2020年03月27日

『猫と竜 竜のお見合いと空飛ぶ猫』

シリーズ累計22万部を超す、アマラ 先生が贈る猫と竜そして人間が紡ぐファンタジー作品。
4冊目は母猫が猫竜たちのお見合い実現に向けて奔走するなど、賑やかな日常を描きます。
(イラスト:大熊まい 先生)

https://tkj.jp/book/?cd=TD002501


楽をするための苦労は進んでする魔法使い“ガリー”の相変わらずな姿や、彼女が進路に
悩む様子を知りつつ冒険者への勧誘に余念がない王子“スタン”のこだわりが微笑ましい。
紆余曲折を経て決まった彼女の勤め先には長く続く縁を感じさせて思わずニヨニヨします。

“グレーターデーモン”がふと呟く「母猫が育てた」という彼や“猫竜”の兄や姉の存在。
彼らだけでも一冊の本にまとまるくらいの驚くべきエピソードにも関わらず、その兄姉も
超弩級。これはもはや、母猫が世界の命運を握っているといっても過言ではありません。

そんな母猫が“アンネロッサ”と意気投合して年寄りのお節介ぶりを披露して周囲を困惑
させる一方、“ゼバスタフ”と“トルクラルス”が寄る年波に勝てぬと気落ちする様子は
対称的・・・かと思えば騎士道精神を貫く頑健さには脱帽しました。見習いたいくらいです。

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2020年03月26日

『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン NEXT BOX 序章編』

川上稔 先生が贈る大人気戦国学園ファンタジー。「電撃文庫」にて完結を迎えた本作が
「電撃の新文芸」にて再スタート。ダイジェストやアイコントークなど新要素も満載です。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))

https://dengekibunko.jp/product/horizon/321910000102.html


「歴史再現」とは何ぞや。話の軸を担う設定の数々をB6判に広がった紙面を活用し、要約
しながら分かりやすく魅せることによりここからでもシリーズを読み始められる親切設計。
アイコン表示で話し手を可視化することで、登場人物の多さをカバーしてくれるのも救い。

末世解決の後、世に溢れた情報が地脈に負荷を掛けたことで発生する様々な怪異を鎮める。
手始めとして武蔵内の歴史再生に臨むことで29冊に渡る物語を「再履修」しながら武蔵の
面々も「過去をどう認識していたか」を示してくれて、既読者も追加要素で楽しめる構成。

厚い紙幅を読み進めた中で蓄積したお気に入りの場面を思い出させてくれて感慨深いです。
さとやす先生が描いてきた挿絵も数多く収録されており画集として見る楽しさもあるかと。
「どこから読んでもいいスタイル」からどんなエピソードが生まれるのか、興味津々です。

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2020年03月25日

『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第五部「女神の化身1」』

香月美夜 先生が贈る大人気ビブリア・ファンタジー。 第五部最1巻は“フェルディナンド”
を送り出した“ローゼマイン”が貴族院3年生となり、野望に向けて忙しなく動き回ります。
(イラスト:椎名優 先生)

https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=146959864


“ローゼマイン”を疎ましく思う勢力の悪意、「粛清」の顛末をもってしても衰えを知らず。
それでも自分の図書館を充実させるべく邁進する彼女の姿は頼もしくもあり勇ましくもあり。
血気盛んな彼女に遠く離れた身でありながら釘を刺す“フェルディナンド”には流石の一言。

神の加護を得る儀式で多くの加護を得る、という“ローゼマイン”も体験した不思議話から
ある事実を突き止めたエピソード。その影響がもたらす彼女の変化、そして価値の底上げは
今後の更なる騒動に向けた対策でもあるのかも知れない、と思うと素直に喜べない雰囲気で。

「粛清」関連の話で印象的なのは“グレーティア”が“ローゼマイン”に示した決死の覚悟。
まさに苦渋の決断といった所で同情しながらも名捧げした相手に尽くしてくれたらと祈らず
にはいられません。“ヒルデブラント”王子が示す決意の行方も気になる次巻が楽しみです。

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2020年03月24日

『豚のレバーは加熱しろ』

逆井卓馬 先生の「第26回電撃小説大賞・金賞」受賞作。異世界に豚として転生した青年が
人の心を読む少女が命を狙われる危機から守るべく、不自由な姿で大冒険を繰り広げます。
(イラスト: 遠坂あさぎ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/butaliver/321910000142.html


豪族の小間使いとして仕える美少女“ジェス”。主人に暇をもらい帝都に向かう必要がある
彼女に世話になった“俺”は同行することを決めた。豚の姿で。全ての元凶、豚のレバーを
生食した事を悔いる冴えない理系オタクの豚に何が出来るか、不自由な身で考えながら──。

“ジェス”が主人公の考えていることを、少々やましいことも感じ取っても嫌がることなく
サービスシーンすら見せてしまう彼女がけなげで愛おしい。その彼女が命を狙われる要因、
「イェスマ」という種族とは何か、そもそもなぜ彼女は帝都を目指すのか、謎は尽きません。

主人公が持てる知識を駆使し、彼女に迫る危機を振り払い、謎に迫る過程で話の構成要素が
次々と繋がっていく展開に惹かれます。帝都に何が待ち受けているのか、主人公は元の世界
に戻れるのか、結末も興味深い引き具合で続きが気になります。お薦めできるシリーズです。

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2020年03月23日

『数字で救う! 弱小国家 5 勝利する者を描け。ただし敵は自軍より精鋭と大軍であるものとする。』

長田信織 先生が贈る異世界数学ファンタジー戦記。第5巻は同盟軍の潰走から泥沼化する
戦争に頭を悩ませる“ナオキ”たちに更なる強敵と、史上最大の窮地が待ち受けています。
(イラスト:紅緒 先生)

https://dengekibunko.jp/product/su-suku/321907000705.html


同盟軍の大敗をお膳立てした“グラフディール”公爵の「ファヴェール」に対する執拗な
間接攻撃を見抜き、嫌悪感を示す“ナオキ”。公爵が明かした「きっちり届ける」信条の
意味を突きつける現実の厳しさは彼の身にも降りかかるほどで緊迫の度合いが段違いです。

聡明であるが故に失言などやらかしてしまう“ソアラ”が「かわいそがらないでください」
と決めセリフを言う面白さも安定してきましたが、まさか涙ながらに絞り出すその一言が
胸を打つことになろうとは。“ナオキ”も隅に置けませんな。愛人とのあの絡みも含めて。

弱小国家を救うため「幸せを増やして世界をより良くする」ことに尽力した“ナオキ”が
導いた結末。人間ドラマに溢れる展開は戦記物としての魅力を更に引き上げたと思います。
ここで幕を引くのは惜しくないですか、「電撃文庫」編集部さん。続刊を熱望いたします。

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2020年03月20日

『六畳間の侵略者!? 34』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算36冊目は突如牙を剥いた“ラルグウィン”の狡猾な
襲撃の数々に手を焼く“孝太郎”が六畳間の女の子たちに助力を求める展開を描きます。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/892.html


バイトで次々と騒動に巻き込まれる“ゆりか”にお金の面倒は見ると宣言した“孝太郎”。
1人を選ばず8人を受け入れる、という六畳間の特異な縁が一歩進んだ証でもあるワケで。
“ルース”との一件で何事も任せっきりにしない、と考え方を変えた点も今後要注視な所。

そんな中、“ヴァンダリオン”の失敗を糧とするべくフォルトーゼの超越した科学技術や
霊子力遮蔽装置がもたらす効果を最大限に活かす“ラルグウィン”の二重三重の策が実に
えげつない。超長距離からの狙撃手“ファスタ”が今後どう絡んでくるかも気になる存在。

こと戦闘する場面では獅子奮迅の活躍を見せる“孝太郎”も新たな敵のアプローチで一歩
出遅れることになる今巻。無事に帰ってくることを信じて待つ、という女性陣の苦しさを
実感できたことで更なる成長が見込めて楽しみです。予告の内容にも興味津々であります。

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2020年03月19日

『転生魔王のジュリエット』

久慈マサムネ 先生が「ファンタジア文庫」から贈る新作は、敵国同士なのに恋仲な男女が
結ばれるとこの世界が滅ぶ魔王の呪いのせいで葛藤する日々を描く学園ファンタジーです。
(イラスト:みやま零 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202002juliet/321910001007.html


“ハルト”と“イリス”は辛酸をなめ合う各々の国の代表者で、学園内の諍いも絶えない。
実は秘密の逢瀬を重ねる間柄で、しかも結ばれたら身に宿す転生体が揃い魔王が復活する
爆弾を抱える関係。催淫をもたらす呪いもあり、恋人と世界どちらを取るかが問題で──。

表では“ハルト”に対して敵意むき出しの“イリス”が、2人っきりときは目をハートに
するほどラブラブな様子を見せるのがまず可愛い。呪いの催淫効果でエロくなる姿も実に
艶めかしい。彼に抱く恋心も呪いのせいではないか、と悩んだりするところもいじらしい。

魔王復活を目論む“サザーク”もイイ味だしてるキャラでコメディ要素にも手抜かりなし。
“ハルト”も“イリス”も実力者でバトルも熱く、見栄えの良いシーンに事欠かきません。
呪いなんて関係ないと宛てもなく息巻く2人に一縷の望みも見せており続きが楽しみです。

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2020年03月18日

『このあと滅茶苦茶ラブコメした2 私とラブコメしたいんですか? ふふ、お断りしますね』

仙道八 先生によるコミック連載も始まった、春日部タケル 先生が贈る学園ラブコメディ。
第2巻は“君影”のラブコメ魔法で“大我”が彼女の一番知られたくない秘密を探ります。
(イラスト:悠理なゆた 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/konoato_lovecome/321906000149.html


“シフォン”に対して抱いた感情に気付かない、という“大我”の致命的な設定。これこそ
何かしら認識阻害の魔法が掛かっていてもおかしくない言動。自分から想いを伝えたい、と
仄かに決意表明するも道険し、という感じで“ピュアリィ”が呆れるのも致し方ない所かと。

そんな中、“大我”たちのクラスに赴任してきた“凜堂”が格好良い女性の鑑と言える傑物
にも拘わらず誤ったキュートさを目指す、どこか滑稽で少々扱いに困る人物。ありのままの
自分でいることが一番と諫める彼に心動かされた彼女に禁断の恋は芽生えるか注視したい所。

ありのままの、と言えば前巻で下ネタ連発の裏側に抱く淡い想いを魅せてくれた“君影”が
何度試みてもそれを言葉にできないもどかしさを今巻では“雪村”が代弁してくれています。
というか下ネタ連発の理由が鮮烈で、エピローグもまた印象深い。次巻の標的が楽しみです。

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2020年03月17日

『ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?5 〜いくつになってもお姫様〜』

望公太 先生が贈る年の差純愛・甘々ラブコメディ。第5巻は父の再婚相手から“姫”との
交際を認められない“薫”がそれでも2人の絆が如何に強いかを確かめる過程を描きます。
(イラスト:ななせめるち 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815604677.html


恋を知り、変わりゆく自分に周囲が気付き始めた“姫”が気を引き締める局面で鳴る電話。
“妃”に嘘がバレ、喧嘩をして家出、という落差の激しい生き様を見せる“姫”の苦悩は
深まるばかり。結婚と離婚を経験したからこその姉の発言は現実を重く突きつけてきます。

一方、宣告を受けた“薫”が自身が抱く想いについて相談した“楓”には叱咤激励を受け、
“遥”には呆れられ、と決意を新たにしたところは男気があって、そして大人びていて。
愛の逃避行を敢行したその果てでも、2人なりの一段落を迎えられたあたりは評価が高い。

父“茂”が言った言葉を反芻し「運命の相手」とは何かを問いかける“薫”。彼の言葉に
耳を貸す“妃”が出した結論は女性の一見解としてこれまた印象深い。最愛の人から貰う
誕生日プレゼントの「重さ」を実感する年齢を無事迎えられることをただ願うばかりです。

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2020年03月16日

『薬屋のひとりごと9』

日向夏 先生が贈るシリーズ累計600万部の大人気ミステリー。ドラマCD付き限定特装版が
同時発売となる第9巻は“壬氏”の治療を目的に“猫猫”が医術の教えを求めていきます。
(イラスト : しのとうこ 先生)

https://herobunko.com/books/hero14/11196/


“壬氏”自ら負った火傷の意味を知ってしまった“猫猫”の後に引けない感が極まる局面。
薬屋としての内科処置に限界を認める彼女が外科処置の知識を“羅門”に求めるのは自然。
彼が彼女に覚悟を試したのも、そもそも薬屋になれとを勧めたのも至極納得のいく価値観。

あらぬ思惑にて西都へ赴くことになった“壬氏”。道連れの人選もままならず、不足する
医官の候補に“猫猫”へ白羽の矢を立てた職権乱用ぶりがお茶目。“劉”医官が昔も今も
面倒に巻き込まれながら仕事をこなす姿が職人気質で格好良い。気苦労は絶えないですが。

同道する“羅漢”や“雀”の自由奔放ぶりに“猫猫”が頭を悩ませる様子も見どころな上、
辿り着いた亜南の国で“やぶ医者”が巻き込まれた騒動を経て彼女が“壬氏”に露にした
感情、彼に対する想い、そしてあの挿絵には思わず顔がニヨニヨ。続きが実に楽しみです。

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2020年03月13日

『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!10』

海空りく 先生が贈る異世界革命譚。第10巻は“桂音”の裏切りを利用して理想の国を築く
“リンドヴルム”に対し過ちを正すため“司”が最後の一手を仕掛ける最終巻となります。
(イラスト:さくらねこ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815605346.html


「君のしている事は必ず失敗する」。過去に負った心の傷の深さゆえに人が持つ「欲」を
疾患と捉え根絶に務める“桂音”にそう断言する“司”。施術された“勝人”や“林檎”
が“司”の正しさを証明する中、特に彼女を止める“クマウサ”の姿は目頭にきました。

“桂音”以上に“リンドヴルム”へ物申したい“司”が「万国博覧会」を開くその狙い。
超人王が訝しむのも無理はない中、「欲」のくびきからまだ逃れられない人の業を突く
施策の数々は考えさせられるものがあります。こちらも約束された「失敗」と言えます。

そんな失敗を目にした“司”が自分の持つ「欲」に気付かせてくれた“リルル”へその
想いを告げる場面は「ようやくこの時が来たか」と胸をなでおろす瞬間でもありました。
大切なもののため忠実に異世界を駆け抜けた超人高校生たちに幸あれ、な幕引きでした。

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2020年03月12日

『俺、ツインテールになります。19』

水沢夢 先生が贈るツインテール愛あふれるシリーズ。第19巻はアルティメギル“首領”の
総攻撃で窮地に陥る“総二”たちがツインテールへの熱い愛を貫き通す最終巻となります。
(イラスト:春日歩 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518290


“総二”が「テイルレッド」である、という最大の秘密を世界に晒す“首領”の容赦なさ。
世界からツインテール愛が失われ、変身もできず心挫けかけたその時、世界を救い続けた
彼の想いに応える人たちの挙げる声の数々が含む熱さ。変人揃いですね、と思わず苦笑い。

「俺、ツインテールになります!!」世界に向けて高らかにその愛を告げ直す“総二”たち。
春日歩 先生が描く見開き挿絵の演出がこれまた心躍る構成で、素晴らしいと言う他なく。
“首領”が彼に問いかける「ツインテールとは何か」に対するが突拍子も無くて実に深い。

“総二”以外にもツインテイルズの面々が死闘の果てにそれぞれの決着をつけるのも見所。
ツインテイルズにも、アルティメギルにとっても未来を予感させるエピローグもまた見事。
“トゥアール”と“愛香”の百合展開と共に、完全完結へ向けた一手を待望する次第です。

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2020年03月11日

『俺の女友達が最高に可愛い。』

『我が驍勇にふるえよ天地 -アレクシス帝国興隆記-』の あわむら赤光 先生が贈る新作は
恋人ではなく唯一無二の親友となった高校生の男女が繰り広げる日常を描くラブコメです。
(イラスト:mmu 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815604691.html


授業中でなければゲーム機で遊ぶのもOKな私立校に入学した“カイ”。彼の隣席に座った
美少女“ジュン”が鞄から取り出したのはまさかの携帯ゲーム機。話してみると気さくで
趣味嗜好も合致。更にある秘密すら共有して2人は家でゲーム三昧も当たり前の仲に──。

イチャイチャする2人を描くだけではなく、そこに「性別を超えた友情は成立するのか」
というテーマを乗せて恋愛未満の絶妙な繋がりを魅せていく内容にまず好感が持てます。
ふとしたきっかけで発生するスキンシップに2人がドギマギする様子は思わずニヨニヨ。

“ジュン”の友だちである“怜奈”に「関係が気に食わない」と目をつけられた“カイ”。
彼女と親友として一緒に居ることを強くアピールする彼の気概には本当に惚れ惚れします。
“王子”先生がいい味出してるのも先々に可能性を感じて、続きが楽しみなシリーズです。

