2017年09月18日

『キミは一人じゃないじゃん、と僕の中の一人が言った』

比嘉智康 先生が贈る久々の新作は、3人の人格を共有する少年が「多重人格ごっこ」なる
遊びを持ち掛けた少女と高校で再開するところから始まる純度100%の恋愛ストーリーです。
(イラスト:はっとりみつる 先生)

http://amzn.to/2xW5Vw4


“囚慈”“θ郎(しーたろう)”“キイロ”。“市川櫻介”の体には3人の人間が住んで
いる。小学校時代、人気者だった彼らはいじめられている“華の実”を救い、忘れられない
思い出を共有するが彼女は突然転校する。空虚な思いを胸に高校生活を始めるのだが──。

表層と観覧席の入れ替わり方やその表現など工夫されていて、キャラクターの差異が明確に
なっていることもあり多重人格であることに混乱することもなく自然に読めるのがまず凄い。
“市川櫻介”の中だけでもやりとりは見ていて面白く、反応する“華の実”の様子も楽しい。

“囚慈”たちと高校で再会した“華の実”が、なぜ「多重人格ごっこ」をもう一度やろうと
持ち掛けたのか。その理由が明らかとなっていくと共に訪れる彼女の変化を“囚慈”たちが
どう受け止めるのか。その描写は切なく、そして心温まる良質な恋愛モノでした。流石です。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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