した“平蔵”を新たな護衛対象とそれに纏わる陰謀が待ち受けます。
(イラスト/Bou 先生)

https://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865544930
https://ncode.syosetu.com/n8489dw/


京都三家を軽視する“鷹司”に灸を据えてやろう、という思惑に巻き込まれた“平蔵”。
彼にべったりな“日桜”の気持ちを知ってか知らずか、辞令を受け取ってすぐに京都へ
向かってしまうあたり、“裂海”に電話越しで怒鳴られるのも止む無しと言うしかなく。

いざ出向すると“平蔵”に対する扱いもぞんざいで、護衛対象の“千景”も継承権19位
と狙われる理由も見当たらない、と不可解なことばかり。そこに京都支部の暗部を見た
彼が彼女を小学生でありながら一人立ちさせようと奮闘する展開が続くのは心苦しくて。

“平蔵”のことを訝しんでいた“千景”が次第に心解いて想いを寄せていく変化が実に
愛おしい。対する彼はどんどん人外じみてきてどこへ向かうのか戦々恐々たる思いです。
事を片づけた彼にはまず“日桜”の心の安寧に努めてほしいと願わずにはいられません。

posted by 秋野ソラ at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年06月05日

『ピンポンラバー3』

谷山走太 先生が贈る青春卓球ストーリー。第3巻は全日本ユース選抜強化合宿に参加する
“翔星”の前に幼馴染で好敵手の“晴海”が現れ、代表の座を賭け切磋琢磨していきます。
(イラスト:みっつばー 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517866


再会した“晴海”の驚くべき成長ぶりを見て熱く血を滾らせる“翔星”の卓球バカっぷり
もさることながら、代表コーチ“荻原”にのっけから弱点を指摘されて出鼻をくじかれる
“瑠璃”の負けん気も「らしさ」を感じます。指摘する“椿”もとんでもないですけど。

かねてより、また冒頭でも独白した“椿”の想い。その考え、感情に至った経緯を改めて
振り返る過程は重くのしかかる現実を突きつけてくると共に、彼女がひた隠しにしてきた
秘密を白日の下に晒します。“翔星”がこれに心揺さぶられるのも止む無しというもので。

全てを知り、代表を決めるトーナメント戦で「勝てば“椿”をもらっていく」と宣言した
“晴海”を前に心穏やかでない“翔星”は戦いきることができるのか。勝負の意外な結末、
更に“椿”に対して彼はどう結論づけたのか。印象深い顛末は必見で、次巻も期待大です。

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2019年06月04日

『聖剣学院の魔剣使い』

『精霊使いの剣舞』を完結させた 志瑞祐 先生が贈る新作は、神々との戦いに敗れた魔王が
勝機を胸に千年後の世界で10歳の少年に転生する顛末を描く学園ソード・ファンタジーです。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/seikengakuin/321812000465.html


千年後に現れる“反逆の女神”の力を宿す人の子が魔王軍を復活させる。その予言に従い
転生した最強魔王“レオニス”はなぜか10歳の少年になって、未知なる敵ヴォイドと戦う
戦術都市に保護される。何もかもが違い、ままならない彼はかの約束を果たせるのか──。

本調子ではない“レオニス”を助けた“リーセリア”・・・のはずが意外な形で助けられる
ことになる顛末がまず興味深い展開で話に惹きつけられます。というか、10歳の姿だから
といって色々とイイ思いをしすぎじゃないですかね、と彼には突っかかりたくなるもので。

聖剣を巡る顛末、魔術が失われた経緯、ヴォイドとの因果関係、その他諸々を絡めとった
“レオニス”がしっかりと力を見せつけてくれるバトルも見所です。何より 遠坂 先生の
挿絵が演出としても秀逸でオススメ間違いなし。順調な滑り出しを見せた続きも期待です。

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2019年06月03日

『リアデイルの大地にて2』

7月から 月見だしお 先生の漫画連載も始まる、Ceez 先生の「小説家になろう」投稿作。
第2巻は“マイマイ”の手紙を手に、隊商と北の国へ向かう“ケーナ”の旅路を描きます。
(イラスト:てんまそ 先生)

https://amzn.to/2Iap0ko
https://ncode.syosetu.com/n1247p/


身から出た錆、ということで見ている分には楽しいもののご愁傷様な感じの“マイマイ”。
思いがけない形で人の縁、家族の絆が広がっていくのは“ケーナ”の人徳かも知れません。
あしらい方が紙一重なので危なっかしいのがアレですけど、それはそれで楽しくもあって。

旅路の途中でついに出会った“ケーナ”以外の「プレイヤー」。これもまた両極端な例を
示してきて、彼女としても思う所ある展開に。伝え聞く“オプス”の存在感がまた強烈で
印象深い中、彼が託した「あの子」の存在が今後どう物語に影響してくるか、要注視です。

騒動に巻き込まれる体質とも揶揄される“ケーナ”が辺境の村に腰を落ち着けてみようと
考える場面でも更なる火種を呼び込むあたりは彼女らしく実に微笑ましい。その雰囲気を
脅かすようなエピローグの描写が、月見 先生によるコミカライズと併せて気になります。

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2019年05月31日

『クラスメイトが使い魔になりまして』

鶴城東 先生の「第13回小学館ライトノベル大賞」ガガガ賞&と査員特別賞、W受賞作品。
落ちこぼれ魔術師が才色兼備の美少女を使い魔にする所から始まる魔法学園ラブコメです。
(イラスト:なたーしゃ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517910


国際魔術師協会付属の学園で行われる進級試験。そこで魔人召喚を成し遂げた“千景”が
持つ魔導書が突如燃える異常事態が発生。制御不能の魔人から非力な“想太”に庇われた
彼女がそれを使い魔にする秘策に挑んだ結果、融合して彼の使い魔になってしまい──。

だらしない“想太”に悪態をつく“千景”の思わしげな態度ですとか“旭”の報われない
努力などでラブコメぶりを魅せつつ、使い魔とするはずだった魔人“ソフィア”の思惑や
野心家な“凉華”とのやり取りから学園に巣食う負の感情にも触れる緊張感も味わえます。

使い魔にしてしまった“千景”の関係、何より“ソフィア”とどう折り合いをつけるのか。
“想太”自身が知る由もない秘密も交えつつ向き合っていく彼の姿勢には好感が持てます。
流石はW受賞、と言及するに足る面白さと可能性のある作品です。オススメしておきます。

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