佐野徹夜 先生の「第23回電撃小説大賞・大賞」受賞作。皮膚が光る不治の病で余命僅かの
級友の少女を、会ったこともないという少年が見舞うことで動き始めていく愛を描きます。
(イラスト/loundraw 先生)
【 http://mwbunko.com/978-4-04-892675-1/ 】
「発光病」により病室での生活を余儀なくされる“まみず”に向けて級友たちが書いた
寄せ書きを代理で届けることになった“卓也”。死ぬ直前の姉と様子が似ていたことに
何かを感じた彼は、彼女が「死ぬまでにやりたいこと」を代行しようと提案する──。
“まみず”が大事にしていたスノードームを壊した、という代償に乗ってあれやこれや
と“卓也”にお願いをしていく顛末は「彼女に余命がない」という事実を払拭するかの
ような楽しさを感じさせます。ですが、確実に迫る彼女の死を拭うことはできません。
いつしか心惹かれあう二人となった“まみず”と“卓也”が愛する人を残し奪っていく
死という絶望に対してどう結論を出すか。中原中也のある詩に引かれた線、その続きに
ある想いと、彼女からのお願いを受け止めた彼の決断をぜひ見届けてほしい秀作です。
2017年03月13日
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