支倉凍砂 先生、文倉十 先生でお送りする『狼と香辛料』シリーズ13冊目は “ノーラ” を
主役とした中編のほか、計4本立ての短編集となります。
【 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0911.php#new2 】
“ロレンス” と “ホロ” の戯れぶりは相も変わらず見ていて微笑ましい、それこそ
犬も食わない某のようなほどですが、やはり今巻で注目すべきは “エネク” の視点で
綴られた中編 「羊飼いと黒い騎士」 ということになるかと思います。
時には人から妬まれるほどに勤めた羊飼いという職を廃業し、夢であった服の仕立て職人
となる道を探るべく向かった、疫病によって人口を半分にまで激減させられた街「クスコフ」。
そこで目にした現実は決して “ノーラ” にとって優しいものではなく、人間が持つ
むき出しとなったエゴを突きつけられる結果となりました。しかし、それに直面しても
お人好しで心優しい自我を忘れることなく振舞った彼女の言動はまさに誇り高きもの。
願わくば彼女の選んだ道に幸あらんことを。読了後にまず思ったのはその想いのみ。
彼女が扉を開けた先に何があるか。それに思いを馳せるためにも目を通しておいて
損は無いかと思います。
2009年11月28日
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