さとみ桜 先生の「第23回電撃小説大賞・銀賞」受賞作。幼馴染の友人が奉公先から暇を
出された原因となる妖怪記事を書いた記者に押し掛けた女性が結ぶ奇妙な縁を描きます。
(イラスト/銀行 先生)
【 http://mwbunko.com/978-4-04-892676-8/ 】
「で、そのふざけた記事がどうかしたのかな?」記事を書いた“久馬”の悪びれもしない
態度に怒りをあらわにする“香澄”。だが事情を突き詰めるとむしろ友人を助けるための
記事であったと知り、元凶たる奉公先の主人を懲らしめる手助けの乗り出すのだが──。
役者崩れの“艶煙”と共に妖怪の逸話をネタと小新聞を武器にある時は人助け、ある時は
悪者を懲らしめる展開がまず面白い。何度も手を貸す“香澄”が“久馬”の食えない言動
を前にして少しずつ彼への印象を変えていく機微の描写もポイント。絶妙な距離感です。
そんな“久馬”の従妹が神隠しに遭っていた、と知る“香澄”。その裏側にある彼の秘密
に気付いた彼女がある依頼をすることを決断した第四話の話運び。これがまた良かった。
妖怪記事がもたらした縁がどう変化していくのか、ぜひ読んで確かめてほしい作品です。
2017年04月18日
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