2018年05月03日

『土地神様のわすれもん』

新井輝 先生が贈る新作は、偶然に作家となった青年が、突然に遭遇した土地神の「誰かを
助けたい」気持ちに応え、思わぬ経験を通じて友情と執筆の機会を得ていく様を描きます。
(イラスト:あおいれびん 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/321711000895/


何となく書いた作品が大当たりした“光”だが、次回作が書けず忘れられた作家となって
久しい。そんな彼が幼少の記憶も朧げな生まれ故郷へ戻ると猫の姿をした土地神に出会う。
忘れられた存在からの脱却を願う、威厳のない土地神の気まぐれに付き合ってみるが──。

仕事に限界を感じで出戻ってきた“美羽”から自分のことを覚えていないという“光”に
「このわすれもんが」と怒られる場面があります。この「わすれもん」がその土地で示す
意味に“光”と土地神との因果が込められていることを知るまでの展開が何とも興味深い。

祟り話や迷子探しなど他の土地神や困っている人を助けようと行動する“光”と土地神の
気心知れたやりとりに和みます。思いがけず手に入れた平穏をあっさり崩される“光”が
見せる言動、機微の変化にもご注目。あとがきで触れられたご縁にも目を惹く一作です。

posted by 秋野ソラ at 06:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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