野中春樹 先生の「第18回講談社ラノベ文庫・新人賞」受賞作。推理をひけらかすことで
自己満足していた少年と冤罪を疑われた少女の関わりから始まる学園青春ミステリーです。
(イラスト:うらたあさお 先生)
【 https://lanove.kodansha.co.jp/books/2025/6/2.html 】
“朝河”が過去に相談役みたいなことをやっていた、と“山藤”が聞いてお願いしたこと。
それは同じクラスの“青山”に課題を出してもらうのと、彼女の万引き疑惑を晴らすこと。
その気のない彼女が職員室に呼ばれた際、あることに気付き慌てて教師に訴え出るが──。
思っていたことを口にした時、相手がどう感じるかを想像できなかったことでトラウマを
負った“朝河”を「探偵気取り」と言い表すのが的確すぎる逸話の数々。でも“青山”を
救ったことが無駄ではなく、変わるためのきっかけを得る重要な転機となったのが救いで。
推理することに臆病となり、妹との距離感も図りかねてしまった“朝河”を非難する者が
現れることもあれば彼を庇う者も登場する。それを見て「情けは人のためならず」と諺を
想起し、色々と考えさせられる物語でした。こそばゆいアオハル要素にも注目の一作です。
2025年06月11日
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