2025年02月03日

『世界でいちばん透きとおった物語2』

杉井光 先生が贈る新人作家と敏腕編集によるビブリオ・ミステリ。第2巻はコンビ作家の
片割れが死去し未完となった連載短編ミステリの解決編を“燈真”たちが探っていきます。
(イラスト:ふすい 先生)

https://www.shinchosha.co.jp/book/180300/


「いちばん大切な場面の中のいちばん大切な一ページを決めて」とは前作のどこを指すか。
コンビ作家「翠川双輔」を巡る顛末に関わる少女“琴莉”がそれを当てられたという意味
を、知る由もない解決編に導く力に変える“燈真”が作家としての資質を魅せてくれます。

自分ではない誰かのために物語を書かれた、という嫉妬心を“燈真”にぶつける“霧子”。
彼女らしい所作が可愛らしい、と思いつつ彼とは違い現場に居ないにもかかわらず、伝聞
だけで「翠川双輔」が残したミステリの謎に迫る洞察力は空恐ろしいとも思える存在です。

作中作「殺導線の少女」も読みごたえのある短編で。ミステリとは何か、読者が納得する
「論理のアクロバット」という考え方など、“霧子”の熱弁を踏まえ「謎とその解明」に
共に臨む楽しさもあり。前巻からどう続くの、なんて不安を吹き飛ばす内容でお薦めです。

posted by 秋野ソラ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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