2017年12月15日

『先生とそのお布団』

石川博品 先生の「カクヨム」投稿作にして同人誌に収録された短編を加筆修正した執筆譚。
“石川布団”なる作家と言葉を喋る“先生”と呼ばれる猫が織り成す、心温まる物語です。
(イラスト:エナミカツミ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517101


デビューしてこの方、売れたことのないラノベ作家“布団”に15歳年下だが1年先輩である
“美良”から成猫“ロック”が譲り受けられる。後に“先生”と称されるこの猫は彼女同様
大物ラノベ作家“尾崎”に師事した経験を活かし、“布団”を叱咤激励する日々を送る──。

過去に 石川 先生の作品を読んできた方々であれば色々と透けて見えるものがある気がする
“布団”の半生が生々しく、赤裸々に描かれています。いつか大成するかもしれないけれど
鳴かず飛ばずが続く作家人生に不安と嫌気が拭えない機微の描写は心を抉るものがあります。

そんな“布団”を厳しくも支えた“先生”の言葉に、その存在にどれだけ救われたかという
心境が伝わる2016年、そして2017年のエピソードがじんわりと心に響きます。“美良”との
対比も現実味が溢れていて、これまた切ない。ラノベ作家ものとしても異彩を放つ秀作です。

posted by 秋野ソラ at 01:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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