2016年12月08日

『七日の喰い神4』

カミツキレイニー 先生が贈るダークファンタジー。第4巻は祈祷士とGHQの軋轢を利用する
“龍之介”、それを止める“七日”、傷心の“ラティメリア”それぞれの戦いを描きます。
(イラスト:nauribon 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094516449


“龍之介”たちの魔手から逃れるのに必死な“ロサ”が辿り着いたのは“七日”たちの家。
そこへ暴走する祈祷士協会の犬が強襲。“ロサ”と呉越同舟の“ラティメリア”が彼や
ウミネコの“サキ”とも別れたまま不安な気持ちを膨らませる様子が何とも危なっかしい。

“六花”復活にこだわる“龍之介”がその境地に至った壮絶な過去。それでも彼がやろう
としていることの間違いを正そうとする“七日”が“ラティメリア”を巻き込みたくない
と振舞う葛藤。改めてその名を付けられた“ラティメリア”が感じた躍動、そして絶望。

決着をつけたヒト、モノすべてに等しく降りしきる雪の一面を切り取った見開きの挿絵が
物悲しさとやるせなさを煽ります。エピローグにて、やりたいことをやる、自由に生きる
そう決めた“ラティメリア”の前向きさに救われた気がします。印象に残る物語でした。

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2016年12月07日

『そのオーク、前世(もと)ヤクザにて2』

機村械人 先生が贈る超王道ファンタジー。第2巻は大嵐に見舞われた街で“レイガス”が
助けた亜人の少女に感じる懐かしさは、更なる前世の悲劇と因縁を呼ぶのでありました。
(イラスト:兎塚エイジ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797389548.html


“レイガス”にしがみつくほどべったりで、騎士団の女子陣に敵愾心むきだしの“マフ”。
亜人とは言え、その由来が全く分からない彼女が実はこの物語の、世界の鍵を握っている
ことに気付かされると、彼らの因縁の強さを感じさせると共に謎が更に深まっていきます。

今巻も“レイガス”がヤクザであった過去とオークとして生きる現在を交互に見せて真実
へと導いていく構成で、“マフ”の救われない生い立ちを知ることになります。“龍平”
としての生き様が彼女だけでなく色々と繋がっていくのが分かる話運びで魅せてきます。

物語の陰で“イーヴィ”に接触してきた半狼の魔女“ベロニカ”。怪しい笑顔を浮かべる
“ベロニカ”が“イーヴィ”よりも2つの世界のことに詳しいことは明白ですが、まさか
名乗りでその人が出てくるとは。ここからどう話が動いていくのか続きが気になる所です。

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2016年12月06日

『ゲーマーズ!6 ぼっちゲーマーと告白チェインコンボ』

満を持してのアニメ化決定! の報に沸く、葵せきな 先生が贈るこじらせゲーマーたちの
すれ違い青春ラブコメ。第6巻はあの「事件」を経て“花憐”たちがある結論を出します。
(イラスト:仙人掌 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321603000660


ゲームオーバーぶりを見せつけられた“花憐”と“祐”のちょっとした壊れっぷりもさる
ことながら当事者となる“景太”と“亜玖璃”も釈明に困る、というこれまた面倒な状況
を踏み台に“景太”と“花憐”が一歩前に進んでくれたのは怪我の功名と言うしかなく。

思わぬ方向に関係性を深めていく“景太”と“花憐”の様子、特に彼女のやらかしっぷり
に思わずニヨニヨするばかり。もちろん、彼も頑張って男を上げようとしてますが今回は
彼女のほうが上かな、と。それにしても“祐”のヘタレ具合が段々心配になってきました。

位置情報を駆使したソーシャルゲームのイベントを機に、これまでこじらせ続けた“千秋”
の想いがついに爆発。その過程で新参者の思わぬ毒舌というか情念も目にすることとなり
“景太”の相関図がまたとんでもない状況を描く結果に。思わず苦笑いしながら続きます。

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2016年12月05日

『冴えない彼女の育てかた 11』

TVアニメ第二期放送を4月に控える、丸戸史明 先生が贈るメインヒロイン育成コメディ。
第11巻は最終シナリオ「叶巡璃」のルートを決めるべく“倫也”が“恵”に急接近します。
(イラスト:深崎暮人 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321606000848


扱いが雑なように感じられた“出海”や“美智留”の強烈なアピールをくぐり抜け、そんな
二人の陰に位置するかのような“恵”に“倫也”が焦点を当てる今巻。ここぞとばかりに
ヒロインぶりを発揮したりしなかったりする“恵”が可愛すぎる。口絵も挿絵も絶妙です。

書きたい気持ちはあふれるほどあるのに書けない。“倫也”の苦悩を理解し、打開策を提示
するのは「あの人」しかいないワケですが、そこから二人で「叶巡璃」のシナリオを作って
いこうとする“倫也”のごり押しと“恵”の頑なで正直な言動がこっ恥ずかしくて実に良い。

地の文にもありますけど、既刊を手元に置きながら読むことをオススメしたい展開を魅せて
くれます。確かに、あのページから栞を挟みっぱなしにしておくべきでしょう、“恵”好き
な方々にとっては。その話運びで訪れる「転」とは何か、不穏な空気が実に気になります。

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2016年12月02日

『繰り巫女あやかし夜噺〜お憑かれさんです、ごくろうさま〜』

「小説家になろう」の有志企画「和モノ布教し隊」へ参加した 日向夏 先生の作品が書籍化。
機織りの実技を教える非常勤講師となった巫女が遭遇する不思議と謎解きの顛末を描きます。
(イラスト:六七質 先生)


https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=59977


古都にある玉繭神社に下宿し、管理者の“大家”や同居人の“シロ”“クロ”との生活を
楽しみながら巫女として機を織る日々を過ごす“絹子”。ある日、講師を務める講義を
受けている生徒“崎守”から相談を受ける。「神隠しにあったみたいなんです」と──。

“崎守”からの相談を機に、次々とオカルティックな事件に巻き込まれていく“絹子”。
口はやや乱暴でも人付き合いが上手でもない彼女を心配してあれこれ手を回してくれる
“大家”がいて一安心・・・などという安易な事件解決ものではない展開で魅せてきます。

事件が導き出す登場人物たちの思いも寄らぬ人間関係。“絹子”の意外な食べっぷりに
隠された真実。日常と非日常、被害者と加害者が入り混じる話運びに読み応えは抜群。
本書の副題に含まれた意味に気付かされた時の驚き、ぜひ読んで確かめて頂きたいです。

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2016年12月01日

『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる12』

裕時悠示 先生が贈る甘修羅らぶ×らぶコメディ。第12巻は異性からの人気が急上昇する
“姫香”に戸惑いを隠せない“鋭太”が迫る学園祭を前に態度を決める場面を迎えます。
(イラスト:るろお 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797388299.html


読者モデル「プリン」としての名がネット上で拡散し始めた勢いを逃したくない“真涼”。
“姫香”に対する特別な感情に戸惑いつつも彼女の意思を尊重したいと対立する“鋭太”。
互いを分かり合っているが故に譲れないところが面倒くさいなこの二人、と感じさせます。

そんな“姫香”からも好意を寄せられている“鋭太”がハーレムを築こうとしている、と
いうのは周知の事実であり、いよいよ敵が増えていく彼は派手なやっかみも受ける破目に。
理解されない考え方が生んだ結果に決意を新たにする彼。吐いた言葉に重みを感じます。

“真涼”の計画が次々進む中で“姫香”が初めて示した困惑、そして「ハーレム」の定義。
その想いを受け入れた“鋭太”が負ったケガを見て思わず問い詰める“カオル”がついに
牙をむいた! 「二律背反の物語」の解放と“姫香”の切ったカードの行方が楽しみです。

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2016年11月30日

『BabelII -剣の王と崩れゆく言葉-』

古宮九時 先生が贈る、言語と人間を描くファンタジー。第2巻は魔法大国ファルサスに
辿り着いた“雫”が思わぬ仕打ちを受け“エリク”とも距離を置かれる局面を迎えます。
(イラスト/森沢晴行 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892497-9/


王族に伝わる口伝「世界外から来たものを、排除しろ」。国王“ラルス”は頑なに信じて
正体を表せと“雫”にあれこれ肉体的、精神的負荷をかける一方、王妹“レウティシア”
は彼女に同情の念を寄せ、多少は融通を利かせてくれる。わずかに救いのある展開です。

“エリク”もいたファルサスで日々を過ごすうちに彼の過去や禁呪の話を耳にする“雫”。
彼女があれこれ思索している中で、動く死体の騒動が国を揺るがす事態へと発展。そして
彼の過去が襲いかかる結果に。それでも毅然とした対応を見せる彼らにすごさを感じます。

ただ、数々の騒動を描く過程すら霞むような子供の流行り病、言語障害が出るという症状
の真相に至るラスト数十ページの“雫”と“エリク”のやり取り。あまりの認識の違いに
驚かされつつ、このままうやむやにするのは惜しいので続きが出てほしいと願う次第です。

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2016年11月29日

『29とJK2 〜大人はモテてもヒマがない〜』

裕時悠示 先生が贈る禁断の年の差ラブコメ。第2巻は顧客情報漏洩疑惑の内部調査を目的
として新センター長が八王子に赴任する所から“鋭二”の新たな苦難の戦いが幕を開けます。
(イラスト:Yan-Yam 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797388336.html


中途半端な才能を嫌う社長の厳命で今度は“花恋”の一次選考通過を早期に実現する必要
が求められる“鋭二”。かと思えば新しい上司の“百目鬼”には顧客情報漏洩の濡れ衣を
着せられて崖っぷちに立たされるし、で憤慨を禁じ得ない。この会社、内憂を抱えすぎ。

現場も外野の人間に荒らされ、あげく“綾”からはセクハラの報告が挙がり、“花恋”も
投稿作品に酷評をつけられ気落ちする一方。打つ手なし、かと思える状況を耐え忍んで
時に自分で、時に仲間の力を借りて巻き返していく“鋭二”の姿に熱いものを感じました。

作家になれなかった夢を“花恋”に託す“鋭二”が彼女に「呪い」を示す場面で、逆に
自身の胸の内へ置き去りにしてきた気持ちに気づかされた後の選択肢が潔い。挿絵も完璧。
新たな呪いとしての「29とJK」、爽快な読了感を450ページ超の一気読みで堪能しました。

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2016年11月28日

『ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット』

『パラサイトムーン』などで知られる 渡瀬草一郎 先生が「SAO」のスピンオフ作品を担当。
SAO事件中に開始した和風VRMMOを舞台に、謎解きクエストへ挑む少女2人の物語を描きます。
(イラスト/ぎん太 先生 原案・監修/川原礫 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892487-0/


《アスカ・エンパイア》のイベント「百八の怪異」、その内の1つを1週間以内にクリア
してほしい、とゲーム内で探偵業を営む“クレーヴェル”に依頼する初心者の“ヤナギ”。
彼に付き添った“コヨミ”と“ナユタ”、2人の少女も手を貸すことになるのだが──。

別作品のスピンオフではありますが久々に 渡瀬 先生のテキストを読ませていただきました。
「SAO」としても全く違和感がなく、和風ファンタジーとしても楽しめる作品でアッという
間に読了しました。ぎん太 先生の描く“ナユタ”がまた印象深いビジュアルでやられます。

“ヤナギ”の孫が作ったクエストに込められた想い。それを感じ取った“ナユタ”に訪れる
心境の変化、クエストが繋ぐ“クレーヴェル”との思わぬ縁。どこか人情味あふれるのは
和風ならではの世界観ゆえか。マイペースで芯が強い彼女の魅力にぜひ触れてみてください。

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2016年11月25日

『真夜中の本屋戦争』

「HJ文庫」など作品を上梓してきた 藤春都 先生が「ホワイトブックス」より贈る新作は
美人書店員がいる本屋でバイトする大学生が直面する、本同士の平台争奪戦を描きます。
(イラスト:フカヒレ 先生)

http://blog.hakkoushuppan.co.jp/article/177341051.html


“渉”のバイト先「エキナカ書店」で時折見かける小さな黒い影。それは本に込められた
想いが具現化したゴーストの姿。戦国武将やビジネスリーダー、歌人、名探偵などなど、
自分が書かれた本を平台に置いてもらうべく、夜な夜な勝負を繰り広げるのだった──。

本好きが高じて書店員となった“紫野”にほのかな想いを抱く“渉”。面接を経て彼の
ことを同士と誤解した彼女が少しずつ打ち解けていく様子が何とも愛らしい。そんな彼も
平台争奪戦を仕切るくらい場慣れしていくのだから図太いというか順応性が高いというか。

好きな本のために何かしたい、という想いが人を、自分自身をも変えていく挿話の数々が
心に温かいものを与えてくれます。“渉”が熱く語るあの場面はまさに見どころ。そして
“紫野”が抱える問題に対して示した想いの強さと挿絵のインパクトには心奪われました。

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2016年11月24日

『幸せ二世帯同居計画 〜妖精さんのお話〜』

五十嵐雄策 先生が贈る新作は家族がテーマのハートフル・ストーリー。家を失った兄妹が
忍び込んだ空き家・・・のはずの家に住んでいた同級生と築かれていく奇妙な縁を描きます。
(イラスト/フライ 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892469-6/


「幸せ二世帯同居計画」それは“瀬尾小春”の兄が思いついた迷案。知らずに住み込んだ
同級生“成瀬莉緒”の家で、彼女に知られず三人の同居生活を続けるという案。バレそう
になっても彼女は「妖精さん」の仕業と判断するし、このまま上手くいくと思ったが──。

クラスでは人を寄せ付けない雰囲気を漂わせる美少女“莉緒”が一人で住むには広い家。
その状況に置かれた彼女の現状、それに紐づく過去が実に重い。それを「妖精さん」が
思いも寄らず救うことになる顛末に心がほっこりしますし、読み手も救われる思いです。

そこに「+1」が加わることになり、それぞれの視点で「家族」というものが何なのかを
考え、定義し直していく話運びには考えさせられるものがあります。“莉緒”が少しずつ
明るく、前向きに変化していく描写が挿絵と共に眩しく映ります。お薦めできる一冊です。

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2016年11月23日

『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXI』

アニメのDVD・BDが順次発売している、宇野朴人 先生が贈るファンタジー戦記。第11巻は
“イクタ”の妹弟子“ヴァッキェ”が“シャミーユ”の心情を事あるごとにかき乱します。
(イラスト/竜徹 先生 キャラクター原案/さんば挿 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892471-9/


暗君、暴君して振舞う“シャミーユ”に物怖じすることなく、馴れ馴れしい態度を見せる
“ヴァッキェ”に憤る女帝が次第に彼女らしさを取り戻させていく変化が実に微笑ましい。
そして“イクタ”に可愛がられる様子がたまりません。早く懐柔されてほしいものですが。

国内情勢を見れば貧民層が集団生活を送り無視できない規模にまで拡大する状況。これを
どう裁くかについても“ヴァッキェ”が切り込みます“イクタ”や“トリスナイ”それに
“シャミーユ”すらも驚かせる方法で。これは帝国にとってもいい流れになりそうな予感。

“ハロ”と“パトレンシーナ”の関係の変化が命を懸けたものと知り確実に胸を打ちます。
好転の兆しを見せるの中にあっても“シャミーユ”の胸に巣食う呪いのような信条は未だ
払拭できず、更に悩ましい状況に置かれる“イクタ”に勝ち目はあるのか次巻も注目です。

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2016年11月22日

『誉められて神軍1 新宿市国』

『彼女がフラグをおられたら』の 竹井10日 先生が贈る新作は、新境地ファンタジー戦記。
ファンタジー世界と化した日本で元の記憶を持つ少年が本来の世界を取り戻べく戦います。
(イラスト:CUTEG 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/series/?c=1000015577#bk9784063815627


一夜にして「新宿市国」の一小隊を任される軍人となっていた少年“零”。女の子だらけ
の小隊を連れて挑んだ新宿ダンジョンにて拘束衣に囚われていた謎の美少女“火倶夜”を
助けた彼に捧げられたのは「誉めて伸ばす力」。彼の野望を達成する力となるか否か──。

異例のスピードで出世していく“零”が見せる意外なだらしなさから始まり、幼なじみの
“姫鞠”の世話焼き具合を超え、バブみを感じさせる“萌”など、いつも通りの竹井先生
の世界観が繰り広げられていてある意味、安心しながら読めます。姉キャラも当然います。

「誉めて伸ばす力」の思いも寄らぬ使い方、及ぼす影響力に驚かされると共に制約条件が
シビアで“零”も使い所に悩まされるのがよく分かります。女の子たちとのコミカルな
やり取りと内憂外患のシリアスな状況が上手く作用して興味深い話運びを魅せています。

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2016年11月21日

『インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告』

『天空監獄の魔術画廊』の 永菜葉一 先生が贈る新作は近未来SFバトル。2029年12月31日、
年が変わる3分前に意識が飛ばされる病に絶望と異能をもたらされた少年の運命を描きます。
(イラスト:まごまご 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321608000495


感染する未来視、夢現譜症候群に見せられた“レオ”の3分間は“スクルド”なる人物を
殺すため大量殺人を起こす自身の姿。専用の教育機関に保護され、殺人鬼の汚名を被り、
“スクルド”を単身探し求める彼にある少女とパートナーを組めと厳命が下されて──。

見える3分間が人によって異なり、良し悪しあれば見えない場合もある。その設定を活用
した世界観にまず惹き込まれます。そこに“レオ”と“ティア”、どちらも腹に一物ある
コンビが繰り広げるデコボコぶりで魅せてくれます。前作とは違ったエロさもあります。

思わぬ所からもたらされる“スクルド”の情報、夢現譜症候群の集団感染に隠された思惑、
過去と未来が交錯したときに選択肢を迫られる“レオ”が臨む戦いと精神的な成長の描写
に心地よい読了感を味わいました。ぜひ続きが出てほしいと思える作品。オススメです。

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2016年11月18日

『雨音天祢のラノベ作家養成講座 おまえをラノベ作家にしてやろうか!』

舞阪洸 先生が贈る新作はラノベ業界ラノベ。教壇に立つ現役女子高生ラノベ作家の指導を
専門学校生たちはどう受け止めるのか。有名ラノベ作家も実名登場してアドバイスします。
(イラスト:necomi 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2016/11/#bk9784063815658


「ラノベしか読んでない奴はラノベ作家にゃなれないぞ?」作家養成コースの自己紹介で
辛辣なコメントをもらった“隆也”。そう告げた“天祢”はデビューする確率を100倍に
上げるメソッドを提供すると公言。その方法はもちろん楽な道のりではないワケで──。

コースには作家を目指す以外の生徒も含め、独特の個性を見せる人物ばかり。地道な作業
が続く中で焦りを感じたりする“隆也”の機微は同じ夢を追う者であれば多々共感できる
のではないかと。まさにラノベ作家養成講座へ同席しているかのような感覚が味わえます。

特別出演の あざの耕平先生、白鳥士郎 先生、三浦勇雄 先生に“天祢”がインタビュー
する形で行われる特別授業も見どころの一つ。下世話な質問も仕込んできて実に興味深い。
エロ成分は希薄ですが、代わりに人間模様は深堀りできそう。続刊に繋げてほしい所です。

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2016年11月17日

『ワールド・イズ・コンティニュー』

『スカイ・ワールド』の 瀬尾つかさ 先生が贈る新作はMMORPGノベル。バランスが最悪の
ゲームに失踪した姉の残滓を感じた少年が、偏ったスキルと無限蘇生を武器に挑みます。
(イラスト:早川ハルイ 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321606000844


七つの異世界から闘神を呼び、何度でも甦る使徒と共に魔物を退け、少しずつ人の領域を
広げる世界「フルシエラ」。使徒の一人として召喚された“浩史”は姉“マリエ”の特徴
をもつ闘神“マクナ”に会う条件、レベル100を目指すが成し遂げたのはごく僅かで──。

セーブポイントのエリアから出るために倒すべきエリアボスに歯が立たず、何度挑んでも
死に戻るが故に自壊死を選ぶ仲間に取り残された“ハイシェン”。その少女に生きる術を
与えた“浩史”とその仲間の影響を良くも悪くも受けて成長していく様子が何とも面白い。

錬金術師で弱体魔法特化という、実に難易度の高いゲームスタイルを披露する“浩史”が
“由紀”や“桃子”に頭が上がらない様子に 瀬尾 先生の作品らしさを感じて安心します。
姉が残した伝言の真意を探るべく困難な道のりに挑む彼を待ち受ける物語が気になります。

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2016年11月16日

『六畳間の侵略者!? 24』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算26冊目は“エルファリア”が新生フォルトーゼ正規軍
と名乗りを上げて戦う決意を示す一方、クーデター軍が切り札の秘密兵器を投入してきます。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/689.html


“エルファリア”の堂々たる演説に改めて惚れ惚れする傍ら、青騎士について質問攻めに
合う“ティア”の慌てぶりが微笑ましい。クーデター軍の卑劣さが明らかになってきた点
も含めて彼女らに流れが傾いてきているのが良いですね。まだ一筋縄ではいきませんが。

“エゥレクシス”や“真耶”が冷静に“孝太郎”たちを分析し暗躍する中で大技を仕掛けた
“ヴァンダリオン”。それぞれの持ち味を活かして随時対応していくコータロー騎士団の
活躍に目を見張ります。特に“キリハ”や“ルース”に光が当たっている所がうれしい。

オビにもある通り青騎士の快進撃が止まらない状況を“エゥレクシス”がある意味、読み
違えたことが“孝太郎”たちの先行きにどう影響するのか・・・という不安を払拭するかの
ような挿絵の和やかさを襲う「彼女」の不調。兆しはあっただけに心配するばかりです。

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2016年11月15日

-インフィニット・デンドログラム- 1.可能性の始まり』

「小説家になろう」において発表していた 海道左近 先生の作品が、満を持しての書籍化。
独自に進化するプレイヤー、人のように振舞うNPC、可能性豊かなVRMMOが舞台の物語です。
(イラスト/タイキ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/694.html
http://dendro.jp/
http://ncode.syosetu.com/n5455cx/


大学受験を前に発売されたVRMMOゲーム「Infinite Dendrogram」をようやく手にすること
が出来た“玲二”。キャラメイクした“レイ”として先行プレイしていた兄に会うべく
アルター王国の王都を歩く彼に早速、運命の出会いと高難易度のクエストが舞い込む──。

兄の“シュウ”やこのゲームの特徴でもあるエンブリオ、“レイ”の場合は“ネメシス”
の力を借りて難題をクリアしたり、それでもレベルが低いゆえに挫折を味わったり、と
ゲーム内の冒険を楽しんでいる雰囲気が伝わってきます。実際にあったら楽しそうですし。

途中で出会う“ルーク”と“バビロン”の能力が意外とえげつない組み合わせなのが割と
好みだったり。“リリアーナ”や“マリー”といった知り合いも増えて順調に進むかの
ように見える冒険の裏には何か仕掛けがありそうで、そのあたりの動きに注目でしょうか。

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2016年11月14日

『サークルクラッシャーのあの娘、ぼくが既読スルー決めたらどんな顔するだろう』

「ガガガ文庫」にて作品を上梓してきた 秀章 先生が「スニーカー文庫」から新作を発表。
財宝狙いの旅団に転がり込んできた美少女がもたらす危機をその一員の視点から描きます。
(イラスト:R_りんご 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321607000404


魔族との大戦に向けて用意した莫大な軍資金が終戦と共に消失。以来、財宝として冒険者
が探索する中、四男一女で結成した「軍資に一番近い旅団」はその筆頭候補で名を馳せる。
彼らがダンジョンで封印されていた美少女を解き放つ所から旅団の歯車が狂い始める──。

タイトルや表紙の感じから現代モノかと思えばファンタジー、という点にまずビックリ。
記憶の無い“クリスティーナ”を主人公“ユーリ”が好きになるのも納得の展開で安易な
ラブコメかと思えば紅一点の“シイナ”が旅団を抜けると言い始めてからの泥沼感が絶妙。

立場上“クリスティーナ”を受け入れられない最弱の“ユーリ”は修羅場中な一騎当千の
団員を丸め込めるのか。起点の利かせ方と彼女の選んだ結末をぜひ読んでご確認頂きたい。
サクサク読める構成の妙とファンタジーでのサークラが魅せるドラマ。オススメできます。

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2016年11月11日

『僕は彼女を攻略できない。 まちがいだらけの主人公ライフ』

三門鉄狼 先生が贈る新作はラブコメディ。エロゲの主人公役、ラノベのヒロイン役、各々
突如役を割り振られた少年と少女の出会いが、まちがいだらけの恋物語を紡いでいきます。
(イラスト:掃除朋具 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1468


18歳を迎えた“アユム”に告げられた宣告はハーレムエロゲの主人公としてヒロインたち
と出会い、その1人とHシーンを経てエンディングを迎えること。時を同じくして“都”は
彼と1年間級友として過ごすことを宣告されるが、彼女は「ラノベ」のヒロインで──。

腐れ縁の“佐亮”や幼馴染の“那月”、妹の“睦美”にからかわれながらもアプローチを
かけてきた“都”に期待が高まる“アユム”。そもそもラノベのヒロインを知らない彼女
が見せる不器用な積極性が微笑ましくて可愛らしい。イラストも逐一、狙ってきてます。

期待が高まる“アユム”に水を差す、“都”の「役振り」が持つ意味。“サンディ”先生
からの助言や“睦美”からの指摘で「まちがい」を強く認識した彼がどんな道を選ぶのか。
次々増えていくヒロインの機微も含めて落とし所は難しく、この先の展開が興味深いです。

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