2010年10月16日

『ココロコネクト』シリーズ

10月22日より 「ファミ通コミッククリア」 にて CUTEG(カム) 先生による漫画連載が
スタートする 庵田定夏 先生のデビュー作を3巻まで一気に読ませてもらいました。
(イラスト:白身魚 先生)

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http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/02sp/1010a_kokoro/
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まずは 「〜ヒトランダム」。最初、それぞれのキャラクターを掴みきっていないところで
「人格入れ替わり現象」 が始まったので何が何やら、という感じでした。ただ、その現象が
あったからこそ 「文研部」 5人それぞれの悩みや問題が顕在化できることが分かってきて。

そして 「決して人には見せたくないもの」 まで晒されることに恐れをなすヤツもいれば
受け入れるヤツも、向き合っていくヤツもいる。上手くいかないかもしれない。でも気持ちを
ぶつけ合うからこそ本当の友だちになれる。それに気付いたからこそ5人の絆は強く、輝く。

現象を引き起こした 〈ふうせんかずら〉 が最後に提示した宣告と5人の決断、そして結末。
なかなかやってくれますなぁ、という読了感でした。存分に青春を謳歌している5人の物語に
惹き付けられたのは否めない事実です。



「〜キズランダム」 では 〈ふうせんかずら〉 が引き起こした 「欲望解放現象」 に5人が
巻き込まれることで、「知られたくない気持ち」 まで露呈してしまうのが最大のポイント。
引き篭もれば回避はできますが、それは学生という立場では生活に支障をきたす選択肢。

前巻よりも更に激しい衝突があって、これは本当に5人がバラバラになってもおかしくない
という状況にまで陥りますが、それでも 「皆といっしょに居たい」 という想いを強くした
“太一” の行動力が再び全員の心を動かし、大団円へと繋いでいく展開は天晴れの一言。

前巻は “伊織” を、今巻は “姫子” をピックアップしていたような感じでしょうか。
その中でも各キャラクターの心情を掘り下げるところはしっかりと押さえていて、これまた
読了感としてはかなりプラスに印象づけられた1冊でした。



で、最新巻となる 「〜カコランダム」 では過去の自分が露呈するという事態に。しかも
“太一” だけ例外で 〈ふうせんかずら〉 もちょっと様子が違う・・・・という捻りが加わって
おります。話としては “唯” と “青木” の関係を掘り下げるのにピッタリな現象でした。

最後は “伊織” にも焦点を当てつつ今度こそ収拾がつかないところまでいってしまうのかと
ヒヤヒヤさせられましたが、残り数十ページというところでこれまた切り替えしてくるあたり
三度 「してやられた」 という心地良い読了感を残す形となりました。

前巻で決意した “姫子” のその後は特集ページに掲載されている 「稲葉姫子の孤軍奮闘」
で補完させて頂きました。再掲載の 「スクープ写真の正しい使い方」「桐山 唯の初体験」 も
合わせて読んでますがこれもまた面白いですね。未読な方は読んでおいて損はないかと。



・・・それにしても、全巻通して “藤島” さんの実力者ぶりが凄い。「文研部」 の5人が
この異常な現象に巻き込まれながらも乗り切ってきた影には “藤島” さんの目に見えたり
見えなかったりする助力も少なからずあることは忘れてはいけないと思います。

ということで “伊織” にまた少し気持ちの変化が訪れたことで5人の関係にどういった
違いが現れてくるのか、次巻の展開に期待したいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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