2020年06月12日

『本山らの文庫公式アンソロジー「本山らのが○○になったら?」』

本山らの さんが「エアコミケ(コミックマーケット98)」で頒布した小説アンソロジー。
「女子大生狐巫女ではなかったら」というテーマで人気作家たちが思いの丈を綴ります。
(イラスト:名取さな さん)

https://motoyama-rano.booth.pm/items/1979489
https://www.youtube.com/watch?v=IKg5j70jyqU


掲載順に神田夏生、古宮九時、八目迷、海津ゆたか、あまさきみりと、羽場楽人、涼暮皐、
藤井論理、モノカキ・アエル、岬鷺宮、以上敬称略が寄稿する豪華な一冊。様々な作風を
同時に味わえるアンソロジーが商業にも流れを築けないかとまず思わずにはいられません。

物語と出会ったり、物語に囲まれたり、物語でつまずいたり、物語を嫌いになったり──。
ふとした瞬間に“本山らの”という「概念」が登場する人物たちにどう影響を及ぼすのか。
読み進める度に「そう演出してくるか!」と驚かされるばかりでまさに十人十色の短編集。

苦い思い出の夏、朽ちた都市、禁じられた世界、輝かしい舞台、公園の隅、継がれる宇宙、
まぼろしの感情、絶望と希望、解禁された酒の席、あらまほしき先達。どの小編にも必ず
ライトノベルを愛し、推していく心が感じられるのがまた素晴らしい、素敵な一冊でした。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2020年05月22日

『着せ替えは心変わりを呼び起こさない!』

古宮九時さんが「Unnamed Memory Act.2」を舞台に日常の事件を描く書き下ろし同人小説。
競売に掛けられる「人の心を変える」指輪を巡って“オスカー”たちが首を突っ込みます。
(イラスト:藤崎ゑる(くん) さん)

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=651846


片づけていたヴェールをたまたま着けていた“ティナーシャ”。その艶姿を見た流れから
“オスカー”が彼女を着せ替え人形のように扱うやりとりが面白い。けれどその胸の内に
秘める焼けつくような熱量を表に出さずにいる彼の気丈さは立派でありながら実に切ない。

服の仕立てで世話になっている商家に纏わる「人の心を変える」という指輪。事の真偽を
確かめるべく競売の席に踏み込む2人が場を荒らしまくる展開が楽しい。もちろん彼女の
無邪気な言動に心かき乱されながらも、立場を弁え達観する彼には同情を禁じ得ない訳で。

「人の心を変える」指輪を見よう見まねで自作できてしまう“ティナーシャ”のすごくて
ポンコツな実力が、この騒動の意外な真実を見抜く結末。心も着せ替えることができたら、
タイトルにそんな願いも込められているのではと感じさせるのが本作らしくて絶妙でした。

posted by 秋野ソラ at 00:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2020年01月17日

『零れた灰を嘆くとも』『死骸の森』

古宮九時 さんのサークル「memoriae」が贈る、愛と呪いの一大叙事詩『Unnamed Memory』。
「灰の見る夢」の続編ともう1つ、誰の記憶にも残らないかもしれない逸話を描きます。

http://unnamed.main.jp/words/


“オスカー”との幸せな生活がついに始まる、という“ティナーシャ”に襲いかかる悲劇。
彼からの愛を噛みしめていた彼女が自責の念に駆られる中、ふと思い出した言葉と魔法具。
やり直せるかもしれない、と迷う彼女の想いを汲む“ラザル”が手を伸ばしてしまいます。

再びその時に巡り合った“ラザル”が目にする、“オスカー”と“ティナーシャ”の関係。
望まぬ展開、掛けられる嫌疑、見抜かれる違和感、嫌な予感に反応する己の体。流れる涙
と救われない想いは切なく、けれどまたこれも『Unnamed Memory』だと納得できるワケで。

そんな物悲しさを補うかの如く綴られた『死骸の森』では、突然失踪した魔法士の変死体
が海に打ち上げられた謎を探る“ティナーシャ”が、一冊の本に隠された秘密を露にする
ことで、ある人物の理解されない想いに触れる。これまた深く重く余韻を残す一冊でした。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2020年01月16日

『女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話4』

みかみてれん さんのサークル「てれたにあ」が贈る百合小説「百日百合」シリーズ第4巻。
恋人である“絢”との関係をより深めたいと懊悩する“鞠佳”の猪突猛進ぶりを描きます。
(イラスト:雪子 さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/


ゴムにも色々あるけれど、と思いがけず新たな知識を身につけた“鞠佳”。そんな彼女を
頼りに“夏海”から持ち掛けられたお悩み相談は、突然のカミングアウト。相手は後輩の
“晴”で、聞くと“鞠佳”のファンだと言うから“絢”の警戒レベルも上がるというもの。

“鞠佳”一筋だからこそ思っている以上に隙のある彼女を独占しようと時も場所も構わず
行為に及ぼうとする“絢”。いま思えば“絢”が抱える不安というか闇の表れとも取れる
エピローグが気になる所。3年生の終わりに迎えるのは永遠の繋がりか、それとも別離か。

“鞠佳”に逆転されるつもりはないと息巻く“絢”、2人の関係もさることながら周囲の
百合百合しいやりとりも楽しくなってきた本作。今巻は“知沙希”の意外な気遣いがもう
ツボでした。“悠愛”がボロ泣きしたのも分かるというもの。そんな場面もお見逃しなく。

posted by 秋野ソラ at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2019年09月13日

『失恋文庫 書き下ろし失恋小説アンソロジー』

涼暮皐さんの「失恋構文」に端を発する企画が実を結びアンソロジーとしてC96にて頒布。
人気ライトノベル作家たちが集結して「失恋」をテーマにした思い思いの物語を綴ります。
(イラスト:おしおしお さん)

https://note.mu/wataruumino/n/nd51f9d320814


「灰色青春は傷つかない」(雨宮和希 さん)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
中高のバスケ部でマネージャーを務める幼なじみの“京華”よりもバスケを選んだ“蒼”。
夢破れ、大学のサークルで“由美乃”と付き合うも“京華”への想いを引きずり別れた彼。
改めて想いを伝えるも時すでに遅し。それでも前向きな姿勢を示してくれたのが救いです。


「ずっと一緒な君と僕」(北山結莉 さん)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
幼なじみの“理香”が好きな“良太”が、彼女に釣り合う男になろうと努力し、成人式を
迎えた日に婚約するまでに至る。そして結婚生活まで見据えてお金を貯めようとする彼の
心意気は美談なのに報われず、人生すら棒に振るような結末が只々虚しくて、切なくて。


「乗り換えは君のいた大宮で」(ゆうびなぎ さん)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
バスケに打ち込む“朝斗”に惚れた“りん”が失恋するまでを描く小編。バスケを辞めた
彼への想いが冷めていく彼女の心の隙間を狙うかの様に現れた“夕陽”。靡く彼女に対し
サッと身を引く“朝斗”。共に大宮での経験を胸に生きていく所もまた青春なのでしょう。


「独り占め。」(しめさば さん)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
隣の家に住む幼なじみの“アキ”に恋心を抱く“ユキ”だが彼の想い人は彼女の姉である
“ナツ”。三者三葉の視点をもとに恋心のベクトルを描きながら、迂闊に決定的な瞬間を
迎えた3人が選ぶ結末。“ユキ”の心情が描かれていないのが空恐ろしいとも感じます。


「『シラノが想いを告げる時』」(子子子子子子子 さん)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
“白乃”と“縫奈”は小学校から続く女友達。いつしか“縫奈”に恋心を抱く“白乃”に
剣道一筋の“聖人”が「“縫奈”と付き合いたいので協力してほしい」とお願いされる。
戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」になぞらえる彼女の決断と結末が現実的で儚いです。


「ホンメイ*ログアウト」(ゆうびなぎ さん)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「わたしと浮気……してみない?」同じ予備校に通う“未卯”に持ち掛けられた“明治”
には“真央”という彼女がいる。しかし、彼女の恋心に重さを感じていた彼に“未卯”の
誘いは甘言、渡りに船。そして迎える決定的な瞬間、イブの日。浮気はだめですよ浮気は。


「昔の私へ」(屋久ユウキ さん)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
アラサーという時期を迎え、未だ独身で彼氏もいないある女性が過去の自分に対して手紙
という形で数々の男性遍歴を綴りつつ、その生き方に至った心境を自己分析していく小話。
卑下しながらも自分のことが好き、と言及する彼女に幸せは訪れるのかは、神のみぞ知る。


「虚無・A」(涼暮皐 さん)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
高嶺の花である“鹿倉”に告白し、あっさりと断られた“翔”の恋は終わったはずなのに
何故か続く彼の恋わずらい。まるで筆者が語るかの如き文面から描かれる彼の愚かな行為、
その果てに迎える興味深い結末。「失恋」の扱い方に一日の長あり、と感じさせられます。


総括
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
幼なじみヒロインはなぜにこうも立場が弱いのか。その謎を追求するのはひとまず置いて
同じテーマに合わせて短編を寄せあうことで、これだけ得体の知れないエネルギーを形成
できたこと、また読み手に共感や絶望を味わわせた実績は評価に値すると言えるでしょう。

担当編集の羽海野渉さん、緋悠梨さんも過去に言及されていた通り、読んだ短編を契機に
気になった作者がいらっしゃいましたら読者の皆さまにおかれましてはぜひ商業作品にも
手を伸ばしてほしい所で。それがアンソロジーの醍醐味でもあり、私の願いでもあります。

さらに願わくば、ライトノベルでは中々に定着しない「アンソロジー」の文化を、同人誌
という特殊な切り口ではありますが、「失恋文庫」が突破口となってくれたらと思います。
そうそう、「普通に生きてたら失恋なんてしない」という点は読む上でご考慮下さいませ。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2019年08月30日

『Vチューバーだけど、百合営業したらドハマリした件』

みかみてれん さんのサークル「てれたにあ」が贈る新作は、高身長で可愛げがないと周囲
から見られているVtuber少女が、とあるコラボから「百合営業」に嵌まる顛末を描きます。
(イラスト:くるくる姫 さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/


幼い頃チヤホヤされた“楓花”は16歳を迎え173cmの大柄な少女となり可愛いと言われる
事もなく。Vtuberとして栄華を取り戻そうとする彼女だが「顏はかわいい」修羅と異名を
受ける始末。そんな折、コラボの依頼を受けた「林原リリ」と対面するが実は彼女は──。

「林原リリ」こと“璃々子”が145cmと小柄なのに28歳の社会人というギャップと何より
可愛らしさに心奪われる“楓花”。コラボ配信を通じて“璃々子”が色々と拗らせた女性
だと知った“楓花”がどう反応するかが興味深い展開を見せます。挿絵の使い方も面白い。

単に2人の百合営業の顛末を楽しむだけでなくVtuberとして活動を続けてきた“楓花”が
「橙猫フーカ」にも心を救われる場面、そしてクロスオーバーな要素にもご注目頂きたい。
くるくる姫さんが描く漫画は“楓花”の格好良さが光る2人のその後が見られて幸せです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2019年06月14日

『本山らの文庫公式アンソロジー「本山らのと、先生と」』

ラノベ好きバーチャルYouTuberである 本山らの さんが企画した「本山らの文庫」合同誌。
参加した商業作家10名が、独自の視点で「本山らの」という存在を描いていく短編集です。
(イラスト:前屋進 さん)

https://booth.pm/ja/items/1326392


相生生音 先生、うさぎやすぽん 先生、折口良乃 先生、空伏空人 先生、瘤久保慎司 先生、
紺野天龍先生、佐伯庸介先生、斜線堂有紀先生、周藤蓮先生、時田唯先生。錚々たる作家陣
によりVtuber「本山らの」という存在をどう解釈して物語に落とし込まれるか拝読しました。

「Lのための物語/ハジマリノノベル」のように彼女が物語に登場するものもあれば「僕は
本山らのに恋をする」のように受け手の機微を描くもの、「本山らのと学校図書館(と司書
のぼく)」のように彼女が身近にいるとした話もあり幅広いテーマで楽しめる仕上がりです。

かねてからのラノベ読みの夢、と思っているインフルエンサーの登場、そして活躍ぶりには
常々するばかりです。ですが「好きなことして消えていく」のようにいつかは終わりが来る。
彼女の存在に甘んじることなく、自分もラノベの魅力を伝え続けたいと再認識した次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2019年05月24日

『女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話3』

みかみてれん さんのサークル「てれたにあ」が贈る百合小説「百日百合」シリーズ第3巻。
“絢”が勤めるバーでクリスマスイブにパーティーをする話から始まる人間模様を描きます。
(イラスト:雪子 さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/


冒頭から“絢”からの罰ゲームに屈するあたり懲りないな、と言わざるを得ない“鞠佳”の
あられもない様子に気恥ずかしさを感じつつ、“絢”にとってクリスマスイブとは何ぞや、
という意味を知った時の“鞠佳”の言動がまさにお付き合いしている感丸出しで好きです。

そんな特別な日に合コンをセッティングし、“鞠佳”にお誘いをかけてきた“玲奈”が今回
“鞠佳”が抱く心境の変化を描くにあたって重要な役割を担うことになります。学生生活で
築いてきた人間関係が永遠に続くワケない、なんて「ありえない」と知った彼女のためにも。

“絢”と“鞠佳”の肉体関係に関する描写もだいぶ深みが増して、紙幅の割合も高くなって
おります。また“鞠佳”が“絢”に対して攻めの姿勢を見せる場面もあって、その“絢”が
また可愛かったりするのがズルいです。エピローグで示した“鞠佳”の決意もお見逃しなく。

posted by 秋野ソラ at 00:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2019年03月08日

『負けませんからと言い張る顔のいい女の子を、全力で屈服させる百合のお話』

みかみてれん さんのサークル「てれたにあ」によるコミックマーケット95の新刊。学園で
行われる人気投票を前に秘密の恋人関係を結んだ女の子2人が優劣を競い合う百合小説です。
(イラスト:未幡 さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/


お嬢様学校で生徒からの投票によって選ばれる主役。その筆頭候補“彩良”にはライバル視
すべき“瑠衣”の存在が無視できない。そんな折、“瑠衣”から「恋人になってほしい」と
勝負を挑まれる。しかもキスまでされて。負けられない“彩良”は真っ向から受けるが──。

「百日百合」とは少し趣向を変えて、“彩良”からも“瑠衣”からも積極的に相手へと迫る
駆け引きがまず見どころ。そしてその駆け引きがかなり官能的なのも印象深く、攻めてるな
と感じられます。未幡 さんによって描かれる2人の絵が描写の数々に紐づいて悶絶モノです。

恋人関係となった“彩良”と“瑠衣”の勝負の行く末がどうなるかという展開だけではなく
なぜ“瑠衣”は“彩良”に対して「こんな勝負を挑んできたのか」という背景もしっかりと
明かしてくる点もぜひ注目していただきたい。安心して楽しめる百合小説です。オススメ。

posted by 秋野ソラ at 01:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2019年03月04日

『女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話2』

みかみてれん さんのサークル「てれたにあ」が贈る百合小説「百日百合」に続編が登場。
“絢”との関係を受け入れた“鞠佳”。誘い受けな彼女に想いを抱く女の子が現れます。
(イラスト:雪子 さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/


イチャイチャするのもいいけど友達づくりもね、と“絢”にクラスメイトとの人間関係を
築いてもらおうと手を打つ“鞠佳”。その思惑をあっさり躱していく辺りは“絢”らしい。
“知沙希”と“悠愛”も瞬時に受け入れて肩透かしをくらう“鞠佳”もらしさを感じます。

アルバイトに精を出す“鞠佳”に対し突如“アスタ”が告げる女難の相。女の子が好きだ
と見抜いたアルバイト先の“冴”から思いがけず告白される“鞠佳”が悩んだ末に選んだ
相談相手“可憐”から“絢”の意外な一面が語られる場面はギャップが感じられて印象的。

“冴”の真意を目の当たりにした“鞠佳”が露にした感情。受け入れたからこそ、そして
見続けてきたからこそ、“絢”に対する想いの強さを示すことができたと推察するに難く
ありません。もちろん屈服百合としての絡みも前作に増して見どころ満載でオススメです。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2018年09月07日

『じゃがトマ警察の生理学』

頒布早々に完売という伝説を残した『作家軽飯』に続きカルロ・ゼンさん、蝉川夏哉さん、
津田彷徨さんが贈る「コミックマーケット94」の新刊は世にある助言者たちに言及します。
(イラスト:赤嶺明美 さん)

http://www.tasty-3.com/posts/4689615?categoryIds=1019327


作品への指導という名の愛なき批判に対して創作者たちはどう向き合うべきか。筆を折る
ことのないように「じゃがトマ警察」を分析し、対策を提示し、その先の可能性に触れる。
各々の文体とそれを活かすデザインで構成される内容は創作者のためになることうけあい。

また、創作物を消費者としてどう受け止めるべきか。襟を正したくなる思いに駆られます。
指南書のようなカルロ・ゼンさんの「殺し方」、じゃがトマ警察という存在に触れていく
蝉川夏哉さんの「症例報告」、論文調な津田彷徨さんの「治療戦略」、どれも興味深い。

奇しくも書きたい内容が被った本作、次回はぜひ蓄積された「作家軽飯」リストに基づく
新たな隠れ家に言及する話が読みたいところです。暁なつめさん提供のフリーペーパーは
迫りくる〆切を前にした心境と、合間に食べるメニューの「我関せず」感が絶妙でした。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2018年08月31日

『Everlasting』

藤村由紀(古宮九時)さんがコミックマーケット94で頒布された新刊。異世界から侵入する
異形らと戦う組織最強の少女と、彼女を支える幼馴染の少女を巡る数奇な運命を描きます。
(イラスト:白線 さん)

https://mypage.syosetu.com/141617/


人を喰らい、破壊の限りを尽くす異形の存在《鵺》から世界を護る者が集う「廃城機関」。
その組織で最高位を務める“亜貴妃”には守りたい日常がある。周囲から腫れ物のように
扱われる彼女に寄り添ってくれる幼馴染“メイ”と過ごす時間が何よりの救いだから──。

最強と呼ぶにふさわしい異能の力を持つ“亜貴妃”。その責任からしがらみも多い彼女が
敵に対して、そして組織内の仲間に対しても厳しい様子を見せるのとは対称的に、優しい
雰囲気を醸し出す“メイ”とのやりとりが実に印象的です。そこに裏があるとは露知らず。

「廃城機関」という組織が一枚岩ではない、という不遇さ。そもそもなぜ「廃城機関」と
呼ばれるのか。《鵺》が異世界から侵入してくる理由とは。すべてを知った“亜貴妃”が
結果をどう受け止めるのか。刹那の幸せに望む未来があることを願わずにはいられません。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2018年08月24日

『女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話』

みかみてれん さんがコミックマーケット94で頒布された新刊。おしゃれにも十分気を遣う
イケてる女子高生が不用意な一言を境にあり得ないはずの道に落とされる過程を描きます。
(イラスト:雪子 さん カバーデザイン:ゆぞうに さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=384302
https://amzn.to/2MYEl8C


バイトをクビになって欲しいバッグも買えない“鞠佳”は売春も軽々しく考える女子高生。
そんな彼女にクラスメイトの“絢”が100万円を突きつけて1日1万円で買うと言ってきた。
「女同士なんてありえない」という考えを翻すなんてありえない、と彼女は息巻くが──。

その気じゃない“鞠佳”が“絢”との勝負にどう負けていくのか、駆け引きの描写が絶妙。
徐々に距離感が近付いていく様子や、触れ合っていくあれこれとか攻めの姿勢が窺えます。
「誘い受け」とか言われちゃう場面とかもうね。落ちていく姿を見るのは実に良いもので。

もちろん“鞠佳”が落ちる展開を楽しむだけではなくて、なぜ“絢”が彼女に対して勝負を
持ち掛けたのか、この理由に触れていく流れにもご注目。勝負の行方を際立たせてくれます。
雪子さんのイラストもキャッチーで目を惹くものがあり、オススメするしかない一品です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2018年05月24日

『死んじゃうくらい泣いていっぱい幸せになる百合』

みかみてれん さんのサークル「てれたにあ」が頒布する新刊は、病弱な少女の前に現れた
笑顔満面の死神が残された日々の中でかけがえのない想いを育んでいく感動百合小説です。
(イラスト:風知草 さん カバーデザイン:ゆぞうに さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/62/61/040030626114.html


「あたしは、紗夜さんのことを幸せにしようと思ってやってきたんです!」そう力説する
死神“エミリー”に面食らう彼女であったが、友人として、そして想い人として深い関係
を築いていく。死神に叶えたい「やり残したこと」を尋ねられた“紗夜”は悩んだ末──。

迫る死を前に、生きることへの諦めを感じていた“紗夜”が“エミリー”との邂逅を経て
活き活きと、そして積極的になっていく様子。さらに“エミリー”が翻弄される雰囲気が
まず尊い。それだけに二人を分かつ瞬間のやり取りが見せる切なさといったらもうつらい。

物語は変則二部構成で、もう一組の少女と死神の話が描かれる中で“紗夜”と“エミリー”
二人が出会った意味が分かったときの高揚感と畳みかけるエピローグに尊さが深まること
間違いなし。思わず読み返したくなる仕掛けが実に絶妙。オススメに値する百合小説です。

posted by 秋野ソラ at 00:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2018年02月02日

『作家軽飯』

カルロ・ゼンさん、蝉川夏哉さん、津田彷徨さんが隠れ処的な店を伏せて綴る合作同人誌。
「コミックマーケット93」において頒布開始から22分で完売した本作をようやく拝読です。

http://www.tasty-3.com
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=333299


缶詰部屋から、編集者から、そして〆切から一時でも逃れて心に栄養を、明日への活力を
取り戻すための食事。追い込まれた三者三葉の心情を、各々だけが知るお気に入りの店に
向かう過程を含めて描く。思わず苦笑いしつつ、羨ましく見えてしまうのが何とも罪深い。

値段に合わせた逃亡コースを提示してくるカルロ・ゼンさん、安定の「富士そば」一択な
蝉川夏哉さん、そして「存在X」を除く数多の神々に感謝しながら神戸まで逃避行を続ける
津田彷徨さん。それぞれの文体と作風が同人誌となっても垣間見えるのが興味深いところ。

確かに編集者や出版社の人たちには何の益にもならない本作。それにしても「太田が悪い」
というキーワードが目を惹きます。あと「長月バー」。時間的、金銭的余裕があればぜひ
隠れ処的な店を探ってみるのも一興と思える内容で、「作家重飯」の頒布も楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2018年01月19日

『もしも百合星人が地球でもっとも尊い百合を見せろと言ってきたら』

鰤/牙 さんがコミックマーケット93にて頒布した同人誌。異星人からの突然の宣告に対し
運命を託された2人の少女と、託す側の事情と思惑を織り交ぜて描いていく百合小説です。
(イラスト:さちはら さん)

https://twitter.com/kiva_blitz/status/939046112924647424


冒頭で各国首脳陣が真剣に「百合」について舌戦する場面にまず圧倒されつつ、片田舎で
くすぶる“友梨佳”が幼い頃に出会った“リリー”に憧れ、運命的に再開する・・・と思えば
その裏に仕組まれた“光琉”のシナリオがある。仕組まれた百合は尊いのかが問われます。

“友梨佳”と“リリー”が抱く心情の差異も整わぬ中、“リリー”の元彼女が揺さぶって
きたり、百合過激派の“ユリスキー”事務次官が介入したりと軌道修正不可なシナリオが
どんな結末を迎えるのか。百合星人は何を尊いと判断するのか。最後まで目が離せません。

付属のペーパーにある「よもやま話」を読了後に読むと、得心のいく点が出てきて面白い。
折本の「杜若あいり、インスタグラムにハマる」も拝読しまして久々に「カネの力」分を
摂取できたのも嬉しい。トレンドを織り込みつつ“あいり”らしさが窺える話に満足です。

posted by 秋野ソラ at 00:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2018年01月12日

『飼い猫になって百合カップルのイチャラブ生活を見守るお話』

みかみてれん さんがコミックマーケット93にて頒布した同人誌。百合もの大好き社畜OLが
仔猫となって飼い主の少女が大人になるまで見守り続ける甘くほろ苦い百合ラブ小説です。
(イラスト:ゆぞうに さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/


“たま子”から“タマ”になり、近くに越してきた“深優”の飼い猫となる所から物語は
始まります。前作『観葉植物〜』とは異なり、言語での意思疎通ができないもどかしさを
残す状況で繰り広げられる百合展開は、いわゆる尊さを感じさせてくれる良さを魅せます。

小学生編にて、気が強くて活発な“燐火”と、大人しいようでふてぶてしい“ひな乃”と
出会い雑誌の「友ちゅーのススメ」を契機に百合の片鱗に触れる“深優”。中学生編では
同じ部活で様々な人間関係に触れ、それぞれの意外性を垣間見せてこれまた百合百合しい。

高校生編では、各々のやりたいことが見えてきて3人が一緒にいる機会も減っていく中で
胸に抱くドキドキの意味を自問していきます。これがほろ苦い。“深優”の幸せのために
“タマ”に何が出来るか、3人はどんな結末を迎えるか、読んで確かめるに足る作品です。

posted by 秋野ソラ at 01:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2017年08月16日

『観葉植物になって百合カップルのイチャラブ生活を見守るお話』

みかみてれん さんのサークル「てれたにあ」がコミックマーケット92に送り出す新作は
百合もの大好き女子高生が観葉植物となって妹らの成長を見守る百合ラブストーリーです。
(イラスト:ゆぞうに さん)

http://unnamed.main.jp/teretania/
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/55/25/040030552504.html


不慮の死を遂げた“華”は気づくと何故か小学5年生の妹“葵”の部屋にある観葉植物に。
憧れの姉を失い気落ちする“葵”を、幼なじみの“千晴”が「元気が出るおまじない」で
慰める瞬間を目にした“華”は百合ップルの誕生を特等席で見守ることを決意した──。

小学生編、中学生編、高校生編と成長していく“葵”を見守る“華”の前向きさに苦笑い。
“千晴”との百合描写に注力するかと思えば二人の仲に思うところある級友の“泉美”が
急接近したりと“葵”の無垢な心は揺り動く。みかみ さんのやりたいことがてんこ盛り。

生活環境の変化にも対応できる“華”の仕掛けに驚嘆しつつ、自分のことを想ってくれる
“千晴”と“泉美”に対して“葵”はどんな選択をするのか。結末も含めてこれでもかと
詰め込まれた百合要素に大満足。挿絵の柔らかい雰囲気も作品に合致していてステキです。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2015年09月06日

『東京定年』

『異世界居酒屋「のぶ」』でコミカライズも果たし勢いを見せる 蝉川夏哉 さんのふとした
思いつきをもとに、糸畑要 さんが企画・編集して「コミックマーケット88」にて頒布した
アンソロジー。他に 谷津矢車 さん、DJあかい さんを迎えて44ページに渡る短編集です。

http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/33/75/040030337551.html


東京への人口集中、そして高齢化する状況を問題視し成立した、いわゆる「東京定年法」
により東京に住む65歳以上の高齢者には高額の税金や医療費等の負担割合増加が課せられ
東京から出ることを余儀なくされる──。そんな未来を想定して生まれた短編の数々です。


一作目は原案の発案者である 蝉川夏哉 さんによる「東京ゴールデン街の夜」。浜松に移り
5年が経過した“忠雄”が久々に東京、新宿へ足を運び「東京定年」を迎えた高齢者の哀愁
に触れながら、「ゴールデン街」の雑多な雰囲気が取り持つ奇妙な縁を描くエピソード。

冒頭でも述べた通り、「異世界グルメもの」での活躍がめざましい 蝉川 さんらしい飲食の
描写を踏まえつつ、高齢者だけでなく若者も視点に加えることでありえそうな未来や考え方
をより現実的なものとして感じさせる小編でした。最後に僅かな救いがあるのが良いです。


二作目は 蝉川 さんの原案にのって企画・編集を務めた 糸細要 さんによる「第4の人生」。
もうじき65歳、「東京定年」を迎える専業主夫の“昭雄”がまだまだ働き盛りの妻“凪子”
との関係を見つめ直し学校、会社、夫婦とは違う新しい生き方を模索する顛末を描く小編。

「高齢者適正居住推進センター」、通称「姥捨機関」という東京の外へ移住する候補地を
その人の資産状況や家族構成などを元に機械的に選び出すこの機関の衝撃的な描写たるや。
娘の“佐久良”が“昭雄”のことを考えてくれる良い子であるところに希望を感じました。


三作目は、ゲストとして迎えられた DJあかい さんによる「ドキュメント・東京定年」。
彼女から結婚を迫られ、いざその親に会ってみると「仕事が不安定な奴に娘はやれん」と
否定される始末。30歳直前ということもあり人生設計を見直す“僕”の機微を描きます。

「独立行政法人 人口適正化機構」いわゆる「東京定年機構」に転職した“僕”が高齢者
と応対する回数を重ねていく中で、東京の問題を地方に押し付ける施策への疑問を示唆する
短いながらも考えさせられる小編。最後に親が「落とし前」をつけてくるのが潔いです。


四作目、アンソロジーの最後を飾るのは 谷津矢車 さんの「そう、それは灰色の未来」。
「東京定年法」の施行から10年が経過した日本で同じ嗜好をもつ老人たちが新しい組織体
「インテレシャフト(興味社会)」を形成されていると記事を書く“潮見”に関する話。

「東京定年」に更なる可能性を加え新たなテーマとして投げかけ直す、約20ページに渡る
小編はトリを務めるだけあって実に読み応えがあります。谷津 さんの体験? を活かした
ちょっとした遊び心も加えられていて思わずニヤリとさせられる場面も。実に秀作でした。


2015年の1月3日、Twitter 上での 蝉川 さんと 糸細 さんのやりとりを拝見して興味を
抱いた企画がこうして1冊の本にまとまる、そして読めるという現実を目の当たりにして
「同人誌」の可能性と言いますか、凄いものだと実感いたしました。オススメの一冊です。



#(参考)

##東京定年 まとめ
#【 http://togetter.com/li/765729

#谷津さん、「東京定年」寄稿作について語る - 谷津矢車観察日記
#【 http://blogs.yahoo.co.jp/yatsuyaguruma_sousaku/13541325.html


posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌

2015年09月05日

『小学生なのに恋をしたら死ぬとか、つらたんです』&『劇場版 アイリッシュスナイパー 〜恋をしたら死ぬとか、つらたんです〜』

みかみてれん さんの自著『恋をしたら死ぬとか、つらたんです』の非公式書き下ろし長編。
「コミックマーケット88」で頒布された、恋を知らない“ヒナ”の幼少期を描く一冊です。
(イラスト:荒川 さん)

みかみてれん さん、藤村由紀(古宮九時)さんの合同サークルへ委託した 鰤/牙 さんの
『劇場版 アイリッシュスナイパー 〜恋をしたら死ぬとか、つらたんです〜』も拝読です。
(イラスト:そばや さん)

http://unnamed.main.jp/turatania/
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/32/39/040030323970.html
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/32/49/040030324938.html


何はともあれお祭り企画。「小学生〜」は、今ではクレイジーサイコビッチとして名高い
“ヒナ”が見せる幼少期の好奇心旺盛っぷりにまず驚かされます。そして彼女にまだ知らぬ
恋を教えようとする“あいり”と、それを見届ける“美卯”とのやりとりが面白いです。

「小学生〜」で登場するこの三人が「アイスナ」でも登場。しかも、それぞれに「恋」を
知った上で。“ヒナ”が引き起こす「突発性胸キュン死」の顛末がこれぞクロスオーバー
という逸話の数々でこれまた面白い。それにしても そばや さんの絵、ステキすぎです。

“シュルツ”の苦労性な面も久々に見れて一安心したところで「別冊活動報告その2」の
『みかみてれんは誰だ!』ですが「なろう」にも明るくない身には全問正解など夢また夢。
いきなり「プロレスのお話」に持っていくのは笑いました。読んで損はない本ばかりです。

posted by 秋野ソラ at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