2018年06月22日

『魔王の始め方6』

オンラインゲームも好評配信中となる、笑うヤカン 先生のダークファンタジー。第6巻は
新大陸を任せた“ソフィア”の成長を見届ける“オウル”に更なる難題が降りかかります。
(イラスト:新堂アラタ 先生)

http://ktcom.jp/bn/bn040
https://novel18.syosetu.com/n6426w/
http://www.comic-valkyrie.com/modules/web_valkyrie/maouno/
http://www.dmm.co.jp/netgame/social/-/gadgets/=/app_id=463002/


おあずけを食う“イェルダーヴ”を驚愕させる“ザナ”の強襲、そして駆け引き。真意に
気付いた“ソフィア”の機転を活かす形で姉妹の運命を引き寄せるあたり、“オウル”も
抜け目がありません。“イェルダーヴ”の変貌ぶりに対抗意識を燃やす“リル”が可愛い。

“サリハ”を献上したりするあたりに“オウル”も困惑する“ソフィア”の思惑。そこに
危うさを感じさせつつ突如舞い込んでくる“テナ”の先見。“オウル”の抗えぬ死という
意味が明らかになると共に手詰まり感が増していく展開が緊迫の雰囲気を醸し出します。

紙一重に近い解決方法で事なきを得た“オウル”が用意された乱交の場を堪能する最中に
“マリー”から提案された内容に彼が驚くのも無理はなく。更に明かされた顛末を結ぶに
ふさわしい最大の謎を踏まえて、彼の選ぶ愚かしい決断が未来を切り開くことを願います。

posted by 秋野ソラ at 01:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年06月21日

『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第四部「貴族院の自称図書委員3」』

香月美夜 先生が贈る大人気ビブリア・ファンタジー。第四部・3巻は冬の終わりを迎える
“ローゼマイン”が神殿や貴族院で忙しなく過ごす中、避けられない新たな節目が訪れます。
(イラスト:椎名優 先生)

https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=127856217


“ハンネローネ”という同好の士を見つけた興奮からお茶会を台無しにしたり、想定外の
方法で“エグランティーヌ”たちに祝福を与えたり、と社交に力を入れる“ローゼマイン”
のやらかし具合が今巻も微笑ましい。“ユストクス”が苦言を呈するのも納得の展開です。

引き続き忙しい日々を過ごす“ローゼマイン”が冒頭で見た、長い長い夢。それが結びの
「大事なお話」を暗喩するかのようで、読み返してみるとまたグッとくるものがあります。
心折れそうになる決断を下してもなお、前を向いて笑い合える彼女の気丈さには感服です。

良い仲に誤解される“ルッツ”と“トゥーリ”、2人が「大事なお話」をどう受け止めた
のかを描く短編「時の流れと新しい約束」がなおのこと胸に響きます。巻末マンガであの
例え話を活かしたネタが中々にツボでした。あの発表が物語をどう動かすのか、注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年06月20日

『この度、公爵家の令嬢の婚約者となりました。しかし、噂では性格が悪く、十歳も年上です。』

市村鉄之助 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。家督を継げない男爵家の長男に
舞い込んだいわくつきの婚約話。刺々しい彼女の隠された想いに気付けるかが問われます。
(イラスト:夕薙 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/release/#978-4-08-631246-2
https://ncode.syosetu.com/n1669do/


剣の一族に生まれるもその才能はなく、家督を継ぐことが許されなかった“ジャレッド”。
縁談の席で“オリヴィエ”から追及された彼があっさり認めると「宮廷魔術師を目指せ」と
彼女は難題を突き付けてくる。彼女との交際はともかく彼は難題に向き合うのだった──。

母“ハンネローネ”と専属メイド“トレーネ”の3人暮らしな“オリヴィエ”の頑なな姿勢
とは裏腹に2人からは覚えの良い“ジャレッド”。婚約話で彼もやっかみを受ける中、その
周囲にある陰謀が渦巻いていることを知ってから、彼女の印象が変化していく所が興味深い。

宮廷魔術師になるべく魔術師協会からの難しい依頼に臨む“ジャレッド”が“オリヴィエ”
に対して力強く宣言するあたり、そして有言実行で示してくれる場面がとても格好良いです。
彼女の心が解きほぐされていく様子は見ていて微笑ましくなることうけあい。オススメです。

posted by 秋野ソラ at 00:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年06月19日

『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。2』

しめさば 先生が贈るサラリーマンと女子高生の日常ラブコメディ。第2巻は“沙優”の
やりたいことを引き出そうとする“吉田”に思いがけない出来事が立て続けに起こります。
(イラスト:ぶーた 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/higewosoru/321803000503.html
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882739112


バイトを始めた“沙優”の同僚“あさみ”が“後藤”にとっても救われる存在で、全編を
通じて読み手としても有難い存在だと分かる、良いキャラです。それにしても“後藤”が
明かした想いが意味する所は汲むものの中々にズルくて彼が困惑するのも無理はないかと。

なんだかんだ言いながら続けてきた歳の差、性別の差を超えての同居生活。それが不自然
だということを“沙優”に対して、そして“後藤”に対して厳しく告げる人たちの言葉が
痛々しく刺さります。分かっているのに気付かないふりをしてきた二人の葛藤が生々しい。

そこへ決定的な事件として“沙優”に「過去の未練」が襲いかかります。“吉田”に日々
守られてきたことを痛感する彼女が何を思うのか。それに対して彼がどう向き合うのか。
交わした約束が示すその意味を噛みしめつつ来たるべき日の訪れを待てたらと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年06月18日

『静かの海 その切ない恋心を、月だけが見ていた 上・下』

筏田かつら 先生が贈る新作は「小説家になろう」投稿作の単行本を加筆修正して文庫化。
就活に失敗した大学生とボーイッシュな少女の出会いから始まる年の差恋愛を描きます。
(イラスト:LAL!ROLE 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=TD285003
http://tkj.jp/book/?cd=TD285027


せっかくの採用内定を取り消された“行成”が気を腐らせていると、飼い犬に逃げられた
小学生の“マサキ”に助けを求められる。別の日に雨宿りする“マサキ”と偶然再会した
“行成”はその、どこか憂いげな様子を気遣って自宅へ来ることを提案してみると──。

引越しをして新しい学校に馴染めない“マサキ”にとって、気さくに話せる“行成”との
やりとりは心の支えになっていくものの、それは彼がボーイッシュな“マサキ”を男子と
信じて疑わないからこそ。微笑ましくも綱渡りのような危うさは緊張の糸が張るかのよう。

やがて仄かな想いへと変わる“マサキ”の気持ちも知らぬまま、関西にある会社への就職
を決め、彼女も作る“行成”。内心ではショックな彼女にも、彼女が好きだという男子が
現れたり、いじめが発生したりでどうなっちゃうの〜? というところまでが上巻の展開。


下巻では家族のこと、進路のことで悩む“マサキ”へ追い打ちをかけるように“行成”が
助けに入り、彼女の想いもより深くなっていきます。彼女もまた好意を寄せている男子の
気持ちも知らないで、という似た者同士な様子を見せるのが面白くて、そして切なくて。

やがて来る決定的な瞬間を前に不安や不満など気持ちが押さえられなくなった“マサキ”。
受験を乗り越え、卒業式を間近にした彼女が意外な形で様々な人たちの感情に触れていく
場面の一つ一つが胸に刻まれていくかのようでした。その間に彼がいないだけ、余計に。

亡き父が残した月の石、そして「静かの海」というキーワード。時間や距離という概念を
超えて結びつく「誓い・約束」は必ずしも果たされるとは言えませんが、2人の出会いが
この先「人を好きになる」ことへの可能性を感じる一助になることを願って止みません。

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2018年06月15日

『魔王を倒した俺に待っていたのは、世話好きなヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。』

かじいたかし 先生が贈る新作は、倒した魔王の力を受け継がされたことで世を追われた
勇者が身を隠して出会った錬金術師の少女によって生活を一変させていく顛末を描きます。
(イラスト/ふーみ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/789.html


錬金術師“ヨメ”は森の中でモンスターに襲われている所を通りがかった青年“イザヤ”
に助けられる。近くに隠棲するという彼に接触したことで魔力が増大したことに気付いた
彼女が問いただすと彼は驚くべき事実を明かす。興味が沸いた彼女はある提案をする──。

魔王に押し付けられた魔力が活用できる、と気付かせてくれた“ヨメ”と持ちつ持たれつ
の関係を結んだ“イザヤ”。彼を甲斐甲斐しく世話する彼女の言動はまさに嫁のようで、
これが実に可愛い。仕事上のパートナーという割には姉に嫉妬してみたり、とかもうね。

共同生活を営む“ヨメ”へのやっかみから勝負を挑んでくる同業の“マリーゴールド”。
彼女の登場を機に、ひとりじゃないということは素敵なことだということを印象づけて
くる話運びに心が温まります。“ヨメ”が酒で次々に失敗してくれることを期待します。

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2018年06月14日

『魔術破りのリベンジ・マギア 4.絶唱の歌姫と魔女たちの祭宴』

子子子子子子子 先生が贈るハイエンド魔術バトルアクション。第3巻は魔女学園に戻った
“晴栄”たちが季節の祭典でエキシビションマッチに臨むなど、お祭り騒ぎを楽しみます。
(イラスト/伊吹のつ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/787.html


「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」こと ねこます 氏とも本編でコラボする
あたりは時代というか、界隈の勢いを感じます。まぁ、“狐狼丸”カワイイですからね。
冒頭で“晴栄”に釘を刺した監査官“ヴェロニカ”からの忠告も吹き飛ぶというものです。

“鴨女”の攻勢、“フラン”との再会、“露花”の転入と“晴栄”を囲む女性陣に羨望の
眼差しを向けたくなる中で、新たに「七虹の魔女」の一人“シナトラ”に目をつけられる
訳ですが……大丈夫かこの学園、という一面をも見せつけてきます。考えた先生すごいわ。

共感覚に関する相談に乗ってもらう“シナトラ”からの願いで特別実演をすることになる
“晴栄”が、その意外な戦い方に対してお祭りらしいスタイルで応じる場面が盛り上がり
を魅せます。それぞれの奏でる音色が楽しい青春の色に染まることを願って止みません。

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2018年06月13日

『戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉 8』

SOW 先生が贈る街角パン屋繁盛記。第8巻はワイルティア国内に混乱の火種がくすぶる中、
“ルート”の店に“スヴェン”の父親だと主張する謎の人物が現れ周囲が騒然となります。
(イラスト/ザザ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/785.html


冒頭の意味深長な場面挿入が“ルート”たちや“ダイアン”らにどう直撃するか。続々と
降りかかる事件の先に見える「悪魔」や「聖女」といった存在が物語をどうかき回すのか
注目が集まります。今のところ、巻き込まれる方はたまったものではない感じはしますが。

“ルート”も知らないパン作りの知識も活かして彼の店に厄介となる“マイッツァー”が
これまた“スヴェン”も手を焼く曲者で。興味津々な二人のやり取りを注意深く見守る中、
“レベッカ”が思いがけず役得に恵まれるシーンに今巻では一番救われる思いがしました。

思わせぶりな“マイッツァー”が、“ルート”と“スヴェン”に見て見ぬふりをしていた
事実と向き合うきっかけを与え、そして二人がそれを再認識する……余裕もなく騒々しい
3日間の終わりと、未曽有の経験をもたらす9日間の始まりを告げる引きが気になります。

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2018年06月12日

-インフィニット・デンドログラム- 7.奇跡の盾』

海道左近 先生が贈る絶好調VRMMOファンタジー。第7巻は“ネメシス”の第三形態が未知数
という点に困惑を隠せない“レイ”の前に、これまた相性の悪い古代伝説級の敵が現れます。
(イラスト/タイキ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/786.html


スキルを解析する手伝い、と称していきなり投擲されるとは。“ネメシス”も不憫な娘で。
そんなのほほんとした情景から一転して「コクテン様」なる圧倒的な悪意にも不屈を貫く
彼が“ネメシス”の第三形態でどう立ち回るのか。繰り広げられるバトルが今巻も熱い。

戦いの舞台となるトルネ村で“レイ”を狙うPK騒動が発生するも“ビースリー”が制裁に
乗り出す場面が容赦なくて実に爽快。見せ場の一つです。“リューイ”のエピソードでは
思わせぶりな話をこれでもかと盛り込んで最後に引っくり返してくるあたり、素敵です。

巻末に入れこまれる外伝で描かれるのは“シュウ”の冤罪投獄騒動。裏で“ルーク”が
捜査に乗り出してあっさり見つける「正体不明」な真犯人の珍妙な行動にどう対処するか。
エピローグに至る過程を楽しむと共に、地獄の特訓の成果が活かされるか注目したいです。

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2018年06月11日

『好きって言えない彼女じゃダメですか? 帆影さんはライトノベルを合理的に読みすぎる』

玩具堂 先生が贈る新作は、ライトノベルをもとに不可思議な理論を展開する少女とその
彼氏のはずの少年、彼女の言動に振り回される彼の妹、3人を軸に描かれるラブコメです。
(イラスト:イセ川ヤスタカ 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/hokagesan/321803000497.html


ある事情から毛嫌いするラノベのことをこれまた嫌いな兄に教えを乞うことになる“映”。
“天太”は漫研の“伊井坂”を紹介するが早速、女性キャラが胸を強調する絵に噛みつく。
そこへ文芸部員の“帆影”が、それは「人類の本質に関わる話」だと持論を展開する──。

胸にコンプレックスを抱く“映”に対して殊更「おっぱい」を連呼したり、壮大な話へと
繋げたり、奇矯な女の子という印象を受ける“帆影”。彼氏であるはずの『天太』が首を
傾げたくなるのも納得で。それにしても『子ひつじは迷わない』の使い方は絶妙でした。

“映”がラノベのことを知ろうとした契機にも関与してくる“帆影”の誤解を招く発言の
数々を訝しむのも無理はなく。“帆影”も自覚していますが最後まで読めばその不信感は
払拭され、謎多き彼女が可愛いと目に映ること間違いなし。推していきたいラブコメです。

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2018年06月08日

『笑う書店員の多忙な日々』

石黒敦久 先生が贈る新作は、とある駅前にある本屋を舞台に業界の苦境やお客様トラブル
にもめげることなく笑みを浮かべながら本を売る、そんな書店員さんらの日常を描きます。
(イラスト/uki 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-893880-8/


本屋に憧れを抱き、お嬢様として育てられた親元を離れ、東京の小さな書店でアルバイト
を始めた“紗和”。「一週間もつかどうか」ベテラン勢からすれば憧れだけで勤めるのは
難しいと揶揄する中、教育係として“奈津”は彼女の働きぶりを注視していくのだが──。

年に8万もの書籍が刊行される中で本屋が置けるものは一握り。好きな本ではなく売れる
本を並べるのが本屋だということを、“紗和”の視点から痛烈に感じ取ることができます。
本来なら知り得ない書店員によくある話題を垣間見れる背徳感に似た面白さが味わい深い。

だからこそ「八万分の一の一」で“奈津”が“紗和”と組んで、売れるかどうか未知数の
新人作品を売りたいと色々なものに抗おうと奮闘する様子が熱く胸に響くものがあります。
期待の本を売る顛末を経て彼女らは笑うことが出来るのか、ぜひ読んでお確かめください。

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2018年06月07日

『ゲーマーズ! 10 天道花憐と不意打ちアップデート』

葵せきな 先生が贈る、こじらせゲーマーたちのすれ違い青春ラブコメ。大台に乗る第10巻
は“亜玖璃”を賭けた“真音”との激戦を経て“景太”が迎えるバレンタインを描きます。
(イラスト:仙人掌 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321703000998


「雨野景太濃いめラテ」の供給とはよく言ったもので、冒頭の熱い激戦は何だったのかと
言いたくなる“景太”のやらかし具合には思わず苦笑い。とは言え、彼の煮え切らない
恋愛感情をいやが上にも掻き立てていく“真音”の強気な言動から目が離せない展開です。

何だかアレなチョコを準備する“花憐”など、女性陣とそれなりに近づいた距離感を認識
しながら迎えるバレンタインの結果が何を意味するか。それに気付き戦慄する“景太”の
ヘタレ具合に釘を刺すのもまた“真音”であり、彼を行動に移させたのは功労賞モノです。

何だかんだ言いながらもイイ雰囲気を作り出していく“景太”と“花憐”。実に羨ましい
様子を眺めながら“真音”対策に余念がない彼らを懲りない奴らだとつい見守りたくなる
なんて余裕に構えていたらあんな引きを用意してくれて、泥沼にならないかと心配です。

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2018年06月06日

『ようこそ実力至上主義の教室へ8』

衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。第8巻は「vs2年生編」として3学期に突入した
1年生が2年生、3年生と合流しグループ分けをして臨む混合合宿で波乱の幕を開けます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/321712001035.html


他クラスのみならず他学年まで巻き込んでのグループ分けで軋轢が生じようがお構いなし。
静観を決め込んだ“清隆”の思いを他所に“堀北”兄に勝負を挑む“南雲”や、何者にも
左右されない“高円寺”、動きがないだけに不気味な“龍園”など不安要素が満載です。

“高円寺”の行動理念が垣間見えましたけど、これは喰えない存在だと再認識する所で。
それにしてもアレの勝負にまで駆り出させるとは。更に挿絵指定してくるあたり攻めの
姿勢が窺えるというもの。話の筋からは全く外れる逸話でしたが、妙に印象に残ります。

今回は退学のリスクが高い、ということで各所の動向に神経を尖らせる“清隆”が掴んだ
“堀北”兄の弱み。そこに“南雲”がどう付け込むのか。中々えげつないので一見の価値
アリかと。予想以上に強敵な“南雲”に“堀北”兄は対応しきれるのか、気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年06月05日

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア10』

シリーズ累計900万部超! 大森藤ノ 先生の大人気シリーズ「ダンまち」スピンオフ作品。
第10巻は竜女を助けた“ベル”の釈明なき言動に惑わされた“アイズ”たちを描きます。
(イラスト:はいむらきよたか 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797394603.html


愚者と罵られた“ベル”の愚行、その意味を知ってもなお「怪物を殺す」と意思表示する
“アイズ”。彼女の信条も分かるだけに、最後につぶやいたあの一言に至るまでの葛藤が
痛いほど伝わってきます。このままだと自己矛盾で足元をすくわれそうなのが心配です。

もう一人、“ベル”に魂を揺さぶられたのが“フィン”。「英雄」というものに人一倍
思い入れがある彼だけに、愚者と言われても自分を貫き通した“ベル”を見て何を思い、
行動したのかが描かれる場面は印象深いものばかり。求められる英雄像に要注目です。

他にもロキ・ファミリアの面々、そして神々が“ベル”にどんな感情を抱いていたかなど
すでに“ベル”の事情を知っているからこそ、その裏側で何があったのかを描いてくれる
本作の位置づけが実にありがたいと再認識した今巻。まだまだ楽しめると期待しています。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年06月04日

『自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ?4』

三河ごーすと 先生が贈る学園ゲーム系頭脳バトル。第4巻は執拗に狙ってくる“水葉”と
対峙する“紅蓮”がその対決を、そして脱出ゲームをどう攻略するのか注目が集まります。
(イラスト:ねこめたる 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/f-rank/321802000561.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF02200276010000_68/


“フラヴィア”の絶対的な幸運に“朝人”が対抗できるのか。これだけでも有利・不利が
交錯する熱い展開です。その上、二人の勝負に“紅蓮”が思いがけない方向から介入する
ものだから、なお面白い。彼女の能力と共に隠している秘密も興味深いものがありました。

羨望する人になりたくて変わった“水葉”と、あくまで妹のためにと変わらない“紅蓮”。
真剣勝負をしたくてたまらない彼女に対して、ひたすら精神的な圧力を仕掛けていく彼の
思い描く「勝利」の形がまた予想外で、よく考えついたものだと感心するしかありません。

“可憐”の期待に応えながらも、思わぬ横槍で絶句されられる“紅蓮”。彼が今回の件を
経て、かねてから求める日常を「彼女」に託す場面がまた印象深い。見開きの絵も込みで。
ラストの挿絵とあの一言も不穏当だし、引きも気になるし、で続きも楽しみと言えるかと。

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2018年06月01日

『俺の立ち位置はココじゃない!2』

宇津田晴 先生が贈る立場入れ替え系ラブコメ。第2巻は六花の一員となった“公平”と
“光瑠”が迫る球技大会への準備中に思いがけない洗礼を受ける、その顛末を描きます。
(イラスト:おしおしお 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517316


“公平”が応援団長、“光瑠”が副団長として大会を盛り上げようと意気込むも、肝心の
生徒会長や大会実行委員長が非協力的で話もまとまらないという波乱を予感させる幕開け。
それどころか周囲からも他の六花メンバーと比較され、侮られる苦境ぶりには思わず同情。

今巻では女の子たちから次々と告白を受けたりして満更でもない“公平”が王子を目指し
奮闘するのとは対称的に、姫希望という想いが定着しない“光瑠”の報われなさが何とも
切ない。嫌がらせを受けてもなお大会の成功に向けて頑張っているだけに、なお余計に。

今回の顛末を上っ面でしか捉えていなかった“公平”が、見えていなかった側面を見える
ようになったその瞬間。真実と真っ直ぐに、誠実に向き合うその姿勢が実に男らしかった。
終章で見せる“公平”と“光瑠”微笑ましい一面を、救われるような思いで見届けました。

posted by 秋野ソラ at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年05月31日

『可愛い女の子に攻略されるのは好きですか?2』

天乃聖樹 先生が贈る、惚れたら破滅の甘々恋愛ゲーム。第2巻は“帝”と“姫沙”の恋愛
ゲームに“凛花”や“美月”も乱入してきて色々な面で番狂わせの様相を呈しております。
(イラスト:kakao 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797396881.html


アトラクションめいた壮大な罠の仕掛け方、“美月”をダシにした恋愛裁判での糾弾ぶり。
作戦自体はそう悪くもないのに“姫沙”が肝心要の場面でポンコツぶりを発揮することで
ゲームをふいにしてしまう。“帝”も認識している通り、そのダメさ加減が何とも可愛い。

料理対決で“姫沙”と“凛花”の直接対決も催されますけど“凛花”も突拍子もない修行
に明け暮れたりするあたり“姫沙”と引けを取らないくらいアカン娘なのかも知れません。
今のところ、明け透けに気持ちを示している“美月”が先んじている気がする今日この頃。

女性陣に流され気味な“帝”も、一念発起して寺院で精神修養に勤しむあたり“姫沙”と
似た者同士でいい関係だと改めて感じます。心の距離が一段と縮まっている、と実感する
“帝”の油断にも似た余裕ぶりを一転させるあの一言に彼はどう対応するか、見ものです。

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2018年05月30日

『弱キャラ友崎くんLv.6』

屋久ユウキ 先生が贈る人生攻略ラブコメ。第6巻は文化祭の準備を進める中でインスタ
による撮影クエストに臨む“友崎”が「付き合いたい女の子」について頭を悩ませます。
(イラスト:フライ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517330


“たま”との件で感情的な姿勢を見せた“日南”。彼女の真意は掴めぬまま、彼女候補と
される女の子と“友崎”との距離が徐々に近づいていると感じられる逸話の数々が何とも
こそばゆい。特に“菊池”の書いた物語に対して彼が意見をやり取りする場面が印象的。

クラスメイトたちから指摘されるくらい人との付き合い方にレベルアップしたと自覚する
“友崎”。でも人生というゲームでは未だ弱キャラ、という根性が染みついていることを
示す彼の気持ちは共感が持てます。だからこそ“水沢”の指摘にも胸を貫かれる思いです。

どうにかこなしていく撮影クエスト、級友たちと共に進めていく文化祭の準備。その中で
自分を卑下したままの“友崎”に対して、遂に「彼女」から思わせぶりな言葉を受けます。
“水沢”からの更なる忠告を元に決意した姿勢が貫けるか、次巻で確認させてもらいます。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年05月29日

『俺もおまえもちょろすぎないか2』

保住圭 先生が贈る超濃厚ハイスピードラブコメ。第2巻は“つぶら”との2年後の結婚を
約束した“功成”に、彼女以外から想いを告げられる事態が訪れて怒涛の展開が続きます。
(イラスト:すいみゃ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/omachoro/321802000564.html


“つぶら”のお母さんが可愛いすぎて“功成”を爆発させたいレベル。そんな順風満帆に
見える二人に“稀”から「“功成”が好き」と宣言されて、しかも“つぶら”が“稀”の
事情に納得して、更には“功成”とデートに行くことを勧めちゃったりするからさあ大変。

イチャイチャしたい“功成”としては「おあずけ」の状態で、“稀”も彼の心境は分かる。
だからこそ大胆なアプローチもやぶさかではないとする“稀”に“つぶら”はヤキモチを
焼かないのか。その後に潜む伏兵の件も含め、ちょっと特殊な駆け引きが今回も興味深い。

“つぶら”と“功成”、互いが相手のことを好きだと言うなら何をすべきか。子供のまま
ではいられない二人が出した結論は実に素直で、得心がいくものです。このダダ甘ぶりが
たまりません。エピローグで描かれる意味深長な機微がどう絡むのか、次も気になります。

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2018年05月28日

『《このラブコメがすごい!!》堂々の三位!』

飛田雲之 先生の「第12回小学館ライトノベル大賞・ガガガ賞」受賞作。とある投稿作への
悪ノリ記事を境に始まるライトノベル系まとめサイト管理人の青春サクセスラブコメです。

(イラスト:かやはら 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517323


同じクラスの美少女“陽文”に淡い想いを抱く“新”は、彼女との接点を窺い情報収集に
努める日々を過ごす学生であると共に、有名「まとめサイト」の管理人という顔を持つ。
炎上させたネット小説の作者インタビュー記事を書こうと彼が接触を試みたら何と──。

ライトノベルという繋がりを得た“新”と“陽文”。まとめサイトを運営する視点も実に
興味深い所で、その話題性、効率重視な考え方を作品だけでなく私生活にも持ち出された
時に“陽文”たちがどんな感情を抱くか思い至らないあたり、嘆息したくなるのも納得で。

抱く感情の隔たりを前に“陽文”はラブコメを書くことができるのか。もっと青春を謳歌
すべき、と嘆かれたその真意を“新”は認識できるのか。タイトルがもたらす意外な結末、
そこに至るまでの二人の情熱と勇気をぜひ見届けてほしい。これもまた青春、お薦めです。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル