2020年01月20日

『君死にたもう流星群5』

松山剛 先生が贈る、宇宙と夢をテーマにした感動巨編。第5巻は“星乃”が宇宙飛行士を
目指す姿を見守る“大地”の前に“ガニメデ”が現れ、思いも寄らぬ対決を強いられます。
(イラスト:珈琲貴族 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/kimishinitamou/321907000791.html


“伊万里”留学の思い出として、クラスメイト全員の夢を書いた色紙を残すことが決まり、
様々な夢を語るみんなを前に“大地”が「宇宙飛行士になんて…」と悩むのは相変わらず。
対して“星乃”が微々たる歩みながら目指す未来に向けて努力する姿が何とも微笑ましく。

“大地”を要監視対象として興味を示した“ガニメデ”が彼に仕組む「オーディション」。
時折、彼に届く「かえせ」と書かれたメールがここで牙を剥くことになるとは驚きの展開。
その過程において夢や進路に迷える「幸せ」を認識した、彼の成長が見られたのが大きい。

“伊万里”や“宇野”など「夢」に対する考え方には考えさせられるものがありましたし、
冒頭での宇宙飛行士“弥彦流一”にまつわる逸話が鍵となる構成には目を見張りましたし、
一番印象に残る巻でした。一枚岩ではない相手と対峙し続ける“大地”たちに要注目です。

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2020年01月15日

『1LDK、そして2JK。 〜26歳サラリーマン、女子高生二人と同居始めました〜』

福山陽士 先生の「カクヨム」掲載作が書籍化。イマドキな女子高生の従妹を預かることに
なった会社員が家出少女まで抱え込むことになる顛末を描くアットホームなラブコメです。
(イラスト:シソ 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/2019121ldk2jk/321908000684.html
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889696577


自由奔放な叔母が突然蒸発したので従妹の“奏音”を預かってほしい。父からのお願いを
受け入れた“和輝”は彼女との距離感を探りつつ共同生活を始める。その折、痴漢に遭う
少女“ひまり”を助けると「家出をしたので今晩だけでも泊めてほしい」と言われて──。

三者三様の価値観が向き合えば不協和音も生まれようもので。特に色々な場面で忌避感を
見せていた“奏音”が、自分の弱い面を見られることで徐々に心を開いていく過程は実に
可愛らしい。それを見た“ひまり”が思う所を示すあたり“和輝”は爆発しろ案件ですね。

社畜な社員に女子高生2人だけかと思いきや、“和輝”の幼なじみである“友梨”が現れ
同僚にも「彼女ができた?」と揶揄されるほど生活がガラリと変わっていくワケで。彼が
彼女らが、この共同生活を通じてどんな未来を掴むことになるのか興味が沸く作品です。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年01月14日

『自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ?8』

三河ごーすと 先生が贈る学園ゲーム系頭脳バトル。第8巻は「獣王遊戯祭」で最弱クラス
所属の“ユーリエル”と組んだ“紅蓮”が逆境をどう引っくり返すかに焦点が集まります。
(イラスト:ねこめたる 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/f-rank/321908000670.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF02200276010000_68/


他を圧倒するAクラスに泥を塗るべく、“ミラ”に土下座をしてでもこなしてもらいたい
“紅蓮”の依頼。更に彼女にとって蠱惑的な提案も飲むという彼の真意は測りきれぬまま
彼の思惑通りに話が進んでいく。彼女にとって予断を許さない状況が続く緊迫感が見もの。

“紅蓮”に想いを託された“ユーリエル”が“カールス”に挑むゲーム「皇帝の末路」で
彼女が時間稼ぎをすればいい、と類推した彼女の覚悟。それがとんでもない形で覆される
ゲームの行方も実に熱いものがあって、まさに手に汗握るとはこのことかと言わんばかり。

今回“可憐”の出番ないかな、と思えばしっかりと灸を据える立場でイキイキとした顔を
見せてくれます。他にも“紅蓮”を支える女性陣に今後を左右しそうな局面を迎えており
興味深いところ。何より彼の二面性が意味深長すぎて気になるので続きが楽しみなばかり。

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年01月13日

『魔王学園の反逆者2 〜人類初の魔王候補、眷属少女と王座を目指して成り上がる〜』

溝口ぜらちん 先生による漫画連載が始まった 久慈マサムネ 先生の学園魔術ファンタジー。
第2巻は他人の心を惑わす力を持つ魔王候補に“雄斗”たちが思わぬ苦戦を強いられます。
(イラスト:kakao 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/maogaku/321906000148.html


“雅”の配下である“マキ”がなぜか「悪魔」の魔王候補“イビザ”に尽くすと豹変して、
連れ戻そうとした“レベッカ”もミイラ取りがミイラになるという異常事態。それにより
財産を失い、家も追われた“雅”。お調子者にしか見えない彼にどんな力があるのか──。

現魔王“岩洞”校長すら忌避する、暴力的な力押しではない“イビザ”の戦略に戸惑いを
隠せない中で魔力供給の方法や強力魔法の試行錯誤に勤しむ“雄斗”。その成果は体育祭
での一幕、“イビザ”との決戦でも見ることができて熱い。成果が報われるのは良いもの。

搦め手とはいえ敵無しに見える“イビザ”が“雅”を引き入れようとこだわるのはなぜか。
彼女の血族魔法に秘められた謎とは。それはさておき、毎度羨ましいシチュエーションに
直面する彼には極刑も辞さない今日この頃。エピローグも気になる引きで目が離せません。

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2020年01月12日

「好きなライトノベルを投票しよう!! 2019年下期」エントリー


AGI -アギ- バーチャル少女は恋したい
 【19下ラノベ投票/9784049125672】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/186533368.html

数字で救う! 弱小国家(4) 平和でいられる確率を求めよ。ただし大戦争は必須であるものとする。
 【19下ラノベ投票/9784049126716】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/186310213.html

子守り男子の日向くんは帰宅が早い。(2)
 【19下ラノベ投票/9784041083765】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/186275005.html

生徒会探偵キリカS1
 【19下ラノベ投票/9784065171707】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/186923244.html

プロペラオペラ
 【19下ラノベ投票/9784094518122】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/186639092.html

戦うパン屋と機械じかけの看板娘(10)
 【19下ラノベ投票/9784798620459】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/186790340.html

魔術破りのリベンジ・マギア 7.再臨の魔人と魔術破りの逆襲術士
 【19下ラノベ投票/9784798619965】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/186546626.html

Unnamed Memory III 永遠を誓いし果て
 【19下ラノベ投票/9784049123814】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/186596805.html

由比ガ浜機械修理相談所
 【19下ラノベ投票/9784049126624】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/186516800.html

レイジングループ REI-JIN-G-LU-P 7 不在の神
 【19下ラノベ投票/9784065178386】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/186745260.html



◆ 好きなライトノベルを投票しよう!! - 2019年下期
 https://lightnovel.jp/best/2019_07-12/

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2020年01月10日

『裏世界ピクニック 4──裏世界夜行』

宮澤伊織 先生が贈る女子ふたり怪異探検サバイバル・ストーリー。第4巻は“冴月”を
信仰する団体の拠点を調査する過程で“空魚”と“鳥子”の関係に変化が見え始めます。
(イラスト:shirakaba 先生)

https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014409/shurui_3/page1/order/


「あの牧場の件」で“汀”にある事実を隠しながら2人だけの活動拠点を確保しにかかる
“空魚”の強かさと共に、彼女に対する依存というか好意の高まりを見せ始める“鳥子”。
のっけから怪しい雰囲気を見せ始める2人の関係に注目です。タイトルの読ませ方が巧妙。

「隣の部屋のパンドラ」「招きの湯」と続いて“鳥子”の様子がますます怪しくなる展開
に“空魚”が訝しむのもわかるというもので。裏世界的な現象としては“空魚”の過去が
少しずつ絡んでくる様子で、彼女の精神的な負荷の高まりを感じさせて心苦しいところで。

そして「裏世界夜行」では“冴月”が忌避していた夜間の裏世界探検に挑む2人。ここで
これまでの怪異、そして関係の積み重ねが爆発したというかやっちゃいましたな“鳥子”。
とりあえずはメリークリスマスですが、“空魚”の身の安全を祈りつつ次巻を待ちます。

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2020年01月09日

『お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。4』

凪木エコ 先生が贈る青春ラブコメ。第4巻は文化祭に向けてクラスの出し物への協力度
を競う強制イベントに巻き込まれてもおひとり様を貫き通す“春一”の生き様を描きます。
(イラスト:あゆま紗由 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201808ohitorisama/321812000011.html


“春一”に勝ちたいとムキになって勝負を挑み続ける“美咲”。無理をしてでも勝ちに
こだわる彼女が体を壊す前に、おひとり様としてのエゴを貫く形でドクターストップを
かける場面は実に素直じゃない彼らしくて素敵。これは彼女じゃなくても惚れますわ。

勇み足で気持ちの整理がつかず気を遣いすぎる“羽鳥”も文化祭でのやり取りを通じて
“春一”のらしさに触れ、改めて想いが溢れ出す様子がこそばゆいほどに愛くるしい。
あと、彼女が「好きなものには自信を持つべき」とたしなめるあの場面も印象的です。

“美咲”が考える「勝ち」とは何だったのか。言わずもがな、と言える彼女の気持ちを
ギリギリまで気付いてやれない“春一”だからこそ「おひとり様」なのだと思える結末。
今巻が最終巻というのは惜しい気もしますが、凪木 先生の次回作に期待したい所です。

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2020年01月08日

『教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 6時間目』

さがら総 先生が贈る年の差四角関係お仕事ラブコメ。第6巻は塾の夏期講習を目前にして
退塾するという“凛”の問題を解決するため“天神”がある特別講座の開講を目論みます。
(イラスト:ももこ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/oshiego-kyohaku/321907000785.html


“凛”の母親を家庭訪問し、その帰りに同じクラスの“楓”の母親からも話を聞いた所で
両家の親同士に妙な確執があることを察した“天神”。その彼に“凛”が渡したメモには
“楓”を蔑む発言を連投するSNSアカウントが記されており、問題の根の深さが窺えます。

そこで彼女たちに向けてネットマナー講座を設けた“天神”がまず講師に招いた“冬燕”
には反面教師となる事実を突きつけて、続いて呼んだ“星花”にはその類稀なる精神的な
強さを見せつけられ、思いがけない犯人の判明に繋がる展開は示唆に富むものがあります。

「ヤヤはヤバい、略してヤヤヤバ」と“天神”に言わしめる“夜弥”の意味深長な行動が
目に付く今巻。かねてより“星花”の息を止める悲願の作品を彼女が書き上げたその時、
彼は教師として、そして作家として2人に向き合う覚悟をどう示してくれるのか注目です。

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2020年01月07日

『朝比奈若葉と○○な彼氏2』

「2ちゃんねる」のやる夫を主人公とするAA作品スレッド「やる夫スレ」から傑作が書籍化。
間孝史 先生が贈る第2巻は、“若葉”が罰ゲームの恋愛をどう清算するかが求められます。
(イラスト:桃餅 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/asahinawakaba/321908000673.html


「嘘を吐き通したまま、今まで通り付き合えるのなら」咎めない“亮一”が放つ言葉の刃。
幸福の絶頂から絶望の淵に追い込み、自暴自棄になる“若葉”の転落ぶりは身から出た錆
とは言え見るに堪えないほど。「ゲーム」のことがあるので同情はしかねるのですけど。

そんな2人のやり取りを密かに耳にしてしまった“晴斗”がとった行動がまた泣かせる。
過去に虐げられた経験を持つがゆえ、としてもここまで「いいひと」になれる彼の懐の
深さには敬服すら覚えるほどでした。本当に“若葉”は良き伴侶を選んだと言えるかと。

“亮一”を始めとする友人勢もまた素晴らしい立ち回りぶりでした。いい仲間たちです。
幸せいっぱいなエピローグを経て、“晴斗”視点で“若葉”との恋の始まりを描く挿話
でもまた彼の生き方、その軸を知ることができます。最後までお見逃しのないように。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年01月06日

『ぼくたちのリメイク7 ものをつくるということ』

満を持してアニメ化決定となる、木緒なち 先生が贈る青春リメイクストーリー。第7巻は
九路田組との動画制作課題の対決に向けて“恭也”が秘中の策を披露し、決着をつけます。
(イラスト:えれっと 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/bokutachi-remake/321908000669.html


“恭也”たちチームきたやまが作成した動画を圧倒する、九路田組が魅せた動画の完成度。
動画対決の結果は決定的か、と楽観視する周りを前に油断せず不安を隠さない“九路田”。
でも勝ちを狙いに行く“恭也”の秘策は人生リメイク中の彼ならでは。なるほど納得です。

“九路田”のものづくりに対する執念に似た姿勢。プロデューサー観、メディアに対する
考え方など、それはそれで得心がいく答え合わせでした。期待が持てると言えるでしょう。
彼によって「絵を描く」ことを自分のものにした“亜貴”の強さと成長の兆しも注目です。

学園祭で大活躍して挿絵も素晴らしい“河瀬川”、口絵の通り嫉妬が丸出しな“奈々子”。
身の振り方を考え抜いた“斎川”、彼女らの将来を握るかのように暗躍する“加納”先生。
仲間たちを次のステージに上げた“恭也”の孤独な戦いの始まり、どれも目が離せません。

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2020年01月03日

『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦8』

満を持してのアニメ化が決定した、細音啓 先生が贈る大人気王道ファンタジー。第7巻は
女王代理となった“アリス”が、陰謀を暴くべく“シスベル”救出の手立てを模索します。
(イラスト:猫鍋蒼 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201705kimitoboku/321901000625.html


ヒュドラ家“タリスマン”の強かさに内心で苛立つを見せる“アリス”。彼女の気持ちに
共感を覚える中で進んでいく彼らの謀略と、それを何とか覆そうと手を尽くす彼女たちと
水面下の攻防が緊張感を誘います。まだまだ相手の方が上手そうなのが実にもどかしい。

一方で“シスベル”救出に向け準備を進める“イスカ”は、シリアスな局面でありながら
コメディな場面に遭遇し続ける羨ましくもけしからんワケで。“アリス”にとって安息の
ひと時になった気がするのでそれはそれで良し。刺激的な「おべんきょう」はさて置いて。

今回新たに立ちはだかる“ミゼルヒビィ”、その実力は別ベクトルで力強さを見せつけて
手に汗握らせるものがあります。“イスカ”もやられっぱなしじゃない所がまた見どころ。
間に立って巻き添えを食う“燐”を応援しつつ、彼の努力が実る時を待ちたいと思います。

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2020年01月02日

『メイデーア転生物語 1 この世界で一番悪い魔女』

友麻碧 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。異世界の少女を守る者として選ばれ、
引き裂かれた想い人を追って魔法学校で研鑽を続ける辺境令嬢の生き様を描いていきます。
(イラスト:雨壱絵穹 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/maydare/321904000215.html
https://ncode.syosetu.com/n3862be/


偉大な魔術師の末裔として生まれ育った“マキア”は妙な世界の夢を見る。恋に臆病な
少女が謎の男に「何度生まれ変わっても殺す」と刺される夢を。そんなことなど忘れて
彼女は興味深い奴隷少年と出会い購入を決める。それが運命の出会いとも知らずに──。

“トール”と名付けた少年との優位性が、彼自身が持つ潜在能力の高さゆえに逆転する。
そこに悔しがりつつ奮起する“マキア”が彼と絆を築いていく展開はニヨニヨできます。
それ故に彼と強制的に別離を迎える彼女に関してはかの姿と共に痛ましく思えるもので。

夢で見た3人、おとぎ話の魔術師3人、そして救世主の少女を含めた“マキア”ら3人。
時を超え、世界を超え、ドロドロとした因果関係がどう関わっていくのか実に興味深い。
「メイデーア」という世界は誰のものなのか。それを確かめるべく続きを読みたいです。

posted by 秋野ソラ at 00:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年01月01日

『董白伝〜魔王令嬢から始める三国志〜』

伊崎喬助 先生が贈る新作は三国志の世界観を舞台とした覇道ファンタジー。男性会社員が
気がつけば“董卓”の孫娘に転生しまった、その現実からどう生き残るかを描いてきます。
(イラスト:カンザリン 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518252


機嫌が悪いと口調を荒げる悪癖が元で会社を解雇された“ささね”。彼が入れ込む三国志
ソシャゲで評判の占い師に神引きすると導かれ、ガチャで引いたのは弱キャラの“董白”。
気付けば占い師に意識を奪われ、しかもその世界で先ほどのキャラに転生していて──。

富と権力をほしいままに悪逆非道の限りを尽くす“董卓”。いつ殺されてもおかしくない
祖父に巻き込まれるのを避けるため国外逃亡を図る“董白”が、意図せず彼の覇道を担う
顛末が面白い。人生を棒に振った悪癖が転生先の世界で鍵を握ることになるのも興味深い。

いわゆる「三国志演義」を知っていると更に実感できるかと思いますが、各武将のキャラ
設定にも驚かされるのではないかと。いずれもクセが強いし、裏がありそうなのも要注目。
命だけでなく貞操も守れるのか、“董白”としての生き様、その行方が楽しみな作品です。

posted by 秋野ソラ at 02:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月31日

『榮国物語 春華とりかえ抄 六』

一石月下 先生が贈る男女逆転中華譚。第6巻は“春蘭”と“春雷”、それぞれの関係者が
2人の入れ替わりに気付き始めた中、政敵“玄瑞”が謹慎を解かれ再び立ちはだかります。
(イラスト:ノクシ 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/shunkatorikae/321908000505.html


“春雷”の秘密を知った“莉珠”の過剰な反応にニヨニヨしたくなる場面ですが、2人の
様子の変化を訝しむ“杏子”の言動が実にもどかしい。彼女から相談を受ける“紫峰”も
察するところはあるようで“春雷”が身の振り方を考え直す時は近付いていると見るべき。

“春蘭”は相変わらず“海宝”の心を惑わせる才を存分に発揮していて彼には同情の念を
抱かずにはいられないワケですが、“子君”が両者と浅からぬ縁を見せつけてくるあたり
心労の種が尽きません。こちらも気付きを得たようなのでそろそろ報われてほしいところ。

“玄瑞”との対決は“春蘭”が思いがけず得た秘策をもとに繰り広げられる法廷劇が熱く、
更にある人物からの陳情で両陣営の考えもつかない結末を迎える展開が面白くて切なくて。
“春蘭”と“春雷”が秘密を明かされる時の迫るこの局面をどう乗り越えるか楽しみです。

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2019年12月30日

『塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い』

猿渡かざみ 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。愛想のない美少女“佐藤”さんの
本当の姿を知った少年が抱く恋心の行方を両者の視点から綴る、両片思い青春ラブコメです。
(イラスト:Aちき 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518238
https://ncode.syosetu.com/n1912fp/


男子高校生“颯太”はアルバイトするカフェでパンケーキの写真を真剣に撮る、見慣れた
美少女の姿を目にする。彼女こそ知る人ぞ知る「塩対応の佐藤さん」。ナンパされている
ところを助けた彼が詳しい事情を聞いてみると、実に思いも寄らぬ答えが返ってきて──。

スマートに助けたような素ぶりの“颯太”は「佐藤さん」のことが好き過ぎてこの機会を
逃したくないと張り切る一方、彼女はというと彼のことを少なからず想っていて。すでに
カップル成立秒読み段階の心情を踏まえたこそばゆいやりとりが見ていて萌え転がれます。

そんな急接近を見せる2人ですが、彼女の家族関係がもたらす高い壁の発生で“颯太”の
気概が試される展開は良い切り返しになっています。興味深い結末を迎えるのも見どころ。
彼女の妹“凛香”が抱えたあの気持ちをどう清算できるのか気にしつつ、次巻を待ちます。

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2019年12月27日

『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第四部「貴族院の自称図書委員9」』

TVアニメ第2部の放送が決定した、香月美夜 先生が贈る大人気ビブリア・ファンタジー。
第四部最終巻は“フェルディナンド”を送り出す“ローゼマイン”たちの想いに触れます。
(イラスト:椎名優 先生)

https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=145305091


聖典が盗まれたことに気付く“ローゼマイン”の愛着ぶりもさることながら、真贋すら
見極めてしまう様子は相変わらずの脱帽ぶり。それにしても“ダールドルフ”子爵夫人の
家族への迷惑も省みずに「そこまでやるか」という覚悟の示し方が腹立たしいほどに潔い。

こんな不穏な雰囲気のまま、アーレンスバッハに“フェルディナンド”を行かせてしまう
“ローゼマイン”の切なさが読み手にもひしひしと伝わってきます。エーレンフェストを
彼女に守ってほしいと気遣う彼の想いは親心として捉えていいのか、今後が気になる所で。

そんな“ローゼマイン”に対し“ヴィルフリート”は本当に何も感じていないのであれば
と思うと何とも不甲斐ない限りで。“ゲオルギーネ”と“ジルヴェスター”の優劣も今後
問われそうな不安要素も含め、第五部で彼女はどう振舞っていくのか。期待しておきます。

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2019年12月26日

『後宮妃の管理人 二 〜寵臣夫婦は悩まされる〜』

廣本シヲリ 先生によるコミカライズが早々に決定した、しきみ彰 先生が贈る後宮物語。
第2巻は珀家と犬猿の仲である郭家の“徳妃”に“優蘭”がどう対処するかを描きます。
(イラスト:Izumi 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/kanrinin/321908000506.html


後宮、宮中の人員補充を目的に行われる「秀女選抜」に主催者の一員として“優蘭”らに
割り込んできた“徳妃”。むき出しの敵意はあからさまだが筋は通す、という隙を狙って
上手くあしらおうとする強かさは流石“優蘭”という所ですが一筋縄ではいかないワケで。

“皓月”も郭家との確執の煽りを受け、妻を侮辱されて堪忍袋の緒を切ったあの一幕には
強い愛を感じました。その後も“徳妃”との大事な駆け引きの場面で絆を確かめ合う場面
など“劉亮”も思わずからかいたくなるほど仲睦まじさを見せつけてきて思わずニヨニヨ。

どこか突っかかりを覚える“慶木”の行動にどんな裏があるのか。「秀女選抜」の成功に
影を落とそうとする陰謀に対し、「後宮妃の管理」に意味を見い出した“優蘭”が意外な
落とし所を招く展開も面白い。夫婦がどう後宮をまとめていくのか、引き続き見ものです。

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2019年12月25日

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeフレイヤ』

大森藤ノ 先生の大人気作品、その物語を補完していく「クロニクル」シリーズの第2弾。
理想の伴侶を求め“フレイヤ”の発作に振り回される眷属たちと少女の昔日を描きます。
(イラスト:ニリツ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815604646.html


「私の伴侶はどこにいるのかしら?」眷属たちが呆れるのも他所に主神“フレイヤ”が
向かった先は砂漠世界。そこで彼女の美貌に抗う一人の奴隷少女に目を奪われる。彼女の
名は“アリィ”。何やら訳ありな少女の行方を見届けようと彼女は付きまとい始める──。

“フレイヤ”の自由奔放な振舞いを見て“アリィ”が声を荒げるのも分かる一方、眷属の
“アリィ”に対する厳しい評価も納得がいくというもので。甘ったれた、覚悟が足りない
少女の魂を輝きをより真なる形に近づけようとする神の戯れが興味深く、そして面白い。

主神の気まぐれに付き合わされる8人の眷属が、砂漠世界で巻き起こる伝説を作り上げる
その一部始終に圧倒されると共に、オラリオという地が特異点なことが再確認できる逸話。
“フレイヤ”の真の望みを叶えるに足るか否か、かの人物の成長が一層楽しみになります。

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2019年12月24日

『きれいなお姉さんに養われたくない男の子なんているの?』

柚本悠斗 先生が贈る新作は年の差ラブコメディ。思いがけず年上女性と同居生活を始める
ことになった男子高校生の受難の日々をコミカルに、時にはシリアスを交えて描きます。
(イラスト:西沢5_ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815603298.html


戦場ジャーナリストを父に持つ“瑛太”。何度となく行方不明になる父親が元でバイト先
を追われ家も追われ、と路頭に迷う彼を救ってくれたのが店の女性常連客“沙織”。謎の
多い彼女から専業主夫になってほしいと言われて、なし崩し的に共同生活を始めるが──。

コンシェルジュ付きのマンションで最上階に住む“沙織”の羽振りの良さ、お手伝いさん
すら匙を投げるほどの片づけられない系女子ぶり。“瑛太”を求めるのも得心がいく一方、
倒錯が過ぎるほど彼を養いたいという彼女の熱意に、彼共々たじろぐのは言うまでも無く。

世間がで見ればあまりよろしくない共同生活に対し、次第にほだされた“瑛太”ができる
ことは何か。“沙織”が彼の親代わりにできることは何か。彼女の謎と共に魅せる話運び
は楽しく読めましたし、挿絵に 西沢5_ 先生を選んできたのも絶妙。次巻に注目です。

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2019年12月23日

『娘じゃなくて私(ママ)が好きなの!?』

望公太 先生が「電撃文庫」から贈る新作は年の差ラブコメ。シングルマザーが娘の幼馴染
である男性から好意を示されることで始まる困惑と機微の変化を描く純愛ストーリーです。
(イラスト:ぎうにう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/mamasuki/321903000173.html


娘“美羽”の家庭教師を務めてくれるお隣さんの大学生“巧”とは10年来のお付き合い。
姉夫婦の死後、残された彼女の将来を思うと母“綾子”は2人が一緒になってくれたらと
淡い期待を寄せる。その気はない、という彼女に対し彼の想いを酒の席で確認すると──。

“巧”が一途に恋心を抱いていたのは“綾子”だった、ということで「そんなの無理無理」
と世間体や将来のことを考えて等、何かと理由をつけて「気の迷い」が如く諭しに掛かる
彼女を「一人の女性として告白されてどう思ったのか」と問い詰めていく展開が興味深い。

10年も想い続ける“巧”の純愛を裏付ける描写も ぎうにう 先生の挿絵共々お見事ですし
サバサバしている“美羽”の親思いな気遣いや、彼の友人“聡也”のあのファインプレー
など脇を固める配役と言動も見どころ満載。大重版の門出を祝いつつ、次巻も期待します。

posted by 秋野ソラ at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル