暁社夕帆 先生の「第12回講談社ラノベ文庫新人賞・優秀賞」受賞作。数学を得意とする
女子に憧れる高校三年生の男子が数奇な縁で数学を好きになっていく異色のラブコメです。
(イラスト:フライ 先生)
【 https://lanove.kodansha.co.jp/books/2022/10/2.html 】
理系なのに数学が苦手な“数馬”。受験を前に赤点常連な彼を見かねた隣席の“有理”は
数学の神様がいるという神社に参拝することを提案する。数学の女王とも称される彼女の
言葉に従い神頼みをしてみると「数学が得意になりたい?」という女の子の声がして──。
幽霊中学生にしか見えない“環”に導かれ受験数学の問題を回答する力を“数馬”が身に
つけていく過程、「自分より数学ができる人としか付き合わない」という“有理”が彼の
急激な変化に合わせて見せる機微、まさにサクセスストーリーを予感させる前半の話運び。
後半で物語に暗雲を漂わせる“圏”が明かす大切な絆、戻れない過去。すべてを理解した
“数馬”がその想いに東大受験を通じて応えていく姿から“環”と共に数学好きとなった
ことを印象づける結び方も好感触。ソネットに託された意味もぜひ感じてほしい物語です。
2022年10月10日
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