2017年07月27日

『ミス・アンダーソンの安穏なる日々 小さな魔族の騎士執事』

世津路章 先生の「小説家になろう」投稿作品が書籍化。魔族殺しの名で恐れられる人間の
女傭兵を倒すべく送り込まれた少年羊執事が呆気なく捕まった後の難儀な日々を描きます。
(イラスト/フカヒレ 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893215-8/
http://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/413700/blogkey/1717571/


「アンナ=L・アンダーソンを抹殺せよ」ご主人様に命令された“アーティ”は少年の姿
をしながらも耳に子羊の角をもつ魔族の騎士執事。“アンダーソン”の家に早速潜入した
彼はその惨状、汚部屋ならぬ汚宅ぶりを見て、執事として掃除心に火をつけてしまう──。

おねショタ成分が「これでもか!」と摂取できる本作。“アーティ”があまりにも弱くて
歯牙にもかけない“アンダーソン”が彼を人形のようにあしらう言動と、それを悔しがる
彼の様子が微笑ましいし、何より可愛らしい。フカヒレ 先生の挿絵がそれを後押しします。

話としては共同生活をすることになった“アーティ”が街に理解者を増やしつつ彼なりに
「“アンダーソン”を殺す」とはどういうことかを模索する展開が見所。加えて、世界を
揺るがす陰謀に人知れず対峙することになる二人の今後が気になる、オススメの作品です。

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2017年07月26日

『異世界コンサル株式会社』

ダイスケ 先生の「小説家になろう」投稿作『冒険者パーティーの経営を支援します!!』
が書籍化。冒険者と読者にビジネスハウツーを提供し出世していく壮年を描く異色作です。
(イラスト/弘司 先生)

http://www.gentosha.co.jp/book/b10964.html
http://ncode.syosetu.com/n0579dc/


依頼中に負った膝の怪我がもとで冒険者仲間から戦力外通告を受けた転生者の“ケンジ”。
転生前に生業としていたコンサルタントのノウハウを活かし冒険者向けの経営相談を始めた
彼は金がたまらないと嘯く知り合いの“サラ”の悩みに応えるべく様々な指南を始める──。

歩くのが商売の冒険者。それを防ぐことが出来れば冒険者はもっと活躍できる、儲けられる
と「予防」に尽力する過程で個人や法人、規模に合わせて利益を出す責務に求められる知識
が自然と理解できる構成になっている点が秀逸。小説としてもビジネス書としても高水準。

利権を狙う者たちに、時に知識で、時に武力で対抗していく様子は現実世界とは少し趣を
変えたやり口でいかにもファンタジーらしく、面白い。個人事業主にも労働者の皆さまにも
有益な話が含まれており一読する価値はあるかと。“サラ”の想いが通じることを祈ります。

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2017年07月25日

『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン ガールズトーク 縁と花』

川上稔 先生が贈る戦国学園ファンタジー。物語の隙間を埋めるガールズトークの第3巻は
アルマダ海戦後にIZUMOへ向かった武蔵を襲う、“メアリ”に纏わる騒動の顛末を描きます。
(イラスト/さとやす 先生(TENKY))

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893237-0/


武蔵のIZUMO着港を差し止めて、極東を縛るための法律「武家諸法度」の歴史再現を図る
“ウルバヌス8世”にして“以心・崇伝”の襲名者が登場。性急に動こうとする情勢を
“正純”がどう食い止めるか。相手の真意に気付けるか、が話のポイントとなります。

鍵となるのが武蔵に合流したての“メアリ”。“点蔵”とのアツアツぶりが何度となく
炸裂する中、“マルガ”たちの創作活動に熱が入ったり、“トーリ”や“ホライゾン”
が奇行に走ったり、と武蔵内のバカ騒ぎが存分に堪能できるのは本当に楽しいもので。

「武家諸法度」の十三箇条をどう解釈するか。そこに込められた願いや思いを超えていく
“正純”の説明の説得力。そして“以心・崇伝”が隠していた事実。すべてを受け止めて
締めくくる“メアリ”の一言が破壊力抜群で“点蔵”しっかりしろと言わざるを得ません。

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2017年07月24日

『りゅうおうのおしごと!6』

満を持してのTVアニメ化が決定した、白鳥士郎 先生が贈る熱血将棋コメディ。第6巻は
弟子の行く末に苦悩する“八一”と、奨励会三段を狙う“銀子”の厳しい現実を描きます。
(イラスト:しらび 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797391893.html


ロリコン疑惑に歯止めがかからない“八一”。初詣で“澪”に芽生えた情熱を受け取める
彼が示す女流棋士であることの難しさ、将棋ソフトの強さと可能性が物語の主軸となって
“銀子”に重くのしかかります。彼女の心情が明かされる度に心苦しい思いが堆積します。

様々なデビューを“あい”と“天衣”に仕掛けるもコミカルな場面に繋げてしまう“八一”
が微笑ましいものの、思わぬ人物の助力を得て「将棋の神様」の存在をしっかりと諭した
あたりは流石だな、と。将棋を支える職人の存在も大きいことが分かりためになります。

“シューマイ”先生の襲撃事件にも左右されるほど、奨励会三段に向けての大一番を前に
気持ちが揺れていた“銀子”。最年少の“創多”との激戦を経て、絶望の淵に立たされた
彼女を察した“桂香”の気遣いが今後どう物語を動かすか。想いの強さ勝負に注目です。

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2017年07月22日

「好きなライトノベルを投票しよう!! 2017年上期」エントリー


86―エイティシックス―
 【17上期ラノベ投票/9784048926669】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/178830406.html

読者と主人公と二人のこれから
 【17上期ラノベ投票/9784048926034】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/179533070.html

キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦
 【17上期ラノベ投票/9784040723075】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/179949778.html

サークルクラッシャーのあの娘、ぼくが既読スルー決めたらどんな顔するだろう(2)
 【17上期ラノベ投票/9784041050040】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/179105801.html

ゼロの使い魔(22)
 【17上期ラノベ投票/9784040690841】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/178998394.html

りゅうおうのおしごと!(5)
 【17上期ラノベ投票/9784797390094】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/178919737.html

月とライカと吸血姫(2)
 【17上期ラノベ投票/9784094516722】

魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?(2)
 【17上期ラノベ投票/9784798614601】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/180027944.html

君は月夜に光り輝く
 【17上期ラノベ投票/9784048926751】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/179070685.html

ネット小説家になろうクロニクル(3)
 【17上期ラノベ投票/9784061399679】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/179823938.html



◆ 好きなライトノベルを投票しよう!! - 2017年上期
 http://lightnovel.jp/best/2017_01-06/

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2017年07月21日

『ねじ巻き精霊戦記  天鏡のアルデラミンXII』

宇野朴人 先生が贈るファンタジー戦記。 第12巻は曲者揃いの三国会談に乗り込んできた
“アナライ”の科学を追究する熱意が教会の秘事、更に世界の謎を明らかにしていきます。
(イラスト/竜徹 先生 キャラクター原案/さんば挿 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893232-5/


“ジャン”と“イクタ”が取っ組み合いの喧嘩を繰り広げる様子は予想通りとはいえ面白い。
ある事情により行動を共にする二人のやりとりも見所で、中でも“ジャン”が“イクタ”に
語った眠らずの原因と、“イクタ”が“ジャン”に突き付けた忠告がまず印象に残ります。

“アナライ”が教皇に、神に抗う中で彼が提唱した「超古代文明論」。そこから導かれる
精霊の秘密、ひいてはこの世界の謎を紐解いていく展開が一文字も見逃せない驚きの連続。
「ねじ巻き精霊」に込められた想いは読んで確かめていただきたい。胸が熱くなります。

天鏡のアルデラミン、その謎を問く過程で垣間見ることができた“ヤトリ”の面影が実に
切ない。科学者が見る夢。叶わぬものと横に置いておかれるのは何とかならないかと淡い
希望を抱きつつ、出された課題に対して帝国、キオカはどう決着をつけるのか注目です。

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2017年07月20日

『美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!!』

春日部タケル 先生が贈る新作はラノベ作家をテーマにした熱血ラブコメ。文芸編集者に
なるはずがラノベ編集部に配属となった青年が、ミリオンセラー作家育成に尽力します。
(イラスト:Mika Pikazo 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2017/7/#bk9784063815924


アルバイトの叩き上げで編集者にはなったが、希望とは違うライトノベルの編集部に配属。
ラノベじゃミリオンセラーが出せないと憤慨する“黒川”だが、まずは担当作家“天花”
と会い、ラブコメが書きたいらしい彼女へ売れるためにシリアスを書けと助言するが──。

“天花”ともう一人の担当作家“ひよこ”のボケ倒す言動にツッコミを入れる“黒川”の
やりとりがコミカルで軽妙な読み口。ラノベ関係のネタもいろいろと織り交ぜてきます。
そこに、ミリオンセラーにこだわる“黒川”の過去がシビアな現実として突き刺さります。

“天花”と“ひよこ”の担当編集とした編集長の「諸事情」に気づいたとき、“黒川”は
何を思うのか。二人の美少女作家は彼の助言を受けて大成できるのか。作品を生み出す
過程を時に楽しく、時に厳しく教わりながら彼らの行く末を見守ってみたいところです。

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2017年07月19日

『学園交渉人 法条真誠の華麗なる逆転劇』

『姉(かのじょ)と妹(カノジョ)の下着事情。』の 柚本悠斗 先生が贈る新作は学園逆転劇。
高額の報酬を要求しつつ難題を解決していく少年とそれに反発する助手の活動を描きます。
(イラスト:米山舞 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797392906.html


決して校則を破らないこと。膨大な生徒数を誇る学園の運営を委ねられた生徒が守るべき
ルールはこれだけ。生徒会執行部管理下の埒外で起こる揉め事を校則すら曲げて解決する
“真誠”は依頼人に「謝辞などいらん。金を払え」と報酬を請求するのだが、何故か──。

同じように問題を解決してもらい借金のカタにこき使われる“華織”。“真誠”に何かと
噛みつく彼女ですが、問題解決の過程で気づく「正義」の意味、それに基づく彼の真意に
気付いたことで物語を大きく動かす存在として化けていく話運びにまず惹かれていきます。

連作短編のような構成で軽快に読み進められますし、大事な情報を小出しに見せてくれる
ことで物語の緊張感が徐々に高まっていく面白さが絶妙。登場人物の掛け合いも楽しい。
引きもインパクト十分で、前作に引き続き期待が持てるシリーズかと。オススメします。

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2017年07月18日

『冴えない彼女の育てかた Girls Side3』

丸戸史明 先生のメインヒロイン育成コメディ。本編12巻、“倫也”がサークル不在の間に
示した“恵”の決意、それに対する女性陣の反応や機微を描いた挿話を収録した一冊です。
(イラスト:深崎暮人 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321702000732


フラットで感情表現が適当、そういう自分だと思い込まなければその胸に根付いた想いは
止められない。「巡璃」という設定を通じて仲間にも親友にも譲らないと宣言する彼女は、
「転」なんていらないと涙する彼女は間違いなくヒロイン。これ本編ですよね、ある意味。

“詩羽”が間接的に“恵”の様子を探ることで悟ってしまった己の立ち位置、“英梨々”
という存在の価値。幼なじみはどこまで報われないのか、涙する彼女に切なさが溢れます。
“恵”の天敵たる“伊織”からしてみれば何もかもお見通しだったのかもしれませんが。

「icy tail」メンバーによる曲作りと称して関係図を整理していただいたのも助かります。
“出海”はキャリアアップに繋がりましたし、“美智留”は今のスタンスを良くも悪くも
貫くものと思われます。最高のガールズサイドでした。本編完結を楽しみにする次第です。

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2017年07月17日

『回復術士のやり直し 〜即死魔法とスキルコピーの超越ヒール〜』

月夜涙 先生が贈る新作はリベンジ・ファンタジー。勇者たちに人としての尊厳を奪われる
ほど虐待された回復術士が、「回復」の技術を極めて復讐を果たしていく過程を描きます。
(イラスト:しおこんぶ 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321702000344
http://ncode.syosetu.com/n3512ds/
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883006619
http://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_KS11000027010000_68/


「回復」しか使えない【癒】の勇者“ケヤル”。【術】【剣】【砲】の各勇者を支えて
魔王討伐を果たす、まさにその瞬間に彼は裏切る。薬漬け、性的な虐待、暴力をその身に
加え続けてきた勇者たちに復讐するため。回復術士の力を駆使し、雪辱を果たす──。

「回復(ヒール)」という言葉に様々な意味と能力を持たせることで“ケヤル”の復讐に
可能性を持たせたこと。その手始めとして時の流れを戻し、綿密に計画を立て、いつその
瞬間を迎え入れるのかギリギリまで引っ張る緊迫感、彼の執念に目が離せなくなります。

いざ決行となり堰を切るかのように行動する“ケヤル”が“フレア”の運命を狂わせる
描写など中々に過激なところを見せてきます。まさに本作の売りとなる「復讐」が時を
経て意味合いをどう変えてくるのか気になりますし、続きが実に興味深いシリーズです。

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2017年07月14日

『君に恋をするなんて、ありえないはずだった そして、卒業』

筏田かつら 先生が贈るすれ違いラブストーリー。“恵麻”の不用意な発言を耳にし、再び
距離を置く“靖貴”に恋心は芽生えるのか。不器用すぎる二人のその後の顛末を描きます。
(イラスト:U35 先生)

http://store.tkj.jp/shop/shopdetail.html?brandcode=000000005136
http://ncode.syosetu.com/n8486bk/


“心菜”それ遅いわ・・・と言いたくなるくらいのタイミングで“靖貴”が豹変した理由を
察した“恵麻”。追い打ちのように、彼のことが好きだと告白する“中条”の登場で涙を
流す彼女の後悔と自責の念がひしひしと伝わってきて切ない。それもまた誤解なのですが。

“靖貴”の盗撮冤罪を颯爽と晴らす“木村”の思惑を感じ取りつつも素直になれない彼。
大学受験という人生の岐路で物理的にも分かつ道を選ぶ心情も理解できるが故にこのまま
終わる覚悟もしていたので、あの見開きに繋がる流れは印象的でしたし、救われました。

二人のその後を描く「春休み編」では遠回りした分、たくさん増えた寂しさや愛情を共に
抱えて再会する“靖貴”と“恵麻”の若気の至りが微笑ましく、また羨ましい。なんか、
という言葉に込められた意味の変遷が掴み取れて幸せな気持ちになれる素敵な結末でした。

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2017年07月13日

『異世界お好み焼きチェーン 〜大阪のオバチャン、美少女剣士に転生して、お好み焼き布教!〜』

森田季節 先生が贈る新作は異世界転生ファンタジー。大阪出身在住、生粋のオバチャンが
お好み焼きの布教を託された異世界にて、美少女店長として快進撃を続ける顛末を描きます。
(イラスト:シソ 先生)

http://www.es-novel.jp/booktitle/42okonomiyaki.php


炭水化物も野菜も肉も入っているお好み焼きで、食糧事情のよくない世界を救ってほしい。
不慮の事故で亡くなった大阪のオバチャン“ハルナ”は世界最強の美少女剣士として女神に
新世界ではなく異世界へと転生させられる。闊達な言動そのままに、まず街へ向かうが──。

イベント参加のため大阪周辺へ何度が足を運んだだけですが例えに挙がる関西ネタの数々に
思わず笑みが。“カレン”と衝突するやりとりとか定番すぎて思わず納得。ステータスにも
ある通り野球ネタも数々織り込んできて、何でもアリな設定とお祭り感が面白く、楽しい。

お好み焼きだけでなく手広く商売する“ハルナ”に振り回される“ナタリア”を筆頭に先生
らしい百合成分も補えるので、そういう面でもお薦め。シソ 先生の挿絵も独特の世界観を
伝える大役を見事に果たしております。あとがきで先生が示す観光案内もためになります。

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2017年07月12日

『僕らが明日に踏み出す方法』

岬鷺宮 先生が贈る新作は青春ラブストーリー。「最善の一日」と思える一日を過ごすまで
同じ一日を繰り返すことになった少年と少女が悩み、もがき、前へと進む顛末を描きます。
(イラスト/しやまとうや 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-892961-5/


「あの人」のためにコンクール一位入賞を目指す“中瀬”は、実力が追いつかず絶望して。
中学から4年、友達として接してきた少年から告白された“山田”は答えも出せず悩んで。
一日を何度でも納得いくまでやり直したい、そう思った所から二人のループが始まる──。

“中瀬”は練習に明け暮れながら、“山田”は繰り返す日々を堪能しながらループする要因
について検証する二人。偶然の出会いから分かってくるループのこと、互いの悩み、そして
解決に向けて協力していく二人が、時間を稼いだが故に知ってしまう想いが実に悩ましい。

ベストテイク──最善の一日を迎えれば超えられるループのはずが超えられないのはなぜか。
ループを終えた先に“山田”と“中瀬”に残るものは何か。非日常の日々を共に過ごした
からこそ迎えられた二人なりの結末に心温まるものが。実に素敵なラブストーリーでした。

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2017年07月11日

『六畳間の侵略者!? 26』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算28冊目は“エルファリア”を助けクーデター軍討伐に
向かう“孝太郎”を“ヴァンダリオン”の妄執が襲うが黄金の姫と青き騎士編、最終章です。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/730.html


“ヴァンダリオン”の立ちはだかり方が「これでもか!」と言わんばかりで“孝太郎”も
読み手としてもここまで苦戦することになるとは思いも寄らず。序盤の好調ぶりが一転、
「もうダメか・・・」と感じさせる流れを彼らがどう覆すか。六畳間の面々の気概をご覧あれ。

また、今回の戦いにあたり“ダークネスレインボゥ”も奇襲を受け、自分たちも気づかぬ
心境の変化を認識させられるエピソードも見所の一つ。“エゥレクシス”が“孝太郎”に
本音を吐露する場面、そして共闘する様子は「ここまで来たか」と感じるに足る内容です。

そして前巻で実施されたアンケート結果と、その結果を受けての「HJ文庫」編集部の決断。
レーベル最長巻数の記録を伸ばしてほしいと思うと共にどこまでも付いていこう、という
気持ちを新たにしました。次巻で描かれるであろう、事後処理のドタバタも楽しみです。

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2017年07月10日

-インフィニット・デンドログラム- 4.フランクリンのゲーム』

海道左近 先生が贈るVRMMOファンタジー。第4巻は王国の心を挫くべく“フランクリン”が
仕掛ける「通過儀礼」に対し、“レイ”たちが思い思いに彼の仕向ける強敵と対峙します。
(イラスト/タイキ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/732.html


前巻で魅力ある一面を見せた“マリー”の正体にあっさり気付く“ルーク”。彼のお願い
に応えることでその成長を促した彼女の役割がまず今巻では大きい。“ベルドルベル”の
相性の悪さにも関わらず「超級殺し」としての実力を披露した激闘も見所の一つでしょう。

ある条件に適合するが故に前線へと躍り出ることになる“レイ”と“ルーク”。スキルの
使い方が共に秀逸で、感心させられることしきり。奇しくも“ユーゴー”と対峙すること
になった“ルーク”の急激な成長ぶり、そして同族嫌悪する様子が強く印象に残ります。

“フランクリン”が用意した「RSK」との戦いを余儀なくされる“レイ”。どこまでも王国
そして彼に対して完膚なきまでの敗北を突きつけようとする大教授にどう立ち向かうのか。
自分を、仲間を信じて戦う彼の雄姿を読んでご堪能あれ。次巻の“シュウ”にも期待です。

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2017年07月07日

『おいしいベランダ。 3月の桜を待つテーブル』

竹岡葉月 先生が贈る大好評・園芸ライフラブストーリー。第3巻はイベント盛りだくさん
の年末年始。期待する“まもり”の心に水を差す過保護な母到来で雲行きが怪しくなります。
(イラスト:おかざきおか 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/product/321701000516/


従姉妹の“涼子”にまつわるエピソードを“葉二”から聞かされて赤面する“まもり”に
追い打ちをかけるような彼の不意打ち。農園に迎えに行った件も含めてキュンキュンする
場面の連続。進展する二人の仲を彼女の両親がまさかあの様に誤解していたとは露知らず。

そして事の起こりは“まもり”の弟“ユウキ”が高校受験のプレッシャーに追いやられて
彼女の部屋を訪れた所から。一人暮らしを始めた理由など、家族と微妙な距離感を置いた
娘の事情と、心配のあまり二人の仲を断固として認めない親の衝突。実に悩ましい展開で。

“ユウキ”に対する彼なりのフォローや真摯に、紳士に“まもり”の両親に想いを告げる
“葉二”の頑張りを褒めておきたい。意外な所から母の頑なな姿勢を崩すあたり彼らしい。
おせちを変身させる手腕など、料理の手際の良さも見所。色々と丸く収まって何よりです。

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2017年07月06日

『大国チートなら異世界征服も楽勝ですよ? 2 英雄嫁を増やすのも皇帝の大事な仕事です。』

櫂末高彰 先生が贈る異世界召喚ファンタジー。第2巻は4人の嫁たちに言い寄られながら
“ロザリンド”救出に立ち上がる「七勇神姫」たちにどう対峙するか“常信”が悩みます。
(イラスト:三上ミカ 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1553


瞬間移動で暗殺を目論む“ユーリ”、竜を従え力で圧倒する“マリアンヌ”、アイドル活動
で文化的な侵攻を図る“マライカ”、そこに“ナタリア”を加えリーダーとして“常信”を
破廉恥外道と糾弾する“シエラ”。何にもしてない・・・訳じゃないから彼としても困りもの。

作中でも言及しているとおり「ファンタジーとは何だったのか」というアプローチで解決を
試みるものの中々うまくいかず、“ロザリンド”を安易に解放できない事情も垣間見えて
行き詰まりをみせる展開が続き、大国チートでも切り返せないのか、と不安を募らせます。

とは言え、今巻も悪知恵を働かせて一角を崩してからは「七勇神姫」の意外すぎる内面も
色々と暴露されて思わず苦笑い。お手軽さと絶妙にエロい描写に磨きをかける今巻も堪能
させてもらいました。嫁が増えて気苦労の絶えない“常信”の明日はどこへ向かうやら。

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2017年07月05日

『モンスター娘のお医者さん3』

折口良乃 先生が贈る、コミカライズ企画進行中なモン娘診察奮闘記。第3巻は“スカディ”
が式典中に倒れてから大手術に至るまでの彼女の苦悩や“グレン”たちの奮闘を描きます。
(イラスト:Zトン 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631188-5


“スカディ”の僅かな変化に気付くも一歩遅れた“グレン”。しかし治す気がない彼女、
それを見て歯噛みする主治医にして師の“クトゥリフ”、共に説得して世紀の大手術に
臨もうとする彼の熱意は高いものの、人材不足、機材不足の問題が立ちはだかります。

鍵を握る人物の一人が“アラーニャ”。彼女の本質が露呈する終盤、友情と愛情が交錯
するやりとりは大人の色気にあふれております。もう一人、サイクロプスの“メメ”は
“グレン”の荒療治にほだされ、仕事を成し遂げる様子が挿絵と相まって実に印象的。

竜種の心臓に巣食う腫瘍は取り除けるのか。そもそも“グレン”は“スカディ”を説得
することができるのか。「リンド・ブルム大手術」の手に汗握る緊張感と思いも寄らぬ
結末を、ぜひ読んでご確認あれ。そしてコミカライズ企画を共に応援していただきたい。

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2017年07月04日

『ラノベのプロ!2 初週実売1100部の打ち切り作家』

望公太 先生が贈るラノベ作家青春ラブコメ。第2巻は幼なじみの関係を超えた“陽太”と
“結麻”の葛藤に加え“小太郎”を襲う業界の不条理に対する苦悩、その顛末を描きます。
(イラスト:しらび 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321608000727


“結麻”を意識するあまり動揺が隠せない“陽太”。事あるごとに自爆する二人が何とも
微笑ましいですし、羨ましい。あれやこれやと彼を支える彼女の答えはぜひ読んでご確認
いただくとして今回も業界を取り巻く中でも何かと話題な「打ち切り」に触れていきます。

“小太郎”の新作が売れ行きに伸び悩み、早々に打ち切りを宣告してきた編集部。原因は
色々と考えられますが、何が悪い、誰が悪い、と決めつけることはできないものの業界の
現実を垣間見る上でも読んでおいて損はないと感じました。ラノベ作家志望の方は特に。

打ち切り回避のために研究を重ねる“陽太”。彼の姿勢に合わせられなかった“小太郎”
が選んだ選択肢も「作家」としてどう在り続けるかを問いかける厳しい一面を見せます。
一部始終を見届けた彼の対応も含め、ぜひ読んで確かめてほしい作品だと強く感じました。

posted by 秋野ソラ at 00:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2017年07月03日

『弱キャラ友崎くん Lv.4』

屋久ユウキ 先生が贈る人生攻略ラブコメ。第4巻は二学期に入り球技大会間近のクラスを
見て課題を与える“日南”と、答えに向け試行錯誤する“友崎”の新たな関係に注目です。
(イラスト:フライ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094516838


球技大会にやるきを見せない“紺野”たちをその気にさせる──。“日南”から出された
課題への解決策も自分なりに探すことになる“友崎”。彼の言動にレベルアップしている
感を見せつけられて、昔の自分と比較して打ちひしがれるような思いをついつい抱いたり。

そんな中、ある理由から学校をサボる“中村”への解決策で考え方が分かれる“日南”と
“泉”。合理性と非合理性、対称的な二人の様子がそのまま“友崎”の本当にしたいこと
を深掘りさせる話の流れが印象的。“日南”を打ち負かすにはまだ武器が足りないですが。

“菊池”の助言なども参考にしながらよく“紺野”をその気にさせたな、と感心した所で
彼女の意思が悪意に繋がるとは。女子の間で形成される独特の世界観に慄くと共に、悪化
していくクラスの雰囲気を「彼女」は覆すことができるのか。“友崎”の教えに注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル