石川博品 先生が贈る新作は、ある日突然に発生した未知の奇病による多くの死者を目にし、
異能を手にした少年が謎の生物との戦いや様々な出会いと別れを振り返る顛末を描きます。
(イラスト:米山舞 先生)
【 http://ebten.jp/eb-store/p/9784047351639/ 】
とある入院病棟。ある病に罹患した“大槻”は、それが完治したという少年“蒼”に話を
聞かせてほしいと頼む。見舞いに訪れたという“蒼”はそれを承諾し、あの日々の最中で
知り合った“ハルカ”を連れ今も眠り続ける“沙也”の病室で事の真相を語り始める──。
死者千人を超す町の周辺は避難指示が出され、自衛隊によって閉鎖され、人間とは容姿が
異なる「魔骸」なる生物の徘徊に怯え単身逃げ回る“蒼”。彼の切羽詰まった心情と力を
手にしてから復讐の念に基づいて命懸けの戦いに赴く緊迫した情景と日常との対比が凄い。
様々な能力を持つ同年代との少年少女が生と死の狭間で魔骸とどう向き合うか。その果てに
“蒼”が見出だした結論と、けれども報われない結末が何とも切なくて、心苦しくて。その
「彼の残していったもの」が少しでも未来に繋がるものであってほしいと願う他ありません。
2018年05月17日
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