2011年03月19日

『逃走少女と契約しました。猫だけど。』

「第2回ノベルジャパン大賞」奨励賞受賞者である 西村文宏 先生のデビュー作。
特殊能力を持つ少女と人間の記憶を持つ猫の数奇な逃避行を描くストーリーです。
(イラスト/Pikazo 先生)

http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup1103.php#novel110303
http://www.hobbyjapan.co.jp/hjbunko/tousou/


情報学の修士号をもつ著者ならではの要素を活かしつつ、近代ヨーロッパのような
世界観と合わせてきたところが喋る猫 “アルフ” と機械制御に長けた人工少女、
「フェアリネット」 の “フィー” の出会いと旅の様子に上手く合致しています。

その人工少女を作り出す組織 「アルテミス」 の統括コンピュータ “カルラ” が
自分の存在が人間なのか猫なのか曖昧なままの “アルフ” と、契約した所有者が
居ないと本来の力を発揮できない “フィー” の弱点を狡猾に突いてくるのは見所。

所有者が必要なのに関わらず不遜な態度をとる “フィー” のキャラクターも中々
良かったと思いますし、人か猫かと揺れ動く “アルフ” の機微の描写も楽しませて
もらいました。シリーズ化しても何ら問題ない作品ではないかと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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