2009年12月26日

『月見月理解の探偵殺人』

「第1回GA文庫大賞」 奨励賞を受賞された 明月千里 先生がお送りする異色の
探偵物語。チャット参加型推理ゲーム 《探偵殺人ゲーム》 を巡って静かに始まる
一騎打ちの心理戦に注目のストーリーを挿絵で支えるのは mebae 先生です。

http://ga.sbcr.jp/novel/tukimiduki/index.html


知らなくてもいいことを知ったとき、それを端緒として形成された新たな自己、
キャラクターが対称的な二人の少年少女、“都築初” と “月見月理解” の内面を
《探偵殺人ゲーム》 という推理合戦の中で描いていく過程が良かったです。

端末上のゲームと、それを模した現実世界でのゲームを同時進行していくことで
膨らみがちな話を、“理解” の突拍子もない行動の中に忍ばせた布石を回収していく
ことと合わせて1冊にまとめ上げた点も評価に値する点ではないかと思います。

最後まで話をどうもっていくのか掴めない展開に、紙をめくって読むという媒体、
文庫本ゆえの面白さを再認識させてくれた作品ではないかと。読了後の所見としては
掘り出し物と言わせていただきたい、密かにオススメの一作です。

・・・まぁ、クセはあるので相応に人は選ぶと思いますが。

posted by 秋野ソラ at 00:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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