綾里けいし 先生が贈る新作は、死者と語りその姿を人に見せる異能をもつ「かみさま」に
なるはずだった少女とその従者となる青年が経験する非日常を描く現代伝奇ミステリです。
(イラスト:生川 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530421 】
藤咲家。異能の一族として現代にも在り続ける家に生まれた“藤花”はその実権をも握る
「かみさま」の候補となる。幼き彼女と出会った“朔”は名誉ある従者として選ばれる。
しかし劣化品、として「かみさま」に選ばれなかった彼女たちの行く末はというと──。
意味深長な導入から一転して“藤花”の凋落が著しい姿と、呆れつつも面倒をみる“朔”、
2人で生きる微笑ましい生活感あふれる描写が面白い。そんな彼女が限られた異能を使い
霊能探偵として難事件を紐解いていく、バディものとしても楽しめる話なのが先生らしい。
やがて“藤花”と“朔”が遭遇する「かみさま」の予言に纏わる顛末。その中で改めて
語られる邂逅のエピソードが今の2人に繋がっているのだと印象づける描写は必見かと。
主従だけでなく様々な関係を内在する2人がどこへ向かうのか、見届けてみたいものです。
2021年11月30日
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