2024年06月21日

『後宮妃の管理人 九 〜寵臣夫婦が導く先へ〜』

しきみ彰 先生が贈る後宮物語。第9巻は“胡神美”の策で杏津帝国に軟禁され、外交問題
に巻き込まれる“皓月”を救う手立てを探す“優蘭”の複雑な胸の内に触れる最終巻です。
(イラスト:Izumi 先生)

https://bookwalker.jp/dee94534f7-83ec-4323-8a7d-75f5dfffa66d/


愛する夫を救うため、命を賭した旅に出る“優蘭”に母“暁霞”が送った言葉。繋いだ縁
を大切に想う気持ちが、巡り巡って己のために還ってくる逸話の数々。胸が熱くなります。
この母にしてこの娘あり、と言うしかない“暁霞”の言動、行動力もまた印象に残ります。

打開の鍵となる杏津帝国の皇帝“エルベアト”に“藍珠”が娘として逢う意味。長い旅路
を経て、かの国のこと、更に父のことを理解していく彼女が下した裁定はまさに成長の証。
“空泉”が“胡神美”を評したとおりに、彼女の目論見が狂い始める展開には思わず安堵。

陽動作戦が思いがけず喜劇的な結末を迎えたり、釘を刺された“トレファン”が想定外の
未来を掴んだり、と感慨深い場面も見どころ。何より“皓月”と“優蘭”が再会してから
平穏を取り戻すまでの話運びは心温まることうけあい。無事の完結を心より祝う次第です。

posted by 秋野ソラ at 00:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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