2013年08月14日

『神曲プロデューサー』

「小説すばる」に掲載されていた物語を一冊にまとめた 杉井光 先生の文芸単行本第一弾。
先生お得意の「音楽お仕事小説」ということで期待を胸に読ませていただきました。
(イラスト:ミキワカコ 先生)

http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-771519-4


音楽業界にもいろいろな人たちが居ることは 杉井 先生の過去作品を読めば自ずと知り得る
知識ではありますが、主人公“シュン”も業界の片隅で何でもやる便利屋として無理難題を
吹っ掛けられ、嘘とハッタリで解決していく。じつに「らしい」展開が素晴らしい。

「トッカータ」「クオドリベット」「パッサカリア」「モヴィメント」「カノン」と続く
物語を経て“シュン”は“リカコ”との距離を縮め、その物語を逆に紐解いていくことで
“リカコ”は“シュン”の音楽性を理解する。実によくまとまった一冊だと思います。

帯に「こんなに音楽が聞こえてくる小説は初めてだ!」という賞賛の声が載っておりますが
なかなか的を得たコメントだな、と思いました。共感できるアナタには是非、過去の作品も
読んでほしいと願う次第です。地の文で読ませる文体も同じですし、何の問題もないかと。

posted by 秋野ソラ at 00:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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