2017年09月04日

『蓮見律子の推理交響楽 比翼のバルカローレ』

杉井光 先生が贈る新作は、天才音楽家から作詞を依頼されることになった何の由来もない
大学留年生が名門音楽一家に纏わる事件に遭遇しその調査にも巻き込まれる顛末を描きます。
(イラスト:ろこる 先生)

http://taiga.kodansha.co.jp/author/h-sugii.html#link9784062940832


詩情が理解できない、と豪語する音楽家“律子”が映画の主題歌を作るにあたり目を付けた
アフィリエイトブロガーの“理久央”。大学の講座で出会った“美沙”、その弟で“律子”
に作曲の依頼をする“湊人”などとの関わりから何とか作詞の契機を得ようとするが──。

冒頭から先生らしい文章に安堵しつつ、やりたい放題な“律子”、ピアニストとしての夢を
諦めざるを得なかった“美沙”、姉との確執が深い“湊人”。翻弄される“理久央”の言動
を堪能しつつ、彼は作詞できるのか? などと言っていられない事件の発生から話は急展開。

状況証拠から犯人を断定する警察の動きに納得がいかない“律子”が辿り着いた99%の理由。
残り1%を埋める“理久央”の閃きに至るまでに散りばめられた、音楽の歴史と布石の数々。
ピアノに隠された真意に触れた瞬間は深く静かに心動かすものがありました。オススメです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル
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