2010年10月30日

『雑魚神様』

鳥村居子 先生の 「第2回メガミノベル大賞」 金賞受賞作品が上梓されております。
水無月冬弥 さんのレビューを見て気になったので読ませていただきました。
(絵: 月神るな 先生)

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人から忘れ去られ、力も無くし、記憶すらもあやふやで不安定な雑魚神 “おまがり様”。
いつしか人や神を嫉み、厭み、ダンボールの中に隠れて過ごすようになってしまった一柱。
彼女の残念さ、切なさ、物悲しさが、従者 “八咫烏” の想いに乗せて伝わってきます。

そんな彼女たちが1枚のハガキをきっかけに訪れた地、福岡にある 「古守八幡神社」。
その神社でもうすぐ行われるのは 「神幸祭」。祀られるのは御名が同じ 【おまがり様】。
お祭りを成功させようと奮闘する “齊” との出会い。その影で暗躍する “桜” との邂逅。

騒動に巻き込まれていく中にあって、別の神を食い殺そうとするほどに弱く、狂いそうに
なってもなお “おまがり様” が最後まで忘れなかったもの。それは「人の願い」。それに
気付いてから起こる奇跡の数々には思わず気持ちが昇華して涙が出そうなほどでした。


日本独特の 「神」 に対する考え方があってこそ成り立つ物語、ということでなかなかに
楽しませてもらいました。お時間があればお読みいただくのも一興かと存じます。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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