2019年06月19日

『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』

二丸修一 先生が贈る新作は、幼なじみの少女に好意を抱かれつつ、初恋の女の子へ想いを
募らせる少年が、相手に彼氏ができたと聞き幼なじみと結託する顛末を描くラブコメです。
(イラスト:しぐれうい 先生)

https://dengekibunko.jp/product/321812000887.html


文学界の登竜門となる賞を受賞し現役女子高生作家として活躍する“白草”。彼女の作品を
読み感動した“末晴”は、直接その感情を伝える。彼女が見せた笑顔に恋心を募らせた彼は
高校の「告白祭」でアタックを試みるが、幼なじみの“黒羽”から不穏な話を耳にする──。

親の七光りで俳優デビューした“阿部”と交際を始める“白草”に対する復讐を“末晴”に
持ち掛ける“黒羽”の「親友」という立ち位置が物語を進める中で絶妙な効果を上げてくる
のが面白い。“白草”が冒頭で彼に見せた笑顔の意味も、興味深い要素として見逃せません。

諦めたくても諦めきれない、そんな想いを錆びついた武器一つで相手にどう叩きつけるのか。
“末晴”の意外な生き様と「告白祭」での思いがけない結末はラブコメの真骨頂として必見。
本当に幼なじみは絶対に負けないのか、続きを読ませてほしいと思えるオススメの作品です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年06月18日

『ふしぎ荘で夕食を 〜幽霊、ときどき、カレーライス〜』

村谷由香里 先生の「第25回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞」受賞作。おんぼろな
シェアハウスで大学生活を送る青年がちょっと不思議で、そして切ない出来事に遭遇します。
(イラスト:ゆうこ 先生)

https://mwbunko.com/product/321812000048.html


「深山荘」に下宿する“七瀬”は大家の孫娘“夏乃子”に仄かな感情を抱きつつ、同居人
たちと穏やかな日々をすごしていたが、ある日、下宿先にまつわる幽霊の噂話を耳にする。
そんな折、夜更けに窓の外へ何かの気配を感じた彼は幽霊の視線と目が合ってしまい──。

“児玉”が見せる特殊な嗜好もアレですが、新しく引っ越してきた“沙羅”も意外な一面
を、それを言うと“夏乃子”も持っている「深山荘」の面々。騒動を機に不思議な事象に
巻き込まれる“七瀬”を見ているとプロローグで描かれた一面がフラッシュバックします。

「深山荘」に良くないものが棲みついているから祓うと訪れたある人物が物語を決定的に
動かしていき、「生地山神社」という重要スポットの意味を示されると驚かされますし、
物悲しくなるというものです。夕食に込められた様々な想い、ぜひ味わってみてください。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年06月17日

『破滅の刑死者 内閣情報調査室「特務捜査」部門CIRO-S』

吹井賢 先生の「第25回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞」受賞作。国家機密の消失
という一大事に対し捜索に乗り出す女性と手掛かりとなる青年の数奇な生き様を描きます。
(イラスト:カズキヨネ 先生)

https://mwbunko.com/product/321901000100.html


世間には存在しないことになっている部署「CIRO-S」に所属する“珠子”は、事件当時の
様子を探るため現場にいた大学生“トウヤ”に話を聞く。すると彼は親の借金を肩代わり
する友人のため単身、暴力団事務所を訪れ命懸けの賭け麻雀をしていたと言い出し──。

尋常ではないギャンブル狂いな“トウヤ”の無鉄砲な振舞いに振り回されつつ“珠子”が
国家機密「Cファイル」の存在、それを狙う犯罪組織「フォウォレ」の行方を掴んでいく。
その緊張感あふれる展開、一癖も二癖もある人々の振舞い、そして異能に惹き込まれます。

とかく“トウヤ”の言動に目が行きがちなこの物語、実は衝撃の事実を前にした“珠子”
を通じて信条に基づいて生きる、その根源を読み手にも問いかける話でもあったのかも
知れません。それぞれの想いを賭けたが故の結末は必見と言えます。ぜひ、お見逃しなく。

posted by 秋野ソラ at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年06月13日

『道化か毒か錬金術 2』

水城正太郎 先生が贈る錬金術アクション。第2巻は皇帝からの要請で宗教紛争にまつわる
悪魔の調査に純正聖教ご推薦の学生をパートナーに加えて“アルト”たちが乗り出します。
(イラスト/Ume 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/843.html


冒頭で見せたスパイ養成学校での“エイヴリー”に関する逸話。気難しいというか融通が
利かない感じ学生である彼が純正聖教から推薦を受けた理由。それを巡ってここまで話が
発展するとは。“アルト”とはまた違う自分勝手に振り回された彼には切なさが募ります。

今回登場する悪魔に対抗すべく「混沌の蝶」と手を結ぶことも選択肢に入れる“アルト”。
そんな彼に“イングリド”が猛抗議するもいつもの手癖の悪さで懐柔されるあたりは良い
相棒ぶりをみせているな、と感じます。“ロサ”も付き合いがよくて見ていて面白いです。

冒頭で皇帝“ジャン”が“アルト”に向けた感情、というか仕掛けに“イングリド”共々
驚かされたものですが、巻末まで読み進めてそのこじらせ具合は想像以上で更にビックリ。
思い通りにさせないために内に外にと活動し続ける“アルト”に同情を禁じ得ない所です。

posted by 秋野ソラ at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年06月12日

『葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王』

一ツ屋赤彦 先生の「第24回スニーカー大賞・金賞」受賞作。数多の国が群雄割拠する大陸
で種族間の通訳の仕事を探す少年が豹人族の姫と出会い、王に至るまでの経緯を綴ります。
(イラスト:紅緒 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/budo-tairiku-monogatari/321903000007.html


豹人族の姫“シャルネ”は大国バツの王に嫁ぐことが決まっている身ながら、天真爛漫が
すぎて花嫁修業も身につかず世話役の“キリン”も手を焼くほど。流民団で大陸すべての
言語を喋れる“メル”は、ヒトの王との橋渡し役として彼女の教育係に抜擢されるが──。

“シャルネ”に対してヒトの言葉や習慣を覚えさせるために“メル”が手を打った方法が
思いのほか彼女に効いたようで、ロマンスの花咲く展開が微笑ましい。しかし、それすら
彼を抜擢した小国の王“エデル”の思惑の範囲内、という興味深い流れで話が進みます。

バツの王の人でなしぶりに“シャルネ”が反発したことで窮地に陥る小国を救う術として
“エデル”が選んだ“メル”がどう大国に立ち向かっていくか、これがまた魅せる展開で
読み終えた後も心温まる余韻を残してくれます。ぜひ続きが読みたい、お薦めの作品です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年06月11日

『14歳とイラストレーター7』

むらさきゆきや先生がイラストレーターのガチな日常を綴るお仕事コメディー。第7巻は
“水織”に誘われて突如Vチューバ―としてデビューする“悠斗”が業界の闇に迫ります。
(イラスト・企画:溝口ケージ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/fourteen/321810000837.html


“愛澄”は本当に男運も、女運も悪いという展開に。かつて“悠斗”が彼女に渡した指輪
について言及されてはいけない人に見られてしまったり、と彼にとっても二次災害っぽい
流れでどうなることやら、と思いましたが斜め上な方向から解決したのでひとまずは安堵。

Vチューバ―界隈は盛況、とのことでラノベ界隈も盛り上がっていきたいものと羨む中で
ネット上でも話題になった事務所との契約問題に言及する話は色々考えさせられるものが。
荒事にせずどう解決するかは見ていただくとして、“水織”の今後の動向が気になる展開。

次なる同人誌は“乃ノ花”と“水織”の合同誌。表紙は両者で持ち寄ってのコンペという
ことで判定する“悠斗”はどう裁定を下すか。その判断根拠も中々のもので要チェック。
作中にあった重要な要素「面白そう」という感情を創作物にどう活かすか注目してみます。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年06月10日

『ようこそ実力至上主義の教室へ11』

衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。第11巻は1年最後の特別試験にて司令塔として
矢面に立つ“綾小路”がクラスの面々と共に“坂柳”率いるAクラスと直接対決を迎えます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/321902000048.html


前回試験で賞賛票1位を得た、という関係者以外が見れば不可解に感じる疑念を払拭する
意味でも今回の「選抜種目試験」で退学を回避するためプロテクトポイントを使う立場に
収まった“綾小路”。後から見ればこれが「相手」のやりたかったことで実にえげつない。

“山内”退学の動揺、そしてそれを止められなかった“平田”の非協力的な態度から結束
しきれず、一人フォローに回る“みーちゃん”の苦労も報われず、で打つ手なしな状況を
どう乗り切るかが見どころ。“綾小路”の本性が知られていくのは吉と出るか凶とでるか。

