2017年12月07日

『ぼくたちのリメイク 3 共通ルート終了のお知らせ』

木緒なち 先生が贈る青春リメイクストーリー。第3巻は“貫之”の学費調達を目的として
同人ノベルゲームの制作を計画する“恭也”が自身のノウハウを活かせるかが試されます。
(イラスト:えれっと 先生)

http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1603


“亜貴”と一緒に寝落ちしたところを“奈々子”に見られる、というベタな導入から始まる
二人のにらみ合いがラブコメぶりを発揮して、「共通ルート終了」を予感させてくれます。
戸惑う“恭也”の悩むポイントが彼らしくズレている部分も本作らしくて興味深いもので。

当時のノベルゲームにあるエッチなシーンを組み込むことに戸惑うチームきたやまの面々を
どう引っ張っていくか、やる気と納期で優先させるべきは、といった長年勤めてきた調整役
としての采配を見せる“恭也”。好転する事態とは裏腹に、話の流れに暗雲が立ち込めます。

やがて迎えるマスターアップ。売れ行きもそこそこで安堵する“恭也”に対して問いかける
言葉の一つ一つが恐ろしい意味を持ち始めた、と気づいた彼と読み手が抱いた不安感たるや。
この結末は想定外だっただけに次巻をどうするか、木緒 先生の手腕が試される気がします。

posted by 秋野ソラ at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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