2020年07月08日

『サンタクロースを殺した。そして、キスをした。』

犬君雀 先生の「第14回小学館ライトノベル大賞・優秀賞」受賞作。望まない願いを叶える
ノートを持つ少女と共に傷心の勢いでクリスマスを無くすべく少年がある活動を始めます。
(イラスト:つくぐ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518535


クリスマスの到来を「望まない願い」とするべく疑似的な恋人になることを望む“少女”。
突然の別れを告げられた“先輩”に新しい彼氏がいることがどうにも耐えられない“僕”。
聖夜まで残り22日、前途多難な道をゆくギクシャクした2人が辿り着く結末や如何に──。

“先輩”のことを好きだという“僕”自身が気づいていなかった感情。それを知ったから
こそ彼女は道を違えたし、“悪友”は苦言を呈してきたのだと思うとその優しさが切ない。
“僕”と“少女”の関係が偶然から必然へと変遷する過程にもそれは表れている気がして。

「サンタクロースを殺す」ということ。そして「キスをする」という意味。幸せの象徴に
導かれた終わりの瞬間“少女”が口にした言葉に、“僕”にとっての「大丈夫」なものが
形成されたことにせめてもの報いがあることを願わずにはいられない読了感を覚えました。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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