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2020年03月10日

『石垣島であやかしカフェに転職しました』

小椋正雪 先生が「LINE文庫」から贈る新作は、ブラック企業に勤めていた新人OLが倒産の
憂き目に遭い、旅行先の石垣島にて不思議な出来事や様々な縁に巡り合う顛末を描きます。
(イラスト:飴村 先生)

https://amzn.to/2vrHevf


石垣港離島ターミナルで衝撃の連絡を受けた“葉月”は、スーツケースが動かない怪異に
遭遇する。そこで出会った男性“俊郎”に教えられたまじないで突如現れた婦人“ナホ”
に助けられる。彼女は彼の代わりに“葉月”へある仕事を依頼したいと言うのだが──。

島で「みえるひと」と称されるあやかしが認識できる人物として“俊郎”が営むカフェで
養われることになった“葉月”。彼女が社畜として培ったタフさや意外な能力を駆使して
あやかしと「もちつもたれつ」の関係を築きつつ、生き方が報われていく展開が好感触。

文章の端々に現地の雰囲気を感じさせる作風は、8年ほど前に『八丈島と、魔女の夏』を
拝読した頃を思い出します。“俊郎”が背負う宿命を前に“葉月”があやかしとの縁を
頼って驚きの結末を導く展開は、彼女の未来に幸あれと願いたくなる気持ちが溢れます。

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2020年03月09日

『りゅうおうのおしごと!12 小冊子付き限定版』

白鳥士郎 先生が贈る熱血将棋コメディ。第12巻はプロ棋士を目指す“銀子”が心身を削り
三段リーグ終盤に臨む怒涛の展開を、限定小冊子では彼女の魅力を余すことなく描きます。
(イラスト:しらび 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815604943.html


“創多”と“鏡洲”の対局では「自分の将棋を指す」信念を、“鏡洲”と“銀子”の対局
では血反吐を吐いてでも「勝つしかない」棋士の意地を、そして“於鬼頭”と“八一”の
対局ではソフトとは違う「人にしか読めない」将棋を、立て続けに魅せつける圧巻の展開。

そんな熱い勝負の傍ら、“銀子”と“八一”の蜜月が如き2人の関係に思わずニヨニヨ。
“天衣”が開き直って奇襲する様子や、彼女の決意を前に涙を流す“あい”の姿を見て
一波乱あってもおかしくないと思いつつ、あの2人を崩せる手があるか悩ましくもあり。

“於鬼頭”がスクラップブックに残したかった言葉が“創多”の胸に響くのも印象深くて。
修羅の道を進む果てに“銀子”の幸せがあってほしい、と願うのも自然な流れな気がして。
小冊子で文章と絵を駆使して描かれる彼女の尊さを十二分に味わいながら次巻を待ちます。

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2020年03月06日

『おいしいベランダ。 8番線ホームのベンチとサイダー』

竹岡葉月 先生が贈る大好評・園芸ライフラブストーリー。第8巻は神戸に仕事の拠点を
移す“葉二”と共に歩む人生を夢見て、関西での就職活動に臨む“まもり”が奮闘します。
(イラスト:おかざきおか 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/oishiiberanda/321808000697.html


“葉二”の実家にご挨拶、ということで両親に対し彼には何も不安要素がないはずが兄の
“香一”が突如現れて爆弾発言を投下。怒り心頭の母親が感情を持て余し家出をするのも
無理はなく。そんな中でも“まもり”がご両親の心証を良くするあたりは流石の成長ぶり。

神戸への引っ越しを手伝う“まもり”が“葉二”の元同僚“勇魚”と改めて顔を合わせて
為人を掴み合うエピソードは「神戸編」の始まりを実感させます。環境の変化が新天地に
おける未知なる発見の楽しみも予感させて、不安だけでなく期待もあることを窺わせます。

立ち上げたデザイン事務所で代表を務める“葉二”のストイックな仕事ぶり。それに対し
プライベートの愛らしさに所員たちが微笑ましさを覚える中、“まもり”が就活に苦しみ、
関西で仕事を見つける意味を見失わず、嬉し涙を流すまでの顛末は必見で、胸を打ちます。

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2020年03月05日

『妹さえいればいい。14』

平坂読 先生が贈る大人気青春ラブコメ。第14巻は最愛の人との結婚生活を送る“伊月”が
小説家としての生き様をさらけ出す顛末や、周囲の人々のその後を描く最終巻となります。
(イラスト:カントク 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518283


「主人公になりたい」を超える作品はないものの、好評な作品を世に送り続ける“伊月”。
自身を超えるための鍵となるのは妻となった“和子”だが、彼女は3人の生活に満足して
“可児那由多”に戻る気配はなく。突破口となる“京”の狙いがドンピシャなのが流石で。

結果として映えある賞を受賞し、スピーチの場に登壇する“伊月”が世界中の主人公へ、
もしくは主人公候補たちへ向けて放った一言はまさに鮮烈。カントク先生の挿絵も印象的。
彼の周囲もうまく纏まったり混迷を極めたりしていて「らしさ」に溢れているのもお見事。

巻末に収録の番外編「青い小鳥たち」は、そんな主人公たちの次の世代を中心とした物語。
これは続きが読みたくなるほどの完成度を持った内容で何と言うかズルくてもったいない。
次回作も決まった模様ですので完結を祝いつつ、その刊行を楽しみに待ちたいと思います。

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2020年03月04日

『宝石吐きのおんなのこ10 〜ちいさな宝石店の紡ぐ未来〜』

なみあと 先生が贈るファンタジーノベル。第10巻は騒動が収束し、リアフィアット市へと
戻ってきた“クリュー”が体質の変化を見据え“スプートニク”共々ある決意を固めます。
(イラスト:景 先生)

https://amzn.to/2T8d9sw


“ソアラン”が「魔法少女ナギたん」として憂さ晴らしをするのも、全てを知ってもなお
“イラージャ”が果敢に彼を追い詰めようとするのも、そんな彼女を“ファンション”が
焚きつけるのも、愛おしい日常の一つなのだと再認識。彼には災難な話でしょうけれども。

「おかえりパーティ」を前に“ユキ”として“スプートニク”に、そして“クリュー”に
接してきた彼女が明かす胸の内。激情に駆られて露にする妬ましさ、その先にある達成感。
学ぶべきことが山積する“クリュー”がその想いをどこまで汲めたのかは推して知るべし。

例え宝石吐きの能力がなくても“クリュー”の帰る場所は「スプートニク宝石店」であり、
その店主の傍にある。約束された未来を予感させるエピローグには感慨深さもひとしおで。
無事の完結を祝い、なみあと先生のご清祥を祈念しつつ、次回作に期待を寄せる次第です。

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2020年03月03日

『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』

みかみてれん 先生が贈る、2月に刊行するもう一つのガールズラブコメ。陽キャを目指す
少女が校内一の美少女と友人になるはずが恋人になるかどうかの駆け引きを繰り広げます。
(イラスト:竹嶋えく 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631356-8


“真唯”は金髪碧眼のクォーターで、プロのモデルもこなす文武両道のスーパー高校生。
高校デビューに成功した“れな子”は、その証として彼女と友だちになり、思いがけず
弱音を聞き慰める形に。するとなぜか“れな子”は“真唯”から告白されてしまい──。

“真唯”と親友でいたい“れな子”に対し、“れな子”と恋人同士になりたい“真唯”。
互いの気持ちを分かってほしい、と親友として振る舞ったり、恋人として寄り添ったり
関係を入れ替える2人の様子が面白く、漫才のボケとツッコミを見ているかのようです。

ある日を境に行き違いを起こす2人。傷心の“真唯”に隠れて“れな子”が“紫陽花”
に勘違いされたり、“香穂”にライバル視されたり、“紗月”に気遣われる展開が絶妙。
“真唯”と“れな子”の関係を言い表す相応しい言葉を探求する2人を見届けたいです。

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2020年03月02日

『女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話』

みかみてれん 先生が頒布する同名の同人小説、通称「百日百合」シリーズが商業作品化。
百万円を懸けて女の子同士が付き合う可能性の有無を問い質すガールズラブコメディです。
(イラスト:雪子 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815604479.html


イケてる女子高生の立ち位置を維持する“鞠佳”は金欠なためサポート交際も視野に、と
友人たちにほのめかす。すると同級生の“絢”から突如「1日1万円で私のサポを受けて」
と提案される。彼女は“鞠佳”が女の子同士の交際を否定したことにご立腹のようで──。

同人誌で描かれる2人の雰囲気をそのままに、雪子 先生の洗練された挿絵や四コマ漫画
による演出もあって、より読みやすく「ガルコメ」を堪能できる作品に仕上がっています。
「ありえない」なんてありえない、と言わせられる“鞠佳”のあの笑顔に思わずニヨニヨ。

巻末の書き下ろし短編では、そんな“鞠佳”に迫る“絢”の興味深い胸の内が描かれます。
こういった描写を堪能できるのも小説ならでは。同人誌を既読の方にこそお薦めできる話。
「ガルコメ」の流れを みかみてれん 先生がけん引してくれると信じつつ続刊を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル