2018年10月18日

-インフィニット・デンドログラム- 8.遺された希望』

海道左近 先生が贈る激熱VRMMOファンタジー。第8巻は国難に対し〈マスター〉を戦力と
みなすか否か。若き国王代行の悩みも絡む遺跡へ“レイ”が新しいジョブを求め臨みます。
(イラスト/タイキ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/806.html


“ネメシス”の心配する気持ちも知らずに「聖騎士」でありながら“アズライト”に悪漢
と間違われる程のファッションセンスを見せつけてしまう“レイ”に微笑ましくも苦笑い。
訳ありだがやらかす“アズライト”や彼にアレを言われた時の“ネメシス”の姿が可愛い。

“アズライト”が抱える悩みに触れながら、遺跡にまつわる秘密や暗躍する人物たちに
迫っていく過程が緊張感の高まりを演出してきます。その中で真摯に対応する“レイ”の
姿に心を打たれていく彼女の機微。何かが報われる感じがして思わず応援したくなります。

“レイ”が見聞きする「オッドアイ」「名前表示のおかしい機械仕掛けの人型モンスター」
というキーワード。これが示す真実に気づいた彼が対峙する相手の強さ、それすらも嵐の
前兆くらいの扱いになっていて戦々恐々とする思いです。新スキルの扱いも含め注目です。

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2018年10月17日

『チアーズ!3』

「月刊コミックアライブ」にて せうかなめ 先生の漫画連載も始まった 赤松中学 先生の
汗と涙の青春活劇。第3巻は「競技チア」の出場に必要となる7人目の部員が登場します。
(イラスト:こぶいち 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/cheers/321712001038.html


バレー部の試合で応援する場面。チアーズのレベルが低いことを印象づける描写の数々に
加えてクィーンズの“リエ”から浴びせられる嫌味がごもっともな内容で、彼女たちの
悔しさが伝わるかのよう。そんな中にも、ちゃんと報われるシーンがあって救われます。

苦い経験を胸に頑張る意気込みを見せるチアーズに“沙織”目当ての“阿実”が入部を
申し込むわけですが、2軍とはいえイレーネ学院チア部に所属していた彼女の自尊心は
高く、馴染めるのか心配になります。まさか鍵を握るのが「彼女」になるとは露知らず。

チアリーディングは採点競技、と信じて疑わない“沙織”が、実力は申し分ないはず
なのになぜ強豪校で2軍なのか。そこにチアの本質、チアーズの資質を魅せてくれて
実に良いスポ根ぶりでした。分かりやすい敵役“リエ”の鼻をぜひ明かしてほしいです。

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2018年10月16日

『魔王を倒した俺に待っていたのは、世話好きなヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。 2』

かじいたかし 先生が贈るスイート錬金生活ストーリー。第2巻は“イザヤ”に昔の女なる
人物が登場し、更に連れ戻すと宣言されて気が気でない“ヨメ”の胸中に触れていきます。
(イラスト/ふーみ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/808.html


木工のぷちあに作りに専念するあまり“ヨメ”との進展がないことを危惧する“エリカ”の
気持ちも分かるというもので。“イザヤ”の軽い夏風邪を口実に甲斐甲斐しくイチャイチャ
してみたり、バカンスへ誘おうとする“ヨメ”のいじらしさたるや羨ましいことこの上ない。

懸命にアプローチする“ヨメ”の心を揺さぶる“ロゼ”の登場は、彼女にとってまさに衝撃
と言わざるを得ないワケで。二人の関係を勘繰って静かに涙する“ヨメ”の気持ちを思うと
ちょっと“イザヤ”を張り倒したくなるというものです。彼なりに思う所はあるのですけど。

“マリー”も含めての避けられない勝負に臨むことになる展開を経て“ヨメ”を決心させる
イチャイチャ錬金術(!?)の強さと絆を改めて見せつけてもらいました。“ロゼ”に対して
しっかりフォローしていく結末も良かったと思います。続刊も決まって続きが楽しみです。

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2018年10月15日

『じゅっさいのおよめさん』

三門鉄狼 先生が「講談社ラノベ文庫」から贈る新作は、見ず知らずの少女に嫁宣言をされ
わけもわからぬまま新婚生活をすることになった少年の人生を揺るがす思い出を綴ります。
(イラスト:ふーみ 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2018/10/#bk9784065137949


「なんで、君が僕のお嫁さんなの?」「わたしが、せいじのこと、すきだからだよっ!」
「警察」「けーさつのひとがきたら、おにいさんにむりやり、つれこまれましたっていう」
冤罪と有罪の狭間で“誠二”は謎の少女を迎え入れる。その先にある未来も知らずに──。

困惑する“誠二”と対称的に二人でいる時間が楽しい少女。彼女が級友の“みのり”だと
判明するもなぜ10歳の姿なのか、という新たな謎がつきまとうのに微笑ましい日々は続く。
けれどその謎が、彼の予想だにしない秘密によってもたらされたことを知ってからは急転。

実は2人で居られる時間が限られていて。“みのり”は決断した。“誠二”はどうする。
その状況にもっていった設定の妙と、究極の選択に対して彼が選んだ道。決して不幸な
展開にならない爽やかな読了感も安心の一言。ページ数も少なく読みやすくてお薦めです。

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2018年10月12日

『女衒屋グエン』

日向夏 先生の新作が「星海社FICTIONS」から初登場。花街一番の美女に情夫として囲われ
女買いの役割を担う男と、顔に傷痕を持つ下働きの少女が抱える秘密を描く中華小説です。
(イラスト/鈴木健也 先生)

https://www.seikaisha.co.jp/information/2018/09/07-post-1809guen.html


舌足らずな少女“一琳”(イーリン)と、痩身な女性“静蕾”(ジンレイ)。“虞淵”が
買い付けてきた2人を見て顔の右半分をさらしで隠す“翡”(フェイ)は世話を焼く娘が
増えたと思う中、怒鳴る女主人を前に彼は彼女たちを半年で妓女にすると嘯くのだが──。

“静蕾”の資質に気付いていた“虞淵”が彼女をどう妓女に仕上げるのかお手並み拝見、
という話を皮きりに他の女の客を取る強気な“万姫”(ワンジェン)、元旦那の身請け話
に揺れる“思思”(スースー)の話を通じて妓女の世界の華やかさと厳しさに直面します。

下働きの身から妓女たちの話に何かしら関わってくる“翡”。物語の最高潮を迎える場面
において彼女がどう関わってくるのか。“虞淵”の秘密との絡み合い、かつ 鈴木 先生が
描き出すカラー挿絵の演出は実に見事。日向夏 先生ならではの話運びをぜひご堪能あれ。

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2018年10月11日

『ビブリア古書堂の事件手帖 〜扉子と不思議な客人たち〜』

11月に映画上映を迎える、三上延 先生の大人気ビブリオミステリ。“栞子”と“大輔”が
娘の“扉子”に古書に纏わる挿話を聞かせる形で、2人のその後を綴る小編を収録します。
(イラスト:越島はぐ 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-912044-8/


本作を読んでいてライトノベルの話が出てくると内心で動揺が走るというもの。母親譲りの
無類の本好きへとすでに育ちつつある“扉子”と、自身の生い立ちがある故に娘になかなか
強く言い出せない“栞子”の振舞いが微笑ましくて苦笑い。“扉子”の成長が気になる所。

『からたちの花 北原白秋童謡集』では新版の本をプレゼントされる、その意図に気付いた
“由紀子”の機微の変化に希望を感じました。『雪の断章』では“志田”にもう一人いた
生徒を巡って悶々とした内情が描かれる“奈緒”の描写が過去の逸話と相まって印象的で。

『俺と母さんの思い出の本』『王様の背中』のように穏やかには収まらないエピソードも
あります。「本が好きな人となら、誰とでも仲よくなれるわけではないの」そう語りかける
“栞子”の言葉が深く静かに響いてきます。披露されなかった前日譚、見てみたい所です。

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2018年10月10日

『魔術破りのリベンジ・マギア 5.救世の屍王と恩讐の行方』

コミック1巻と同時刊行となる、子子子子子子子 先生のハイエンド魔術バトルアクション。
第5巻は突然失踪した“鴨女”の行方を辿る“晴栄”が彼女の仇となる強敵と対峙します。
(イラスト/伊吹のつ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/807.html
https://hobbyjapan.co.jp/comic/series/revenge/


私立探偵“三郎”のつなぎを皮きりに見えてくる道士“フー・マンチュー”の目的と強さ。
「人類の救済」と称し次々と凶行に及ぶ彼に圧倒される“鴨女”の姿に危機感の募る展開。
キョンシーを操る道士を相手に、陰陽師の“晴栄”がどう立ち向かうのかが見どころです。

攫われた“鴨女”を救う道中で出会う謎の美女“リンタン”。名と共に明かさない彼女の
真意、その覚悟と結末は印象に残る顛末でした。圧倒的な強さを示す“フー・マンチュー”
に対して“晴栄”たちと共闘する熱いバトルでも魅せてくれる存在で好ましさを感じます。

“シナトラ”の検診に纏わる描写も物語のフックとして効いてくる“ティチュ”の成長も
ポイントとして押さえておきたい話運びです。御伽噺の王子様の如く救われた“鴨女”の
一大決心が何ともこそばゆい。“宮社惣恭”のコミックスも面白い本作の今後に注目です。

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2018年10月09日

『覇剣の皇姫アルティーナXIV』

むらさきゆきや 先生が贈る覇道戦記ファンタジー。第14巻はヒスパーニア帝国の征服を
進めていく“アルティーナ”たちが神の子と称される軍師を相手に軍略で競り合います。
(イラスト:himesuz 先生)

https://ebten.jp/p/9784047353107


生まれつき声の出せない“マリアム”。初子からの言葉もむなしく負け戦を強いられる
ヒスパーニアの将軍“フレジィ”と共に不遇な描写が反撃の狼煙へと繋がっていく布石と
なっているとは。軍神と謳われた祖父が憑依しているのではないか、というのも思わしげ。

小銃や大砲を駆使した新時代の戦い方を見せる“レジス”から窺える安心感に伴い周囲も
戦時中とはいえどこか穏やかな雰囲気を醸し出す。これもまた、これまで魅せてきた彼の
好調な進軍に影を落とす、まさに嵐の前の静けさのような伏線だったのかと思うと複雑で。

迎えた帝都カンタナル攻防戦。長期化を見せる両軍の均衡を打ち破る“レジス”の秘策に
沸き立つ様子を尻目に、負けじと一計を案じる“マリアム”のやり口が何ともえげつない。
油断に付け込まれた“レジス”はすでに手遅れなのか。次巻が待ち遠しくて仕方ないです。

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2018年10月08日

『15歳でも俺の嫁! 2 即日同棲から始まる電子書籍革命』

庵田定夏 先生が贈る禁断のお仕事ラブコメ。第2巻は歌って踊れて書ける知性派アイドル
“涼”が“賢一”との同棲生活と、“MARIA”との紙と電子の書籍売上勝負を開始します。
(イラスト:はまけん。 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/15yome/321806000212.html


知名度、売れっ子度で“MARIA”に後れを取る“涼”からの同棲提案。“アリサ”の嫉妬を
買う彼女の行動を受け入れた“賢一”が再び世の話題を攫っていく、三角関係の構図が
微笑ましい。思わしげな態度をとる“涼”、独占欲を示す“アリサ”、どちらもカワイイ。

今回は“涼”と“MARIA”の代理戦争が如く電子と紙の書籍が置かれている現状を踏まえた
競り合いが話の軸。この勝負を通じて両者の長所、短所をぜひ知っておいてもらいたい所。
どちらでないといけない、ではなくて共に出版業界を支えていく存在であるということを。

有名人となったが故に抱えてしまった“アリサ”と“涼”、各々の悩み。“賢一”が取次
の立場から解決を図る顛末がまた本作らしくて良かった。勝負の行方を左右する決め手と
その結果を受けて彼が示す態度も印象深いです。はまけん。先生の夢が叶うと信じてます。

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2018年10月05日

『ファイフステル・サーガ2 再臨の魔王と公国の動乱』

師走トオル 先生が贈る王道戦記ファンタジー。第2巻は“セシリア”との結婚式で暗殺
される未来を視た“カレル”が、黒幕を突き止めるべく新たな策謀の渦へ飛び込みます。
(イラスト:有坂あこ 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321712000907


冒頭で“コステル”伯が見せる横恋慕。彼が素知らぬ顔で“カレル”と接見する様子から
窺える公国に潜む禍根。読み手として伝えられないもどかしさを抱える中、毒殺に対して
どうにか回避する道を“カレル”は選べたものの予断を許さない状況は手に汗を握ります。

“コステル”伯という明白な内憂に隠れた思いがけない暗躍者によって窮地に立たされる
“カレル”と“セシリア”を手助けする“ヴェッセル”。おいしい所をもっていく天才か
と思わずにはいられない言動の数々には惚れ惚れします。“マリアン”も聡明で何より。

“コルネリウス”の意外な弱点たる“ヴィル”との出会いが、“カレル”たちの形勢を
覆すためにどう使われるのかもご注目。初夜の場面を書ききった先生に敬意を表しつつ、
暗躍する“フィクトル”総督が遭遇したアレがどう影響するか続きが楽しみであります。

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2018年10月04日

『やがて恋するヴィヴィ・レイン7』

犬村小六 先生が贈る、恋と会戦の物語。第7巻はワールド・トリガーの起動で壊れゆく
世界を前に“ルカ”や“ファニア”、様々な人たちがどう決着をつけるのかを描きます。
(イラスト:岩崎美奈子 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517538


エデンとの決戦に備え、痴話喧嘩をしながら“ルカ”と“ヴィヴィ”が共同生活を送る
微笑ましい様子とは対称的に、王女ではなく市民“ファニア”として三界を救うために
共和国を奪う道のりを歩み続ける彼女の命懸けな様子には何度もはらはらさせられます。

“ルカ”が死んだと思い込んでいる“ジェミニ”が“ファニア”との謁見で再燃させた
あの夢。共闘する2人が焦る“グレゴリオ”の内心を突いたやりとりは実に爽快。空を
埋めるエデンの猛攻に“ルカ”たちも協力して臨む最後の激戦は熱量があふれ出します。

最後まで道化を演じ続けた“カミーユ”もですが、思い返すと約束を果たした者たちの
叙事詩でもあったと感じます。終章からはタイトルにあるとおりの機微を窺える描写も
あって綺麗にまとめてきたものだと感心するばかりです。最後まで読めて幸せでした。

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2018年10月03日

『七星のスバル7』

TVアニメも放映された、田尾典丈 先生の革新的青春オンライン・ストーリー。第7巻は
“旭姫”を取り戻すためグノーシスの本拠地に乗り込む“陽翔”たちの決戦を描きます。
(イラスト:ぶーた 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517514


決戦前の僅かな時間を使って改めて向き合う“陽翔”と“咲月”。吹っ切れた彼女の芯の
強さにはただ敬服するばかり。一方、“貴法”と“希”は過去を過去として受け止めつつ
共に望みを叶えるための契機を得てこれが実にこそばゆい。前途は明るいというものです。

狭間で迎える“ナハシュ”との戦いでは相手のえげつない戦闘スタイルにラストが迫って
来ている感じをひしひしと感じます。これまでを振り返ってみて、改めて各々に問われる
「本人の資質」というものが鍵を握る、緊張の糸が張り詰める話運びで惹き込まれます。

世界に対する“セト”と“陽翔”の想い。両者の相対は「スバル」の結束力、そして真の
強さを魅せてくれた瞬間でもありました。“クライヴ”の立ち位置が最後までお気に入り。
エピローグも色々と未来を予感させる結び方で、完結を見届けられて本当に良かったです。

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2018年10月02日

『29とJK5 〜消えない模様〜』

裕時悠示 先生が贈る禁断の年の差ラブコメ。第5巻は突きつけられた退職勧告に最後まで
抗う“鋭二”がJKたちに喚起され社畜としての意地を見せつけるべく決戦の場に臨みます。
(イラスト:Yan-Yam 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797391954.html


起死回生の一手は合同センターの実現。しかし“根津”の執拗な嫌がらせから仲間を護る
こともままならない八方塞がりな状況。憤慨する“真織”も心にわだかまりが残るままで
驚くほどに救いがない。これでもかと“鋭二”が追いこまれ続ける展開に焦りが募ります。

あの“権田”課長が見せた親としての矜持。素直に喜んではいけない流れですが熱かった。
“真織”も“花恋”に対する誤解がとけて変わっていく様子は思わず応援したくなります。
“沙樹”が言葉を濁した“剣野”の心変わりの契機たる過去に縋るように読み進めました。

態度を軟化させる“夏川”社長。対する“高屋敷”社長の姿勢を崩す“花恋”の眩い夢。
JKが力の源とはいかにも“鋭二”らしい結末で、TVドラマになってもおかしくないほどに
見事な奮闘ぶりでした。出番少なめな彼女の夢も着実に進んでいて続きが気になる所です。

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2018年10月01日

『天才王子の赤字国家再生術2〜そうだ、売国しよう〜』

鳥羽徹 先生が贈る弱小国家運営譚。第2巻は帝国の皇女との縁談に戸惑う“ウェイン”に
彼女から提示された後継者争いへの協力要請。上手い話の裏を読みきれるかが試されます。
(イラスト:ファルまろ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797399004.html


前巻に引き続き「意外な展開」の見せ方が実に上手い。加えて、立場は違えど旧知の仲な
皇女“ロウェルミナ”と“ウェイン”の駆け引き、先の読み合いが描かれる数々の場面が
見所ばかりで面白さが止まらない。ファルまろ 先生の挿絵も演出に花を添えてきます。

帝国で繰り広げられる三兄弟の睨み合いに踏み込むこともできない“ロウェルミナ”が
抱く野心。それを見抜けない“ウェイン”ではありませんが、それだけでは終わらない
両者の深慮遠謀にはただ圧倒されるばかり。だからこそ“ゲラルト”にはやられました。

鍵を握るアントガダルの地で暗躍する者たちを含め“ウェイン”と“ロウェルミナ”が
どう立ち居振舞うか、まさに一見の価値ある展開です。“ニニム”がちゃっかり彼女の
マウントを取っていくあの場面も見逃せない。国を売るには程遠い彼の未来に注目です。

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2018年09月28日

『図書館ドラゴンは火を吹かない』

東雲佑 先生の感動ファンタジー作品が、新規エピソードを加えて文庫化。物語師として
成長していく少年が出会った唯一無二の存在となる火竜との旅の行く末を描いていきます。
(イラスト:輝竜司 先生)

http://tkj.jp/book/?cd=TD287465


骨の魔法使いに育てられた“ユカ”の天真爛漫な振る舞い。彼と出会い、匿名の竜から
“リエッキ”として生きる彼女の波乱万丈な生き様。文庫化されたことで、より手軽に
2人の物語に触れられる喜びはまたひとしお。400ページに迫る改稿で密度も高めです。

“牛頭”から託された“カルメ”とのやり取りに“リエッキ”の救いが見出せるか注目
しながら読み進める第四章が今回最大のポイント。あの時の呪使い“左利き”、そして
“相棒”が“ユカ”たちを追跡する中で、敵ながら理解者でもある所を示すのが小憎い。

“左利き”が“ユカ”を庇うことになるあの場面、輝竜 先生の挿絵も絶妙な演出です。
あの森、あの祭の日を区切りの舞台として選んだ“ユカ”の決意、受ける“左利き”の
想いはどうぶつかるのか。ぜひ続刊をもって描いていってほしい。切にそう願います。


◆【MV】Liekki / 初音ミク
https://youtu.be/IE3Ws5gpooY

◆ Liekki 歌ってみた【そらる】
http://nico.ms/sm33896993

◆『図書館ドラゴンは火を吹かない』文庫発売記念生配信
https://youtu.be/Fw4JxmQ-KJ0

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2018年09月27日

『「私が笑ったら、死にますから」と、水品さんは言ったんだ。』

隙名こと 先生の「第7回ポプラ社小説新人賞・特別賞」受賞作。15分で1万円、という
怪しげなバイトを勧めてきた笑わない美少女と関わる少年を軸に描く青春ミステリです。
(イラスト:爽々 先生)

https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8111259.html


クラスメイトからレアメタルなどと揶揄される“水品”からの依頼を承諾した“駒田”。
人体実験? 詐欺行為? 訝しむ彼は電車の中で雑誌を読むことを彼女から指示される。
男性から痴漢行為を受けるかも、と嘯く彼女の言葉に怯える彼はあることに気づく──。

偶然と不運で父を亡くした“駒田”。ネットワークが普及する昨今、その死を弄ぶ悪意
に晒された経験を持つ彼の機微、描写に思わず共に憤りを感じてしまいます。バイトを
通じてもたらそうとする小さな奇跡、その下敷きとなる意図が胸に重くのしかかります。

「私が笑ったら、死にますから」と言い切る“水品”が抱える心の傷とその原因。SNSに
長く触れてきた身として考えさせられる展開です。その傷と向き合い続けた彼女が出す
結論、それを受け止める“駒田”の葛藤。2人の顛末をぜひ見届けてほしいと思います。

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2018年09月26日

『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾンXI<中>』

川上稔 先生が贈る戦国学園ファンタジー。11話中巻はヴェストファーレン会議に場を移し
三河争乱から今まで武蔵勢が何を受け止め、考え、行動してきたか。その全てを示します。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))

https://dengekibunko.jp/product/horizon/321804000339.html


舌戦に次ぐ舌戦。バトルなしでも十分熱い。会議に構える武蔵勢の穏やかな雰囲気が嵐の
前の静けさだったと今にして思います。ミュンスター講和条約の場では“ウィレム二世”
に対峙するあの代理交渉人が、情報とハッタリを武器に彼をやり込める展開にまず驚嘆。

オスナブリュック講和条約の場では敵と見ていた瑞典が色々な意味で鍵となる流れには
手に汗握る緊張感で魅せられましたし、ミュンスター講和会議の場では奮戦する“三成”
に無理難題を押し付ける“マティアス”を「彼女」が叩き潰してくれて気分爽快でした。

迎えるヴェストファーレン三河会議の場では“正純”と“教皇総長”の平行線な議論が
外界開拓、創世計画、大罪武装などありとあらゆる論点を昇華させあの結論へ辿り着く
過程には胸を熱くせずにはいられません。第二の月に向かう彼らの命運を見届けます。

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2018年09月25日

『七つの魔剣が支配する』

『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』の 宇野朴人 先生が贈る新作は魔法使いが剣を
帯びる世界で、それぞれの想いを胸に魔境のような魔法学校へ臨む新入生たちを描きます。
(イラスト:ミユキルリア 先生)

https://dengekibunko.jp/product/7-maken/321804000334.html


入学式で行われる魔法生物のパレード。それを見て彼らの人権について語る“カティ”に
突如列から離れたトロールへと足を運ばせる魔法が掛けられる。助けに入る“オリバー”
の目に飛び込んできたのは刀を振るうサムライの少女。魔法には縁が無さそうだが──。

学校長からの容赦ない言葉が示す通り、心技体揃った研鑽が必要なだけでなく上級生らの
言動や人権派などの派閥に翻弄されるなど、まさに混沌とした魔法学校でどう生き抜くか。
“カティ”が巻き込まれた事件を探る“オリバー”らを軸に進む話がページ数的にも重厚。

襲われたトロールを気に掛ける“カティ”の言動が意外な結末を呼び込む中で魅せたあの
“ナナオ”の強さ。彼女の気高さも相まってより惹かれるものが。それだけでは済まない
エピローグで見せたあの一面がまた重そうなテーマで、どう話を動かしていくか注目です。

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2018年09月24日

『はたらく魔王さま!19』

和ヶ原聡司 先生が贈る魔王と勇者の庶民派ファンタジー。第19巻はマグロナルドを離れ
受験勉強に専念するはずの“千穂”がエンテ・イスラの政情変化に巻き込まれていきます。
(イラスト:029 先生)

https://dengekibunko.jp/product/maousama/321805000012.html


制服も返して、いざ! という時に“鈴乃”に提示された辞令。“エメラダ”らの努力を
ふいにする情勢の動きを境に次々と“千穂”が仲介役を担わされるという不憫さには同情
せざるを得ません。ここに“アシエス”の異変が重なるというのだから泣きっ面に蜂で。

思わぬ重責を背負うことになり、見たくもなかった教会の真実を改めて目にした“鈴乃”。
懊悩する彼女の気持ちを救ったのが“真奥”なのは言うまでもないですが、性急に事が
動いた、という印象でした。挿絵から滲ませる表情がまた幸せそうで悩ましい展開です。

いつも通りの仕事しかしていない“真奥”を他所に“千穂”が新たな決意をもってあの
マグロナルド幡ヶ谷駅前店から動き始めていくその姿が凛々しい。それにしても今回は
色々な場面で連絡不備が続いて混迷しましたが、次巻以降でスッキリするか見ものです。

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2018年09月21日

『火焔の凶器 ─天久鷹央の事件カルテ─』

知念実希人 先生が贈る新感覚メディカル・ミステリー。長編シリーズ4冊目は陰陽師の
墓をあばいた研究者が次々と不審な死を遂げる呪いのような謎を“鷹央”が診断します。
(イラスト/いとうのいぢ 先生)

http://shinchobunko-nex.jp/books/180133.html


“室田”教授の話によると、陰陽師の歴史を紐解く上で重要とされる人物“蘆屋炎蔵”の
子孫を発見し、その墓に入った彼自身が体調を崩し残る2人も焼死したり、錯乱したりと
まるで呪いの仕業のよう。“炎蔵”に呪われたものは皆、焼死しているというのだが──。

“室田”と“碇”の容態が悪化した理由が“炎蔵”の墓にあるのは想像の範疇ではある
ものの、その後に起こる怪事件の数々、“内村”が焼死した理由がトンと見えてこない。
本当に最後の最後まで事件の真相、そして真犯人が分からなかったのはやきもきしました。

“小鳥遊”が研究メンバーの紅一点である“葵”との関係も上手く進められないあたりは
“鴻ノ池”の監視が厳しいだけではないような気もします。そんな彼が今回かなり窮地に
陥る破目になるので、それをどう回避するのか、といった点にも注目いただきたい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル