2020年01月17日

『零れた灰を嘆くとも』『死骸の森』

古宮九時 さんのサークル「memoriae」が贈る、愛と呪いの一大叙事詩『Unnamed Memory』。
「灰の見る夢」の続編ともう1つ、誰の記憶にも残らないかもしれない逸話を描きます。

http://unnamed.main.jp/words/


“オスカー”との幸せな生活がついに始まる、という“ティナーシャ”に襲いかかる悲劇。
彼からの愛を噛みしめていた彼女が自責の念に駆られる中、ふと思い出した言葉と魔法具。
やり直せるかもしれない、と迷う彼女の想いを汲む“ラザル”が手を伸ばしてしまいます。

再びその時に巡り合った“ラザル”が目にする、“オスカー”と“ティナーシャ”の関係。
望まぬ展開、掛けられる嫌疑、見抜かれる違和感、嫌な予感に反応する己の体。流れる涙
と救われない想いは切なく、けれどまたこれも『Unnamed Memory』だと納得できるワケで。

そんな物悲しさを補うかの如く綴られた『死骸の森』では、突然失踪した魔法士の変死体
が海に打ち上げられた謎を探る“ティナーシャ”が、一冊の本に隠された秘密を露にする
ことで、ある人物の理解されない想いに触れる。これまた深く重く余韻を残す一冊でした。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 同人誌
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