2012年04月10日

『サクラダリセット7 BOY, GIRL and the STORY of SAGRADA』

河野裕 先生が贈る、能力者の集まる街 「咲良田」 を舞台にした物語もいよいよ最終巻。
能力者であることを忘れさせられたこの街で、“ケイ” が夢に向かって足掻き続けます。
(イラスト:椎名優 先生)

http://www.kadokawa.co.jp/lnovel/bk_detail.php?pcd=201110000579


“浦地” と “ケイ”、それぞれが背負ってきた過去を元に別々の方法で咲良田の街に在る
能力を管理しようとするからこそ衝突する。そんな相手の思惑すら取り込んで周囲の人たち
の今、そして未来が幸せであることを願う “ケイ” の複雑でありながらも純粋な想い。

偽りの記憶から覚めた “春埼” が再認識する、自分にとっての “ケイ” という存在。
そんな彼のことを理解していないという事実。吐露する想いの中に見える明確な自我。

“ケイ” のことを知りすぎているからこそ、その本性ゆえに道を誤った “菫” の想い。


紆余曲折、遠回りの末に辿り着いたのは三者三様ですが 「ただ単純に人を想う気持ち」
なのではないかな、という気がしました。その結果の一つとして現れたのが、最後に
“春埼” の示したあの敵対意思ではないかと思います。

あとがきにて 椎名優 先生が 「尻込みした」 と述べられておりますが、このイラストも
あってこその本作だと思いますし、河野 先生のテキストと相乗効果を生むことのできる
ライトノベルという土壌があってこそここまで来れたのではないかと認識しています。

ということで無事の完結を祝いますと共に、次回作の発表を楽しみにしておきます。



#『ベイビー、グッドモーニング』 も拝読してます。魂の回収ノルマをこなす死神が
#引き起こした気まぐれが繋ぐ、今ある命と新しい命の数奇な運命を描く物語。こちらも
#とても綺麗なお話だと感心致しました。椎名優 先生のイラストも同じくということで。

posted by 秋野ソラ at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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