田口仙年堂 先生が綴る、残酷な世界に抗う青年と子供達の、痛みと優しさの物語。
イラストレーターの交代、という止む無い事態を乗り越えついに終幕の時を迎えます。
(イラスト:鉄雄 先生)
【 http://www.enterbrain.co.jp/fb/pc/08shinkan/08shinkan.html#_06 】
そもそも 「魔人」 とは何なのか。「魔王」 や 「英雄」 とはどこから生まれたのか。
二十年前に起こった 「魔王戦争」 の真実が明らかになっていくにつれ、人の罪深さと
責任を果たす上で起きてしまった事象へのやるせなさが “エイゴ” たちに、そして
“ハイナート” の胸に去来します。もちろん、読み手にも伝わるものがありました。
それでも 「魔人」 と呼ばれ蔑まれてきた子供たちを救おうと立ち向かう “エイゴ”。
「英雄」 を神聖視するあまり、その事実が受け入れられず鬼神と化す “ハイナート”。
二人の自我が相対する王宮での一幕は熱く、胸に残るシーンであったと思います。
罪深きを認め、されど臆することなく未来へと進もうとする想い。これを体現せしめた
象徴とも言える存在が “アプリール” だったのではないかと読み返してみて思います。
最終的に大団円な形で幕を引いて下さったのでとても心地良い読了感でした。
そんな秀作を生み出してくれた 田口 先生と、この挿絵が無かったら手に取らなかった
かもしれないとも思える 鉄雄 先生、そして 朝未 先生に厚く御礼申し上げる次第です。
そして 田口 先生の既シリーズ刊行、新作の発表を楽しみに待たせてもらうことにします。
2010年08月14日
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