そして冒頭にある“坂柳”の独白が予兆する一騎打ちもついに実現。結果に関してはご覧
いただくとして、彼女の対応には色々と好感が持てます。今回前面に出てきた敵に対して
共闘する場面も今後期待できそう。次は2年生編の前に話を挟むということで楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 01:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年06月07日

『レイジングループ REI-JIN-G-LU-P 2 不浄の民』

アドベンチャーゲーム「レイジングループ」のシナリオライター、mphibian 先生が自ら
小説版の執筆に臨む本作。虚淵玄 先生の解説に推されながら、第二巻が堂々の登場です。
(Illustration/影由 先生)

https://www.seikaisha.co.jp/information/2019/05/08-post-rlfic2.html


“狼じじい”の死が教えてくれた「けがれ」と異なる、明確な人間の殺意。渦巻く疑念が
最後の宴で「おおかみ」の存在を明かしたとしても時すでに遅し。死に戻りの力をもって
しても掴めなかった休水の謎を解く鍵を“陽明”に教えた「彼女」の、あの表情が切ない。

最悪の結末を迎え、この物語へのアプローチの仕方をイチから見直す“陽明”。試行錯誤
していく描写は実際にノベルゲームをプレイしているかのような感覚を味わって、思わず
ほくそ笑んでしまうほど。ホラーな話を読んでいることを忘れる面白さも内包しています。

何度もやり直した結果として得た知識、人間関係を俯瞰しながら新たな展開で16人揃って
宴の支度に向かう“陽明”に期待を高める展開を、思いがけない形で引っくり返していく
「あの人物」の声と姿。彼にまだ何が足りないと言うのか。次巻も目が離せないようです。

posted by 秋野ソラ at 00:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年06月06日

『サラリーマン流 高貴な幼女の護りかた 2』

逆波 先生が贈る異能剣戟アクション。第2巻は辞令により“日桜”を護衛する人を離れて
単身で京都支部に異動した“平蔵”を新たな護衛対象とそれに纏わる陰謀が待ち受けます。
(イラスト/Bou 先生)

https://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865544930
https://ncode.syosetu.com/n8489dw/


京都三家を軽視する“鷹司”に灸を据えてやろう、という思惑に巻き込まれた“平蔵”。
彼にべったりな“日桜”の気持ちを知ってか知らずか、辞令を受け取ってすぐに京都へ
向かってしまうあたり、“裂海”に電話越しで怒鳴られるのも止む無しと言うしかなく。

いざ出向すると“平蔵”に対する扱いもぞんざいで、護衛対象の“千景”も継承権19位
と狙われる理由も見当たらない、と不可解なことばかり。そこに京都支部の暗部を見た
彼が彼女を小学生でありながら一人立ちさせようと奮闘する展開が続くのは心苦しくて。

“平蔵”のことを訝しんでいた“千景”が次第に心解いて想いを寄せていく変化が実に
愛おしい。対する彼はどんどん人外じみてきてどこへ向かうのか戦々恐々たる思いです。
事を片づけた彼にはまず“日桜”の心の安寧に努めてほしいと願わずにはいられません。

posted by 秋野ソラ at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年06月05日

『ピンポンラバー3』

谷山走太 先生が贈る青春卓球ストーリー。第3巻は全日本ユース選抜強化合宿に参加する
“翔星”の前に幼馴染で好敵手の“晴海”が現れ、代表の座を賭け切磋琢磨していきます。
(イラスト:みっつばー 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517866


再会した“晴海”の驚くべき成長ぶりを見て熱く血を滾らせる“翔星”の卓球バカっぷり
もさることながら、代表コーチ“荻原”にのっけから弱点を指摘されて出鼻をくじかれる
“瑠璃”の負けん気も「らしさ」を感じます。指摘する“椿”もとんでもないですけど。

かねてより、また冒頭でも独白した“椿”の想い。その考え、感情に至った経緯を改めて
振り返る過程は重くのしかかる現実を突きつけてくると共に、彼女がひた隠しにしてきた
秘密を白日の下に晒します。“翔星”がこれに心揺さぶられるのも止む無しというもので。

全てを知り、代表を決めるトーナメント戦で「勝てば“椿”をもらっていく」と宣言した
“晴海”を前に心穏やかでない“翔星”は戦いきることができるのか。勝負の意外な結末、
更に“椿”に対して彼はどう結論づけたのか。印象深い顛末は必見で、次巻も期待大です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年06月04日

『聖剣学院の魔剣使い』

『精霊使いの剣舞』を完結させた 志瑞祐 先生が贈る新作は、神々との戦いに敗れた魔王が
勝機を胸に千年後の世界で10歳の少年に転生する顛末を描く学園ソード・ファンタジーです。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/seikengakuin/321812000465.html


千年後に現れる“反逆の女神”の力を宿す人の子が魔王軍を復活させる。その予言に従い
転生した最強魔王“レオニス”はなぜか10歳の少年になって、未知なる敵ヴォイドと戦う
戦術都市に保護される。何もかもが違い、ままならない彼はかの約束を果たせるのか──。

本調子ではない“レオニス”を助けた“リーセリア”・・・のはずが意外な形で助けられる
ことになる顛末がまず興味深い展開で話に惹きつけられます。というか、10歳の姿だから
といって色々とイイ思いをしすぎじゃないですかね、と彼には突っかかりたくなるもので。

聖剣を巡る顛末、魔術が失われた経緯、ヴォイドとの因果関係、その他諸々を絡めとった
“レオニス”がしっかりと力を見せつけてくれるバトルも見所です。何より 遠坂 先生の
挿絵が演出としても秀逸でオススメ間違いなし。順調な滑り出しを見せた続きも期待です。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年06月03日

『リアデイルの大地にて2』

7月から 月見だしお 先生の漫画連載も始まる、Ceez 先生の「小説家になろう」投稿作。
第2巻は“マイマイ”の手紙を手に、隊商と北の国へ向かう“ケーナ”の旅路を描きます。
(イラスト:てんまそ 先生)

https://amzn.to/2Iap0ko
https://ncode.syosetu.com/n1247p/


身から出た錆、ということで見ている分には楽しいもののご愁傷様な感じの“マイマイ”。
思いがけない形で人の縁、家族の絆が広がっていくのは“ケーナ”の人徳かも知れません。
あしらい方が紙一重なので危なっかしいのがアレですけど、それはそれで楽しくもあって。

旅路の途中でついに出会った“ケーナ”以外の「プレイヤー」。これもまた両極端な例を
示してきて、彼女としても思う所ある展開に。伝え聞く“オプス”の存在感がまた強烈で
印象深い中、彼が託した「あの子」の存在が今後どう物語に影響してくるか、要注視です。

騒動に巻き込まれる体質とも揶揄される“ケーナ”が辺境の村に腰を落ち着けてみようと
考える場面でも更なる火種を呼び込むあたりは彼女らしく実に微笑ましい。その雰囲気を
脅かすようなエピローグの描写が、月見 先生によるコミカライズと併せて気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月31日

『クラスメイトが使い魔になりまして』

鶴城東 先生の「第13回小学館ライトノベル大賞」ガガガ賞&と査員特別賞、W受賞作品。
落ちこぼれ魔術師が才色兼備の美少女を使い魔にする所から始まる魔法学園ラブコメです。
(イラスト:なたーしゃ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517910


国際魔術師協会付属の学園で行われる進級試験。そこで魔人召喚を成し遂げた“千景”が
持つ魔導書が突如燃える異常事態が発生。制御不能の魔人から非力な“想太”に庇われた
彼女がそれを使い魔にする秘策に挑んだ結果、融合して彼の使い魔になってしまい──。

だらしない“想太”に悪態をつく“千景”の思わしげな態度ですとか“旭”の報われない
努力などでラブコメぶりを魅せつつ、使い魔とするはずだった魔人“ソフィア”の思惑や
野心家な“凉華”とのやり取りから学園に巣食う負の感情にも触れる緊張感も味わえます。

使い魔にしてしまった“千景”の関係、何より“ソフィア”とどう折り合いをつけるのか。
“想太”自身が知る由もない秘密も交えつつ向き合っていく彼の姿勢には好感が持てます。
流石はW受賞、と言及するに足る面白さと可能性のある作品です。オススメしておきます。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月30日

『後宮妃の管理人 〜寵臣夫婦は試される〜』

しきみ彰 先生の「第1回富士見ノベル大賞・審査員特別賞」受賞作。皇帝の側近と結婚し
側室たちの健康管理を任された行かず後家の女性が後宮の闇に挑む中華ファンタジーです。
(イラスト:Izumi 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/321901000521.html


商会の一人娘“優蘭”が側室の美容と健康を管理する役割を賜り、更に右丞相“皓月”と
婚姻することで史上初となる家臣夫婦誕生に沸く黎暉大国。商魂逞しい彼女は突如始まる
夫婦生活と後宮の仕事、そして夫の意外な秘密と皇帝の狙いを前に大いに困惑するが──。

「間違った美容法で傷つく女性を見たくない」その強い想いを胸に培ってきた知識を基に
宮廷内の派閥争いも見定めつつ後宮の四夫人と渡り歩いていく“優蘭”。彼女が皇帝から
明示されず仕組まれた課題を知らぬ間に解決していく顛末は興味深く、また実に爽快です。

皇帝に振り回される苦労人な“皓月”。彼の穏やかな人物像が、妻に危害を及ぼす悪意を
知ってから良い方向に崩れていく様子も見どころ。惚れ惚れするほど良い旦那さんですわ。
“優蘭”が皇帝への好感度をだだ下がりさせる中、更なる受難をどう克服するか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月29日

『竜魔神姫ヴァルアリスの敗北2 〜魔界最強の姫が人類のグルメに負けるはずがない〜』

仁木克人 先生が贈る最強グルメコメディ。第2巻は東京23区を離れ関東近郊に勝算ありと
足を伸ばす“ヴァルアリス”が続々登場するメニューを前に敗戦記録も伸ばしていきます。
(イラスト:茨乃 先生)

https://dengekibunko.jp/product/valalice/321811001117.html
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885049300
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM00000020010000_68/


“サチュラ”の手助け、“インフェリス”との思いがけない勝負、様々な過程を経て場を
神奈川、千葉・・・などと東京を離れつつ福島、岩手と北へ進んでいく“ヴァルアリス”が
数々のご当地グルメに舌鼓を打ちながら、つい完食して打ちひしがれる姿はいつも可愛い。

季節や場所に合わせて容姿を変える“ヴァルアリス”を描く 茨乃 先生のイラストもまた
演出に花を添えてきて実に見事。「ComicWalker」にて 矢澤おけ 先生による漫画連載も
始まり、今後ますますの躍進が期待できるシリーズになった感があります。楽しみです。

「滅界儀式」の進捗が芳しくない状況下において“ヴァルアリス”を疎ましく思う者たち
による妨害工作も出始める中、彼女が人界である日本の地において見つけた意外な人物。
その人と向き合うことで彼女は成長するか、儀式の準備は進むのか。続く展開を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月28日

『七つの魔剣が支配するIII』

宇野朴人 先生が贈る大人気学園ダークファンタジー。第3巻は上級生“オフィーリア”の
使い魔に友を奪われた“オリバー”たちが全てをかなぐり捨てて迷宮の深みに向かいます。
(イラスト:ミユキルリア 先生)

https://dengekibunko.jp/product/7-maken/321812000849.html


上級生たちが救出に向かうまでの期日にしびれを切らした“オリバー”たちを、迷宮の深部
へと導くために鍛え上げる手助けに回る“ミリガン”。裏がありすぎでも藁をも縋る思いで
頼らざるを得ない彼らの非力さは、これまでの活躍をもってしても補えないのが実に切ない。

“ミリガン”が示す“オフィーリア”の操る合成獣への対応策。それらを着実に吸収、いや
それ以上に活用する“オリバー”たちに舌を巻くのも納得。その一方で“オフィーリア”の
昔話として語られる彼女を取り巻く事情の数々が穏やかでいて不穏なのも気を惹く展開です。

“ゴッドフレイ”と“オフィーリア”は共にどんな想いで対峙するのか。“ナナオ”が刃を
彼女に向けた瞬間に抱いた想いとは。決死の覚悟で彼女に想いを告げるべく臨んだのは誰か。
終わりゆく者たちと続く道を行く者たちの機微を噛みしめつつ、二年生編の開幕を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月27日

『Unnamed Memory II 玉座に無き女王』

「ラノベニュースオンラインアワード(2019年1月)」三冠達成した 古宮九時 先生の大人気
Web小説。第2巻は“ティナーシャ”の婚約者登場で“オスカー”との関係が揺らぎます。
(イラスト:chibi 先生)

https://dengekibunko.jp/product/unnamed/321810000950.html
https://ncode.syosetu.com/n1488bj/


魔法士を排斥する国、タァイーリ。その隣国、クスクルの魔法士に国境近くの町が襲われ、
話を聞いた“ティナーシャ”の様子が不自然だと思ったら彼女を親しげに呼ぶかの国の王
“ラナク”の元へ付いていく突然の展開で。解呪された“オスカー”が困惑するのも納得。

そして明示されていく“ティナーシャ”の出自、“ラナク”との過去、魔女となった経緯。
先生が狙って開けたあの穴も、彼女が「誰のこともそんな目でみたことない」と発言する
までに至った契機を印象づけるのに十分な演出で。“オスカー”が憤りを感じるのも道理。

過去を清算した主を前に“パミラ”が「恋人同士に見える」と力説する2人の関係は実に
ニヨニヨするほどこそばゆくて、けれど結婚には至らずもどかしくて。そんな2人に対し
謎の人物が示す恨み辛みの深さがまた不気味で。“オスカー”が何とかしてくれると期待。

posted by 秋野ソラ at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月23日

『家に帰るとカノジョが必ずナニかしています』

柚本悠斗 先生が贈る新作は、「お一人様理論」なる持論を貫く高校生男子が突如現れた
美少女と週末限定のレンタル家族契約を結ぶことから始まる寸止め系青春ラブコメです。
(イラスト:桜木蓮 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815601935.html


母親はすでに亡く、山籠もりをする父親とも疎遠となって久しい“颯人”。その父親から
「誕生日プレゼント、可愛いだろ」と派遣されてきたのが“朱莉”で、彼との共同生活に
だいぶ前向きな様子。更に同じ学校に転校までしてきて独り身の彼には悩ましい話で──。

前のめりなワリには事に至らない、レンタル家族のことを周囲に秘密にしながらもまるで
交際しているかのように振舞う“朱莉”。そこへ“颯人”に何かと絡んでくる“羽凪”や
“朱莉”ラブな重度のシスコンぶりを示す妹の“雫”も加わりドタバタ感が面白いところ。

“颯人”と“朱莉”の関係が思わぬ騒動、そして事件へと繋がっていく一転した展開の中
「お一人様理論」を貫こうとした彼の人間関係を問うことになる引き具合が気になります。
必ず「ナニ」をしている「カノジョ」は大丈夫なのかと苦笑いしつつ続きを待つ次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月22日

『三角の距離は限りないゼロ3』

森野カスミ 先生による漫画連載も始まった、岬鷺宮 先生が贈る不思議な三角関係恋物語。
第3巻は三角関係の展開に戸惑う“四季”の心を彼の過去を知る人物が更に揺さぶります。
(イラスト:Hiten 先生)

https://dengekibunko.jp/product/zerokyori/321810000956.html


“春珂”の諦めない姿勢がクラスの文化祭実行委員へ“四季”と共に立候補するという荒業
まで成し遂げる中、彼女の想いを知りつつ自身の「好き」という感情の間で揺れる“秋玻”。
そこへ彼の「キャラ作り」の原点となる“霧香”が本音をぶつけてくるものだからさあ大変。

注目の的となる共同ステージの準備を進める過程で、昔の“四季”と今の“四季”の違いを
これでもかと彼自身に、そして“春珂”たちに突き付けてくる“霧香”。本当の自分とは
何なのか、キャラを作ることは嘘なのか、他人と向き合う難しさを改めて考えさせられます。

“霧香”があの宣言を有言実行とさせるべく仕組んだ文化祭の顛末。自己否定してきた自分
自分の感情と再び向き合うことになる“四季”と、抱いてきた思慕に楔を打たれる“秋玻”。
思いがけない結末へと繋がった三角関係の距離、そのバランスの行く末を見守りたい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年05月21日

『29とJK6 〜あなたの隣を歩きたい〜』

裕時悠示 先生が贈る禁断の年の差ラブコメ。第6巻は30歳を迎えた“鋭二”に“志織”が
突きつける今の立ち位置、それを知る“花恋”たちの焦りが物語を更に動かしていきます。
(イラスト:Yan-Yam 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797399318.html


コネで入社してきた専務の息子とその取り巻きを含めて新人教育を担当することになった
“鋭二”。その新人たちに意識高い系な“綾”も居たことから巻き起こる衝突ぶりをどう
解決に導くのか。ヤリちんぶりを発揮していたことが分かる逸話に思わずほっこりします。

そんな“鋭二”を未来の息子と見定めている“志織”が語るように、今や業界内で時の人
となった彼を色々な人々、そして思惑が放っておかない現状を踏まえて“綾”が、そして
“花恋”が各々のやり方で自分を高めていこうとする姿勢に期待と不安が胸をよぎります。

昔話ついでに明らかとなる“沙樹”の編集者時代、“花恋”が狙う次の小説コンテスト、
そして“綾”が打ち出す新企画、示された点が線となって繋がる先は想像に難くないかと。
若さとは、才能とは。大人になったからこその視点に共感しつつ続きを楽しみに待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル