『カレントテイル』から久しぶりの上梓となる 弥生志郎 先生の新作は、一人の体に複数の
人格が生まれる現代病をテーマに、とある兄と妹たちの繊細な機微を描く青春群像劇です。
(イラスト:高野音彦 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1352 】
家庭的で控えめな“藍里”、走ることが好きで活発な“茜”、孤独にロックを愛する“蘭香”。
〈シノニム〉により3人の人格をもつ妹たちと、時折「誰か」を当てる「かごめゲーム」に
興じる“統哉”が突如、妹からキスをされる。想いを告げたのが「誰か」も分からずに──。
主人格が心の傷を癒すために別人格を用意するのが〈シノニム〉なら別人格を必要としない
くらい主人格の心の傷が癒えたらどうなるか。個性的な人格の妹たちが、自分たちのしたい
こと、何よりも主人格のことを想って精一杯臨んでいく様子がとてもまぶしくて、切なくて。
「プロローグ」から「エピローグ」へ向かうまでの間に意外性十分な話の切り返しもあり、
読了後も実に良い余韻が残るだと感じました。久しぶりに拝見した 高野 先生のイラストも
作品の雰囲気に合っていて申し分ないと思います。新作の中でもオススメできる一冊かと。
2015年08月31日
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