2018年07月11日

『オタギャルの相原さんは誰にでも優しい』

葉村哲 先生が贈る新作は、オタ友以上恋人未満なオタ充系青春ラブコメ。ギャルでオタク
趣味を持つ少女と「カノジョ(仮)」な関係になった少年が抱く感情の変化を描写します。
(イラスト:あゆま紗由 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/otagal/321803000531.html


読者モデルもしているという“璃子”が、クラスでもその他大勢の一人である“アキラ”の
目の前に現れたかと思えば「オタ友になろうぜ!」と意気込みを見せる。不信を抱いた彼が
拒もうとすれば身を呈して塞いでくる。彼女が示す突拍子もない言動、その真意とは──。

あゆま紗由 先生の描く可愛らしい姿もあり見た目は不釣り合いな“アキラ”と“璃子”の
突如始まるオタ友活動ぶりが実に楽しそう。彼女のことを知る“健司”も加わってますます
ギャルでオタクという彼女の特異ぶりが際立っていくのも楽しい。実際に居たら驚きですが。

お試し彼女、という関係から一転して理想の彼女像にふさわしい“詠美”との出会いを経て
改めて“璃子”とのつながりを見つめ直すことになる“アキラ”。彼が下した決断を受けて
“璃子”も心情を明らかにする場面はまさに必見かと。オススメに足る青春ラブコメです。

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年07月10日

『友人キャラは大変ですか?5』

伊達康 先生が贈る名助演ラブコメ。第5巻は新たな主人公感の転校生“阿義斗”の登場に
友人キャラ魂を揺さぶられる“一郎”を尻目に“キュウキ”の思惑が物語を動かします。
(イラスト:紅緒 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517408


“阿義斗”の友人キャラに、と動き出す“一郎”にヤキモチを焼く“龍牙”の様子ですとか
“シズマ”からの手紙に一喜一憂する三姫たちの姿からは緊張感が微塵も感じられない中、
“汐莉”は能力が使えなくなったり、様子がおかしい時があったり、と不安が募ります。

更に“阿義斗”から“龍牙”への思いがけないアプローチ、“屡贄”の主“トウコツ”が
“一郎”の思惑を大きく外した形で顕現するなど、事態は動いているにも関わらずどこか
コメディ色を強くしていく展開が話の先を読ませない、別な意味での焦りを感じさせます。

主を思うが故に“龍牙”たちを惑わせる“屡贄”の狙いも読みきれず、残る“キュウキ”
の尻尾をようやく掴んだ“一郎”の失望感たるや、思わず同情を禁じ得ません。ラスボス
として見据えた“キュウキ”はどんな言動を見せてくれるか。続きが待ち遠しいものです。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年07月09日

『ピンポンラバー』

谷山走太 先生の「第12回小学館ライトノベル大賞・優秀賞」受賞作。卓球のエリートが
集まる学園に入学してきた元天才卓球少年の、不屈とも言える卓球への熱い愛を描きます。
(イラスト:みっつばー 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517347


私立卓越学園で「氷結の瑠璃姫」と呼ばれるトップ選手“瑠璃”に卓球で完敗した“翔星”。
彼も昔「音速の鳥」の二つ名で知られた有名選手のはずだがなぜかプレイスタイルが異なる。
押してでも彼が学園に入学した理由は、弱点を指摘した彼女つながりで明らかとなるが──。

かませ犬的な“鉄平”との卓球シーンからも分かる通り、人の領域を超越した戦いの数々に
圧倒されます。ライバル的な存在の“沙月”とのやり取りとか、卓球に対する姿勢が好き。
無理をする“翔星”を献身的に支え続けてきた“椿”の想いにも注目してほしいところです。

“翔星”を圧倒した“瑠璃”にも卓球に関して引け目を感じるところがあって、それを彼と
共にどう乗り越えていこうとするか、その葛藤や熱量はクライマックスにふさわしい展開。
そして彼にとって思いがけない結末が訪れるのもポイントかと。良作なスポーツものです。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年07月06日

『六畳間の侵略者!? 29』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算31冊目は“孝太郎”の前から次々と姿を消していく
六畳間の面々。その謎に打ちひしがれる彼の様子と、解決に繋がる彼の根源に触れます。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/790.html


まさに神隠し。消えていく理由も、止める術も掴めないまま悶々とする“孝太郎”の姿が
痛々しくてつらい。六畳間の面々だけは消える瞬間にその意味を知り、ヒントを残しても
要領は得ず。そして迎える決定的な瞬間。セリフが蘇る場面に彼が抱く絶望は計り知れず。

大切な人を失うことで味わう絶望の深さを知る“孝太郎”だからこそ持つ「特別な資質」。
その意味を31冊かけて問いかけてきた「彼女」の迂遠すぎるアプローチには驚くしかなく。
言われてみれば確かに、と思わせてくれる指摘の一つ一つに31冊分の重みが乗るかのよう。

あとがきで 健速 先生が示してくれた裏話の数々を紐解きたくて思わず最初から読み返し
たくなります。……その時間はなさそうですけど。作中で残り1年をどう描いていくのか、
そして10周年を迎える予定の31巻で何かやってくれると信じて、楽しみに待ちたい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年07月05日

『中古でも恋がしたい!12』

田尾典丈 先生が贈る「小説家になろう」発の学園ラブコメ。第12巻は“清一”にトラウマ
を与えた完璧すぎる後輩の登場で“綾女”たちもうかうかしていられない状況を迎えます。
(イラスト:ReDrop 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797396836.html


研究会を突如訪れた、“清一”のことを「せー先輩」と呼ぶ美少女こそ、彼の女性不信を
決定づけた3人目の女の子“麻奈”。彼のエロゲヒロインになる、と公言する彼女の強い
想いで費やした5年という歳月に不信を抱くのも無理はないですが、実にもったいない。

ゲーム内でのハーレムはアリでも実際にはナシでしょ、と現実的な態度をとる“清一”を
優柔不断と指摘する“外崎”が追及していく言葉の数々。これには心当たりがありすぎて
胸に刺さるものがありました。女性陣に囲まれて、いい友人に恵まれて羨ましい限りです。

とはいえ、ある事情からリアルデートに流れていく所は“清一”をうらやまけしからんと
思わざるを得ない訳でもあり。雑念を払拭した彼がエロゲと向き合う決意を新たにしたと
安定ぶりを見せたところであのエピローグですよ。彼がどう誠意を見せるのか、注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年07月04日

『最強同士がお見合いした結果2』

菱川さかく 先生が贈る最強同士の恋愛ファンタジー。第2巻は“レファ”とのお見合いが
頓挫している“アグニス”のもとに外遊する第三国の王女が登場する所から話が動きます。
(イラスト:U35 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797397048.html


“アグニス”が迎え入れた王女“エリカ”。彼女が外遊する真の目的は彼を篭絡すること
とは露知らず、アプローチを仕掛けられてもなびくことのないあたりは滑稽でもあります。
もしや、と勘繰った“レファ”が探りを入れたり、気を揉んだりする所も可愛いもので。

“エリカ”が策を弄する相手を“レファ”にも向けてきてからは、かわいそうになるほど
“レファ”にとって試練の局面を迎えます。ここでも“メイ”と“ロゼリーヌ”の連携が
冴え渡ります。この裏工作、好きな展開ですね。まぁ、結果は推して知るべしな訳ですが。

そもそもなぜ“エリカ”は外遊してきたのか。その理由が女の戦いの果てで明らかとなる
あたりから彼女に対する同情の念が禁じ得ません。それを目の当たりにした“アグニス”
たちの立ち居振る舞いは必見です。怪我の功名がもたらした好転の行方が楽しみな所です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年07月03日

『百神百年大戦』

あわむら赤光 先生が贈る新作は、神々が覇権を争う世界で自堕落に過ごすある神の一柱と
巻き込まれた巫女が思わぬ戦いの舞台に上がっていく、天地鳴動バトルファンタジーです。
(イラスト:かかげ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797397062.html


従属神となり生き延びてきた剣の神“リクドー”。長年寄り添う巫女に別れを告げられて
次の巫女を探すため白羽の矢を立てた先にいたのが“ミリアルージュ”。神の救いも無く
超貧乏国家を運営する王女たる彼女は神を恨んでおり、前途多難な彼の運命や如何に──。

新たな巫女になってほしい、と願い出る“リクドー”に対し取り付く島もない“ミリア”。
しかし、共に国を預かる身として民に対する接し方など共感できる部分が見えてきてから
考え方を改めていく彼女の姿勢に好感が持てます。へこたれない彼も中々のものですけど。

「救いの神はいない」──とある神が“リクドー”に大戦を挑んできたことで再認識する
“ミリア”が本気で願った想い。それを受け止めた彼の「最も油断ならぬ腹黒狸」ぶりは
見どころ。彼女の献身ぶりがまた実に良い。二人がどんな戦いに巻き込まれるか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル