2024年02月23日

『サイレント・ウィッチ VII 小冊子付き特装版 沈黙の魔女の隠しごと』

依空まつり 先生が贈るファンタジー作品。シリーズ9冊目は正体がバレる恐怖に怯えつつ
“モニカ”が“クロックフォード”公爵と“フェリクス”の関係について調査を進めます。
(イラスト:藤実なんな 先生)

https://kadokawabooks.jp/product/silentwitch/322311000071.html


〈偽王の笛ガラニス〉が選択を誤ったと独白する様子にどこか悲哀を感じさせる破壊作戦
の顛末。その中で“モニカ”が「沈黙の魔女」らしからぬ行動に出てしまうその様子から
抱えた矛盾に心を軋ませていることが窺えて、不安な気持ちを抱かずにはいられません。

その“モニカ”が頭を悩ませる「左手を負傷した女子生徒」を捜す“フェリクス”の執心。
彼女の不安を取り除く代わりに彼の秘密を探るよう取引を提示する“ブリジット”の手腕、
辿り着いた一つの推論には驚かされるばかりで。“メアリー”が言ったあの一言も含めて。

“モニカ”と友だちになりたい“ラウル”が見せる意外な察しの良さ、そして振るう力の
異様さにも注目しつつ、いよいよ打って出る形になる彼女の決断は吉と出るか凶と出るか。
チャットノベル形式の小話集を読んで心を和ませながら本編の続刊を待ちたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2024年02月22日

『異世界のすみっこで快適ものづくり生活3 〜女神さまのくれた工房はちょっとやりすぎ性能だった〜』

西山アラタ 先生によるコミカライズ企画が進む 長田信織 先生の異世界スローライフ物語。
第3巻は“ソウジロウ”の作るもの、料理の種類、そして人脈がさらに広がっていきます。
(イラスト:東上文 先生)

https://dengekibunko.jp/product/isekai_sumikko/322310000066.html


料理のレパートリーを増やすために欠かせない料理道具の数々。その調達を“ソウジロウ”
から依頼された“ドラロ”の切り札がとある事情で別居していた“フリンダ”。己の身を
ダシに拗れた夫婦の仲を取り持つやりとりが微笑ましい。「変態」呼ばわりは絶妙な例え。

“ドラロ”の息子たちが町の変革の一翼を担う。そんな要因を自身が作ったとも知らずに
“ソウジロウ”がキャンプ生活などを堪能しては初心にかえったりする様子がある意味で
ストイックというか。彼の作るものがいよいよ産業革命でも起こしそうなところも要注目。

“フリンダ”の知己である“イルェリー”の来訪。“ソウジロウ”に探りを入れる様子を
訝しむ“チグサ”のポンコツぶりを見守りつつ、その理由に「彼女」の異端ぶりを再確認。
ふとした所作の数々が可愛らしい“イルェリー”の動向も楽しみにしつつ次巻を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2024年02月21日

『男女比1:5の世界でも普通に生きられると思った? 〜激重感情な彼女たちが無自覚男子に翻弄されたら〜』

三藤孝太郎 先生のWeb小説投稿作が書籍化。男女の貞操観念が逆転している世界に突如
転移した男子大学生が様々な女性たちの恋心をくすぐり、過剰な愛を向けられていきます。
(イラスト:jimmy 先生)

https://dengekibunko.jp/product/danjohi15/322308000293.html
https://syosetu.org/novel/287965/


社会基盤はほぼ同じだが、人口比で男性が圧倒的に少ない世界へと転移してきた“将人”。
保護者になってくれた“藍香”の下でバイトに勤しみつつ、奨学金を使い大学へ通う彼は
唯一の友人“恋海”にも助けられ、どうにか日々の生活を送れていると思っているが──。

一夫多妻制の導入も叫ばれる中、女性に対して傲岸不遜な態度をとるのが一般的な男性像。
そこへ例外な価値観をもつ“将人”が現れたらどうなるか。“恋海”をはじめとして彼に
対する好感度が爆上がりするのも道理な一方、それが幸せなのか考えさせられる話の流れ。

恋する乙女な“恋海”や可愛い後輩的な“由佳”が抱く想いはまだ微笑ましく映るものの
間違えれば犯罪者一歩手前な“星良”や寝取り要素を含む“みずほ”が関与するとなると
先々不穏な展開を予感せざるを得ない物語をどう進めるか、三藤 先生の手腕に注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2024年02月20日

『教え子とキスをする。バレたら終わる。2』

扇風気周 先生が贈る、男性教諭と女子生徒の秘密で危険な恋物語。第2巻は“銀”の女性
経験にも深く関わる元カノとの再会に、彼も“灯佳”もそれぞれの葛藤を抱えていきます。
(イラスト:こむぴ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/oshiego_kiss/322308000300.html


大学時代、性に明け透けだった“柚香”が“銀”とつないだ関係を「呪い」に例えたこと。
同棲までした相手と別れ彼の家に転がり込んできた彼女の所作に悩まされる彼の姿を見て
言い得て妙な表現だと感心させられます。“灯佳”の身体の扱いに慣れているのも納得で。

理解ある「彼女」として振る舞いながらも、“銀”に対してヤキモチを焼く仕草を見せる
“灯佳”の魅力は増すばかり。そんな彼女を前によく耐えられるものだ、と彼の覚悟には
脱帽しつつ、“柚香”の件でその覚悟の足りなさに裁定を下す“暮井”には天晴れの一言。

よりを戻したい気満々の“柚香”が登場した意味は、“銀”と“柚香”の関係を描く上で
非常に重要となることが分かる今回の顛末。涙を流したその先に待ち受ける展開はまさに
「そうくるか!」と読み手を唸らせてくれます。俄然気になる秘密の恋の行方に注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2024年02月19日

『魔女に首輪は付けられない』

夢見夕利 先生の「第30回電撃小説大賞・大賞》」受賞作。一般人にも普及した魔術による
犯罪が横行する世界で、その最たる虜囚である魔女と組まされる捜査官の活躍を描きます。
(イラスト:緜 先生)

https://dengekibunko.jp/product/majyokubi/322310000071.html


〈血塗れのローグ〉の異名を持つ捜査官がその功績を認められ管理職として就いた部署は
「第六分署」。一般分署では手に負えない事件を捜査する部署でその任にあたるのは魔女、
その気になれば国を一瞬で滅ぼすこともできる彼女たちを指揮しろ、とのお達しだが──。

強力な魔術の行使を抑止する首輪を付けられている、とはいえ“ローグ”を小馬鹿にする
態度ばかり示す“ミゼリア”たちと協力して人間を老衰死させる魔術を扱う〈奪命者〉を
捕らえられるのか。半信半疑な導入から徐々に好転していく展開が読んでいてまず楽しい。

〈奪命者〉を追い詰めたかと思えば、魔女が「魔女」と呼ばれる所以を再認識させられる
あの場面は実に衝撃的。緜 先生の挿絵による演出も絶妙すぎて怖いくらい。それ以上に
本作のタイトルが指し示す意味もラストで突き付けられて圧巻の一言。続きが楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル