2019年05月31日

『クラスメイトが使い魔になりまして』

鶴城東 先生の「第13回小学館ライトノベル大賞」ガガガ賞&と査員特別賞、W受賞作品。
落ちこぼれ魔術師が才色兼備の美少女を使い魔にする所から始まる魔法学園ラブコメです。
(イラスト:なたーしゃ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517910


国際魔術師協会付属の学園で行われる進級試験。そこで魔人召喚を成し遂げた“千景”が
持つ魔導書が突如燃える異常事態が発生。制御不能の魔人から非力な“想太”に庇われた
彼女がそれを使い魔にする秘策に挑んだ結果、融合して彼の使い魔になってしまい──。

だらしない“想太”に悪態をつく“千景”の思わしげな態度ですとか“旭”の報われない
努力などでラブコメぶりを魅せつつ、使い魔とするはずだった魔人“ソフィア”の思惑や
野心家な“凉華”とのやり取りから学園に巣食う負の感情にも触れる緊張感も味わえます。

使い魔にしてしまった“千景”の関係、何より“ソフィア”とどう折り合いをつけるのか。
“想太”自身が知る由もない秘密も交えつつ向き合っていく彼の姿勢には好感が持てます。
流石はW受賞、と言及するに足る面白さと可能性のある作品です。オススメしておきます。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月30日

『後宮妃の管理人 〜寵臣夫婦は試される〜』

しきみ彰 先生の「第1回富士見ノベル大賞・審査員特別賞」受賞作。皇帝の側近と結婚し
側室たちの健康管理を任された行かず後家の女性が後宮の闇に挑む中華ファンタジーです。
(イラスト:Izumi 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/321901000521.html


商会の一人娘“優蘭”が側室の美容と健康を管理する役割を賜り、更に右丞相“皓月”と
婚姻することで史上初となる家臣夫婦誕生に沸く黎暉大国。商魂逞しい彼女は突如始まる
夫婦生活と後宮の仕事、そして夫の意外な秘密と皇帝の狙いを前に大いに困惑するが──。

「間違った美容法で傷つく女性を見たくない」その強い想いを胸に培ってきた知識を基に
宮廷内の派閥争いも見定めつつ後宮の四夫人と渡り歩いていく“優蘭”。彼女が皇帝から
明示されず仕組まれた課題を知らぬ間に解決していく顛末は興味深く、また実に爽快です。

皇帝に振り回される苦労人な“皓月”。彼の穏やかな人物像が、妻に危害を及ぼす悪意を
知ってから良い方向に崩れていく様子も見どころ。惚れ惚れするほど良い旦那さんですわ。
“優蘭”が皇帝への好感度をだだ下がりさせる中、更なる受難をどう克服するか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月29日

『竜魔神姫ヴァルアリスの敗北2 〜魔界最強の姫が人類のグルメに負けるはずがない〜』

仁木克人 先生が贈る最強グルメコメディ。第2巻は東京23区を離れ関東近郊に勝算ありと
足を伸ばす“ヴァルアリス”が続々登場するメニューを前に敗戦記録も伸ばしていきます。
(イラスト:茨乃 先生)

https://dengekibunko.jp/product/valalice/321811001117.html
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885049300
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM00000020010000_68/


“サチュラ”の手助け、“インフェリス”との思いがけない勝負、様々な過程を経て場を
神奈川、千葉・・・などと東京を離れつつ福島、岩手と北へ進んでいく“ヴァルアリス”が
数々のご当地グルメに舌鼓を打ちながら、つい完食して打ちひしがれる姿はいつも可愛い。

季節や場所に合わせて容姿を変える“ヴァルアリス”を描く 茨乃 先生のイラストもまた
演出に花を添えてきて実に見事。「ComicWalker」にて 矢澤おけ 先生による漫画連載も
始まり、今後ますますの躍進が期待できるシリーズになった感があります。楽しみです。

「滅界儀式」の進捗が芳しくない状況下において“ヴァルアリス”を疎ましく思う者たち
による妨害工作も出始める中、彼女が人界である日本の地において見つけた意外な人物。
その人と向き合うことで彼女は成長するか、儀式の準備は進むのか。続く展開を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月28日

『七つの魔剣が支配するIII』

宇野朴人 先生が贈る大人気学園ダークファンタジー。第3巻は上級生“オフィーリア”の
使い魔に友を奪われた“オリバー”たちが全てをかなぐり捨てて迷宮の深みに向かいます。
(イラスト:ミユキルリア 先生)

https://dengekibunko.jp/product/7-maken/321812000849.html


上級生たちが救出に向かうまでの期日にしびれを切らした“オリバー”たちを、迷宮の深部
へと導くために鍛え上げる手助けに回る“ミリガン”。裏がありすぎでも藁をも縋る思いで
頼らざるを得ない彼らの非力さは、これまでの活躍をもってしても補えないのが実に切ない。

“ミリガン”が示す“オフィーリア”の操る合成獣への対応策。それらを着実に吸収、いや
それ以上に活用する“オリバー”たちに舌を巻くのも納得。その一方で“オフィーリア”の
昔話として語られる彼女を取り巻く事情の数々が穏やかでいて不穏なのも気を惹く展開です。

“ゴッドフレイ”と“オフィーリア”は共にどんな想いで対峙するのか。“ナナオ”が刃を
彼女に向けた瞬間に抱いた想いとは。決死の覚悟で彼女に想いを告げるべく臨んだのは誰か。
終わりゆく者たちと続く道を行く者たちの機微を噛みしめつつ、二年生編の開幕を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月27日

『Unnamed Memory II 玉座に無き女王』

「ラノベニュースオンラインアワード(2019年1月)」三冠達成した 古宮九時 先生の大人気
Web小説。第2巻は“ティナーシャ”の婚約者登場で“オスカー”との関係が揺らぎます。
(イラスト:chibi 先生)

https://dengekibunko.jp/product/unnamed/321810000950.html
https://ncode.syosetu.com/n1488bj/


魔法士を排斥する国、タァイーリ。その隣国、クスクルの魔法士に国境近くの町が襲われ、
話を聞いた“ティナーシャ”の様子が不自然だと思ったら彼女を親しげに呼ぶかの国の王
“ラナク”の元へ付いていく突然の展開で。解呪された“オスカー”が困惑するのも納得。

そして明示されていく“ティナーシャ”の出自、“ラナク”との過去、魔女となった経緯。
先生が狙って開けたあの穴も、彼女が「誰のこともそんな目でみたことない」と発言する
までに至った契機を印象づけるのに十分な演出で。“オスカー”が憤りを感じるのも道理。

過去を清算した主を前に“パミラ”が「恋人同士に見える」と力説する2人の関係は実に
ニヨニヨするほどこそばゆくて、けれど結婚には至らずもどかしくて。そんな2人に対し
謎の人物が示す恨み辛みの深さがまた不気味で。“オスカー”が何とかしてくれると期待。

posted by 秋野ソラ at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月23日

『家に帰るとカノジョが必ずナニかしています』

柚本悠斗 先生が贈る新作は、「お一人様理論」なる持論を貫く高校生男子が突如現れた
美少女と週末限定のレンタル家族契約を結ぶことから始まる寸止め系青春ラブコメです。
(イラスト:桜木蓮 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815601935.html


母親はすでに亡く、山籠もりをする父親とも疎遠となって久しい“颯人”。その父親から
「誕生日プレゼント、可愛いだろ」と派遣されてきたのが“朱莉”で、彼との共同生活に
だいぶ前向きな様子。更に同じ学校に転校までしてきて独り身の彼には悩ましい話で──。

前のめりなワリには事に至らない、レンタル家族のことを周囲に秘密にしながらもまるで
交際しているかのように振舞う“朱莉”。そこへ“颯人”に何かと絡んでくる“羽凪”や
“朱莉”ラブな重度のシスコンぶりを示す妹の“雫”も加わりドタバタ感が面白いところ。

“颯人”と“朱莉”の関係が思わぬ騒動、そして事件へと繋がっていく一転した展開の中
「お一人様理論」を貫こうとした彼の人間関係を問うことになる引き具合が気になります。
必ず「ナニ」をしている「カノジョ」は大丈夫なのかと苦笑いしつつ続きを待つ次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月22日

『三角の距離は限りないゼロ3』

森野カスミ 先生による漫画連載も始まった、岬鷺宮 先生が贈る不思議な三角関係恋物語。
第3巻は三角関係の展開に戸惑う“四季”の心を彼の過去を知る人物が更に揺さぶります。
(イラスト:Hiten 先生)

https://dengekibunko.jp/product/zerokyori/321810000956.html


“春珂”の諦めない姿勢がクラスの文化祭実行委員へ“四季”と共に立候補するという荒業
まで成し遂げる中、彼女の想いを知りつつ自身の「好き」という感情の間で揺れる“秋玻”。
そこへ彼の「キャラ作り」の原点となる“霧香”が本音をぶつけてくるものだからさあ大変。

注目の的となる共同ステージの準備を進める過程で、昔の“四季”と今の“四季”の違いを
これでもかと彼自身に、そして“春珂”たちに突き付けてくる“霧香”。本当の自分とは
何なのか、キャラを作ることは嘘なのか、他人と向き合う難しさを改めて考えさせられます。

“霧香”があの宣言を有言実行とさせるべく仕組んだ文化祭の顛末。自己否定してきた自分
自分の感情と再び向き合うことになる“四季”と、抱いてきた思慕に楔を打たれる“秋玻”。
思いがけない結末へと繋がった三角関係の距離、そのバランスの行く末を見守りたい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月21日

『29とJK6 〜あなたの隣を歩きたい〜』

裕時悠示 先生が贈る禁断の年の差ラブコメ。第6巻は30歳を迎えた“鋭二”に“志織”が
突きつける今の立ち位置、それを知る“花恋”たちの焦りが物語を更に動かしていきます。
(イラスト:Yan-Yam 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797399318.html


コネで入社してきた専務の息子とその取り巻きを含めて新人教育を担当することになった
“鋭二”。その新人たちに意識高い系な“綾”も居たことから巻き起こる衝突ぶりをどう
解決に導くのか。ヤリちんぶりを発揮していたことが分かる逸話に思わずほっこりします。

そんな“鋭二”を未来の息子と見定めている“志織”が語るように、今や業界内で時の人
となった彼を色々な人々、そして思惑が放っておかない現状を踏まえて“綾”が、そして
“花恋”が各々のやり方で自分を高めていこうとする姿勢に期待と不安が胸をよぎります。

昔話ついでに明らかとなる“沙樹”の編集者時代、“花恋”が狙う次の小説コンテスト、
そして“綾”が打ち出す新企画、示された点が線となって繋がる先は想像に難くないかと。
若さとは、才能とは。大人になったからこその視点に共感しつつ続きを楽しみに待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月20日

『魔王学院の不適合者4〈下〉 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜』

シリーズ累計50万部を超す、秋 先生が贈る「小説家になろう」投稿作の大人気書籍化作品。
5冊目となる第4弾・下巻は偽りの魔王に纏わるもう一つの逸話、大精霊編の締め括ります。
(イラスト:しずまよしのり 先生)

https://dengekibunko.jp/product/maougakuin/321811001095.html


“アヴォス・ディルヘヴィア”の逸話に再び縛られる人々を前にして“アノス”が注目する
大精霊“レノ”が遂げた死の謎、その子“ミサ”誕生の秘話、精霊王が示す敵対心の真意。
その全てを“フラン”の存在意義が繋ぎとめていく展開には思わず目頭を熱くしたものです。

それも愛を知らない不器用な生き方をする“シン”に対しそれを教えようとする“レノ”、
2人が2千年前に繰り広げたこそばゆいやり取りを経て結び付いたある奇跡があってこそ。
熾死王“エールドメード”、そして天父神“ノウスガリア”が示す確執も要注視の展開で。

すべては手中にあると嘯く“アヴォス・ディルヘヴィア”。その強気な姿勢を“アノス”が
どう崩していくか。偽りの魔王という伝承を踏まえて示される彼の言動も見どころの一つ。
魔王聖歌隊が讃美歌を歌い上げる間、彼の胸中に生まれた新たな謎の行方が気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月17日

『レイジングループ REI-JIN-G-LU-P 1 人狼の村』

アドベンチャーゲーム「レイジングループ」のシナリオライター、mphibian 先生が自ら
小説版の執筆に臨む本作。奈須きのこ 先生の解説に推されながら満を持しての登場です。
(Illustration/影由 先生)

https://www.seikaisha.co.jp/information/2019/04/02-post-rlfic1.html


気ままに一人バイク旅をしていた“陽明”だが山中で道に迷い、更に運悪く事故を起こす。
山中の集落で“千枝実”に助けられるもよそ者を疎む集落の人々を見て帰る決意をする彼
だが集落を突如濃霧が覆う。彼女に簡易便所に押し込まれ、外に出るなと言われるが──。

「人狼」「ホラー」そして「伝奇」というキーワードを前面に押し出した本作。人を殺す
“おおかみ”の謎、集落で連日行われる殺人儀式「黄泉忌みの宴」、そこに巻き込まれた
“陽明”が何度死んでもループして甦ってくる設定、と得心のいく話運びで惹き込みます。

ループの描写も紙幅を費やして分かりやすく示しているのが印象的で、「人狼」のような
役回りもあってどう駆け引きが始まるのか妙な期待が高まる中、“陽明”という例外的な
存在がどう物語に関わってくるのか気になります。まずは続きに期待ということで一つ。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月16日

『死神に育てられた少女は漆黒の剣を胸に抱くIII』

彩峰舞人 先生が贈るファンタジー戦記。第3巻は帝国の元帥が展開する戦略に押される
王国が常勝将軍を駆り出し起死回生を図る中、“オリビア”たちがそれを後押しします。
(イラスト/シエラ 先生)

https://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865544770


アストラ砦で“アメリア”や“フェリックス”が技と信念をぶつけ合っていることなど
知る由もない“オリビア”が図書館でヴァレッドストーム家の謎に迫ろうとする顛末が
どことなくコミカルで迫る戦乱の嵐を感じさせない緩急をつけた話運びを魅せてきます。

向かう敵に第一軍の出撃は必須、そう考える元帥“コルネリアス”の陛下に対する諫言
に熱い感情を抱きつつ迎える両国の激突。それでも天陽の騎士団が示す人外的な強さは
異様で、現地で対応する“ブラッド”の命運も風前の灯火で手に汗握る展開が続きます。

そんな窮地をいともたやすく覆すのが“オリビア”ということで、彼女の無双ぶりには
相変わらず爽快感すら覚えます。聖天使の思惑も気になる展開を見せながら“ヨハン”
とのあのやり取りで彼女に更なる意味付けをしてきて、続きが気になるというものです。

posted by 秋野ソラ at 00:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月15日

『スコップ無双2 「スコップ波動砲!」( `・ω・´)♂〓〓〓〓★(゜Д ゜ ;;;).:∴ドゴォォ』

早々に大重版とコミカライズを決めてきた、つちせ八十八 先生が贈る超英雄ファンタジー。
第2巻はオーブ探索の旅を続ける“アラン”見届ける“リティシア”らの想いを描きます。
(イラスト:憂姫はぐれ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/scoop/321812000467.html


“カチュア”のツッコミも追いつかない勢いでスコップの能力を十二分に活用して様々な
旅の困難を解決していく“アラン”。今巻では氷の国の魔女“リーズフェルト”、海の国
の令嬢“ルクレツィア”を、その魅力というか無双ぶりに引き込んでいく笑劇的展開です。

中でも憑かれたかのようにスコップと言いまくる“リティシア”が、何を思ったか世界を
手中に治める目標を立ててしまう流れは衝撃的。溢れる“アラン”への想いの深さ故とは
分かるものの「どうしてそこへ行っちゃうかな〜」と思わずにはいられない微笑ましさが。

“アリス”を調教? していく“リティシア”との百合展開にも期待を感じつつ、騎士と
しての信念にかこつけて“アラン”のスコップ異次元に取り込まれていく“カチュア”が
騎士として、いや人としての尊厳を保てるのか。その行方を気にしつつ、次巻を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月14日

『暗黒騎士様といっしょ!2 〜武士道とは恋せよ乙女と見つけたり〜』

笹木さくま 先生が贈る迷宮攻略バトル×勘違いラブコメ。第2巻は暗黒騎士を仇敵として
狙う“チドリ”が“アルバ”の強さに惚れ込んで交友を深めていく、その顛末を描きます。
(イラスト:乾和音 先生(artumph))

https://amzn.to/2JfrJvD


“アルバ”に対する“ルーファ”の想いが事あるごとに空回りする中、白馬の王子様願望
を抱く“チドリ”が“アルバ”と運命の邂逅を果たす今巻。しかも暗黒騎士の姿ではない
というのが重要。なくてはならない“ガーネット”が彼にツッコミを入れる姿が好きです。


“アルバ”に稽古をつけてもらえるほどの強さを見せる“チドリ”。彼女に目を付け唆す
“エクレア”の思惑を他所に、彼への想いを募らせる女剣士としての純真さがまた何とも
いじらしくニヨニヨするばかり。“ルーファ”の嫉妬心を丸出しにする様子も実に面白い。

そんな“チドリ”が“アルバ”を暗黒騎士と認識したらどうなるか。決定的瞬間を迎えた
彼女の振舞いはちゃんと自分の立場を踏まえていて好印象。事の終わりに“ルーファ”が
執行するお仕置きのえげつなさもご注目。かの宣戦布告がどう響くのか次巻も楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月13日

『エクスタス・オンライン 07.白金の竜姫と記憶は巡る』

久慈マサムネ 先生が贈るエクスタシーVRMMOファンタジー。第7巻は拡張パックの適用で
死への緊張感が増す中で、2Aクラスを狙う“式場”に対して“駆流”が対応に追われます。
(イラスト:平つくね 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/321803000506.html


“雛沢”不在の報に焦りの色を見せる“一之宮”の気持ちを汲む“駆流”が“式場”への
対応に苦慮する、そんな思いも知らず構ってほしいとせがむ“メル”がまさかの存在意義
を示してきたのが印象的。いろいろな意味で鍵を握る、まさに時の人という感じでした。

“雫石”や何より“朝霧”に目を付けられることで生まれる妙な緊張感が“駆流”の胸を
揺さぶることになる別視点の流れも、本作の謎に触れていく過程において見逃せません。
そんな中でもしっかり濡れ場を用意してくる辺り、久慈 先生の抜け目のなさが光ります。

もう一つ心に残る場面は、やはり“式場”が凶行に走るその理由。それもまたこの世界に
巻き込まれたことで生まれる感情の一つ、ということで得心のいくものではありました。
治まりきらない感情は“駆流”に発散してもらって大満足。新天地での動向にも注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月10日

『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編』

武田綾乃 先生が贈る青春エンタメ小説。“久美子”部長を筆頭に新体制となる北宇治高校
吹奏楽部が新入生も迎えて悲願の全国大会金賞を目指す波乱必至の最終楽章へ突入します。
(イラスト:アサダニッキ 先生)

https://tkj.jp/book/?cd=TD293992


百名を超す大所帯となった部を纏める“久美子”。彼女に寄せられる相談は多岐に渡って
気苦労が絶えない中、悩める将来にも真剣に向き合う必要があって、公私ともに忙しない。
音大を目指す“麗奈”との、音楽に対する覚悟の違いも見せつけられて実に心苦しい展開。

“緑輝”による新入部員たちへのフォローなどで微笑ましい感情を抱きつつ他県の強豪校
から“沙里”が入部、しかも楽器はユーフォニアム。しかしコンクールに出る意思はなく
悲願達成を目指す部員たちからモヤッとした感情を抱かせる結果に不穏な空気が漂います。

絶対に金賞を取る、その覚悟を見せる“麗奈”との温度差を感じる事態が発生したことで
吹奏楽部に不安要素が募りつつあることを認識するも、解消することなく引いていきます。
“秀一”の発言も思わせぶりで気になりますが、はやる気持ちを抑えつつ続きを待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月09日

『察知されない最強職4』

三上康明 先生が贈るファンタジー作品。第4巻は火龍の災厄により王位継承問題に揺れる
王国において鍵を握る存在となる王女“クジャストリア”に“ヒカル”が接触を図ります。
(イラスト:八城惺架 先生)

https://herobunko.com/books/hero59/9828/


災厄のどさくさに紛れて王位を狙う“オーストリン”。愚兄の野心を知りながらも見て見ぬ
ふりをしていた“クジャストリア”を表舞台に上げようとする辺境伯の思惑に振り回される
顛末がお家騒動に拍車をかけていく。“ヒカル”も間接的に関わっていく形で魅せてきます。

“オーストリン”の野心を砕くために必要な“ガレイクラーダ”の病を快癒させる手を探る
“ヒカル”が易々とハードルを越えていく様子に周囲が驚かされるのも面白い。最終的には
「シルバーフェイス」としてこの騒動に決着をつけにいく“ヒカル”の気概は見所でしょう。

また、騒動の裏側でこれまで危なっかしいと思わせていた“ポーラ”が遂にある行動に出て
しまうワケですが、ここに“ヒカル”への愛情とか信頼とかを強く感じられて印象的でした。
「世界を渡る術」に関しても一縷の望みを繋いできましたので、どう続くのか注目してます。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月08日

『日常ではさえないただのおっさん、本当は地上最強の戦神3』

相野仁 先生が贈る、日常に紛れる最強戦士の英雄譚。第3巻は新人冒険者の後押しをする
中で、活発に動き始める魔物たちの兆しを掴んだ“バル”がその黒幕探しに乗り出します。
(イラスト:桑島黎音 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/wargod/321809000638.html


七級の冒険者である“バル”を軽んじる跳ねっ返りな犬人族“エーファ”らのパーティを
面倒見ることになった彼の人心掌握術が今巻も冴え渡ります。駆け出しにも関わらず欲を
出してしまう彼女たちの心理を巧みに利用して信頼を得ていく過程は実にお見事、の一言。

“エーファ”たちが功を焦る契機となった魔物の現れ方に疑念を抱いた“バル”の思いを
汲んで“ミーナ”が本格的に調査を始めるも原因が掴めないあたりで後手に回る展開には
やきもきさせられるものが。そんな中でもやり口を掴むあたり、彼女の有能さが光ります。

今回の「敵」が慢心して帝国への侵攻に乗り出す事態を受けて“エーファ”たちでは手の
打ちようもなく、最後まで最悪の場面を想定した話運びを見せてきて思わず焦りました。
「そよ風亭」にまつわる縁が物語を動かしていく様子も見どころです。続きが楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 23:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月07日

『スカルアトラス 楽園を継ぐ者〈1〉』

羽場楽人 先生が贈る新作は、エーテル飽和により巨大化したモンスターに蹂躙された世界
で生き残った人類世界で天才考古学者と意思を持つ化石兵器の邂逅を綴る幻想浪漫譚です。
(イラスト:hou 先生)

https://dengekibunko.jp/product/skullatlas/321811001100.html


祖父の影響で化石好きとなり考古学者となった“クレイ”。彼の住む国の守り神とされる
巨大骸骨の化石兵器「スカルアトラス」は今や氷に埋まり眠り続ける存在。祖父の遺言で
「氷から目覚めたら助けてやれ」と言われた彼は今日も一人、氷の前で見守り続ける──。

国を揺るがす騒動を機に復活を遂げるスカルアトラスの“アジュール”。彼女と意思疎通
できるだけじゃない関係を築いたことで距離感を詰めていく“クレイ”。両者のやりとり
が面白く、特に周りの女性陣の想いもそっちのけな彼の化石バカっぷりは見所の一つです。

スカルアトラスの謎、円柱国家ベルバの知られざる過去、そこに“クレイ”たちが意外な
形で関わっていくことになる話の流れに惹き込まれながら、“アジュール”と共に出した
結論が意外で印象的でした。hou 先生の挿絵も上手く嵌っていて続きが楽しみな作品です。

posted by 秋野ソラ at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月06日

『継母の連れ子が元カノだった2 たとえ恋人じゃなくたって』

草壁レイ 先生による漫画連載が始まった、紙城境介 先生による元恋人たちによる同棲悶絶
ラブコメ。第2巻は“水斗”に新しくできた女友達に“結女”がどう反応するか注目です。
(イラスト:たかやKi 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/motokano/321901000552.html


「母の日」を通じて勝負にいそしむ“水斗”と“結女”、2人の姿に心温まるものを感じる
その裏で“川波”と“南”が繰り広げるラブコメ要素全開な様子に思わずニヨニヨ。勝負の
行方と共に、「母の日」のその後に思わず砂を吐きたくなる顛末も見どころの一つでしょう。

学業でも競い合う元カップル。そこで示した“結女”の自己認識に対して“水斗”が返した
反応に心を鷲掴みにされる彼女の様子が何とも愛おしい。今回登場した“いさな”に対する
「彼の姉」という立場からの言動の数々もまた距離感の近さを意識させてこれまた興味深い。

あとがきでも触れられていた、一緒に居たい相手へ抱く感情は必ずしも恋愛感情でなくても
良いという考え方には考えさせられるものがありました。“いさな”には共感できる部分が
多々あることも要因として大きいです。これを踏まえて“結女”がどう動くのか楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年04月26日

『妹さえいればいい。12』

平坂読 先生が贈る大人気青春ラブコメ。第12巻は小説家として執筆に専念する“伊月”と
作家廃業を宣言する“那由多”、すれ違う2人の停滞と取り巻く周囲の変化を描きます。
(イラスト:カントク 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517828


前巻で壮絶な決別を示した“伊月”と“那由多”。2人のこじらせぶりは目に余るものの
頼みの綱たる“京”ですら匙を投げる展開に不安は募る一方で、足踏みする2人を置いて
“春斗”や“青葉”らは次へ繋げる一歩を踏み出していくあたりは明暗が分かれる世界。

小説を書くマシーンになることの良し悪しが問いたい訳ではなく表現者はどうあがいても
表現者であることを“伊月”が示しているのでしょうし、また「彼女」に叱咤激励された
“那由多”が見せてくれたのだと思います。だからこそ、よりを戻してほしいと願う訳で。

その流れを掴む契機となる2人の人間関係の変化は悲喜こもごもあってドラマティックと
感じましたし、特に“伊月”が色々な面で男を魅せてくれたことに胸がすく思いでした。
裏側であの2人もようやく収まって心温まりました。ここから話をどう結ぶのか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル