2017年04月11日

『十歳の最強魔導師1』

天乃聖樹 先生の「小説家になろう」投稿作が「ヒーロー文庫」で書籍化。魔石を掘り出す
鉱山で働く奴隷少女が、逃げた果てで思わぬ出会いと人生の転機を迎える顛末を描きます。
(イラスト:フカヒレ 先生)

http://herobunko.com/books/hero45/6382/
http://ncode.syosetu.com/n6583dj/


親方の顔色を窺い、僅かな施しを受け、みすぼらしい恰好で魔石を採掘する“フェリス”。
ある日、魔石が取れないと知った魔術師の隠蔽工作に巻き込まれ這う這うの体で山を出た
彼女はとあるお嬢様の誘拐現場に直面し、自分の身体を投げうって飛び出すのだが──。

自身も予想外の展開で助けることに成功した“アリシア”に養われる“フェリス”の純真
そのものの言動や可愛がられぶりが微笑ましい。物怖じしない“テテル”や素直じゃない
“ジャネット”、意地悪な“イライザ”先生と脇を固める登場人物との関わりも楽しい。

所々に見える百合小説っぽい描写を フカヒレ 先生の挿絵が後押ししてくれるのも良くて
サクッと読めました。魔術師としては何もかも規格外すぎる“フェリス”が成長していく
今後の過程や、冒頭に登場した魔術師の思惑など気になる要素もあって続きが楽しみです。

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2017年04月10日

『冴えない彼女の育てかた 12』

4月からTVアニメ第二期放送開始の、丸戸史明 先生が贈るメインヒロイン育成コメディ。
第12巻は“恵”とのデートをドタキャンせざるを得ない“倫也”の選択の行方を描きます。
(イラスト:深崎暮人 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321606000849


絶対安静を言い渡される“朱音”。明らかになるゲーム制作現場の綱渡り感。躍進を信じ
送り出した“英梨々”や“詩羽”の未来すら危ぶまれる事態を前に、“恵”よりそちらを
取った“倫也”が彼女から拒絶されるのも無理はなく。そこをどう覆すかが見所の一つ。

奇しくも同人時代と同じ立場で、状況はそれ以上に悪い中、チームとしてワイワイやる
雰囲気も同時を懐かしむことができて楽しいのですが、そこに“恵”はいない。経過を
伝える“倫也”のメールにも応えない。このまま距離を置いてしまうか不安が募ります。

そんな一方的な想いですら開発に繋げる“倫也”の意地に目を見張りつつ、「結」へと
続いていく彼と「彼女」の関係。「ついにここまで来たか」と胸をなでおろす思いです。
次巻は惜しみながらも最終巻。彼らの同人ゲームは完成するか、最後まで目が離せません。

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2017年04月07日

『異世界薬局 4』

高山理図 先生が贈る薬局ファンタジー。第4巻は神官長“サロモン”行方不明の知らせを
機に見えてくる「神聖国」の思惑を前に、“ファルマ”や女帝が真正面からぶつかります。
(イラスト:keepout 先生)

http://mfbooks.jp/4709/
http://ncode.syosetu.com/n8541cr/
http://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF00000031010000_68/


“パッレ”との健診対応や「彼女」との自然なハグで天然のプレイボーイぶりを如何なく
発揮する“ファルマ”に微笑ましさを感じつつ、“サロモン”の件を聞いて周囲から釘を
刺されたにも関わらず颯爽と対処してしまうあたり彼の信仰が一層高まるのも無理はなく。

その経緯を知った女帝が「神聖国」に強気の姿勢を見せるあたりは実に爽快。その彼らが
秘蔵していた“ファルマ”が元の世界で所有していた職員証が彼の本質を再認識させる
くだりも印象的。死んでも直らない、とはよく言ったもので。今後の繋がりにも注目です。

衛生面の問題を危惧して“ファルマ”の手ずから生まれたあれやこれやの数々。それでも
対処療法でしか回復が望めない病があったりするなど普段では目にすることのない医学的
見地が窺えるのも本作を楽しめる要素の一つ。いつまで薬神でいられるのか気になります。

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2017年04月06日

『竹中半兵衛の生存戦略 戦国の世を操る「茶室」の中の英雄たち』

青山有 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。突如、戦国武将となった元現代人たち。
同じ境遇を迎えた彼らが「茶室」なるチャットルームを通じて協力し、生き残りを図ります。
(イラスト:四季童子 先生)

http://www.redrisingbooks.net/takenakahanbee
http://ncode.syosetu.com/n0681de/


重篤の身から起き上がってみれば、まるで時代劇のような風景。サラリーマンの身の上の
はずが“竹中半兵衛重治”の身に憑依した彼が、養生中の夢に出てきたノートPCに触ると
最上、北条といった名を連ねた発言のやりとりを目にし他にも仲間がいることを知る──。

“竹中”と同じ境遇にいる戦国武将は有名ではないかも知れませんが、どんな人物なのか、
置かれている状況は、といった背景は「茶室」で伝えてくれますし“竹中”のモノローグ
や家臣などとのやりとりでも窺えるので、歴史に詳しくなくてもサクサク読める安心設計。

“織田信長”を筆頭に実力のある武将を前にどう立ち回るか。「茶室」での相談を活かし
史実とは違う流れを次々に起こしていく“竹中”たちに動かされる歴史の先行き不透明さも
物語を楽しむ要素の一つになっています。まずは“信長”に太刀打ちできるか注目です。

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2017年04月05日

『異世界取材記 〜ライトノベルができるまで〜』

田口仙年堂 先生の「カクヨム」投稿作品が書籍化。ライトノベルを書くための取材として
異世界と現実世界を行き来する作家や作家志望たちが織り成すサクセスファンタジーです。
(イラスト:東西 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321611000759
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880280060


『ネット小説が流行っているから「カクヨム」でハーレムや無双を押さえたのを何か書け』
と見た目ヤクザな編集者に指示を受け、編集部の予算持ちで異世界へ取材に出かける作家。
モンスターとも戦える、とすぐさま答える彼は言う。何故ならラノベ作家だから、と──。

ラノベ作家である“センセー”や異世界で出会ったラノベ作家志望の“JK”も、異世界モノ
を書きたいから現地の文化や魔法などを勉強して物語を書いている、という発想が面白い。
そのためには異世界を滅ぼすことさえ厭わない、そんな決意の表れが随所に見受けられます。

やがてハーレムの取材先として訪れた魔王、その思いがけない人物像にラノベ作家としての
業の深さを垣間見た“センセー”がどう動くのか。異世界をガイドする“アミュー”が良い
立ち位置にいるので、その点も含めて見届けてほしい所。色モノと侮ることなかれ、です。

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2017年04月04日

『ぼくたちのリメイク 十年前に戻ってクリエイターになろう!』

木緒なち 先生が贈る新作は青春リメイクストーリー。ダメ社長に振り回され嫌気がさした
ゲームディレクターが蹴ったはずの芸大に通う学生となって、仲間と共同生活を始めます。
(イラスト:えれっと 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1520


有名クリエイターを輩出した「プラチナ世代」。彼らの活躍と今の自分との格差に落胆し
実家へ帰る“恭也”。行かなかった「大芸大」の合格通知を掘り出し、悔し涙を流す彼。
あの頃に戻りたい、と願う彼が気づけば2006年、かの大学へ通う学生となっていて──。

突如はじまった学生生活。知り合った仲間は「あの人」たちを匂わせる。未来を裏打ち
する仲間たちの個性を前に“恭也”がどう振舞うか、あるいは振舞うべきかが問われる
展開に色々と考えさせられるものがあります。楽しさも厳しさも併せ持つ、それが人生。

いわゆる総合職と専門職、モノづくりの上でも共に欠けてはならない両者の違いが実に
よく分かる内容でもあるかと思います。そういえば10年前はあの作品が流行ってたなぁ
とか懐古しながら楽しませてもらいました。過去は変わるのか否か、続きにも期待です。

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2017年04月03日

『七星のスバル5』

田尾典丈 先生が贈る革新的青春オンライン・ストーリー。第5巻は“貴法”が“希”の
気持ちに真っ直ぐ向き合いながら、「スバル」「グノーシス」との直接対決に臨みます。
(イラスト:ぶーた 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094516630


負の感情につけこまれた“希”の悪堕ちぶりがたまらない。その原因を作った“貴法”が
言われるまで全く気がついてない、というダメっぷりがもうね。“咲月”がいなかったら
このチームは人間関係で回らなくなるわ、と改めて思い知らされました。頑張れ、女性陣。

“希”をけしかけてくる「グノーシス」の罠が物語の合間に挟まれる「間章」という形で
じわじわと効いてくる構成にご注目。“旭姫”の未来視に従わない“陽翔”。彼の真意に
気付いたとき、彼女を思いやる想いが一層強く感じられます。愛されてるな、という感じ。

能力的にも、気持ちの上でも強さを得た「スバル」の面々。名実ともに復活か、と思った
その瞬間、無情にも最悪の強さを持つ敵から告げられる口絵の一言が重くのしかかります。
音を立てて崩れていく大事な約束は本当に果たせないのか、次巻の展開も目が離せません。

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2017年03月31日

『私、能力は平均値でって言ったよね!(4)』

ねこみんと 先生のコミック1巻と同時刊行となる、FUNA 先生の異世界転生ファンタジー。
第4巻は仲間を傷つけた世界最強の存在にキレた“マイル”が、本気の力を見せつけます。
(イラスト:亜方逸樹 先生)

http://www.es-novel.jp/booktitle/24heikinchi4.php
http://comic-earthstar.jp/detail/noukin/
http://ncode.syosetu.com/n6475db/


魔物の様子がおかしい地域を調査するメンバーを送り出したギルドマスター。その中に娘が
含まれていると知った「赤き誓い」が俄然やる気を出して捜索に出たら、思わぬ利害関係に
ぶつかったり、と今回もややこしい現場に直面しております。はた迷惑ですがそれが面白い。

何の因果か古竜と戦うことになった“マイル”が、その強さに一度は心折れかけるという
過去にない展開からナノマシンの報告から気づいたある点を最大限に活かして全力全開で
挑むバトルが圧巻でした。それ故に古竜が求めていた「何か」が気になるワケですが──。

ねこみんと 先生のコミックも併せて拝読しまして、原作にある軽妙な話の進め方ですとか
“マイル”の明朗快活にして「うっかり」なところとかを活かした仕上がりになっている
内容に好感が持てました。早速に重版も決まったそうで原作共々盛り上がってほしいです。

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2017年03月30日

『エスケープ・シープ・ランド』

『蜘蛛ですが、なにか?』の 馬場翁 先生が、同じく 輝竜司 先生とコンビを組んで贈る
新作は、突然7日間生き抜く謎のデスゲームに参加することになる人々の顛末を描きます。
(イラスト:輝竜司 先生)

http://kadokawabooks.jp/product/132/


外面だけは良い母親から虐待され育ってきた“大吾”。窮状を訴えても信じてもらえない
彼は人間不信となり、今また見ず知らずの女の子とペアを組まされ武器を持った狼たちに
追われる始末。仕組んだ母親を恨む前にまず2人で生き残らなくてはならないのだが──。

ルールに改良を加えて過去に何回か行われてきたデスゲーム。生き残って再参加する者も
いれば羊として逃げ回る人たちを殺し続けてきた伝説の狼を倒さんとする者もいたり、と
“大吾”以外にも様々な思惑が入り乱れる、サスペンスが加わる群像劇に惹き込まれます。

羊の皮を被った狼もいれば、その逆もある。周りが信用できないながらも、パートナーの
“優”と共に狼を倒したりして何とか生き延びる“大吾”。点と点が線で繋がっていく中
意外すぎる事実に直面した彼と彼女の決断と結末は見所。物語の異常性に目が離せません。

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2017年03月29日

『滅びゆく世界を救うために必要な俺以外の主人公の数を求めよ2』

みかみてれん 先生が贈る救世主ヒーローバトル。第2巻は時間軸をループしていることに
気がついた“ジン”が、新たなエンディングトリガーをもたらす少年の運命に抗います。
(イラスト:森倉円 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321608000496
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880205800


「──では、我が宿命を果たそう」理由も分からぬまま刃を向けられ、殺される“ジン”。
テスケーラの街での過ごし方を変えようが、街にいることすら拒絶しようが、ループする
日々の中で何度も命を落とすジェノサイド感。本当に救いはあるのかと疑いたくなります。

街の非合法地域「第四区」。それを守る自治組織「針猫団」を率いる“ウォード”たち。
更にそこへ攻め込むという「騎士団」の存在。そして「黒衣の男」。解決の糸口が見えぬ
モヤモヤを“クライ”とのを出会いが徐々に払拭し、点と点を結んでいく展開が見所の一つ。

やがて遭遇する今回倒すべき敵に対して、今回だからこその趣向を活かして臨むバトルも
熱いものがあります。蚊帳の外っぽかった“リルネ”や“スターシア”も街の人たちと
意外な繋がりが見えて、今後にどう影響するのか気になります。あと今巻も表紙力が高い!

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2017年03月28日

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー』

大森藤ノ 先生の大人気作品、その物語を補完していく「クロニクル」シリーズがスタート。
第1弾は酒場「豊穣の女主人」で働く“リュー”が首を突っ込む騒動や、昔話を綴ります。
(イラスト:ニリツ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797390803.html


博打に手を出して娘の“アンナ”を借金のカタに取られた“ヒューイ”。その話を聞いた
“リュー”が人知れず救出に向けて動き出すと、やがてオラリオでも力を持つ大賭博場の
オーナーが裏で糸を引いていたと知る。潜入方法に悩む彼女に手を差し伸べたのは──。

度胸もあるしイカサマ相手にも何のそのな“リュー”ですが、「幸運の兎」に祝福されて
賭博で真の力を発揮する「あの人」の存在感が印象に残ります。もちろん、荒事を収める
“リュー”も格好良いところを見せてくれますが、それが仇となるオチがまた微笑ましい。

そんな「あの人」の凄さを更に印象づけるエピソード、“リュー”が「豊穣の女主人」で
働くきっかけとなった【疾風】としての生き様を捨てる話がまた興味深い。カジノの件も
意外に関係してくるのでご注目。こういった補完はありがたいのでぜひ続けてほしいです。

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2017年03月27日

『キラプリおじさんと幼女先輩』

岩沢藍 先生の「第23回電撃小説大賞・銀賞」受賞作。女児向けアイドルアーケードゲーム
に心血を注ぐ高校生が女子小学生に地元トップの座を追われる所から始まるラブコメです。
(イラスト/Mika Pikazo 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892670-6/


下関にある高校へ通う“夏希”の心配の種。それは幼なじみが二次元の女児向けゲームに
嵌まって友達を作らないこと。そんな彼女の思いを他所に日々「キラプリ」を楽しむ彼が
女の子の“千鶴”とムキになって争う姿を見て更生の道を歩ませる決意をするのだが──。

都会でランカーとして名を馳せていた“千鶴”が、なぜ下関で“翔吾”の縄張りを荒らす
のか。その理由を探る余裕もなくライバルとして勝つために切磋琢磨する彼が、いつしか
彼女と気が置けない関係になっていく。その展開がコミカルで妙に熱いのがまず印象深い。

“夏希”が差し伸べた手と「キラプリ」を通じて築いた“千鶴”の小さな手。“翔吾”は
どちらを取ることになるのか。選んだ先に待つ思わぬ結末に思わず心がほっこりしました。
Mika Pikazo 先生が描く幼女先輩が可愛くて物語への没入感がまた半端ない。最高でした。

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2017年03月24日

『ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌』

廃止寸前の図書館を守るため書評バトルに臨む図書部員の少女と訳あり少年の青春物語。
「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズのスピンオフを 峰守ひろかず 先生が綴ります。
(イラスト/おかだアンミツ 先生 原作・監修/三上延 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-892755-0/


利用者数が僅かの旧図書館を廃止したい生徒会の副会長。「ビブリオバトル」のルールを
改変して行う書評バトルに勝てば再考すると聞いて勝負に出る古書好きの少女“こぐち”。
黒歴史あふれる小説ノートを見られたことが縁で“響平”は彼女に協力することに──。

ラノベやマンガ、アニメが好きなら古典作品にも楽しめる要素が多くある。書評バトルを
通じてそれを伝えてくれる橋渡し的な物語に仕上がっています。“響平”の朗読が異能の
ような描写になっていたり、“こぐち”が妙に艶めかしい所作を見せる所なども面白い。

時に“栞子”さんに助けられ、時に2人で守ってきた旧図書館も人の思いだけで抗えない
危機を迎えます。そこを稀覯本で安易に解決させない展開に感心しました。スピンオフの
作品として役割を果たす秀作でした。続きが書けそうならば、ぜひお願いしたいものです。

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2017年03月23日

『ビブリア古書堂の事件手帖7 〜栞子さんと果てない舞台〜』

三上延 先生が贈るビブリオミステリ。第6巻は祖父が仕掛けたシェイクスピアの古書に
まつわる怨念に“栞子”が“大輔”と共に挑む、本編最後の事件。その顛末を描きます。
(イラスト:越島はぐ 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-892640-9/


祖父“尚大”の営んでいた久我山書房の番頭“喜市”。“栞子”の足元を見るかのように
嫌がらせのようなアプローチを仕掛けてくる彼が実に憎たらしい。“大輔”が荒ぶるのも
よく分かるのですが、他に術もなく誘導されるがままとなる彼女の立ち位置がもどかしい。

やがて迎える、“尚大”が“智恵子”のために用意した試験の再来に、母と対峙する形で
臨む“栞子”。札入れの緊迫感もさることながら、見守るだけかと思っていた“大輔”が
男を見せてくれました。更に“栞子”が“喜市”の思惑を超えた時は溜飲が下がりました。

“栞子”と“大輔”の仲についても“智恵子”からありがたい言葉をもらい、エピローグ
でも二人らしい節目を迎えてくれて喜ばしい限りです。本編としては区切りがつきますが
峰守ひろかず先生のスピンオフ作品も出ますし、別視点の話もあるそうなので楽しみです。

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2017年03月22日

『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第三部「領主の養女III」』

ドラマCD化決定! 香月美夜 先生が贈る大人気ビブリア・ファンタジー。第三部・3巻は
印刷技術向上を図りつつ、冬の主討伐、春の祈念祭に向け“ローゼマイン”が頑張ります。
(イラスト/椎名優 先生)

http://www.tobooks.jp/books/book_478.html


2017年に入ってから第一部を読み始め、ようやく新刊に追いついた所。兵士の娘に転生した
頃には余命わずかの“マイン”が神殿の巫女見習いとなり、神殿長そして領主の幼女として
立場を変えながらも司書を目指し本の制作、普及に心血を注ぐ様子を微笑ましく見ています。

今巻では冬の主を討伐するくだりのほか、“ヴィルフリート”の教育見直しに関する件や
ハッセの町に対する制裁など、いろいろと区切りのつく場面が多くてスッキリしています。
その分“フェルディナンド”の厳しさ、というか容赦のなさに磨きが掛かっていて面白い。

教育に関しては“アンゲリカ”のあのすまし顔も良かった。全然勉強してないよ感がすごい。
祈る姿もすっかり板についた“ローゼマイン”が図らずも聖女としての力を見せつけていく
流れで更なる技術向上を図る前に素材採集にも油断ならない状況がどう動くか興味津々です。

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2017年03月21日

『裏世界ピクニック──ふたりの怪異探検ファイル』

宮澤伊織 先生が贈る新作は、女子ふたりの怪異探検サバイバル。世界の〈裏側〉で数々の
怪談で見聞きした怪異と遭遇する女子大生がある女性と出会う場面から物語は始まります。
(イラスト/shirakaba 先生)

http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013466/shurui_3/page1/order/


大学で文化人類学の研究テーマとして実話怪談に興味をもった“空魚”が見つけた〈裏側〉
への通路。その先で白いくねくねした影に遭遇し溺れかけた彼女を“鳥子”が救う。謎多き
裏の世界にて姿を消した“冴月”という女性を探している、と聞いて手を貸すのだが──。

「くねくね」「八尺様」「きさらぎ駅」「時空のおっさん」と、ネットで話題の都市伝説を
“空魚”と“鳥子”が探検の最中、実際に目の当たりにすることで、いわゆる深淵を覗いた
ことによる体の異常を引き起こしてしまう。あの得体の知れない恐怖感が何ともたまらない。

“冴月”に対する諦めを口にした“空魚”と喧嘩別れした“鳥子”。いつしか“冴月”に
嫉妬していると気がついた“空魚”が協力者を連れて彼女を追う顛末は確かに百合っぽい。
吊り橋効果の如く培われた二人の関係が更なる探検でどう変化するか見てみたいものです。

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2017年03月20日

『無法の弁護人 3 もう一人の悪魔』

師走トオル 先生が贈る究極の法廷劇。第3巻はストーカー被害に悩む女性に適切な対応を
促した“本多”が思わぬ方向に話が動いた事件を前にして三度“阿武隈”の手を借ります。
(イラスト:toi8 先生)

http://novel-zero.com/issued/2017/02/04.html


担当患者の“一之瀬”からストーカー被害を受けていた看護師の“榊原”。“本多”の伯父
“酒井”と知り合いであることから相談に乗った彼だが、“一之瀬”が殺害され伯父が警察
から容疑者として尋問を受けたため弁護を依頼される所から予想外の方向へ話が進みます。

意識を失っていた“榊原”。同じ病院勤務で最初の目撃者“鈴木”。第二発見者で“一之瀬”
の叔父“渡邊”。事件の通報者でなぜか現場保存に努めた“三井”。怪しさを残す状況下で
“阿武隈”を敵視する検事“朱鷺川”が乗り出してきて後手に回る展開が手に汗握らせます。

相変わらずの“阿武隈”にいつも通りの正義感を振りかざす“本多”が手のひらで踊らされ
吹っ切れた様子により濃密な続きが期待できます。そして『タクティカル・ジャッジメント』
の 師走 先生が法廷劇で躍進をみせてくれそうな帯の宣言に、弥が上にも期待が高まります。

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2017年03月17日

『天久鷹央の推理カルテV ―神秘のセラピスト―』

知念実希人 先生が贈る新感覚メディカル・ミステリー。第5巻は天才女医“天久鷹央”が
人込みで体が腐る男、特別な治療で若返る老女、そして移植を阻む奇蹟の謎を診断します。
(イラスト/いとうのいぢ 先生)

http://shinchobunko-nex.jp/books/180090.html


「雑踏の腐敗」では夢を抱いて上京してきた“辰馬”が渋谷にいる人の多さに圧倒された
かと思えばオカルトじみた現象に直面してほぼ引きこもり状態に。そこそこの人通りなら
大丈夫なのになぜ渋谷はダメなのか。意外な理由を探り当てる“鷹央”の診断が冴えます。

「永遠に美しく」では相談者“美奈子”の母が明らかに若返っている写真を見せつけられ
俄然、鍼灸院を営む“秋源”が施術する「若返りの治療」に興味津々。もちろんそこには
裏があるのですが、元々の発端にはフェイクが仕込まれていたのにはしてやられました。

「聖者の刻印」では医療不信と、預言者なる人物の言葉を理由に娘“里奈”の骨髄移植を
認めない母親をどう説得するか。トリックを暴くだけでは解けない宗教の壁をどう崩すか、
患者のことを第一に考える、“鷹央”の成長ぶりが嬉しく感じられる内容でありました。

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2017年03月16日

『サークルクラッシャーのあの娘、ぼくが既読スルー決めたらどんな顔するだろう2』

秀章 先生が贈る異色のファンタジー作品。“クリスティーナ”を探す“ユーリ”たちが
“ルシオン”の許嫁と遭遇したことで彼女の国の未来を左右する騒動に巻き込まれます。
(イラスト:R_りんご 先生)

http://sneakerbunko.jp/bookdetails/?pcd=321607000405


口絵も挿絵ものっけからエロい導入から始まる今巻。“ユーリ”たちもホントに懲りない。
そこへ“ルシオン”の本性は知らずに彼にぞっこんな“サフィ”が現れて何とか落ち着く
かと思いきや誓いを立てる相手、司教としての“クリスティーナ”と再会するという悪夢。

前任の司教“ゼクト”に関する逸話の他“ユーリ”たちと別れてからクラッシャーぶりに
磨きをかけてきた“クリスティーナ”。今度は国という後ろ盾をもって“ユーリ”たちを
今回も無自覚な形で悩ませ、苦しめていく展開は喜劇を通り越した悲劇と言うしかなく。

思わぬ流れで陥った苦境の中、“サフィ”の見せた頑張り具合に思わず同情の念は隠せず。
ラストのアピールも応援したくなるところですが“エマ”には“ユーリ”を支えてもらう
必要がありますからな・・・なんて言っていたら引きがものすごく不穏。続きが気になります。

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2017年03月15日

『六畳間の侵略者!? 25』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算27冊目は“晴海”が倒れ、シグナルティンが使えない
危機に陥る“孝太郎”が“エゥレクシス”や“真耶”をも唸らせる逆転の秘策を振るいます。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/711.html


“晴海”が“アライア”と共にあること。そして“シグナルティン”を使い続けるその意味
に気付いてしまった“孝太郎”。六畳間のメンバーの中で自分だけが「普通の人間」という
ことが度重なる襲撃からも思い知らされることとなり、今巻はかなり悩まされる感じです。

そんな状況を知ってか知らずか、“エゥレクシス”が極秘会談で“孝太郎”に仕掛けてきた
ある提案がまた上手く隙を突いてきて。これは一枚上を行かれてしまったか、という状況を
まさか“アライア”の思わぬ布石が覆していく展開が熱い。“ルース”もよく気づきました。

そして迎えた総力戦。両陣営共に迷いを吹っ切るような戦いぶりも存分に魅せてくれました。
今巻のあとがきで提示された「#六畳間の今後」に関するアンケートは今後の世界もif話も
これだけ長く続いたシリーズなので色々とやってほしいです。ゲームブックも楽しめそう。

posted by 秋野ソラ at 00:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル