しめさば 先生が贈る、後悔を抱えた少年少女による恋と対話の物語。第2巻は“結弦”と
距離を置くように言動が変化していく“薫”の抱える胸の内に、彼が深く触れていきます。
(イラスト:しぐれうい 先生)
【 http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631442-8 】
“薫”が部室でラーメンを食べる理由。その一端に触れた大雨の日。“結弦”に見せた涙。
借りた本を境に彼女が構築した「宇宙」。それを盾に孤高を貫く彼女へ差し伸べられた手。
限られた宇宙をその手に広げられた彼女の「一番になれない」という葛藤が胸を打ちます。
“結弦”の姿を見て「ほっといてやんなよ」とやんわり諭す先輩の“名越”。彼女からは
逆に“薫”や“藍衣”にとって温かいと感じる言葉がカッターのように感じる人もいると
経験談をもって彼の胸に刻ませたかのような言動が、そこに至った経緯が気になるところ。
“藍衣”は“薫”の背景にある懊悩も、“結弦”の奥底にある躊躇も、それを吹っ切った
2人の感情も見据えた上で「もう二度と……後悔しないで」と告げる一連の発言。あれが
また印象的で。今は笑顔の戻った“薫”に安堵しつつ、彼の思考の行方を見定めたいです。
2021年11月29日
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