2022年08月12日

『朝比奈さんの弁当食べたい 1』

羊思尚生 先生の「HJ小説大賞2020前期」受賞作品。異性からの告白が絶えないクラス一の
美少女が作るくっそまずそうな弁当に一目惚れした少年の歪な生き方を描く青春物語です。
(イラスト:U35 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631479-4


「朝比奈さんに告白したい」と幼馴染の“誠也”が発した言葉に耳を疑う“創”。無表情、
無頓着な“誠也”が言うには「赤の他人が弁当を作ってもらうには交際するしかない」と。
なぜ彼女の弁当に固執するのか不明なまま“創”は告白に向かう“誠也”を見送るが──。

尊敬する父親に追いつこうと研鑽に努めるのに精一杯で、恋愛どころじゃない“亜梨沙”。
恋愛向きな性格でもないのに、苦しさを胸に秘める彼女に響く言葉を与えられる“誠也”。
彼も持て余す感情を、“創”や“結衣”の目線で掘り下げるたびに切なさがこみ上げます。

“亜梨沙”がくっそまずそうな弁当を作り、教室で食べた理由。その姿に喚起された昔話、
置いてきた感情を“誠也”が吐露したとき、彼女は何を思うのか。それぞれが覚悟を決め、
足掻き続ける様子を、題名が指し示す感情の変遷をぜひ感じてほしい。お薦めの作品です。

posted by 秋野ソラ at 00:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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