零余子 先生の「第36回ファンタジア大賞・大賞」受賞作。「修善寺の大患」で暗殺された
夏目漱石が脳移植によって樋口一葉の体で蘇り、帝都に渦巻く陰謀に臨む顛末を描きます。
(イラスト:森倉円 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/202402soseki/322309001140.html 】
日露戦争後の対応に不満を抱く国民と、それを統制すべく言論の自由を奪いにかかる政府。
武装組織「木曜会」を設立し作家たちを率いて抗う“夏目漱石”は道半ばで凶弾に倒れる。
手術後、かつての許嫁“樋口一葉”の姿で生きることを余儀なくされた彼が取る道は──。
名立たる文豪や偉人の名はそのままに、まつわる逸話を物語を動かす要素として散りばめ
彼らの脳を狙う犯罪者「ブレインイーター」を自らも狙われる“漱石”が追いつめていく
文豪バトルファンタジーへと仕上げてきた 零余子 先生の知識量、構成力には圧巻の一言。
女学校の教師に赴任する“漱石”が“禰子”に助けられながら「木曜会」の面々と再会し
誰が敵で、味方なのかを見定めつつ臨む決戦の描写は 森倉円 先生の挿絵も相まって見事。
章間に挟まれるコラムも史実虚構が入り混じって読み応え十分。お薦めに足る大賞作です。
2024年03月11日
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