2017年11月10日

『落ちてきた龍王と滅びゆく魔女の国 XII』

舞阪洸 先生が贈る戦乱無双ファンタジー。第12巻は“カサンドラ四世”の掲げた打倒魔女
の思惑に巻き込まれ窮地に陥る“ナーガ”たちがとる起死回生の一手とその後を描きます。
(イラスト:よう太 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1586


叛意をあらわにする“カサンドラ”。しかし“ナーガ”にはあっさりと挟撃の策を躱され
協力者も思うように集められず求心力を損なう想定通りの事態を招きます。その間に立つ
“リガヤ”の苦悩が今巻のポイントの一つ。それを織り込み済みの“ナーガ”が流石です。

“ヴィータ”たちの不安を払拭した“ナーガ”が、ピンチをチャンスにと言わんばかりに
共通の敵を前に魔女たちの結束を更に強め半島を平定していく様子は彼女たちの地位向上
を裏打ちするに足るもの。いつか魔女が人と共に暮らせる未来も遠くないと感じさせます。

そんな中、“ナーガ”の記憶が戻りつつある描写が挟まれていき、そして彼がかの地を
訪れることでその意図は決定的なものとなります。全ては表紙のイラストが物語ります。
惜しみつつも彼らしい、また「彼女」らしい話の結び具合を心から祝いたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年11月09日

『ようこそ実力至上主義の教室へ 7』

衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。第7巻はDクラスで暗躍する人物を探すために
力を注ぐ“龍園”の動きにいよいよ反応を示す“清隆”が学園の秘部へ足を踏み入れます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1587


恐怖を克服した者こそ実力者だとする“龍園”の独白から始まる今巻。あからさまな監視
をDクラスに仕掛ける彼の真意を汲み取った“清隆”が、「彼女」に最後の電話を掛ける
場面や“茶柱”先生すら手玉に取るあたりは驚かされると共に、空恐ろしさを感じます。

その印象を更に色濃くさせるのが“龍園”との直接対決を選ぶ“清隆”の言動そのもの。
口絵でも彼自身も想定していた「彼女」の末路は変えないと思っていただけにビックリ。
“龍園”を潰すため「恐怖」を刻みつける“清隆”の本気は挿絵でも印象づけられました。

一線を退くと思われる“龍園”に安堵する間もなく、“清隆”の家庭事情や“堀北”兄が
語る現生徒会の危うさ、学校の育成方針に込められた想いなど、騒動の火種はくすぶって
おります。表舞台を降りることができるとは思えない“清隆”の今後に注目したい所です。

posted by 秋野ソラ at 01:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年11月08日

『なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?2 堕天の翼』

細音啓 先生が贈るファンタジー超大作。第2巻は蛮神族の英雄“主天アルフレイヤ”の
豹変を知った“カイ”たちが、その英雄こそ世界輪廻の元凶ではないかと疑い、動きます。
(イラスト:neco 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1591


蛮神族に敗れたイオ連邦。その都市は今や森に覆われて久しく、イオ人類反旗軍を率いる
“ダンテ”は自ら皇帝と名乗るも“ジャンヌ”からすれば只の小者。イオの人々を早々に
掌握する彼女たちの士気が上がる中、ある人物に唆された彼が消息を絶つ異常事態が発生。

対する蛮神族はエルフの大長老を始めとした天使以外の種族を前に劣等種と蔑み、不要と
宣告する“主天アルフレイヤ”への対抗策として“ジャンヌ”たちを利用する苦肉の策を
思いつくエルフたち。“レーレーン”が示す苦々しい言動の数々が印象深く目に映ります。

蛮神族の英雄がいる天使宮殿に辿り着いた“カイ”たちを待ち構えていた予想外の事態に、
そして再び相対する「切除器官」に困惑する中、“主天アルフレイヤ”が語る“シド”の
手がかりは少なく謎は深まるばかり。残る英雄が知るはずの何かに注目せざるを得ません。

posted by 秋野ソラ at 00:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年11月07日

『エイルン・ラストコード 〜架空世界より戦場へ〜 7』

東龍乃助 先生が綴る新世代ロボットライトノベル。第7巻はマリス群生地への総攻撃を
仕掛ける反抗作戦に駆り出され、傷つき涙する“セレン”を救うあの人物が登場します。
(イラスト:みことあけみ 先生、汐山このむ 先生、貞松龍壱 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1589


最強にして最悪のマリス“キング”に挑む各国秘蔵のネイバーすら当て馬のような扱いを
されて後がない人類。“デストブルム”と共にその過酷な戦場に臨み“エイルン”の後を
追う覚悟を決めた“セレン”を目にした“茜”の怒りと悲痛な叫びが強く胸を打ちます。

“茜”の叫びを受け止めた“雷鳥”の再来が人類滅亡を食い止める一手となる所から話は
少しずつ希望と期待を予感させる、まさに胸を熱くさせる展開を見せ始めます。オビにも
書かれた「ヒーローはいつだって遅れて、だけど“必ず”やってくる」その瞬間に向けて。

時折差し込まれるアニメーションの描写、再び集まっていくかつての「氷室義塾」の面々。
そして“セレン”を、世界を救うため架空世界より戦場へと舞い戻った2人を見た瞬間、
思わず目頭が熱くしました。世界中の涙を止めることが出来るか、彼らの活躍に注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年11月06日

『図書迷宮』

十字静 先生の「第10回MF文庫Jライトノベル新人賞」3次選考通過作にして、500ページを
超える規格外な作品。記憶を失くした少年が人として生きるため足掻く生き様を描きます。
(イラスト:しらび 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1584


無限図書の迷路「図書迷宮」。その奥底で吸血鬼の真祖“アルテリア”と共に殺人鬼から
追われる“綜嗣”。記憶と魔法を失った彼は「記憶を取り戻す本」を探すため彼の記憶を
綴る魔導書を手に再び迷宮へ挑む。1,000ページしかない記憶残量に焦りを覚えながら──。

世にも珍しい二人称小説ということで拝読。TRPGリプレイでGMからNPCの語りを入れられる
感覚に似ている印象をまず受けました。「記憶」という要素が時に“綜嗣”の進む道を遮り、
あるいは切り開き、やがて話の謎を明らかにする鍵となっていく構成の妙で魅せてくれます。

設定も興味深い吸血鬼“アルテリア”がそもそも“綜嗣”に好意を寄せる理由。彼が祈った
「誰かを救いたい」という想いに繋がるその真相をぜひ見届けてほしいボーイミーツガール
な作品です。しらび 先生の美麗なイラストも数多く使われていて贅沢な一冊だと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル