あまさきみりと 先生が贈る新作は、片思いしている先輩の女の子が兄に片思いをしている
という停滞した時間が兄の死、再会と選択によって動き始める忘れられない夏を描きます。
(イラスト:へちま 先生)
【 https://sneakerbunko.jp/product/kohaikun/322101000027.html 】
出会えたら【止まっている片思い】が動き出す、という幸運のイルカに縋りたいほど想い
を燻ぶらせる“夏梅”。その相手“春瑠”の帰省にあわせて再会したが気持ちは晴れない。
彼女が彼の姿に亡くなった兄、好きだった片思いの面影を追っているのが分かるから──。
好きな人の彼氏になれないなら一番の後輩でいたい、兄の代わりでいようとする“夏梅”。
そんな彼がオカルトじみた話で“春瑠”を失うかもしれないと聞き一歩踏み出せるか否か。
兄のお下がりであるスクーターが様々な背景を象徴するかのような展開が印象に残ります。
“夏梅”の気持ちを知っていてもなお「マネージャー」として彼を叱咤激励する“冬莉”
の振舞いが実に健気。彼女の恋が報われないのは互いの名に含まれる季節の距離感からか。
「秋」にあたる人物がいないのも、「彼女」がつぶやく最後の一言も気になる物語です。
2021年09月13日
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