2011年05月28日

『キミとは致命的なズレがある』

「第5回 小学館ライトノベル大賞・優秀賞」 を受賞されました 赤月カケヤ 先生の
デビュー作。失った記憶とその残滓が織り成すサスペンス作品を拝読しております。
(イラスト/晩杯あきら 先生)

http://gagaga-lululu.jp/gagaga/lineup/201105.html#01


「キミ」とは誰か? 「致命的なズレ」とは何か? そんなことを “海里克也” とその
周囲にいる人たちとのやりとりから類推しながら読んでいくといい感じに引き込まれて
ひっくり返される。そんな読了感を味わわせてくれた作品だと思います。

彼の記憶障害と突然見えるようになる「何か」、差出人の無い手紙に書かれたある意味
昔の記憶を無くして生きる彼を糾弾するかの内容、保険医 “鏡司” と父 “夏彦” との
思わせぶりな会話、それぞれが1つの可能性へとミスリードしていく流れが巧手かと。

章立てにもある “赤鬼” という存在がその可能性を打ち砕くための鍵でもあったのだと
気づかされた後に突入する狂気の世界。冒頭に挙げた疑問符、その問いかけも解消されて
「なるほど〜」 と思わせてくれて妙に納得できる。中々のものだと言えると思います。

posted by 秋野ソラ at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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