相野仁 先生が贈る、日常に紛れる最強戦士の英雄譚。第3巻は新人冒険者の後押しをする
中で、活発に動き始める魔物たちの兆しを掴んだ“バル”がその黒幕探しに乗り出します。
(イラスト:桑島黎音 先生)
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七級の冒険者である“バル”を軽んじる跳ねっ返りな犬人族“エーファ”らのパーティを
面倒見ることになった彼の人心掌握術が今巻も冴え渡ります。駆け出しにも関わらず欲を
出してしまう彼女たちの心理を巧みに利用して信頼を得ていく過程は実にお見事、の一言。
“エーファ”たちが功を焦る契機となった魔物の現れ方に疑念を抱いた“バル”の思いを
汲んで“ミーナ”が本格的に調査を始めるも原因が掴めないあたりで後手に回る展開には
やきもきさせられるものが。そんな中でもやり口を掴むあたり、彼女の有能さが光ります。
今回の「敵」が慢心して帝国への侵攻に乗り出す事態を受けて“エーファ”たちでは手の
打ちようもなく、最後まで最悪の場面を想定した話運びを見せてきて思わず焦りました。
「そよ風亭」にまつわる縁が物語を動かしていく様子も見どころです。続きが楽しみです。
2019年05月08日
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