新井輝 先生が贈る新作はあやかしもの。死の淵に立つ人へ未練ある本を提供する地獄の鬼
が店長を務める書店、そこを訪れた本好きな女性が辿る数奇な運命と縁の変遷を描きます。
(イラスト:紅木春 先生)
【 https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/321809000748.html 】
黄泉比良坂。死者の住む世界へと続く坂の名と聞き間違える書店で和装の男性店長が言う。
「無事に帰りたくばワゴンの中から本を一冊買うことをお薦めする。お代は言い値で」と。
上司の失敗を押し付けられ失意の“奈美”は子供の頃何度も読んだあの本を手に取る──。
本で失敗し、本を断って生きてきた“奈美”が今また本に救われ、本で人を救っていく。
店長の厚意で住み込みのバイトを始め、好意を示されて困惑したり。取引先の若社長に
助けられ、意外な縁から誤解を与えたり。冒頭からは窺い知れない彼女の豪胆さが面白い。
前向きに生きていけるようになった“奈美”の上司、“山田”課長がまた嫌味な人物で。
彼が本を通じて因果応報な結末を迎えることに胸がすく思いを覚えるのはお許し頂きたい。
プロローグを読み返すとまたニヤリとできて、心温まる読了感が味わえるのでお薦めです。
2019年09月27日
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