2020年05月04日

『千歳くんはラムネ瓶のなか3』

裕夢 先生が贈るリア充側青春ラブコメ。第3巻は3年生による進路相談会で“明日風”が
“朔”の面倒を見るはずが、次第に彼が彼女の抱く進路の悩みに心を砕く過程を描きます。
(イラスト:raemz 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518412


いわゆる「不思議ちゃん」な印象を今まで与え続けてきた“明日風”。福井に残るか否か、
その選択肢が意味するところを自身の言葉で語るうちに、彼女もまた思春期真っただ中の
高校生女子であることが伝わってきます。人間味が増す、と言っても良いかも知れません。

“明日風”の夢半ばな姿を追う“朔”もまた悩み多き人物でそれがタイトルに込められて
いることが分かったときのやるせなさたるや。彼が「俺様野郎」でいることが、どれだけ
自分が「出来る人間」であることに対して悩みぬいた結果であることが愛しくて切なくて。

だからこそ、あの頃の“朔”を救えたのは“明日風”しかいなかった、ということを示す
2人の昔話も印象的。“明日風”にとっての“朔”みたいに、彼にとっての「ビー玉」が
誰になるのか。色々こじらせたヒーローを解きほぐす者が現れることを願って止みません。

posted by 秋野ソラ at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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