2020年06月17日

『不殺の不死王の済世記』

笹木さくま 先生が贈る新作は、不殺の縛りを己に課して世界征服を目指す骸骨の不死王と
彼に命を救われた少女が魔法の才能があることが分かり同じ道を歩む世界救済の物語です。
(イラスト:葉山えいし 先生)

https://famitsubunko.jp/product/husatsu/322001000104.html


罹患すれば死は免れない伝染病。頼りの治癒魔術師もいない小国、更に辺鄙な村に住む娘
“ミラ”がその病で死の淵を迎える間際、彼女の前に現れたのはローブを羽織る動く骸骨。
まさに死神かと思う彼が出した鎌ではなく、病を癒す秘薬。彼女を助ける彼の意図は──。

残された“ミラ”たちに食事を与え、外敵から守り、勉強まで教える不死王“テリオス”。
茶々を入れる相棒の黒猫との交流も含め、彼に絆されていく彼女たちの様子は微笑ましく。
彼の「計画」を訝しむ国王により差し向ける聖騎士“ディーネ”が直面する現実は虚しく。

“テリオス”指導の下、魔法の才能を開花させていく“ミラ”が見せる可愛らしい笑顔は
“ディーネ”ですら怒りを露にする悪意を前にしても陰ることなく残すことが出来るのか。
悲願達成に向けた彼の気概を垣間見た話の結び方が好感触で、続きが楽しみな作品です。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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