2018年03月19日

『吉原百菓ひとくちの夢』

江中みのり 先生の「第24回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞」受賞作。江戸・吉原
の中見世で菓子専門の料理番と幼馴染で見世一番の花魁が織り成す、心温まる人情物語です。
(イラスト/殿ヶ谷美由記 先生)

http://mwbunko.com/978-4-04-893624-8/
http://dengekitaisho.jp/special/24/yoshiwarahyakka/


「カステイラを作っておくんなんし」──花魁“朝露”からの難題に困った顔をしつつも
断らない料理番の“太佑”。すまし顔の彼女が昔、彼が作った菓子を食べて満面の笑みを
見せてくれたように座敷で口にすると信じて毎日毎日、菓子作りに精を出すのだが──。

評判の菓子を求める酒問屋の跡取り息子“徳之進”に面白い菓子を所望されたり、大関を
目前にする有名力士“龍ノ井”に自身の菓子を勧めたりと技術と縁を培っていく“太佑”。
しかし同僚の“仁兵衛”から彼女は菓子に全く手を付けていないと聞きモヤモヤします。

“朝露”が“太佑”の菓子を食べない理由を吐露する場面、覗かせる心情がまた切ない。
彼が言葉を失うのも無理はなく。けれど悶々としながらも諦めず「夢」をキーワードに
彼女からあの一言を引き出す話運び、顛末から窺える2人の独特な関係に惹かれました。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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