コミック版も先日発売されました、上月雨音 先生と 東条さかな 先生による
『SHI-NO ─シノ─』 シリーズも気付けば第8巻目の刊行となります。
【 http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200804000415 】
今回は「過去」が「未来」をなぞらえる物語、ということで “志乃” が “僕” の
元カノである “詩葉” からの「予言」にどれだけ抗えるかが注目の的でした。
もちろんそれだけではなくて、帰省先から帰らないと告げられた “志乃” が “僕” の
田舎にまで乗り込んでしまう、という想いの強さと、それを源とする行動力にも焦点を
当てねばなりますまい。“志乃” が徐々に変化してきている、という証でもあるのですから。
それにしても、ついに “僕” も他人の精神的な息の根を止める手段をとるまでに至るとは
思ってもみませんでした。とはいえ、結果的に手放しでハッピーエンドというワケには
いきませんでしたが、「妹」にはどうか幸せな道を、と思わずにはいられない結末でした。
それにしても、「絵描き後書き」の浴衣“志乃” といい、口絵でさりげなく
ネコミミになっている “志乃” といい、 東条さかな 先生、中々分かっていらっしゃる。
良い仕事されてますよ、ホント。
さて、次巻は最初に触れられただけでずっと語られることの無かった「四月の事件」が
題材になる、ということで量も多そうですし、刊行を待ち望みたいと思っております。