2020年01月10日

『裏世界ピクニック 4──裏世界夜行』

宮澤伊織 先生が贈る女子ふたり怪異探検サバイバル・ストーリー。第4巻は“冴月”を
信仰する団体の拠点を調査する過程で“空魚”と“鳥子”の関係に変化が見え始めます。
(イラスト:shirakaba 先生)

https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014409/shurui_3/page1/order/


「あの牧場の件」で“汀”にある事実を隠しながら2人だけの活動拠点を確保しにかかる
“空魚”の強かさと共に、彼女に対する依存というか好意の高まりを見せ始める“鳥子”。
のっけから怪しい雰囲気を見せ始める2人の関係に注目です。タイトルの読ませ方が巧妙。

「隣の部屋のパンドラ」「招きの湯」と続いて“鳥子”の様子がますます怪しくなる展開
に“空魚”が訝しむのもわかるというもので。裏世界的な現象としては“空魚”の過去が
少しずつ絡んでくる様子で、彼女の精神的な負荷の高まりを感じさせて心苦しいところで。

そして「裏世界夜行」では“冴月”が忌避していた夜間の裏世界探検に挑む2人。ここで
これまでの怪異、そして関係の積み重ねが爆発したというかやっちゃいましたな“鳥子”。
とりあえずはメリークリスマスですが、“空魚”の身の安全を祈りつつ次巻を待ちます。

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2020年01月09日

『お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。4』

凪木エコ 先生が贈る青春ラブコメ。第4巻は文化祭に向けてクラスの出し物への協力度
を競う強制イベントに巻き込まれてもおひとり様を貫き通す“春一”の生き様を描きます。
(イラスト:あゆま紗由 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201808ohitorisama/321812000011.html


“春一”に勝ちたいとムキになって勝負を挑み続ける“美咲”。無理をしてでも勝ちに
こだわる彼女が体を壊す前に、おひとり様としてのエゴを貫く形でドクターストップを
かける場面は実に素直じゃない彼らしくて素敵。これは彼女じゃなくても惚れますわ。

勇み足で気持ちの整理がつかず気を遣いすぎる“羽鳥”も文化祭でのやり取りを通じて
“春一”のらしさに触れ、改めて想いが溢れ出す様子がこそばゆいほどに愛くるしい。
あと、彼女が「好きなものには自信を持つべき」とたしなめるあの場面も印象的です。

“美咲”が考える「勝ち」とは何だったのか。言わずもがな、と言える彼女の気持ちを
ギリギリまで気付いてやれない“春一”だからこそ「おひとり様」なのだと思える結末。
今巻が最終巻というのは惜しい気もしますが、凪木 先生の次回作に期待したい所です。

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2020年01月08日

『教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 6時間目』

さがら総 先生が贈る年の差四角関係お仕事ラブコメ。第6巻は塾の夏期講習を目前にして
退塾するという“凛”の問題を解決するため“天神”がある特別講座の開講を目論みます。
(イラスト:ももこ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/oshiego-kyohaku/321907000785.html


“凛”の母親を家庭訪問し、その帰りに同じクラスの“楓”の母親からも話を聞いた所で
両家の親同士に妙な確執があることを察した“天神”。その彼に“凛”が渡したメモには
“楓”を蔑む発言を連投するSNSアカウントが記されており、問題の根の深さが窺えます。

そこで彼女たちに向けてネットマナー講座を設けた“天神”がまず講師に招いた“冬燕”
には反面教師となる事実を突きつけて、続いて呼んだ“星花”にはその類稀なる精神的な
強さを見せつけられ、思いがけない犯人の判明に繋がる展開は示唆に富むものがあります。

「ヤヤはヤバい、略してヤヤヤバ」と“天神”に言わしめる“夜弥”の意味深長な行動が
目に付く今巻。かねてより“星花”の息を止める悲願の作品を彼女が書き上げたその時、
彼は教師として、そして作家として2人に向き合う覚悟をどう示してくれるのか注目です。

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2020年01月07日

『朝比奈若葉と○○な彼氏2』

「2ちゃんねる」のやる夫を主人公とするAA作品スレッド「やる夫スレ」から傑作が書籍化。
間孝史 先生が贈る第2巻は、“若葉”が罰ゲームの恋愛をどう清算するかが求められます。
(イラスト:桃餅 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/asahinawakaba/321908000673.html


「嘘を吐き通したまま、今まで通り付き合えるのなら」咎めない“亮一”が放つ言葉の刃。
幸福の絶頂から絶望の淵に追い込み、自暴自棄になる“若葉”の転落ぶりは身から出た錆
とは言え見るに堪えないほど。「ゲーム」のことがあるので同情はしかねるのですけど。

そんな2人のやり取りを密かに耳にしてしまった“晴斗”がとった行動がまた泣かせる。
過去に虐げられた経験を持つがゆえ、としてもここまで「いいひと」になれる彼の懐の
深さには敬服すら覚えるほどでした。本当に“若葉”は良き伴侶を選んだと言えるかと。

“亮一”を始めとする友人勢もまた素晴らしい立ち回りぶりでした。いい仲間たちです。
幸せいっぱいなエピローグを経て、“晴斗”視点で“若葉”との恋の始まりを描く挿話
でもまた彼の生き方、その軸を知ることができます。最後までお見逃しのないように。

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2020年01月06日

『ぼくたちのリメイク7 ものをつくるということ』

満を持してアニメ化決定となる、木緒なち 先生が贈る青春リメイクストーリー。第7巻は
九路田組との動画制作課題の対決に向けて“恭也”が秘中の策を披露し、決着をつけます。
(イラスト:えれっと 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/bokutachi-remake/321908000669.html


“恭也”たちチームきたやまが作成した動画を圧倒する、九路田組が魅せた動画の完成度。
動画対決の結果は決定的か、と楽観視する周りを前に油断せず不安を隠さない“九路田”。
でも勝ちを狙いに行く“恭也”の秘策は人生リメイク中の彼ならでは。なるほど納得です。

“九路田”のものづくりに対する執念に似た姿勢。プロデューサー観、メディアに対する
考え方など、それはそれで得心がいく答え合わせでした。期待が持てると言えるでしょう。
彼によって「絵を描く」ことを自分のものにした“亜貴”の強さと成長の兆しも注目です。

学園祭で大活躍して挿絵も素晴らしい“河瀬川”、口絵の通り嫉妬が丸出しな“奈々子”。
身の振り方を考え抜いた“斎川”、彼女らの将来を握るかのように暗躍する“加納”先生。
仲間たちを次のステージに上げた“恭也”の孤独な戦いの始まり、どれも目が離せません。

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2020年01月03日

『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦8』

満を持してのアニメ化が決定した、細音啓 先生が贈る大人気王道ファンタジー。第7巻は
女王代理となった“アリス”が、陰謀を暴くべく“シスベル”救出の手立てを模索します。
(イラスト:猫鍋蒼 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201705kimitoboku/321901000625.html


ヒュドラ家“タリスマン”の強かさに内心で苛立つを見せる“アリス”。彼女の気持ちに
共感を覚える中で進んでいく彼らの謀略と、それを何とか覆そうと手を尽くす彼女たちと
水面下の攻防が緊張感を誘います。まだまだ相手の方が上手そうなのが実にもどかしい。

一方で“シスベル”救出に向け準備を進める“イスカ”は、シリアスな局面でありながら
コメディな場面に遭遇し続ける羨ましくもけしからんワケで。“アリス”にとって安息の
ひと時になった気がするのでそれはそれで良し。刺激的な「おべんきょう」はさて置いて。

今回新たに立ちはだかる“ミゼルヒビィ”、その実力は別ベクトルで力強さを見せつけて
手に汗握らせるものがあります。“イスカ”もやられっぱなしじゃない所がまた見どころ。
間に立って巻き添えを食う“燐”を応援しつつ、彼の努力が実る時を待ちたいと思います。

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2020年01月02日

『メイデーア転生物語 1 この世界で一番悪い魔女』

友麻碧 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。異世界の少女を守る者として選ばれ、
引き裂かれた想い人を追って魔法学校で研鑽を続ける辺境令嬢の生き様を描いていきます。
(イラスト:雨壱絵穹 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/maydare/321904000215.html
https://ncode.syosetu.com/n3862be/


偉大な魔術師の末裔として生まれ育った“マキア”は妙な世界の夢を見る。恋に臆病な
少女が謎の男に「何度生まれ変わっても殺す」と刺される夢を。そんなことなど忘れて
彼女は興味深い奴隷少年と出会い購入を決める。それが運命の出会いとも知らずに──。

“トール”と名付けた少年との優位性が、彼自身が持つ潜在能力の高さゆえに逆転する。
そこに悔しがりつつ奮起する“マキア”が彼と絆を築いていく展開はニヨニヨできます。
それ故に彼と強制的に別離を迎える彼女に関してはかの姿と共に痛ましく思えるもので。

夢で見た3人、おとぎ話の魔術師3人、そして救世主の少女を含めた“マキア”ら3人。
時を超え、世界を超え、ドロドロとした因果関係がどう関わっていくのか実に興味深い。
「メイデーア」という世界は誰のものなのか。それを確かめるべく続きを読みたいです。

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