2019年07月29日

『処刑少女の生きる道(バージンロード) ―そして、彼女は甦る―』

佐藤真登 先生の「第11回GA文庫大賞・大賞」受賞作。異世界に転移してくる日本人を殺す
処刑人が出会った不死身の少女。彼女の命運を奪うための旅路に隠された陰謀を描きます。
(イラスト:ニリツ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815601188.html


異世界に転移してきた“ミツキ”は召喚者に不要と追い出され神官“メノウ”に拾われる。
能無しと言われた彼は「迷い人」として導力なる力を使えるはず、と彼女に諭され見事に
開眼を果たす。喜ぶ彼のこめかみに突如刺さる短剣、掴むその手は彼女のものだった──。

“ミツキ”とは別にもう一人召喚された“アカリ”の始末に臨む“メノウ”が表裏の顏を
使い分けつつ追い詰めていく思惑と、“メノウ”に信頼を寄せる“アカリ”とのその差異、
そこに加えて“アカリ”自身も知る由もないもう一つの感情が絡み合う展開が実に面白い。

“メノウ”を支える“モモ”の一方的な愛や、彼女たちの旅路に絡んでくる世直し王女の
“アーシュナ”と女性陣が活躍する配置、異世界転移へのカウンター、新たな流れを予感
させる作風に期待が高まります。陰謀の使われ方も見事で、先々が楽しみなシリーズです。

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2019年07月26日

『レイジングループ REI-JIN-G-LU-P 4 蠱毒の宴』

アドベンチャーゲーム「レイジングループ」のシナリオライター、mphibian 先生が自ら
小説版の執筆に臨む本作。日向夏 先生の解説を受け、更に物語が動く第4巻が登場です。
(Illustration/影由 先生)

https://www.seikaisha.co.jp/information/2019/06/27-post-rl4.html


「おおかみを全滅させる」。“陽明”がそう公言しなければならないほど事態が急速に
動き始めた宴。それぞれが役割を明かすタイミング、真偽の審議、前回と駆け引きする
相手も異なり死に戻ることもありますが、探偵が如く彼が真相に迫っていく展開が熱い。

命を助けられた“李花子”から明かされた秘め事を受け止め、かつて愛した“千枝実”
からの想いも傷つけ、ねつ造を重ねて見事に約束を果たした“陽明”。ハッピーエンド
を迎えた彼を祝おうとした直後に待つ惨劇は見通しの甘さを見せつけられる思いでした。

宴の勝利が死に戻りを終わらせる条件ではない。振り出しに戻る謎に対して“陽明”が
次に着目した物語の分岐点に立つ彼女に放った「安全装置、解除」の一言と挿絵は爆笑。
直後に話が急転して目にする「かみさま」と新たな役割に彼がどう立ち回るか注目です。

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2019年07月25日

『逢う日、花咲く。』

青海野灰 先生の「第25回電撃小説大賞・選考委員奨励賞」受賞作。心臓移植手術を受けた
少年が見始めるようになったドナーの少女の夢と淡い想いの行方を描く青春恋愛小説です。
(イラスト/ふすい 先生)

https://mwbunko.com/product/321901000084.html


記憶転移。臓器を移植された患者がドナーの記憶や知識、嗜好等を受け継ぐとされる現象。
知らない少女の夢を見る“八月朔日”は科学的根拠のないこの現象を身をもって体験する。
後に自ら命を絶った彼女、“葵花”の夢に彼も良く知る「ある人物」が登場してきて──。

“葵花”の記憶を追体験する“八月朔日”と同様に、実は“葵花”も彼のことを何となく
認識できている、そして互いに淡い恋心を抱いている、という興味深い設定。両者の視点
を織り交ぜながら“葵花”の事の真相に迫っていく彼と彼女の心のふれあいに惹かれます。

移植された臓器をきっかけとして“葵花”の人生に“八月朔日”はどこまで干渉できるか。
好きな人のためにできることを為した彼の生き様は思いがけない奇跡を呼ぶ展開は思わず
胸を熱くさせるものがあります。万葉の一首がもたらす希望をぜひ感じ取ってみて下さい。

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2019年07月24日

『ウタカイ 異能短歌遊戯』

「百合姫ノベル」から発売された 森田季節 先生の青春百合SF。短歌で環境を操る異能を
駆使するスポーツで全国大会に臨む少女の想いを描く本作が特別篇を収録して文庫化です。
(イラスト/えいひ 先生)

https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014241/shurui_3/page1/order/


ウタカイの全国大会で初めて対決した“鏡霞”先輩に辛勝したことを契機に交際を始めた
“伊勢”はその勢いで彼女が在籍する強豪校へ飛び級で入学。今またセンバツへの出場権
を賭け彼女の歌垣、炎を纏う龍の異能と周囲を霞で惑乱させる先輩の異能が対峙する──。

2013年の発売当時はまだ百合の素養が乏しく、今こうして文庫化された本作を読むことは
むしろ幸甚だったのではないかと思える読了感。三十一文字にのせた想い、時に文字数に
収まらないその感情がもたらす強さ、葛藤は微笑ましく、そして眩しく映るものばかりで。

トーナメントを勝ち上がっていく“伊勢”を見て信念を揺らがせる“鏡霞”の機微が実に
いじらしい。そんな2人も「後日談」では平常運転に戻って安心させられますし、巻末の
「幻と憎しみのマリネ」も思わぬ年の差百合が味わえて何粒もおいしい作品と感じました。

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2019年07月23日

『友達の妹が俺にだけウザい2』

三河ごーすと 先生が贈るいちゃウザ青春ラブコメ。第2巻は“真白”の爆弾発言に揺れる
“明照”の心を、なぜか「5階同盟」の面々が更にかき回していく波乱の展開を描きます。
(イラスト:トマリ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815602772.html


「なまこ」としての作風が変わるのも、日常とLIMEとで見せる“真白”の態度が正反対で
あることも、“明照”が動揺するのは無理もなく。そんな彼の様子を見て“彩羽”がつい
ふくれっ面を見せる所に「5階同盟」や彼と彼女の思い入れのある関係が改めて窺えます。

“明照”の頭を悩ませるもう一つの要因、“菫”が顧問を務める部活の窮地が「紫式部」
としての活動にも悪影響を及ぼすとあって、部員たちにウザがられながらも全力で介入
していく姿勢が、やがて彼自身の悩みを解決に導く糸口につながる展開は今巻も魅せ所。

思わずドキッとさせられる“音井”の後押しを受け自分らしさを取り戻していく“明照”。
それに引きずられて覚悟完了をキメる“彩羽”。こうしてみると改めて2人が話の中心に
いることを再認識させられます。次なる爆弾発言にどう対処するか、続きも楽しみです。

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2019年07月22日

『数字で救う! 弱小国家 4 平和でいられる確率を求めよ。ただし大戦争は必須であるものとする。』

「コミックアライブ」にて えかきびと 先生によるマンガ連載が始まる、長田信織 先生の
救国戦記ファンタジー。第4巻は前巻から5年後の世界にて新たな火種が燻ぶり始めます。
(イラスト:紅緒 先生)

https://dengekibunko.jp/product/su-suku/321904000057.html


“トゥーナ”が示す「正しい愛の数式」を“ナオキ”が軽々論破できるほど“ソアラ”が
益々ご成長あそばされしこと、お慶び申し上げます。というか、187ページの挿絵すげぇ。
そんな彼女ですが、話の先々で相変わらずかわいそうぶりを発揮してくれて安心しました。

福音派同盟を楯に旧敵から派兵を迫られるファヴェール王国。誓連会との戦争まったなし、
そんな状況で“ナオキ”が“ソアラ”の顔色を窺いつつ密かに進めるある計画が夫婦仲に
水を差すかと思えばアレだから公認の愛人“テレンティア”の有能ぶりが光るというもの。

今巻の顛末で魔術師というか魔王ぶりを発揮する“ナオキ”以外にも、一方通行な想いが
もどかしい“オードッグ”、愛らしい“カタリナ”や“ルーカス”といった“ナオキ”の
子供たち等、次代を担う者たちの行方も気になります。次巻も魅せてくれると期待します。

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2019年07月19日

『最強騎士団長の世直し旅1』

長きに渡る人類と竜魔人との戦いに終止符を打った銀翼騎士団の団長が各地に残る残党を
討伐するための世直し旅に出る物語。佐竹アキノリ 先生が完全新作としてお贈りします。
(イラスト : パルプピロシ 先生)

https://herobunko.com/books/hero79/10067/


「騎士団を辞めさせていただきたく存じます」と騎士“フェリクス”からそう告げられた
国王は彼を引き留めようとするもその意志は固く、代わりに幻影魔導師の“シルルカ”を
供にするよう命じる。想像していた気ままな一人旅とは異なり、騒々しくなりそうで──。

佐竹アキノリ 先生の作品ということで、“フェリクス”に対して思わしげな言動を見せる
“シルルカ”やあどけなさの残る“リタ”も狐娘。パルプピロシ 先生が描くその姿も実に
可愛らしいものがあります。そんな2人を連れて世直し旅を続ける彼が羨ましい限りです。

立ち寄った村を襲う魔物を退治したり、、絹糸の村で起こる行方不明事件の黒幕に迫って
みたり、湖の魚を食いつくす犯人をつきとめたり、教会を巡る陰謀を明らかにしたり、と
痛快活劇ぶりは爽快で。“アッシュ”の支援を受けどんな巨悪に立ち向かうか楽しみです。

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2019年07月18日

『お姉さん先生は男子高生に餌づけしたい。』

朱月十話 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。インテリヤクザと周囲に恐れられる
少年が学園内でも有数の美人教諭たちに色々とお世話される様子を描く激甘ラブコメです。
(イラスト:HIMA 先生)

https://ebten.jp/p/9784047356429
https://ncode.syosetu.com/n4300fl/


姉ヶ崎高校の女神、「女騎士先生」こと“岸川”先生が顧問を務める水泳部で親御さんに
揉め事を起こされている場を助けた“涼太”。お礼をしたいという先生の距離感が異様に
近く胸の鼓動は治まる所を知らない。しかし先生と生徒、適切な関係は維持すべきで──。

やっかみを受けて怪我をした“涼太”の苦境を思い、自宅に招いて世話を焼く養護教諭の
“杜山”も加わって実に羨ましい身分の彼が、いつ爆発しないかと思わずにはいられない。
HIMA 先生が描く教諭2人の容姿たるや、「美少女文庫」案件でないのを悔やむばかりで。

そんな先生と生徒の関係を訝しむ“空野”先輩と“涼太”の関係も中々に浅からぬものが
あって、インテリヤクザとか言われている彼の印象も眉唾物だと感じてもらえる逸話かと。
ユーフォニアムがまた良い形で物語に絡んできます。ぜひとも続きを、ということで一つ。

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2019年07月17日

『異世界転生アンチテーゼ 転生魔王はチート転生者をチートで殺します』

小路燦 先生の「第24回スニーカー大賞・編集部大賞」受賞作。元日本人の少年が転生した
異世界にて次々と訪れる闖入者たちを返り討ちにする異色の異世界転生ファンタジーです。
(イラスト:mmu 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/antithesis/321903000006.html


究極のドラゴン“テオ”、鬼族の姫“オリア”、魔女にして魔王の側近“セレス”他1名。
四天王に面白がられたり蔑まされたりする“魔王”は今日も今日とて魔王城で転生者たち
を待ち受ける。彼自身も人間と魔族が対立するこの異世界に転生してきた者なのだが──。

同じく転移してきた勇者、剣神と呼ばれた英雄の生まれ変わり、オンラインゲームの世界
からやってきたプレイヤー、魔術を極めるため転生してきた魔術王。今の世に在りがちな
異世界転移・転生モノの主人公が示す正義を、“魔王”の正義が崩していく興味深い展開。

突っかかってくる“ジャガル”をあしらう際に示した“魔王”の気概にスローライフ感も
滲ませていてこれも今どきだな、と思いました。“セレス”と“魔王”の意味深な距離感
を見ていると微笑ましくもあり、“オリア”が見せる苦渋の表情もクるものがありました。

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2019年07月16日

『恋愛カルテット リトルプリンセスの恋愛相談』

箕崎准 先生が贈る新作は、小説家となった少年が勝気な美少女からの恋愛相談に対応する
うちに互いの想い人の恋愛模様にも触れていく顛末を描く、恋と青春の学園コメディです。
(イラスト:睦茸 先生)

https://ebten.jp/p/9784047355507
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889879351


ある事情から一人暮らしをする“姫那”を思って“一冴”の母がアパートの隣部屋を用意
することになり、とある秘密を握られた彼は彼女から級友の“淳也”との恋を後押しする
ことに。その過程で彼の想い人である“凛々菜”と“淳也”との交際の噂を耳にする──。

喜怒哀楽、感情がコロコロと変わる“姫那”に振り回されっぱなしの“一冴”が少しずつ
彼女への思い入れが相まって胸中複雑になる機微が微笑ましい。その彼女も恋する乙女と
しての可愛らしさや、“淳也”へ一途に向かっていく芯の強さを魅せてまたいじらしい。

好きな人がいるという“淳也”が“姫那”の想いにどう答えるか。“一冴”に意味深長な
言動を示す“凛々菜”がとった意外な行動の意味は。“トーリ”ってそういうことか、と
四者四葉の青春と恋愛模様をのぞかせる展開は先々が気になるところ。続刊が楽しみです。

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2019年07月15日

『子守り男子の日向くんは帰宅が早い。2』

双葉三葉が贈るほんわか学園ラブコメ。第2巻は“日向”が夏休みに偶然出会った美女から
出されたある宿題の回答を探す内に自分の過去と向き合いながら未来を思い描いていきます。
(イラスト:なたーしゃ 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/komoridanshi/321903000009.html
https://ncode.syosetu.com/n0637ew/


親つながりでなし崩し的にキャンプへ行くことになる“日向”たち。その準備の道すがら
路上で弾き語りをする“霧子”から向けられた複雑な想いの眼差し。それが彼の生き様を
変えるきっかけになるとは露知らず。“蕾”を可愛がる“悠里”は相変わらず、ですが。

みんなと一緒に高校生をする、と“悠里”の思惑通りに臨む花火大会で“日向”が偶然に
再会する“霧子”から提示された問いかけ。“蕾”にも関係する質問にどう答えを出すか
思いを巡らせる彼に隠れて一人胸の内を吐露する“日和”の感情がもどかしくて切なくて。

宿題を出した“霧子”の過去。重なり合う家族の絆。答え合わせという形で、“悠里”と
また違ったアプローチで“蕾”と共に生きる、その生き方を見直させた“霧子”の存在が
大きく感じられました。“日和”が呟いたあの一言も胸に響きます。続きが楽しみです。

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2019年07月14日

「好きなライトノベルを投票しよう!! 2019年上期」エントリー


幼なじみが絶対に負けないラブコメ
 【19上ラノベ投票/9784049125245】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/186157715.html

野良猫姫と言葉渡しの王
 【19上ラノベ投票/9784041083741】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/186126528.html

子守り男子の日向くんは帰宅が早い。
 【19上ラノベ投票/9784041078754】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/185534781.html

継母の連れ子が元カノだった(2)
 【19上ラノベ投票/9784041082553】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/185958268.html

天才王子の赤字国家再生術(4)
 【19上ラノベ投票/9784815602727】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/186218510.html

友達の妹が俺にだけウザい
 【19上ラノベ投票/9784815601874】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/185897812.html

クラスメイトが使い魔になりまして
 【19上ラノベ投票/9784094517910】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/186071532.html

辞令 王子征四郎、高校入学を命ず
 【19上ラノベ投票/9784042560937】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/185893570.html

Unnamed Memory(1)
 【19上ラノベ投票/9784049122671】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/185454690.html

リアデイルの大地にて
 【19上ラノベ投票/9784047354692】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/185880210.html



◆ 好きなライトノベルを投票しよう!! - 2019年上期
 https://lightnovel.jp/best/2019_01-06/

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2019年07月12日

『レイジングループ REI-JIN-G-LU-P 3 生贄の蛇』

アドベンチャーゲーム「レイジングループ」のシナリオライター、mphibian 先生が自ら
小説版の執筆に臨む本作。小高和剛 先生の解説に推されつつ、第3巻が堂々の登場です。
(Illustration/影由 先生)

https://www.seikaisha.co.jp/information/2019/05/30-post-rlfic3.html


「血笑み」には驚かれましたが“陽明”の思惑どおり関係者として宴に臨むことができた
ようでまずは一安心。着目点を変えて新たに分かること、ルールを再確認して見えてくる
宴の抜け穴。この探り合いも今後どう関与してくるか、恐いもの見たさな要素があります。

加えて今回の宴はそれぞれ役割が異なる、ということで改めて駆け引きが始まる訳でして
ここもまた前回の知識が活かせたり、そうでなかったりと“陽明”の攻めの姿勢が窺える
面白い展開を魅せてきます。「僕がもうやったから」に対する反応が思わしげな所とか。

更に「おおかみ」が3人いることで、単に正体を掴んだとしても安易にくくれないという
もどかしさが巻末にも表れていて、今後どう裏をかいていくのか興味津々。死に戻りにも
悪影響を及ぼしそうな何かを予感させて気になりすぎるので、次巻も待ち遠しい限りです。

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2019年07月11日

『六畳間の侵略者!? 32』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算34冊目は六畳間の面々が2年という時を経て迎える
部活対抗障害物マラソンを舞台にフォルトーゼの技術を巡り暗躍する者たちと戦います。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/846.html


物語の中で2年という時が経過した、という事実に改めて驚かされると共に、掛けた時間
によって“孝太郎”を軸とする六畳間の面々がここまで心境を変えることができたのかと
思うと感慨深い気持ちがあふれます。彼女たちの何気ないやり取りの数々が実に愛おしい。

“孝太郎”らが気持ちを新たに体育祭に臨む中でフォルトーゼの技術を盗もうとする輩に
気付いた彼らが目をつけた“ブラウン”博士の不可解な行動。そこに想定外の悪意を見た
彼らが問題解決の難易度を感じた時点で今後も厄介になりそうな敵であることが窺えます。

話の一端を担う“エミリー”を救うべく“賢治”が一役買って出ることで青騎士の物語に
少なからず彼や妹の“琴理”も関わっていくのだろう、と予感させる展開でした。今回も
“ゆりか”には同情しかないですね。新たな敵にどう立ち向かうか、次巻も楽しみです。

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2019年07月10日

『ネクロマンサー少女1』

天乃聖樹 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。魔族との戦いで勇者に裏切られ命を
落とした親友を救うべくネクロマンサーの少女が秘術で時を遡り、冒険譚をやり直します。
(イラスト : 手島nari。先生)

https://herobunko.com/books/hero80/10074/
https://ncode.syosetu.com/n1424ez/


魔族の盟主“業火の王”を前に歯が立たない救世の英雄“ブリギス”は力ある精霊術師の
少女“ローズ”を囮に逃走を図る。彼女を救えなかった“ネネ”は過去へ戻り英雄たちに
先んじることで彼女が力に目覚めるのを阻止し、結果として命を救うことを決意する──。

死者を操るネクロマンサー“ネネ”が英雄の血筋もなく、ろくでなしの“ブリギス”らを
どう出し抜いていくのか。2度目の冒険という利点を活かしそれを成し遂げていく彼女の
活躍が見せどころの一つ。“フラン”がいいアシスト役を果たしてくれて話の動きも良い。

そして助けたいがゆえに親友と距離を置く“ネネ”と、彼女を知らないはずなのになぜか
気になって仕方がない“ローズ”。2人の切なくて頑なで、それ故に心温まるやりとりに
目を惹かれていく自分がいました。“ネネ”は親友を救えるか、続きが気になる物語です。

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2019年07月09日

『学園騎士のレベルアップ! レベル1000超えの転生者、落ちこぼれクラスに入学。そして、』

三上康明 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。前世の記憶と能力を活かし未曽有の
高レベルを有する少年が、貴族偏重の環境で底辺からの改革に挑む学園ファンタジーです。
(イラスト:100円ロッカー 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/release/#978-4-08-631316-2
https://ncode.syosetu.com/n7942ff/


王立学園騎士養成校に首席で入学しクラス分けを前に一人ほくそ笑む“ソーマ”。彼には
スキルレベルを自分で確認できる能力があり、効率よく合計技能レベルを1024まで上げた
実績があるからだ。どこに配属されるか胸を躍らせつつ、彼は判定機に手を添えるが──。

1024という数字に「なるほど」とSE的な感心を覚えつつ、1024レベルであることも信じて
もらえず、落ちこぼれたちが集う黒鋼クラスでくすぶる・・・なんてこともなく、学園の闇
を前にしてもクラスを巻き込んで落第者を出すことなく立ち向かっていく展開が爽快です。

とりあえず“リット”が男のルームメイトとしてどこまで上手く立ち回れるかが興味津々。
あと貴族連中の態度が鼻につく中で“キール”が出来た人間すぎて先々心折れないか心配。
高いレベルを活かしてどこまで躍進できるか、“ソーマ”の将来と共に続きに期待します。

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2019年07月08日

『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編』

武田綾乃 先生が贈る青春エンタメ小説。物語の最後を飾る後編はコンクールに向けた熱量
の違いからチームワークが揺らぐ北宇治高校吹奏楽部を“久美子”はどう導くか注目です。
(イラスト:アサダニッキ 先生)

https://tkj.jp/book/?cd=TD294012


ソリのオーディション、その結果を受けて動揺が走る部員たち。“滝”の決めたことだし
実力重視の方針からしたら当然と嘯く“麗奈”。自分の想いと部長としての立場に揺れる
“久美子”がそれでも吹奏楽部を引っ張っていこうとする姿勢には痛々しさすら感じます。

未だ進路も決められない“久美子”が部の方針を巡って“麗奈”からきつい一言を浴びる
頃にはもう駄目かと思いました。幹部ノートのやり取りも見ていて切なくて。その状況を
救ってくれた魔法のチケット、人の縁というか仲間との絆に色々と救われる思いでした。

部活動を通じて全力で音楽と向き合ってきた「北宇治高校吹奏楽部」。“久美子”たちの
3年間の集大成がどういう結末を辿ったかは推して知るべし、ということで彼女の進路も
決まって胸がすく気がしました。次の短編集では彼女以外の将来像も見てみたいものです。

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2019年07月05日

『異世界居酒屋「のぶ」 六杯目』

蝉川夏哉 先生が贈る大人気異世界グルメ小説。第6巻は冬の古都を突如訪れる黒髪の美女、
“アルヌ”の婚約者、そして略奪婚の風習を巡る物語と「のぶ」に纏わる逸話を描きます。
(イラスト:転 先生)

https://tkj.jp/book/?cd=TD295231


「のぶ」の料理が古都の商談成功に寄与したり、思わぬ出会いに貢献したりと人情味のある
短編、料理の数々に心が温まります。“エーファ”の三番目の兄が来て年相応の顏を見たり、
熱に浮かされる“しのぶ”の代役として「彼女」が奮闘する姿を眺めたりとか、イイですね。

そんな中でも今巻で一番好きなエピソードが、ハンスが大豆を使わずに豆腐を作るあの逸話。
豆選びに悩みに悩んでルフト豆を使った豆腐の制作過程で「あの女性」が出てくるワケです。
「のぶ」を見守る彼女の所作が好きでして。こうして機会があれば登場してくれると嬉しい。

そして「銀の虹の姫君」を巡る連続短編。略奪婚、という苛烈な雰囲気をもつ結婚の手段を
まさか好感を持てる場面演出に使ってくるとは。今巻は挿絵の使い方も印象深いものが多い。
顛末を経て「ゆきつな」時代の自分と向き合えた“信之”がどんな挑戦を見せるか注目です。

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2019年07月04日

『公女殿下の家庭教師3 魔法革命で迷える聖女を導きます』

早くもコミカライズが決定した 七野りく 先生が贈る魔法革命ファンタジー。第3巻は心の
奥底で絶望や嫉妬の渦を巻く“ステラ”の自信回復に“アレン”が手を貸すことになります。
(イラスト:cura 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201812koujodenka/321903000053.html


“ステラ”失踪。その決定的な要因を作り出した“フェリシア”の「ある決意」にも大きく
関わることになる“アレン”。その決意に至るまでのあれやこれやを見るに家庭教師意外の
立場でも厳しさと優しさを上手く使い分けていて、彼の「天性の年下殺し」ぶりが光ります。

親友を気遣う“カレン”に配慮して動く“アレン”。悩みを打ち明ける“ステラ”に対して
「デートしましょう」とかあんなことを言いだすから“リディヤ”が「火焔鳥」を引っ張り
出してきたりしちゃう訳ですけど、そこがまた面白いですし見ていて実に微笑ましかったり。

思いがけない勝負が繰り広げられる間、ある意味で渦中の人である“ギル”が“アレン”に
対して示す2種類の態度、その落差にもご注目。彼も良い後輩ぶりを魅せてくれています。
誰の代わりでもない、“ステラ”が“ステラ”として自立する勇姿をぜひぜひご覧ください。

posted by 秋野ソラ at 00:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年07月03日

『友人キャラは大変ですか?7』

伊達康 先生が贈る名助演ラブコメ。第7巻は“シズマ”からの連絡が途絶えて動揺する
“一郎”たちを“キュウキ”陣営が襲撃し、物語の終局に向けて乱戦模様を繰り広げます。
(イラスト:紅緒 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517958


「四神」「三姫」「魔神」の区別なく馴れ合いの関係が深まりグダグダな様子に危機感を
覚える“一郎”が、自分が考える「異能バトルストーリー」をどう進めていくか。彼の
ストーリープランナーとしてのセンスを暗に“キュウキ”から問われ続ける展開が見もの。

奈落城を守る“シズマ”を狙う“キュウキ”に対し“一郎”が実行に移した策が、次々に
陰の進行役として裏目に出ていく様子がコミカルで、あと時折見せる百合百合しい状況が
微笑ましくてニヨニヨします。“キュウキ”との衝突を前に全く緊張感を感じさせません。

“一郎”とは違うストーリープランナーとしての動きを示す“キュウキ”との筋書き対決、
すっかりポンコツ化した“龍牙”もみんなと力を合わせ大技を繰り出し、最終回のような
大団円に繋がるかと思いきや新たな敵、そして強烈な引き、とまだ予断を許さぬようです。

posted by 秋野ソラ at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル