2019年07月01日

『榮国物語 春華とりかえ抄 五』

一石月下 先生が贈る男女逆転中華譚。第5巻は“海宝”を妨害する“白水”が“莉珠”を
取り込もうと動く中、彼女に不信感を抱かれ始めた“春雷”が誠意と生き様を試されます。
(イラスト:ノクシ 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/shunkatorikae/321902000824.html


立法を実現させるための予算を与えない、という形で“海宝”になおも対抗する“白水”。
“海宝”を支えるはずの副宰相2人は貴族主義を貫く“万祥”と、やる気のない“以賢”。
内憂外患で頭の痛い中で“春蘭”が上司からの株を上げて益々イイ感じなのがこそばゆい。

一方、“海宝”の新施策を不安視する“莉珠”は彼との同盟関係を見直しにかかると共に、
気が置けないはずの“春雷”に疑念を募らせ距離を置く始末。“春雷”にとっては逃げの
一手を打ち続けたしっぺ返しを食らった訳で同情の余地はなく、懊悩する彼女が可哀想で。

迎える中秋節で“春蘭”が陥る窮地。動揺を胸に秘める“海宝”。隙につけ入る“白水”。
仕組んだのは誰か分からぬまま、姉のため、そして“莉珠”のため“春雷”がついに動く。
まさに「とりかえばや」の真骨頂たる展開に胸がキュンキュンします。“春蘭”も頑張れ!

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2019年06月28日

『ストライク・ザ・ブラッド20 再会の吸血姫』

三雲岳斗 先生が贈る大人気学園アクションファンタジー。第20巻は絃神島の領主戦争を
収束させる鍵となる“アヴローラ”の来訪を受けて“古城”が一つの結論を導き出します。
(イラスト:マニャ子 先生)

https://dengekibunko.jp/product/stb/321812000879.html


“アヴローラ”を連れだした人物の真意も掴めぬまま“古城”の元へと急ぐ彼女。それが
「焔光の宴」と呼ばれる大災害を引き起こすとも知らず、“吸血王”の思惑にしたがって
真祖たちや彼女を護る護衛陣、そして“古城”たちも振り回されていくのがもどかしい。

抑えきれない“古城”の吸血衝動、こらえきれない“雪菜”の涙。全ては“アヴローラ”
という存在を生かすか殺すか、究極の選択肢を求められてしまったが故の葛藤。領主戦争
を仕掛けた“吸血王”の意図もようやく見えたところでそっちも色々あるのが複雑な展開。

“古城”を巡る恋愛模様もいよいよ泥沼な感じで見ている分には実に滑稽な場面で息抜き
もさせてもらいつつ、彼が出した結論は至ってシンプル。しかし、絃神島を巡る争いには
意外すぎる結末で「オレのケンカ」をどう繰り広げていくのか気になって仕方がないです。

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『千歳くんはラムネ瓶のなか』

裕夢 先生の「第13回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞」受賞作。スクールカーストの
トップに位置する少年が、不登校の生徒を復学させるまでの顛末を描く青春ラブコメです。
(イラスト:raemz 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517965


高校2年生となった“朔”はクラスの“夕湖”や“優空”と夫婦妾漫才を繰り広げている
と揶揄されつつ楽しいリア充生活を送る・・・はずが担任から不登校生徒の話を切り出され
「なんでもできるみんなのスーパーヒーロー」なら解決できる、とけしかけられるが──。

“朔”が“健太”の家を訪れても頑なな態度を取られ「リア充は糞」とまで言われる始末。
しかしそこに解決の糸口を見た“朔”があの手この手で“健太”を連れ出し、陰キャ脱却
に向けて一肌脱ぐ姿勢は好感が持てます。リア充という存在についても考えさせられます。

とは言え期限付きで支援する“朔”のドライな態度も目に付く中、彼が“健太”に告げた
「自分が描きたい物語の責任は自分でもて」という言葉をどう受け止めてくれたか。その
結末がまた思春期真っ只中で実に熱い。こんな平和な日々が送れるのが羨ましい限りです。

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2019年06月26日

『モンスター娘ハンター 〜すべてのモン娘はぼくの嫁!〜』

おかえりなさい、ということで 折口良乃 先生が「電撃文庫」から贈る新作は、魔導国の
ハンターが異種族の女性たちに求婚しまくる顛末を描くモン娘ハーレムファンタジーです。
(イラスト:W18 先生)

https://dengekibunko.jp/product/321903000171.html


魔導ギルドに所属し異種族のトラブル解決にあたるハンター“ユク”は依頼をこなす傍ら
異種族の結婚相手を求め旅する生活を続ける。彼の従者でメリジューヌ族の“メリー”も
呆れるほどの異種族好きである彼はオーク族に攫われた村娘を助ける依頼を受けるが──。

気まずい展開から出会った“リボー”にも問答無用でプロポーズする“ユク”の本気ぶり
に一歩引きがちになりますが、続く“モノカ”や“ミューディ”に対してもアプローチを
掛けるその真意が見えてくると応援したくなります。それにしてもモン娘がいっぱいです。

そんな中で見せる“メリー”のガードの異様なまでの固さ。支援役に徹する彼女の理由は
“ユク”の出自にも関連するため、そこを突き崩せるか否かも話のポイントになるかと。
先生独自のモン娘論に基づいた魅力的の女性たちを次巻以降も描いてくれると信じてます。

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2019年06月25日

『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』

佐伯さん 先生が「GA文庫」から贈る新作は「小説家になろう」投稿作の書籍化作品。隣に
住む学校一番の美少女から世話を焼かれる自堕落な少年の日常を描くじれったい恋物語です。
(イラスト:和武はざの 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815602482.html
https://ncode.syosetu.com/n8440fe/


独り暮らしで汚部屋生活を続ける“周”。容姿端麗、文武両道で天使と称される“真昼”。
ある雨の日、彼女が傘も差さずにブランコへ腰掛ける姿を見た彼は普段、交流も無いのに
つい傘を渡し風邪をひく破目に。それを見た彼女は「借りは、返します」と言い出し──。

思いがけず汚部屋を片づける契機を得た“周”は“真昼”の普段とは違う一面を垣間見る
境遇を得ていきます。ドライな関係と2人共に位置づけるお隣さんの付き合いが、徐々に
スキンシップや、ドキッとする仕草につながっていく様子がこそばゆくて思わずニヨニヨ。

周囲にはどことなく後ろ暗い関係を隠していく2人がお節介焼きな“周”の母親や、彼の
友人たちにそれがバレていくことで関係がより深まっていく展開も見どころかと思います。
十全には見えていない“周”の行動原理や背景が今後どう影響するのか注目したい点です。

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2019年06月24日

『リベリオ・マキナ2 ―《白檀式》文月の嫉妬心―』

ミサキナギ 先生が贈る正義と反抗のバトル・ファンタジー。第2巻は白檀式の人工頭脳に
纏わる謎を追求すべく世界有数の大企業に“カノン”たちが探りを入れる過程を描きます。
(イラスト:れい亜 先生)

https://dengekibunko.jp/product/machina/321812000885.html


プロローグで《白檀式》への強い執着を見せる“シャチョー”と彼をそう呼ぶ少女が今回
“カノン”たちに大きな壁となって立ちはだかることになります。まだまだ未熟な彼女が
どうやってあからさまに怪しい巨大勢力と立ち向かうのかが熱い展開で見所の一つです。

そしてもう一つ。“カノン”に対して過保護であったり、食事の堪能方法に難がある所を
見せる“水無月”が、彼女の窮地を救う過程で手を組むことになる“リタ”のことをどう
認識しているか。この結論に彼の《白檀式》としての成長が感じられてとても感慨深い。

“リタ”が体当たりで感情をぶつけてくれたからこそ導けた結末が微笑ましく、それ故に
深まる絆の行方も大いに気になる要素です。サービスシーンにも貢献して頂きましたし。
世界を揺るがす更なる騒動の火種を前に“カノン”たちがどう対峙するか興味津々です。

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2019年06月21日

『魔女と使い魔の猫』

「猫と竜」シリーズの アマラ 先生が贈る新作は、人々が暮らす世の中で自由闊達に生きる
魔女たちと、彼女らを支える使い魔の面々を描くファンタジー小編を7つ収録しています。
(イラスト:大熊まい 先生)

https://tkj.jp/book/?cd=TD295026


人の世において忌避され、迫害の対象となる魔女の存在。そんな中にあっても、恋に研究に
時には探偵業にいそしんだりして喜怒哀楽を前面に出し、魔女として生きることを謳歌する
様子が描かれています。「善行は魔女の技ならず」みたいに巡り巡って好転する話が好き。

そんな魔女たちを支える使い魔たちの苦労する姿にもご注目いただきたい。カエルやネズミ
といった小動物がどうやって使い魔としての役割を果たすのだろう、なんて疑念を払拭する
名脇役ぶりを魅せてくれます。“ジルエッダ”の扱いに慣れたあの人形とか実に良いです。

駆け出し魔女“イースイーズ”と緑の魔女“ティリーベル”、続く短編で描かれる始まりと
終わりが印象深く、最後の挿絵で彼女と一緒に危うく涙する所でした。短いエピソードの
積み重ねで話を魅せてくる作り方はまさに アマラ 先生ならでは。ステキな短編集でした。

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2019年06月20日

『人形剣士〈ドールブレイブ〉は絶ち切れない2 一等審問官ガルノーの決断』

林星悟 先生が贈る、人間と人形の絆を描く物語。第2巻は“ブレイス”と“リネット”を
敗北せしめた「吹雪の主」を巡る謎、それを追う人々の深く悲しい運命に触れていきます。
(イラスト:ニリツ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/dollbrave/321812000461.html


職人の街にいる腐れ縁の“ニア”のもとを訪れた“ガルノー”が、大切な人“ルフナ”に
空一面の花火を見せたいと修業する“クロシェ”と邂逅するまでの流れは和やか。しかし
彼女がやらかしたヤンチャな行動が話を想像以上に揺り動かしていく流れに驚かされます。

“ブレイス”たちを助けてくれた審問官“レッド”と「吹雪の主」との意外な縁。さらに
“ニア”と“ガルノー”の深く拗れた関係、そして何より糸で繋がらない“リネット”と
“ブレイス”の葛藤。想いを複雑に絡めながら「吹雪の主」の真実に迫る展開が熱いです。

今巻は“ブレイス”の力量を上げるための本筋とは別に、戦い続ける彼らを、攻撃魔法を
使う者の想いを前に葛藤を続けた“ガルノー”に一つの決意をさせるための枝道な話にも
ぜひ注目してもらいたい。今はただ“クロシェ”の未来に幸あることを願うばかりです。

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2019年06月19日

『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』

二丸修一 先生が贈る新作は、幼なじみの少女に好意を抱かれつつ、初恋の女の子へ想いを
募らせる少年が、相手に彼氏ができたと聞き幼なじみと結託する顛末を描くラブコメです。
(イラスト:しぐれうい 先生)

https://dengekibunko.jp/product/321812000887.html


文学界の登竜門となる賞を受賞し現役女子高生作家として活躍する“白草”。彼女の作品を
読み感動した“末晴”は、直接その感情を伝える。彼女が見せた笑顔に恋心を募らせた彼は
高校の「告白祭」でアタックを試みるが、幼なじみの“黒羽”から不穏な話を耳にする──。

親の七光りで俳優デビューした“阿部”と交際を始める“白草”に対する復讐を“末晴”に
持ち掛ける“黒羽”の「親友」という立ち位置が物語を進める中で絶妙な効果を上げてくる
のが面白い。“白草”が冒頭で彼に見せた笑顔の意味も、興味深い要素として見逃せません。

諦めたくても諦めきれない、そんな想いを錆びついた武器一つで相手にどう叩きつけるのか。
“末晴”の意外な生き様と「告白祭」での思いがけない結末はラブコメの真骨頂として必見。
本当に幼なじみは絶対に負けないのか、続きを読ませてほしいと思えるオススメの作品です。

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2019年06月18日

『ふしぎ荘で夕食を 〜幽霊、ときどき、カレーライス〜』

村谷由香里 先生の「第25回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞」受賞作。おんぼろな
シェアハウスで大学生活を送る青年がちょっと不思議で、そして切ない出来事に遭遇します。
(イラスト:ゆうこ 先生)

https://mwbunko.com/product/321812000048.html


「深山荘」に下宿する“七瀬”は大家の孫娘“夏乃子”に仄かな感情を抱きつつ、同居人
たちと穏やかな日々をすごしていたが、ある日、下宿先にまつわる幽霊の噂話を耳にする。
そんな折、夜更けに窓の外へ何かの気配を感じた彼は幽霊の視線と目が合ってしまい──。

“児玉”が見せる特殊な嗜好もアレですが、新しく引っ越してきた“沙羅”も意外な一面
を、それを言うと“夏乃子”も持っている「深山荘」の面々。騒動を機に不思議な事象に
巻き込まれる“七瀬”を見ているとプロローグで描かれた一面がフラッシュバックします。

「深山荘」に良くないものが棲みついているから祓うと訪れたある人物が物語を決定的に
動かしていき、「生地山神社」という重要スポットの意味を示されると驚かされますし、
物悲しくなるというものです。夕食に込められた様々な想い、ぜひ味わってみてください。

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2019年06月17日

『破滅の刑死者 内閣情報調査室「特務捜査」部門CIRO-S』

吹井賢 先生の「第25回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞」受賞作。国家機密の消失
という一大事に対し捜索に乗り出す女性と手掛かりとなる青年の数奇な生き様を描きます。
(イラスト:カズキヨネ 先生)

https://mwbunko.com/product/321901000100.html


世間には存在しないことになっている部署「CIRO-S」に所属する“珠子”は、事件当時の
様子を探るため現場にいた大学生“トウヤ”に話を聞く。すると彼は親の借金を肩代わり
する友人のため単身、暴力団事務所を訪れ命懸けの賭け麻雀をしていたと言い出し──。

尋常ではないギャンブル狂いな“トウヤ”の無鉄砲な振舞いに振り回されつつ“珠子”が
国家機密「Cファイル」の存在、それを狙う犯罪組織「フォウォレ」の行方を掴んでいく。
その緊張感あふれる展開、一癖も二癖もある人々の振舞い、そして異能に惹き込まれます。

とかく“トウヤ”の言動に目が行きがちなこの物語、実は衝撃の事実を前にした“珠子”
を通じて信条に基づいて生きる、その根源を読み手にも問いかける話でもあったのかも
知れません。それぞれの想いを賭けたが故の結末は必見と言えます。ぜひ、お見逃しなく。

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2019年06月13日

『道化か毒か錬金術 2』

水城正太郎 先生が贈る錬金術アクション。第2巻は皇帝からの要請で宗教紛争にまつわる
悪魔の調査に純正聖教ご推薦の学生をパートナーに加えて“アルト”たちが乗り出します。
(イラスト/Ume 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/843.html


冒頭で見せたスパイ養成学校での“エイヴリー”に関する逸話。気難しいというか融通が
利かない感じ学生である彼が純正聖教から推薦を受けた理由。それを巡ってここまで話が
発展するとは。“アルト”とはまた違う自分勝手に振り回された彼には切なさが募ります。

今回登場する悪魔に対抗すべく「混沌の蝶」と手を結ぶことも選択肢に入れる“アルト”。
そんな彼に“イングリド”が猛抗議するもいつもの手癖の悪さで懐柔されるあたりは良い
相棒ぶりをみせているな、と感じます。“ロサ”も付き合いがよくて見ていて面白いです。

冒頭で皇帝“ジャン”が“アルト”に向けた感情、というか仕掛けに“イングリド”共々
驚かされたものですが、巻末まで読み進めてそのこじらせ具合は想像以上で更にビックリ。
思い通りにさせないために内に外にと活動し続ける“アルト”に同情を禁じ得ない所です。

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2019年06月12日

『葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王』

一ツ屋赤彦 先生の「第24回スニーカー大賞・金賞」受賞作。数多の国が群雄割拠する大陸
で種族間の通訳の仕事を探す少年が豹人族の姫と出会い、王に至るまでの経緯を綴ります。
(イラスト:紅緒 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/budo-tairiku-monogatari/321903000007.html


豹人族の姫“シャルネ”は大国バツの王に嫁ぐことが決まっている身ながら、天真爛漫が
すぎて花嫁修業も身につかず世話役の“キリン”も手を焼くほど。流民団で大陸すべての
言語を喋れる“メル”は、ヒトの王との橋渡し役として彼女の教育係に抜擢されるが──。

“シャルネ”に対してヒトの言葉や習慣を覚えさせるために“メル”が手を打った方法が
思いのほか彼女に効いたようで、ロマンスの花咲く展開が微笑ましい。しかし、それすら
彼を抜擢した小国の王“エデル”の思惑の範囲内、という興味深い流れで話が進みます。

バツの王の人でなしぶりに“シャルネ”が反発したことで窮地に陥る小国を救う術として
“エデル”が選んだ“メル”がどう大国に立ち向かっていくか、これがまた魅せる展開で
読み終えた後も心温まる余韻を残してくれます。ぜひ続きが読みたい、お薦めの作品です。

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2019年06月11日

『14歳とイラストレーター7』

むらさきゆきや先生がイラストレーターのガチな日常を綴るお仕事コメディー。第7巻は
“水織”に誘われて突如Vチューバ―としてデビューする“悠斗”が業界の闇に迫ります。
(イラスト・企画:溝口ケージ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/fourteen/321810000837.html


“愛澄”は本当に男運も、女運も悪いという展開に。かつて“悠斗”が彼女に渡した指輪
について言及されてはいけない人に見られてしまったり、と彼にとっても二次災害っぽい
流れでどうなることやら、と思いましたが斜め上な方向から解決したのでひとまずは安堵。

Vチューバ―界隈は盛況、とのことでラノベ界隈も盛り上がっていきたいものと羨む中で
ネット上でも話題になった事務所との契約問題に言及する話は色々考えさせられるものが。
荒事にせずどう解決するかは見ていただくとして、“水織”の今後の動向が気になる展開。

次なる同人誌は“乃ノ花”と“水織”の合同誌。表紙は両者で持ち寄ってのコンペという
ことで判定する“悠斗”はどう裁定を下すか。その判断根拠も中々のもので要チェック。
作中にあった重要な要素「面白そう」という感情を創作物にどう活かすか注目してみます。

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2019年06月10日

『ようこそ実力至上主義の教室へ11』

衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。第11巻は1年最後の特別試験にて司令塔として
矢面に立つ“綾小路”がクラスの面々と共に“坂柳”率いるAクラスと直接対決を迎えます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/321902000048.html


前回試験で賞賛票1位を得た、という関係者以外が見れば不可解に感じる疑念を払拭する
意味でも今回の「選抜種目試験」で退学を回避するためプロテクトポイントを使う立場に
収まった“綾小路”。後から見ればこれが「相手」のやりたかったことで実にえげつない。

“山内”退学の動揺、そしてそれを止められなかった“平田”の非協力的な態度から結束
しきれず、一人フォローに回る“みーちゃん”の苦労も報われず、で打つ手なしな状況を
どう乗り切るかが見どころ。“綾小路”の本性が知られていくのは吉と出るか凶とでるか。

そして冒頭にある“坂柳”の独白が予兆する一騎打ちもついに実現。結果に関してはご覧
いただくとして、彼女の対応には色々と好感が持てます。今回前面に出てきた敵に対して
共闘する場面も今後期待できそう。次は2年生編の前に話を挟むということで楽しみです。

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2019年06月07日

『レイジングループ REI-JIN-G-LU-P 2 不浄の民』

アドベンチャーゲーム「レイジングループ」のシナリオライター、mphibian 先生が自ら
小説版の執筆に臨む本作。虚淵玄 先生の解説に推されながら、第二巻が堂々の登場です。
(Illustration/影由 先生)

https://www.seikaisha.co.jp/information/2019/05/08-post-rlfic2.html


“狼じじい”の死が教えてくれた「けがれ」と異なる、明確な人間の殺意。渦巻く疑念が
最後の宴で「おおかみ」の存在を明かしたとしても時すでに遅し。死に戻りの力をもって
しても掴めなかった休水の謎を解く鍵を“陽明”に教えた「彼女」の、あの表情が切ない。

最悪の結末を迎え、この物語へのアプローチの仕方をイチから見直す“陽明”。試行錯誤
していく描写は実際にノベルゲームをプレイしているかのような感覚を味わって、思わず
ほくそ笑んでしまうほど。ホラーな話を読んでいることを忘れる面白さも内包しています。

何度もやり直した結果として得た知識、人間関係を俯瞰しながら新たな展開で16人揃って
宴の支度に向かう“陽明”に期待を高める展開を、思いがけない形で引っくり返していく
「あの人物」の声と姿。彼にまだ何が足りないと言うのか。次巻も目が離せないようです。

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2019年06月06日

『サラリーマン流 高貴な幼女の護りかた 2』

逆波 先生が贈る異能剣戟アクション。第2巻は辞令により“日桜”を護衛する人を離れて
単身で京都支部に異動した“平蔵”を新たな護衛対象とそれに纏わる陰謀が待ち受けます。
(イラスト/Bou 先生)

https://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865544930
https://ncode.syosetu.com/n8489dw/


京都三家を軽視する“鷹司”に灸を据えてやろう、という思惑に巻き込まれた“平蔵”。
彼にべったりな“日桜”の気持ちを知ってか知らずか、辞令を受け取ってすぐに京都へ
向かってしまうあたり、“裂海”に電話越しで怒鳴られるのも止む無しと言うしかなく。

いざ出向すると“平蔵”に対する扱いもぞんざいで、護衛対象の“千景”も継承権19位
と狙われる理由も見当たらない、と不可解なことばかり。そこに京都支部の暗部を見た
彼が彼女を小学生でありながら一人立ちさせようと奮闘する展開が続くのは心苦しくて。

“平蔵”のことを訝しんでいた“千景”が次第に心解いて想いを寄せていく変化が実に
愛おしい。対する彼はどんどん人外じみてきてどこへ向かうのか戦々恐々たる思いです。
事を片づけた彼にはまず“日桜”の心の安寧に努めてほしいと願わずにはいられません。

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2019年06月05日

『ピンポンラバー3』

谷山走太 先生が贈る青春卓球ストーリー。第3巻は全日本ユース選抜強化合宿に参加する
“翔星”の前に幼馴染で好敵手の“晴海”が現れ、代表の座を賭け切磋琢磨していきます。
(イラスト:みっつばー 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517866


再会した“晴海”の驚くべき成長ぶりを見て熱く血を滾らせる“翔星”の卓球バカっぷり
もさることながら、代表コーチ“荻原”にのっけから弱点を指摘されて出鼻をくじかれる
“瑠璃”の負けん気も「らしさ」を感じます。指摘する“椿”もとんでもないですけど。

かねてより、また冒頭でも独白した“椿”の想い。その考え、感情に至った経緯を改めて
振り返る過程は重くのしかかる現実を突きつけてくると共に、彼女がひた隠しにしてきた
秘密を白日の下に晒します。“翔星”がこれに心揺さぶられるのも止む無しというもので。

全てを知り、代表を決めるトーナメント戦で「勝てば“椿”をもらっていく」と宣言した
“晴海”を前に心穏やかでない“翔星”は戦いきることができるのか。勝負の意外な結末、
更に“椿”に対して彼はどう結論づけたのか。印象深い顛末は必見で、次巻も期待大です。

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2019年06月04日

『聖剣学院の魔剣使い』

『精霊使いの剣舞』を完結させた 志瑞祐 先生が贈る新作は、神々との戦いに敗れた魔王が
勝機を胸に千年後の世界で10歳の少年に転生する顛末を描く学園ソード・ファンタジーです。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/seikengakuin/321812000465.html


千年後に現れる“反逆の女神”の力を宿す人の子が魔王軍を復活させる。その予言に従い
転生した最強魔王“レオニス”はなぜか10歳の少年になって、未知なる敵ヴォイドと戦う
戦術都市に保護される。何もかもが違い、ままならない彼はかの約束を果たせるのか──。

本調子ではない“レオニス”を助けた“リーセリア”・・・のはずが意外な形で助けられる
ことになる顛末がまず興味深い展開で話に惹きつけられます。というか、10歳の姿だから
といって色々とイイ思いをしすぎじゃないですかね、と彼には突っかかりたくなるもので。

聖剣を巡る顛末、魔術が失われた経緯、ヴォイドとの因果関係、その他諸々を絡めとった
“レオニス”がしっかりと力を見せつけてくれるバトルも見所です。何より 遠坂 先生の
挿絵が演出としても秀逸でオススメ間違いなし。順調な滑り出しを見せた続きも期待です。

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2019年06月03日

『リアデイルの大地にて2』

7月から 月見だしお 先生の漫画連載も始まる、Ceez 先生の「小説家になろう」投稿作。
第2巻は“マイマイ”の手紙を手に、隊商と北の国へ向かう“ケーナ”の旅路を描きます。
(イラスト:てんまそ 先生)

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身から出た錆、ということで見ている分には楽しいもののご愁傷様な感じの“マイマイ”。
思いがけない形で人の縁、家族の絆が広がっていくのは“ケーナ”の人徳かも知れません。
あしらい方が紙一重なので危なっかしいのがアレですけど、それはそれで楽しくもあって。

旅路の途中でついに出会った“ケーナ”以外の「プレイヤー」。これもまた両極端な例を
示してきて、彼女としても思う所ある展開に。伝え聞く“オプス”の存在感がまた強烈で
印象深い中、彼が託した「あの子」の存在が今後どう物語に影響してくるか、要注視です。

騒動に巻き込まれる体質とも揶揄される“ケーナ”が辺境の村に腰を落ち着けてみようと
考える場面でも更なる火種を呼び込むあたりは彼女らしく実に微笑ましい。その雰囲気を
脅かすようなエピローグの描写が、月見 先生によるコミカライズと併せて気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル