古宮九時 先生が贈る新作は、これから死ぬ人間の亡霊が見えるのに救えなかったことへ
虚無感を抱く大学生の青年がある女性と出会い、共に運命に抗う生き方を描く物語です。
(イラスト/浅見なつ 先生)
【 http://mwbunko.com/978-4-04-893525-8/ 】
ある事件に巻き込まれたことを境に大学には一か月で行かなくなった18歳の“神長智樹”。
場所に残る人の記憶を「彼ら」と称し何度も死を見届けた彼の心の拠り所は“鈴”という
いつか死ぬ女性の亡霊。ある日、同じ姿をした人とすれ違い思わず手を取ってしまい──。
あ〜、これは読み返し必須ですね。とんでもない切り返しにまず「やられた」感がすごい。
“鈴”というか“鈴子”ですが、彼女と“智樹”のやり取りが漫才のようで面白いことと
二人の活動が軌道に乗り始める高揚感に油断していると「彼女の知見」を見逃すというね。
事件によって記憶が抜け落ちている“智樹”がおぼろげに覚えている「ある人物」とその
「助言」が少しずつ形となり、“鈴子”の運命が迫ってきてからの緊迫感と物語の真実は
ぜひ読んで確かめていただきたいところ。読了後の余韻も心地よい一冊でございました。
2017年12月12日
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