2021年03月11日

『むすぶと本。 七冊の『神曲』が断罪する七人のダンテ』

野村美月 先生が贈るビブリオミステリー。シリーズ4冊目は図書館登校を続ける中学生の
少女が同じ境遇の少年と出会い、ネット掲示板に流れる不穏な噂に関わる顛末を描きます。
(イラスト:竹岡美穂 先生)

https://famitsubunko.jp/product/322011000327.html


図書館で裏サイトの書込みを見て不穏な会話をする生徒たちの言葉に心を痛める“清良”。
唯一の安息地を奪われる恐怖に怯える彼女だが、声をかけてくれた“むすぶ”に救われる。
何年生かも分からない謎多き彼は七冊の『神曲』のためにここに来た、と言うのだが──。

『神曲』に記された7つの罪に纏わる事件が学校内で次々に起きるのを目の当たりにする
たびに“むすぶ”が本質を突く言葉を紡ぎ、“清良”は心の成長につなげていく心温まる
流れかと思えば、書込みを続ける“ダンテ”の正体が判明して一気にガラッと変わります。

フラッシュバックするプロローグの文章。本に罹患した人を救うため“むすぶ”が届ける
本の声。あるがままを見て、知ること。罪に向き合う、向き合わせるための応酬の数々が
印象深い結末に繋がりました。次は“夜長姫”も出番多めだといいですね、と思いながら。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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