2010年09月18日

『小さな魔女と空飛ぶ狐』

前作 『ピクシー・ワークス』 を刊行して注目を集めたあの日から一年。南井大介 先生が
世に送り出すちょっと変わった戦闘機乗りと天才科学者の物語、読ませていただきました。
(イラスト/大槍葦人 先生)

http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1009.php#new15


泥沼の様相を呈してきた 「サピア共和国」 の内紛状態を打破すべく登場した二人。

  片や 「レヴェトリア」 に現れた美少女にして天才科学者、“アンナリーサ”。
  片や 「ヴェストニア」 に現れた老獪にして狂気の科学者、“アジャンクール”。

彼女に夜間戦闘のトップでありながら予備役を志願する “クラウゼ” が付いたこと、
そして彼に “クラウゼ” を仇敵と狙う “エマ” がとある理由で涙を見せたことから
物語は少しずつ動き出します。


まず、各々の動向を対比させながら “アンナリーサ” と “アジャンクール” が戦争を
舞台に壮大なケンカをしまくりつつ、“クラウゼ” と “エマ” が二人の舞台裏で苦労
させられるというコミカルさが小気味良くて面白い。

更に面白半分で挑んだ戦争というものの現実を心から思い知らされた “アンナリーサ” と
“アジャンクール” が選んだ人としての道、科学者としての道が対照的で、かつどちらも
理に適っていると感じられるシリアスな展開は見事と言うほかに無く。

  「人類という種が高貴で素晴らしい性質を備えていること」

“クラウゼ” が “アンナリーサ” を諭すべく吐露した彼自身の本心が、彼女の改心を促し
世界大戦への突入を阻止すべく動き出すラストまでの話運び。そして導いた一つの結末。

「シュナウファーッ!」 と叫ぶ彼女の声音が少しずつ柔らみを帯びていくのを感じたとき、
このお話を読めて良かった、と心からそう思えることができて何とも幸せでした。


“イングリッド(リード姉様)” や “メリエル” も魅力的なキャラクターですし、何よりも
大槍葦人 先生のイラストがその魅力を更に押し上げる形になっていて、まさに絶妙でした。
9月の新作、オススメの一冊と申し上げて差し支えないかと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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