『怪物中毒３』

三河ごーすと 先生が贈る、オーバードーズ・アクションストーリー。第３巻は怪物サプリ
の基剤作成に関わる命運を巡って闇サプリで混乱の続く街を“零士”たちが駆け抜けます。
（イラスト：美和野らぐ 先生）

【 https://dengekibunko.jp/product/monsterholic/322302001111.html 】


BT本社の思惑に振り回される“零士”や“月”の同情を引くような様子とは裏腹に、その
理不尽さに憤慨し、徹底抗戦の構えを見せる“命”の男勝りというか気っ風の良さからは
彼らよりも主役級の風格が感じられるほど。物語を終始引っ張ってくれていた気がします。

話の軸を担うもう一人の人物として“蛍”が見せた覚悟も見逃せません。なんだかんだと
彼女たちの面倒を見てきた“楢崎”が明かしてきた真実、特にBT本社の驚くべき存在意義
を目の前にしても選ぶべきものを間違えない言動の数々には目を見張るものがありました。

本作の中で引用される様々な怪異、ネットミーム、現実世界に纏わる逸話が出てくる度に
「アレのことか!?」と想像しながら読み進めるのもまた面白い。カネの力は偉大と言うか
無いより有ったほうがいいですよね、と彼らを見ながら思いつつ完結を祝うことにします。